42 / 73
41話 7日目 南東の村へ
しおりを挟む
日が登り目覚めた俊は、ベットから起き上がると隣を見る。
「一緒に寝ただけですが、寝付けずに苦労しましたね・・・。 刺激が強すぎる。」
目の先には寝具に包まったノベールの姿がある。
先に起きてしまったと頭を抱えた俊だった。
しまった・・・。先に起きてしまうと、起こすかどうかで口論になる漫画もありましたね・・・。 中世の世界観がある作品って寝具剥ぐと下着姿だった! とかお約束ですけど、僕がするかどうか・・・。 ふふ、そんな度胸なんてあるわけないじゃないですか。
「トオル起きてるかにゃぁぁ!」
そこへノックをせずに部屋に入ってくるカニャンの姿が映る。
「起きてますよ。 ノベールさんはまだ寝てますけど。」
「ニョベール起きるにゃぁぁ!」
カニャンが寝具をはぎ取った。
そこにはネグリジェを来たノベールの姿があった。
いや、予想はしてましたが、いつ着替えるんですかね。 こういった場合って・・・。
「朝ですの? う~ん・・・。 寒いですわ。」
「トオルがニョベールと寝てたにゃ! おみゃいらそういう関係だったにゃ?」
「あら、カニャン様。 おはようございます。」
「いえ、違いますよ。 迫られてはいますけど・・・。」
「そうにゃのかにゃ? それよりにゃ! 今日はオーク領行きの馬車に乗るにゃ!」
酔い潰れていたカニャンにはまだ説明をしていなかったと、昨日の夜に調べた事象について説明する。
「んにゃ? 南東の村にゃ? 近くに墓地があるところかにゃ?」
「そうですね。 死人が蘇る。 これは不思議な状態だなと調査しようかと。」
「ですわね。 ただトオル様?蘇った場合はどうなりますの? 心当たりがあるような事をおっしゃってましたけれど。」
「それは見て確信すれば共有はしますよ。」
「よくわからにゃいけど、一緒に行くにゃ! アンティコーヌに見つからないうちに出発したいにゃ!」
話がまとまり、三人は食堂へ行き食事を楽しんだ。
「南東の村の名前を聞き忘れましたが、カニャンさんわかりますか?」
「南東の村はセイザルの村にゃ。 今から向かうと日の影が南を示す頃にはつくのにゃ。」
北を示す・・・12時くらいって事ですかね? なんか本で見た覚えがありますね。
「わかりました。 では向かいましょうか。」
南東の城門から出ようとした時、立札に手配者と書かれた紙が、張り出されていた。
「やっぱり脱獄してるにゃぁぁぁ! トオルたち早く出発するにゃぁぁ!」
「檻を破壊してましたからね。 まぁ予想は出来てた事ですが・・・。」
「罪が重くなりますのね。 仲の良い方だけモフモフしていればよろしいですのに。」
アンティコーヌの脱走を知った三人は、セイザルの村へと足を進めた。
小一時間ほど歩いた俊達の前に、何かが木から落ちてきた。
落ちてきたのはスライムだった。
「人肌に似てる色のスライムですね。 あれ、何のスライムなんでしょう?」
「見たことない色にゃ。」
「似た色のスライムで同化するスライムは見たことありますわ。 でもこんな色じゃなかったと思いますの。」
謎のスライムと出会った俊達は少し離れ、周りを移動する。
「分からないスライムは避けた方が無難ですね。 刺激しないように離れましょうか。」
避けて移動した俊達にスライムは飛び掛かった。
「にぎゃぁぁぁぁ! しっぽについたにゃぁぁ!?」
「剥がします!」
俊がカニャンのしっぽを掴んだ。
「握るにゃぁぁぁ!? しっぽ弱いにゃぁぁぁん!?」
涙目で走り出すカニャンの力に、引きずられる俊だった。
「わぷっ! ちょ、ちょっと!落ち着いてください!」
「トオル様ぁぁ!」
カニャンはパニックになった。
「離すにゃぁぁぁ! あっ」
大木に激突して倒れたカニャンに同じく勢いに負け衝突した俊はカニャンの上に落ちる。
「うげっ・・・。」
「お二人とも大丈夫ですの!?」
俊は起き上がろうと手を付いた。
ムニュ。
「トオル様、わざとですの? この光景少し前にも見た覚えありますわよ?」
青筋を浮かべるノベールに慌てて手を離す俊だった。
「どうみても事故ですよ!? カニャンさん、すいません。 胸を・・・。」
「・・・・・・。」
「気を失ってますわね。」
「それより、スライムは?」
スライムはカニャンの全身を包み込んだ。
「仕方ありませんわ! 雷衣体!」
「みゃみゃにゃにゃにゃにゃにゃ」
カニャンは感電し、スライムは溶けていった。
「「!?」」
カニャンの姿に変化があった。
-----現在のバグ一覧-----
-----バグ?不明-----
-----調査-----
魔法の威力について
