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32話 5日目 やばい人、現る。

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「私の・・・猫ちゃんが・・・うぅぅ・・・酷いであります!」

「嫌がってたじゃないですか。 一定の距離くらいは大事にしてください。」

「でも、最後はみんなツヤツヤになって帰してるんでありますよ! 何人かは定期的に来るであります!」

「そ、そうですか。でもさっきの方は駄目ですよ。」

「はぁ・・・また次のえも・・ゲフンゲフン お友達を探すとするでありますよ。 ところでここに人族がいるって珍しいでありますな。」

「はい、魔族領から来たばかりですが。」

なるほど、とフードの女がフードを外す。

「まぁ、あたしも人族でありますが! 何しに獣人族の領へ? まさか!? ライバルでありますか!」

「たしかにモフモフは好きですが、貴方程では・・・。」

二人の話に付いて行けずノベールは頭を抱える。

「トオル様、ここじゃ目立ちますし移動されてはいかがかしら?」

「そうですね。」

「では、オススメの料理屋で話をするでありますよ! あたしはアンティコーヌと言うであります!」

俊とノベールは名前を告げ、アンティコーヌの後に続き料理屋へと向かった。

「ここはあたしのオススメ! ウルフバングでありますよ!」

ついたのは肉料理屋だった。

なんか名前に似てる肉料理店ありましたね・・・。

三人は個室を借り、メニューから料理を選んでいった。

「それでトオル殿!この村はどうでありますか! 犬耳、猫耳、狐耳、兎耳などたくさんの獣人族がいるパラダイスでございましょう!?」

「言いたい事もわかりますが、もう少し控えめにした方が向こうからも、近づいてくるのでは?」

「その、トオル様?この方はトオル様の同郷ですの?」

「違いますね。ただ、何処でも一定数はいるんです。 ケモナーという特性持ちが・・・。」

「なんでありますか!その素敵な名前は! ケモナー・・・! おっほ、溜まりませんな! おっと、よだれが。」

「こういう人をケモナーと言いますね。」

アンティコーヌを呼び刺し説明をした。

「変わった方もいらっしゃるのね・・・・・。」

顔が引きつるノベールに、極少数ですよ。と俊は付け加えておいた。

「しかし!あたしもただただモフモフをしている訳では、ないんでありますよ!」

「ただただしてるだけにしか見えませんが・・・。」

ですわね。と頷くノベール。

「ふふ、ふふふふふふ! それはっ! 森に済む白銀の猫をモフモフする為であります!」

「白銀の猫?狼じゃなくてですか?」

「そうであります! 見た目はすっごいふわっふわ!でも毛が硬く、すばしっこいのであります!」

「ふわふわなのに毛が硬いって矛盾してますが・・・。」

「良いであります! それをモフモフする為の修行として、獣人の皆さんには協力してもらっているでありますよ!!」

俊も顔を引きつらせた。

「ちなみにその白銀の猫の名称は?」

「ニャンリル・・・と言われてるであります!」

フェンリルじゃねーのかよぉぉぉぉ! はっ、落ち着いて・・・。 ふぅ。

「そ、そうですか・・・。捕まると良いですね。」

貴方が・・・。

と、心の中で思っていたのだった。




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