異世界デバッグ物語 ~新たな世界はバグまみれ~

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40話 6日目 死者の復活?

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城門で入国手続きが終わり、三人は飯屋に来ていた。

「うみゃいにゃ! 小魚の串焼きは最高にゃ!」

カニャンさんが食べてるのししゃもっぽいですね。 地球だとカラフトシシャモで海外産でしたっけ? まだ一週間も経ってないですが、故郷の味が懐かしく感じますね・・・。

「僕も一本頂きましょうかね。」

「トオル様?こちらの筒に串は入れてくださいましね。」

女王をしていたノベールは意外にも庶民的な食べ物も抵抗ないようだった。

三人で食事を楽しみ、宿へと向かう途中、先程別れたアンティコーヌが叫んでいた。

「離すであります! あたしはモフモフを楽しんでいただけでありますよ!」

「それが問題なんだ! ほら、早く入れ!」

何かの建物に引っ張られていくアンティコーヌだった。

「悪は滅びたにゃ・・・。」

その言葉こっちにもあるんですね・・・。 脱獄しそうですけど。

「トオル様、あそこが今夜泊まる宿になりますわ。」

「では泊まる手続きをしてゆっくりしましょうか。」

手続きをしていると宿屋の主人が目くばせをした。

「ん?」

「二部屋でよろしいですか?」

「大丈夫ですわ!」

主人から鍵を手渡された。

俊に一本、カニャンに一本ずつだ。

どうやら、今回はしっかり別れたみたいですね。

安心した俊は城下街に不思議な事象がないか確認をする事にした。

「わたくしも手伝いますわよ?」

「あちしは飲みに出てくるにゃー」

俊とノベールは別れて調査に出た。

アンティコーヌの犠牲になった警備隊、ジンクを見つけ話をしていく。

「不思議な事? そんなのアンティコーヌしかないだろ・・・。 何人が犠牲になってるんだか・・・。」

「アンティコーヌさんはそういう生き物と見てもらうしか・・・、他にはないですか?」

「ほかにか? あぁ、それなら王都から少し離れてる所で死んだ獣人が、生き返ったって話を聞いたな。」

ジンクに詳しく話を聞き、離れようとした時、呼び止められる。

「なぁ、モフモフってなんなんだ? 荒げない自分が情けないのだが・・・。」

そう言われても過激な愛情としか知りませんし・・・本人に聞くしか?

「アンティコーヌさんに聞くしか・・・まぁ、多分愛情の一部じゃないですかね?」

話が終わった頃、夜を迎えていた。

「相談の時間もほしいですし、今日は戻りますか。 ノベールさんにも知らせておきましょう。」

ノベールにメッセージを送り戻る旨を伝えた。

宿まで戻った二人はカニャンが戻るまで部屋で調べた内容をしようと部屋の扉を開けた。

部屋内にはベットが二つあった。

「あれ?僕の部屋一人部屋で?」

「あら、主人の方が笑ってらっしゃったではありませんの。 そうゆう事だと思っておりましたわよ?」

頭を抱えた俊だった。

「と、とりあえず共有しましょうか・・・。」

「では私《わたくし》の方からですわね。 白銀猫ニャンリルの話が多く出ましたわ。 目撃情報として南東にある墓地の近くで良く見られるそうですわ。」

「方向的にちょうど良いかもしれませんね。 ジンクさんに聞いたところ、最近死んだ獣人が生き返った事があるそうです。」

「蘇るとは不思議ですわね。 でも無くなって翌日に偶然、息を吹き返したって話を聞いた事ありますわよ?」

「それは僕のいた世界でも聞いた事はありますね。 ただ人づてなので見ない事には真実かどうかって、不明なんですよね。 調査の必要はありますね。」

「わかりましたわ。 トオル様の世界ではそういった話もある。っとおっしゃってましたけれど、似たお話もございますの?」

考え込む俊だった。

似た話と言えばゾンビや幽霊、キョンシーなど色々ありましたね・・・。 たしかクロクさん曰く地球の場合は転生先の順番待ちって言ってましたっけ。 となるとこの世界は出来て間もない・・・ゾンビとかありえるんですかね。

「似たような話はありましたけど、この世界でそれが在り得るっていうと無いような気がするんですよね。」

「そうですの? 今度お話を聞かせてくださいまし。 トオル様の世界の事、気になりますの。」

「わかりました。 そのうち・・・。」

牢かから女性の声が聞えた。

「トオルにゃー! 何処いるにゃー! カニャンちゃんが帰ったにゃー! にゃはぁ」

「だいぶ酔ってる感じですね・・・。 懐かれる事、した覚えないんですけどね。」

「あら、トオル様。  何か獣人に感じれる物があるのではないかしら? カニャン様もおっしゃってましたし。」

首を傾げ考えるも浮かばなかった。

廊下でカニャンが俊を探していた為、ノベールが呼びに向かった。

「カニャン様、こちらですわ!」

「いたにゃぁ!」

俊の部屋に入ったカニャン俊に飛びついた。

「にゃぁ。 俊の匂いにゃぁ! ゴロゴロ」

「うぐっ、力が強い! ノベールさん助けてください!」

ノベールは俊にジト目を向けている。

「楽しんでませんこと? 振り払えますよね?」

「無理ですって! 力が強くて!」

ノベールは俊からカニャンを引きはがす。

「にゃぁぁ! もう少しこのままが良いにゃぁぁ!」

「なんでこんなにくっ付いてくるんです!? 何も僕してませんよ!?」

「何でも良いにゃぁ!」

カニャンの胸に頭を抱え込まれた。

「むぐぅ! むぐぅ!」

「ほら、カニャン様。 酔い過ぎですわよ?」

いつものノベールに比べ冷たい声にカニャンが飛びのいた。

「寒気がしたにゃ!? 何にゃ!何にゃ!?」

「ほら、カニャン様のお部屋はお隣ですから、今日はお休みなさって?」

「・・・・。にゃん。」

カニャンは隣の部屋へ向かった。

「ふぅ・・・大変でした。 助かりました。 ノベールさん。」

「トオル様?こんなにも貴方を見ている女性がいるのですから、私《わたくし》を見るべきではないかしら?」

「ノベールさんが綺麗な事は分かります。ですが以前にも行ったように、まだ僕にその気がないんですよ。」

「その気にすればよろしくて?」

「今はやめてほしいかなぁ・・・と」

ノベールと少し揉めた俊はノベールに押し切られ、同じベットに眠りについたのだった。






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