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52話 7日目 犬耳の少女・完
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サイゼルの村へ戻った頃、辺りが暗くなっていた。
「んじゃ、俺は帰るか。」
イリウムと別れ、俊達は宿へと向かう事にした。
「私《わたくし》思ったのですけれど、イリウム様はそのまま帰って、大丈夫ですの? お亡くなりになっていた方が、急に現れたら大騒ぎになると思うのですけれど。」
「まぁ、そこは自分でどうにかするんじゃないですかね。 イリウムさんに関しては二三日、帰っていなかっただけとも言い切れますし。 それよりもチィナさん達ですね。 いくら歩いていると言っても、振れれないので、その時の言い訳を考えておいたほうが良いと思います。」
「トオルのいる世界にゃと、こういう時はどうするにゃ?」
「いや、幽霊がいたら普通は逃げますね。 触れない、よく分からない、怖そうって意識が強いですね。 ただ、自分に関係のある人以外が無くなってるとしても、気づかないのと、死人であるとは思わないでしょうから、案外気にならないかもしれませんが・・・?」
「どうゆう事にゃ?」
「そうですね。 友人とかそういう関係のある人以外が、この道を歩いてるとしても、気に留めないと思うんです。 その中にチィナさんみたく、幽霊が紛れても分かりませんよね? カニャアンさんは匂い?で分かるかもですが。」
「にゃるほどにゃ~ 今まで気にかけた事にゃかったにゃ。」
実際は、周りの匂いで分からない可能性もあると思うが、紛れててもおかしくはない。 気づかないから発見されないという訳である。
宿までついた俊、ノベール、カニャン、チィナ、にゃんちゃんの四人と一匹は女将さんに、もう一部屋借りれないかの交渉をするも、空いていなかった。
「仕方ないですね。 現在は二部屋を借りていますから、別れましょうか。 あとは寝るだけですし。」
「それでしたら私とトオル様。 カニャン様、チィナ様、にゃんちゃん様で別れればよろしいのですわ!」
「いえ、男女別でしょ。」
「一度一緒に寝ているのですから、今さらではなくて?」
「二人共、仲良いの~ チィナも一緒に寝るの。」
さすがに夫婦でもない女性と寝るのはまずい。 ノベールに至ってはモデルと言っても良いぐらいの美人であり、チィナに至ってはまだ学生くらいの外見だ。 万が一はないだろうが、0ではないと二人を説得する。
「あら? 私は構いません事よ? ふふ。」
「チィナは触れないから問題はないの~」
断ろうに断れない状況である。
「わかりました・・・。 では先に着替えるなりどうぞ。」
男女で別れる事を諦め、ノベール達を先に部屋で着替えるよう移動させた。
男女同じ部屋になるとさすがに緊張をしてしまい、眠れないだろうと、カウンターに移動しお酒を飲む事にした。 お酒を飲んでさくっと寝てしまうという訳である。
「すいません、ビールをお願いします。」
「ビール? なんだいそれは。 うちにあるのは果実酒とエールだよ?」
ビールがないのであれば仕方ない。 エールを頼む事にした。
エールを飲んでいると、カニャンが呼びに戻ってきた。
「ニョベールが呼んでるにゃー」
俊はエールを飲み干し、部屋へと向かった。
「トオル様、お酒を飲むならお誘いしてくれても、良かったのですけれど?」
「いえ、寝る為に飲んだようなものですから。」
守りが硬い俊にノベールは呆れた。
「中々折れませんわね。 まったく・・・。」
普通であれば言っている事が逆になるのだが、一度女王となった人なだけあり、堂々としている。
一体、僕の何処が良いのか分からない。
お酒も回り、眠くなった俊は、ベットに横になり、眠りについた。
「本当に、寝てしまわれましたわ・・・。」
「早いのー!」
「そういえば、チィナ様? お伺いしたいのですけれど、トオル様の奥様とはどういった方でしたの?」
ノベールの話に、無邪気に俊の事を応えていくチィナだった。
-----現在のバグ一覧-----
-----バグ?不明-----
監視期間を過ぎて息を吹き返す。
-----調査-----
次元眼は未来も見える?
魔法の威力について
「んじゃ、俺は帰るか。」
イリウムと別れ、俊達は宿へと向かう事にした。
「私《わたくし》思ったのですけれど、イリウム様はそのまま帰って、大丈夫ですの? お亡くなりになっていた方が、急に現れたら大騒ぎになると思うのですけれど。」
「まぁ、そこは自分でどうにかするんじゃないですかね。 イリウムさんに関しては二三日、帰っていなかっただけとも言い切れますし。 それよりもチィナさん達ですね。 いくら歩いていると言っても、振れれないので、その時の言い訳を考えておいたほうが良いと思います。」
「トオルのいる世界にゃと、こういう時はどうするにゃ?」
「いや、幽霊がいたら普通は逃げますね。 触れない、よく分からない、怖そうって意識が強いですね。 ただ、自分に関係のある人以外が無くなってるとしても、気づかないのと、死人であるとは思わないでしょうから、案外気にならないかもしれませんが・・・?」
「どうゆう事にゃ?」
「そうですね。 友人とかそういう関係のある人以外が、この道を歩いてるとしても、気に留めないと思うんです。 その中にチィナさんみたく、幽霊が紛れても分かりませんよね? カニャアンさんは匂い?で分かるかもですが。」
「にゃるほどにゃ~ 今まで気にかけた事にゃかったにゃ。」
実際は、周りの匂いで分からない可能性もあると思うが、紛れててもおかしくはない。 気づかないから発見されないという訳である。
宿までついた俊、ノベール、カニャン、チィナ、にゃんちゃんの四人と一匹は女将さんに、もう一部屋借りれないかの交渉をするも、空いていなかった。
「仕方ないですね。 現在は二部屋を借りていますから、別れましょうか。 あとは寝るだけですし。」
「それでしたら私とトオル様。 カニャン様、チィナ様、にゃんちゃん様で別れればよろしいのですわ!」
「いえ、男女別でしょ。」
「一度一緒に寝ているのですから、今さらではなくて?」
「二人共、仲良いの~ チィナも一緒に寝るの。」
さすがに夫婦でもない女性と寝るのはまずい。 ノベールに至ってはモデルと言っても良いぐらいの美人であり、チィナに至ってはまだ学生くらいの外見だ。 万が一はないだろうが、0ではないと二人を説得する。
「あら? 私は構いません事よ? ふふ。」
「チィナは触れないから問題はないの~」
断ろうに断れない状況である。
「わかりました・・・。 では先に着替えるなりどうぞ。」
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男女同じ部屋になるとさすがに緊張をしてしまい、眠れないだろうと、カウンターに移動しお酒を飲む事にした。 お酒を飲んでさくっと寝てしまうという訳である。
「すいません、ビールをお願いします。」
「ビール? なんだいそれは。 うちにあるのは果実酒とエールだよ?」
ビールがないのであれば仕方ない。 エールを頼む事にした。
エールを飲んでいると、カニャンが呼びに戻ってきた。
「ニョベールが呼んでるにゃー」
俊はエールを飲み干し、部屋へと向かった。
「トオル様、お酒を飲むならお誘いしてくれても、良かったのですけれど?」
「いえ、寝る為に飲んだようなものですから。」
守りが硬い俊にノベールは呆れた。
「中々折れませんわね。 まったく・・・。」
普通であれば言っている事が逆になるのだが、一度女王となった人なだけあり、堂々としている。
一体、僕の何処が良いのか分からない。
お酒も回り、眠くなった俊は、ベットに横になり、眠りについた。
「本当に、寝てしまわれましたわ・・・。」
「早いのー!」
「そういえば、チィナ様? お伺いしたいのですけれど、トオル様の奥様とはどういった方でしたの?」
ノベールの話に、無邪気に俊の事を応えていくチィナだった。
-----現在のバグ一覧-----
-----バグ?不明-----
監視期間を過ぎて息を吹き返す。
-----調査-----
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魔法の威力について
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