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51話 7日目 犬耳の少女・⑥
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にゃんちゃんから受け取った日記を見て、膝から崩れ落ちる俊を見てノベールが日記の中を覗いていた。
「あら?トオル様? この内容ですと、奥様は一人のようですわ? あと二人いけますわね。 残りのお二人はどうなっておりますの?」
「!?」
ノベールに三人の嫁の実態がバレかけている。
「これはチィナさんが見た光景だけですから、書かれていないだけですよ。」
「お兄ちゃん、その人だけなの。」
「!?」
「トオル様?」
チィナには全てばれているのかもしれない。 そもそもあまり、結婚に対して良い印象を持っていない。 趣味に許容のある人であれば考えるのだが、現実はそう甘くはなかった。
「えーと・・・今はこの獣人男性の件を解決が優先ですね!」
ノベールが青筋を浮かべ、俊を指で突いてくる。
「これが終わったら、ご説明お願いいたしますわ?」
「はい。」
逃げきれなかった。
ハーレム展開や、家族を助けて惚れるのはアニメだけの話にして頂きたい。 そもそも普段はショップ業務で体を動かすこともない。 僕に女性の相手をする体力はないのだ。 特に夜なんて無理なのだ。
チィナの件は解決し、問題である噂の獣人へと話しかける。
話を聞くと、この獣人は名をイリウムという名前らしく、墓地で目覚めたのは二日程前との事だ。
「二日・・・なら肉体は大丈夫でしょうか? 掘り起こすにしても・・・うーん。」
「俺って死んでないんだろ? なら掘り起こしてくれ。 まだ結婚もしてないってのに!」
本人イリウムの希望でお墓を掘り起こす事となった。 普通なら冒涜的行動となるが、本人至っての希望では仕方がない。
掘り起こす道具がない為、俊の持っている槍を使う事にした。
すいません、ダーリングさん・・・使い方が間違っているのは分かってます・・・。
心の中で謝罪をした。
お墓を掘り起こすと棺桶が出てきた。
「イリウムさん、現在は幽霊ですから棺桶の中を見て頂いても?」
「ん? わかった。」
棺桶の中をイリウムは覗くが、暗くて見えないとの事だ。
「それはそうですよね・・・。 腐敗してた場合を考慮して見えるかなーと少し思ったんですが、開けましょうか。」
棺桶の数か所に釘のようなものが、撃ち込まれていたが、槍を横から刺し、てこの原理でこじ開けた。
「腐敗はしてなさそうですね。」
「んで?これから俺どうすりゃ良いんだ?」
「うーん・・・重なるように寝てみては?」
ノベール、カニャン、チィナが見守る中、イリウムは自分の体に重なっていく。
「特に何も起きないように感じるが・・・。」
幽体ではなく体が起き上がった。
「いえ、もう元の体になってますよ?」
「お? お? おぉ?」
イリウムは自分の体を触り確認している。
「どれ?」
自分のズボンの中を確認した。
「にゃにしてるにゃ!」
カニャンがイリウムを逆毛を立て威嚇する。
「悪い悪い。 息子の様子をな。」
「イリウムおじさん、そこに息子さんもいたの? 棺桶の中で一人って可哀相なの!」
イリウムの表情が曇る。
「わ、悪い。 冗談だ。」
にゃんちゃんがイリウムの顔を引っ搔いた。
「チィナニ悪影響ダ。 ヒカエヨ。」
こうして、二人の問題も解決したと思われたが、もう一つの問題が出てきた。
「チィナガココカラ移動デキル事ハ良イノダガ、人前ニ出テ大丈夫ナノカ?」
「大丈夫・・・ではありませんね。 肉体はないので、物に触れる事も出来ませんし、自然体にしていればすぐには気づかないとは思いますが、バレると面倒な事になると思います。」
「やー・・・ 困ったの」
チィナの肉体としては寿命を全うしている為、神様へのお願いもできない。 下手にするとバグが発生するかもしれないからだ。
そうなると、一緒にバグ探しをするか、イリウムと行動をするかだが、ここは一緒にバグ探しをした方が良いかもしれない。
「チィナさんはその眼で僕を見ていた。との事ですけど、変わった事象を探してるというのはご存知で?」
「んー、わからないの。 でも多分、手伝えるの」
ノベール、カニャンと話し合いをした結果、一緒に行く事にした。
「では一緒に変わった事象探しをしますか?」
「面白そうなのー!」
「我モチィナト一緒ニ行クゾ」
こうして一人と一匹が合流したのだった。
-----現在のバグ一覧-----
-----バグ?不明-----
監視期間を過ぎて息を吹き返す。
-----調査-----
次元眼は未来も見える?