「一緒に寝ただけですが、寝付けずに苦労しましたね・・・。 刺激が強すぎる。」
目の先には寝具に包まったノベールの姿がある。
先に起きてしまったと頭を抱えた俊だった。
しまった・・・。先に起きてしまうと、起こすかどうかで口論になる漫画もありましたね・・・。 中世の世界観がある作品って寝具剥ぐと下着姿だった! とかお約束ですけど、僕がするかどうか・・・。 ふふ、そんな度胸なんてあるわけないじゃないですか。
「トオル起きてるかにゃぁぁ!」
そこへノックをせずに部屋に入ってくるカニャンの姿が映る。
「起きてますよ。 ノベールさんはまだ寝てますけど。」
「ニョベール起きるにゃぁぁ!」
カニャンが寝具をはぎ取った。
そこにはネグリジェを来たノベールの姿があった。
いや、予想はしてましたが、いつ着替えるんですかね。 こういった場合って・・・。
「朝ですの? う~ん・・・。 寒いですわ。」
「トオルがニョベールと寝てたにゃ! おみゃいらそういう関係だったにゃ?」
「あら、カニャン様。 おはようございます。」
「いえ、違いますよ。 迫られてはいますけど・・・。」
「そうにゃのかにゃ? それよりにゃ! 今日はオーク領行きの馬車に乗るにゃ!」
酔い潰れていたカニャンにはまだ説明をしていなかったと、昨日の夜に調べた事象について説明する。
「んにゃ? 南東の村にゃ? 近くに墓地があるところかにゃ?」
「そうですね。 死人が蘇る。 これは不思議な状態だなと調査しようかと。」
「ですわね。 ただトオル様?蘇った場合はどうなりますの? 心当たりがあるような事をおっしゃってましたけれど。」
「それは見て確信すれば共有はしますよ。」
「よくわからにゃいけど、一緒に行くにゃ! アンティコーヌに見つからないうちに出発したいにゃ!」
話がまとまり、三人は食堂へ行き食事を楽しんだ。
「南東の村の名前を聞き忘れましたが、カニャンさんわかりますか?」
「南東の村はセイザルの村にゃ。 今から向かうと日の影が南を示す頃にはつくのにゃ。」
北を示す・・・12時くらいって事ですかね? なんか本で見た覚えがありますね。
「わかりました。 では向かいましょうか。」
南東の城門から出ようとした時、立札に手配者と書かれた紙が、張り出されていた。
「やっぱり脱獄してるにゃぁぁぁ! トオルたち早く出発するにゃぁぁ!」
「檻を破壊してましたからね。 まぁ予想は出来てた事ですが・・・。」
「罪が重くなりますのね。 仲の良い方だけモフモフしていればよろしいですのに。」
アンティコーヌの脱走を知った三人は、セイザルの村へと足を進めた。
小一時間ほど歩いた俊達の前に、何かが木から落ちてきた。
落ちてきたのはスライムだった。
「人肌に似てる色のスライムですね。 あれ、何のスライムなんでしょう?」
「見たことない色にゃ。」
「似た色のスライムで同化するスライムは見たことありますわ。 でもこんな色じゃなかったと思いますの。」
謎のスライムと出会った俊達は少し離れ、周りを移動する。
「分からないスライムは避けた方が無難ですね。 刺激しないように離れましょうか。」
避けて移動した俊達にスライムは飛び掛かった。
「にぎゃぁぁぁぁ! しっぽについたにゃぁぁ!?」
「剥がします!」
俊がカニャンのしっぽを掴んだ。
「握るにゃぁぁぁ!? しっぽ弱いにゃぁぁぁん!?」
涙目で走り出すカニャンの力に、引きずられる俊だった。
「わぷっ! ちょ、ちょっと!落ち着いてください!」
「トオル様ぁぁ!」
カニャンはパニックになった。
「離すにゃぁぁぁ! あっ」
大木に激突して倒れたカニャンに同じく勢いに負け衝突した俊はカニャンの上に落ちる。
「うげっ・・・。」
「お二人とも大丈夫ですの!?」
俊は起き上がろうと手を付いた。
ムニュ。
「トオル様、わざとですの? この光景少し前にも見た覚えありますわよ?」
青筋を浮かべるノベールに慌てて手を離す俊だった。
「どうみても事故ですよ!? カニャンさん、すいません。 胸を・・・。」
「・・・・・・。」
「気を失ってますわね。」
「それより、スライムは?」
スライムはカニャンの全身を包み込んだ。
「仕方ありませんわ! 雷衣体!」
「みゃみゃにゃにゃにゃにゃにゃ」
カニャンは感電し、スライムは溶けていった。
「「!?」」
カニャンの姿に変化があった。
-----現在のバグ一覧-----
-----バグ?不明-----
-----調査-----
魔法の威力について
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる