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42話 7日目 カニャン
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カニャンの姿は獣型から人型へ変化していた。
「トオル様?さすがに私《わたくし》でもわかりますわ。 これはバグ・・・ですわよね?」
「そういった特性がなければ・・・ですが・・・。」
カニャンから猫っぽさがほとんど消え、耳と尻尾だけが要素として辛うじて残っていた。
「これじゃコスプレしてる女の子・・・じゃないですか。」
「元に戻りますの?」
「なんとも・・・神様へ連絡ですね。 幸いカニャンさんは、気を失ってますし。」
急ぎクロクへ連絡を試みる俊は、UIから通話を行う。
「のじゃぁ・・・zzZ」
鳴らし続けても出なかった。
「繋がりませんね・・・。 メッセージを送っておきましょう。」
「私《わたくし》も見えるメッセージの方で、お送りお願い致しますわ! どちらかが気づけば、すぐ説明が出来ますし。」
「わかりました。」
俊はノベールも見えるグループメッセージに、カニャンの身に起きている状況を簡潔に入力した。
「これで見れば連絡がくるでしょう。 さて、念のためスライムの遺体は保管したいですが・・・カニャンさんの服も、用意しないとですね・・・。」
「ですわね。 色々とはみ出してますし・・・。 特にお胸が・・・。」
猫獣人から猫人へと変わった事により何かと大きくなっていた。
「着替えの服はさすがにありませんし、ノベールさんのマントをお貸しても?」
「そうですわね。 起きたらこのままセイザルの村に向かって、お洋服を買う事を提案しますわ!」
「浮かせたり出来れば早いんですけどね。」
「浮遊魔法ですとまだ各国が開発している状態ですわ。 想像はできますけれど原理が分かりませんの。」
原理・・・そもそも地球にないのでなんとも言えませんね。 重力と言っても伝わらない可能性もありますし・・・それを反転すると空に上がり続ける、という事になりそうですし。
「どうしましたの?」
何かを考えている俊にノベールは声を掛けた。
「いえ、浮遊魔法について考えていただけですね。 浮かせるだけならなんとなく原理はわかるんですが、一定の高さで止めれないなぁ・・・と。」
「それは困りますわね・・・。 現状では浮く方法を研究してる段階ですから、そこをすでにわかるトオル様も、すごいと思いますけれど。」
話をしているとカニャンは目を覚ます。
「んにゅー・・・。 あちし寝てたにゃ?」
「えぇ、スライムから逃げてこの木に激突して寝てましたね。」
カニャンは立ち上がろうとすると倒れ込む。
「にゃ? なんか力がうまく入らにゃいにゃ? にゃにゃ」
カニャンは手をバタバタして倒れそうになるも、木に持たれかかった。
「カニャンさん、それはスライムが原因の可能性が高いですね。」
「にゃ? どういう事にゃ?」
俊は予想である事を前置きし、獣型だった体が人型へと変わった事によって、今まで使っていた筋肉に変化が起きる可能性を伝えた。
「よくわからにゃいにゃー。 トオル!背負ってくれにゃ!」
「まぁ、目も覚ましましたし、良いですよ。」
俊はカニャンを背負い、ノベールと道を進んでいった。
「トオル様?思ったのですけれど、寝ている間にも背負って移動出来たのではありませんこと?」
「それは厳しいですね。 人は寝ていると力が入っていないので持ちにくくなるんです。 起きているとしっかり捕まったりできる分、運びやすいんですよね。」
「そうなんですのね。 ってカニャンさん? お止めください!」
カニャンが俊の頬をスリスリしている。
「嫌にゃー」
「なんでしょうかね。 猫の習性はあるんですね・・・。 出来れば背負うのは辞めたいところですが。」
「酷いにゃぁー トオルは酷いのにゃぁ」
「トオル様、お顔が少し赤くなっておりますわ。」
「さすがに背中の感触が・・・。」
ムニュっと背中に胸の圧が感じられる。
「変わりますわー! むしろ私《わたくし》を背負ってくださいまし?」
「ノベールさん、積極ですね・・・。 ただ、ここは男の僕が背負わないと沽券が・・・。」
俊の意見を優先し、見守るノベールだった。
-----現在のバグ一覧-----