魔法の威力について
「あら?トオル様? この内容ですと、奥様は一人のようですわ? あと二人いけますわね。 残りのお二人はどうなっておりますの?」
「!?」
ノベールに三人の嫁の実態がバレかけている。
「これはチィナさんが見た光景だけですから、書かれていないだけですよ。」
「お兄ちゃん、その人だけなの。」
「!?」
「トオル様?」
チィナには全てばれているのかもしれない。 そもそもあまり、結婚に対して良い印象を持っていない。 趣味に許容のある人であれば考えるのだが、現実はそう甘くはなかった。
「えーと・・・今はこの獣人男性の件を解決が優先ですね!」
ノベールが青筋を浮かべ、俊を指で突いてくる。
「これが終わったら、ご説明お願いいたしますわ?」
「はい。」
逃げきれなかった。
ハーレム展開や、家族を助けて惚れるのはアニメだけの話にして頂きたい。 そもそも普段はショップ業務で体を動かすこともない。 僕に女性の相手をする体力はないのだ。 特に夜なんて無理なのだ。
チィナの件は解決し、問題である噂の獣人へと話しかける。
話を聞くと、この獣人は名をイリウムという名前らしく、墓地で目覚めたのは二日程前との事だ。
「二日・・・なら肉体は大丈夫でしょうか? 掘り起こすにしても・・・うーん。」
「俺って死んでないんだろ? なら掘り起こしてくれ。 まだ結婚もしてないってのに!」
本人イリウムの希望でお墓を掘り起こす事となった。 普通なら冒涜的行動となるが、本人至っての希望では仕方がない。
掘り起こす道具がない為、俊の持っている槍を使う事にした。
すいません、ダーリングさん・・・使い方が間違っているのは分かってます・・・。
心の中で謝罪をした。
お墓を掘り起こすと棺桶が出てきた。
「イリウムさん、現在は幽霊ですから棺桶の中を見て頂いても?」
「ん? わかった。」
棺桶の中をイリウムは覗くが、暗くて見えないとの事だ。
「それはそうですよね・・・。 腐敗してた場合を考慮して見えるかなーと少し思ったんですが、開けましょうか。」
棺桶の数か所に釘のようなものが、撃ち込まれていたが、槍を横から刺し、てこの原理でこじ開けた。
「腐敗はしてなさそうですね。」
「んで?これから俺どうすりゃ良いんだ?」
「うーん・・・重なるように寝てみては?」
ノベール、カニャン、チィナが見守る中、イリウムは自分の体に重なっていく。
「特に何も起きないように感じるが・・・。」
幽体ではなく体が起き上がった。
「いえ、もう元の体になってますよ?」
「お? お? おぉ?」
イリウムは自分の体を触り確認している。
「どれ?」
自分のズボンの中を確認した。
「にゃにしてるにゃ!」
カニャンがイリウムを逆毛を立て威嚇する。
「悪い悪い。 息子の様子をな。」
「イリウムおじさん、そこに息子さんもいたの? 棺桶の中で一人って可哀相なの!」
イリウムの表情が曇る。
「わ、悪い。 冗談だ。」
にゃんちゃんがイリウムの顔を引っ搔いた。
「チィナニ悪影響ダ。 ヒカエヨ。」
こうして、二人の問題も解決したと思われたが、もう一つの問題が出てきた。
「チィナガココカラ移動デキル事ハ良イノダガ、人前ニ出テ大丈夫ナノカ?」
「大丈夫・・・ではありませんね。 肉体はないので、物に触れる事も出来ませんし、自然体にしていればすぐには気づかないとは思いますが、バレると面倒な事になると思います。」
「やー・・・ 困ったの」
チィナの肉体としては寿命を全うしている為、神様へのお願いもできない。 下手にするとバグが発生するかもしれないからだ。
そうなると、一緒にバグ探しをするか、イリウムと行動をするかだが、ここは一緒にバグ探しをした方が良いかもしれない。
「チィナさんはその眼で僕を見ていた。との事ですけど、変わった事象を探してるというのはご存知で?」
「んー、わからないの。 でも多分、手伝えるの」
ノベール、カニャンと話し合いをした結果、一緒に行く事にした。
「では一緒に変わった事象探しをしますか?」
「面白そうなのー!」
「我モチィナト一緒ニ行クゾ」
こうして一人と一匹が合流したのだった。
-----現在のバグ一覧-----
-----バグ?不明-----
監視期間を過ぎて息を吹き返す。
-----調査-----
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