異世界デバッグ物語 ~新たな世界はバグまみれ~

イノベル

文字の大きさ
上 下
35 / 73

34話 5日目 捕獲

しおりを挟む
クロクからのメッセージを見たノベールが俊に半透明な窓に、表示されている内容を聞いてくる。

「草ってなんですの? 神様がお求めになっているのかしら?」

「いえ、これは笑いを表現してるんです。 僕のいた世界ではこういうメッセージのやり取りをする時、一部はwwwと入力します。これが草が生い茂っているように見えるので、草とか大草原など言われてますね。」

「はぁ・・・?そうですの? 神様が笑ってらっしゃいますのね。」

「あとで返信をするとしてノベールさん、僕出てますので着替えを・・・。」

俊は部屋を出て呼ばれるのを待つことにした。

ノベールが呼ばれ部屋に戻った俊はメッセージに返信を行う。

俊:クロクさん、覗きですか? さすがポンコツ神様、まじぱないっす。

クロク:な、なんか、いつもの俊と違うのじゃが、怒っておるのじゃ?

俊:いや、MMOや一部ゲームの癖でしゃべるのと、メッセージなどイメージ違うだけだな。

クロク:メンドクサイ奴なのじゃ。

俊はクロクの覗き行為に爆弾として威力固定の魔法のリストを送り付けた。

クロク:なぁ、俊。これ全部見るんじゃ?多いのじゃが?

俊:しらん。やれ。

クロク:のじゃぁぁぁぁぁ!いつもの俊より冷たいのじゃぁぁぁぁ!

俊はメッセージを閉じて溜息を吐いた。

「トオル様?神様に言い過ぎじゃありませんこと?」

「良いんです。僕もある意味、被害者なので・・・」

神様とのやり取りの説明を終えた俊だったが、窓の外から悲鳴が聞こえた。

「にぎゃぁぁぁぁぁ!なめろにゃぁぁぁ!またお前かにゃぁぁぁ!?」

「これ、アンティコーヌさんでしょうね。」

「ですわね・・・。」

窓から外を覗いた俊はアンティコーヌたちを見ていた。

「クンカクンカクンカ!はぁ溜まらないのでありますぅ!」

「やめるにゃぁぁぁぁぁ! もう嫌にゃぁぁぁぁ!」

二人の元へ獅子型の獣人が近づいてアンティコーヌを捕まえる。

「また、君かアンティコーヌ・・・。今日は許さんぞ!」

「はぁはぁ、獅子獣人も溜まらないでありますぅ! クンカクンカクンカクンカ!」

「こら!やめろ! はっはっ、離せ!」

猫型獣人は今だと逃げて行った。

「あぁぁぁ!カニャンちゃぁぁぁぁん!」

アンティコーヌは獅子型獣人に抱き着いたまま、交番のような所へ連れていかれた。

「何だったんでしょうね。」

「被害者が減る事をお祈りいたしますわ。」

騒動が終わり、二人は大人しく眠りについた。

-----クロク side-----

「はぁ・・・俊め、威力固定の魔法全部送ってきよって・・・わし休みたいのじゃ。」

一覧を見つめているクロクは記載がある魔法を調べていく。

「ふむ、これは固定のまま制限で良いじゃろ。 光球ライト篝火トーチは制限はずすと、魔力値によっては大火傷になるくらい温度を出すようじゃな。 このままかの。」

水球ウォーターボールで目を止めるクロクは考えた。

これ、大きさが変わるんじゃな。 ほかにも水量が増える・・・悩ましいのじゃ。 災害なんか起きた時には飲み水に使えるしのぉ。 これは保留じゃな。

木槍ウッドランスは固定制限解除じゃな。 刺さるほど強度がないようじゃ。 おろ?腕力上昇《パワーアップ》のパラメータおかしいのじゃ。 筋力が上がるはずなのに上昇値0なのじゃ。 修正じゃな。」

作業を終えたクロクは執務室を出て、寝室へ移動した。

「さて、終わったし俊にメッセージで終わった事を伝えておくのじゃ」




-----現在のバグ一覧-----



-----バグ?不明-----

-----調査-----
魔法の威力について
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…

小桃
ファンタジー
 商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。 1.最強になれる種族 2.無限収納 3.変幻自在 4.並列思考 5.スキルコピー  5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅

聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

ダンジョン美食倶楽部

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
長年レストランの下働きとして働いてきた本宝治洋一(30)は突如として現れた新オーナーの物言いにより、職を失った。 身寄りのない洋一は、飲み仲間の藤本要から「一緒にダンチューバーとして組まないか?」と誘われ、配信チャンネル【ダンジョン美食倶楽部】の料理担当兼荷物持ちを任される。 配信で明るみになる、洋一の隠された技能。 素材こそ低級モンスター、調味料も安物なのにその卓越した技術は見る者を虜にし、出来上がった料理はなんとも空腹感を促した。偶然居合わせた探索者に振る舞ったりしていくうちに【ダンジョン美食倶楽部】の名前は徐々に売れていく。 一方で洋一を追放したレストランは、SSSSランク探索者の轟美玲から「味が落ちた」と一蹴され、徐々に落ちぶれていった。 ※カクヨム様で先行公開中! ※2024年3月21で第一部完!

世の中は意外と魔術で何とかなる

ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。 神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。 『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』 平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~

はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。 俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。 ある日の昼休み……高校で事は起こった。 俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。 しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。 ……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!

処理中です...