-----バグ?不明-----
-----調査-----
魔法の威力について
「トオル様?さすがに私《わたくし》でもわかりますわ。 これはバグ・・・ですわよね?」
「そういった特性がなければ・・・ですが・・・。」
カニャンから猫っぽさがほとんど消え、耳と尻尾だけが要素として辛うじて残っていた。
「これじゃコスプレしてる女の子・・・じゃないですか。」
「元に戻りますの?」
「なんとも・・・神様へ連絡ですね。 幸いカニャンさんは、気を失ってますし。」
急ぎクロクへ連絡を試みる俊は、UIから通話を行う。
「のじゃぁ・・・zzZ」
鳴らし続けても出なかった。
「繋がりませんね・・・。 メッセージを送っておきましょう。」
「私《わたくし》も見えるメッセージの方で、お送りお願い致しますわ! どちらかが気づけば、すぐ説明が出来ますし。」
「わかりました。」
俊はノベールも見えるグループメッセージに、カニャンの身に起きている状況を簡潔に入力した。
「これで見れば連絡がくるでしょう。 さて、念のためスライムの遺体は保管したいですが・・・カニャンさんの服も、用意しないとですね・・・。」
「ですわね。 色々とはみ出してますし・・・。 特にお胸が・・・。」
猫獣人から猫人へと変わった事により何かと大きくなっていた。
「着替えの服はさすがにありませんし、ノベールさんのマントをお貸しても?」
「そうですわね。 起きたらこのままセイザルの村に向かって、お洋服を買う事を提案しますわ!」
「浮かせたり出来れば早いんですけどね。」
「浮遊魔法ですとまだ各国が開発している状態ですわ。 想像はできますけれど原理が分かりませんの。」
原理・・・そもそも地球にないのでなんとも言えませんね。 重力と言っても伝わらない可能性もありますし・・・それを反転すると空に上がり続ける、という事になりそうですし。
「どうしましたの?」
何かを考えている俊にノベールは声を掛けた。
「いえ、浮遊魔法について考えていただけですね。 浮かせるだけならなんとなく原理はわかるんですが、一定の高さで止めれないなぁ・・・と。」
「それは困りますわね・・・。 現状では浮く方法を研究してる段階ですから、そこをすでにわかるトオル様も、すごいと思いますけれど。」
話をしているとカニャンは目を覚ます。
「んにゅー・・・。 あちし寝てたにゃ?」
「えぇ、スライムから逃げてこの木に激突して寝てましたね。」
カニャンは立ち上がろうとすると倒れ込む。
「にゃ? なんか力がうまく入らにゃいにゃ? にゃにゃ」
カニャンは手をバタバタして倒れそうになるも、木に持たれかかった。
「カニャンさん、それはスライムが原因の可能性が高いですね。」
「にゃ? どういう事にゃ?」
俊は予想である事を前置きし、獣型だった体が人型へと変わった事によって、今まで使っていた筋肉に変化が起きる可能性を伝えた。
「よくわからにゃいにゃー。 トオル!背負ってくれにゃ!」
「まぁ、目も覚ましましたし、良いですよ。」
俊はカニャンを背負い、ノベールと道を進んでいった。
「トオル様?思ったのですけれど、寝ている間にも背負って移動出来たのではありませんこと?」
「それは厳しいですね。 人は寝ていると力が入っていないので持ちにくくなるんです。 起きているとしっかり捕まったりできる分、運びやすいんですよね。」
「そうなんですのね。 ってカニャンさん? お止めください!」
カニャンが俊の頬をスリスリしている。
「嫌にゃー」
「なんでしょうかね。 猫の習性はあるんですね・・・。 出来れば背負うのは辞めたいところですが。」
「酷いにゃぁー トオルは酷いのにゃぁ」
「トオル様、お顔が少し赤くなっておりますわ。」
「さすがに背中の感触が・・・。」
ムニュっと背中に胸の圧が感じられる。
「変わりますわー! むしろ私《わたくし》を背負ってくださいまし?」
「ノベールさん、積極ですね・・・。 ただ、ここは男の僕が背負わないと沽券が・・・。」
俊の意見を優先し、見守るノベールだった。
-----現在のバグ一覧-----
-----バグ?不明-----
-----調査-----
魔法の威力について
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