上 下
31 / 73

30話 5日目 馬車の旅へ

しおりを挟む
路地裏まで移動した俊はクロクへ連絡を行った。

「またバグなのじゃ!?」

「いえ、違いますね。」

クロクは安堵の息を吐く。

「それで、どうしたのじゃ?」

俊はカメラの件ともう一つの要望を伝えた。

「もう一つは、今後クロクさんと連絡が取れない、緊急時にはこう連絡も取れない場合が出てきますよね?そして今回クロクさんは知っていたようですが、ノベールさんと旅をする事になりました。」

「知っておるのじゃ。どうじゃ?サプライズじゃろ?美人が真横にいるんじゃぞ?嬉しいじゃろ?」

なんでしょう。背景に【wwwwwww】と草が生えてるように見えてイラっとしますね。

「カメラの件にしても気まずいですよ?ノベールさんに言える事じゃないですし・・・。それよりもです。連絡の代用手段として地球でもあるメッセージ機能を作って頂けませんか?マップを見る限り、ノベールさんはパーティって認識でしょうから、パーティー内のやり取りと僕とクロクさんのやり取りで二つ。」

「やじゃ!」

クロクに即答され青筋を浮かべた俊だった。

「いえ、道端で神様がーなんて言ってると変人に見えるじゃないですか!そういう事も考えて作ってほしいんですが?」

「やじゃ!時間がかかるのじゃ!」

「その時間がかかるのわかって無駄に、カメラ機能実装したんでしょう!?メッセージ機能の方が有用でしょう!」

「カメラ機能は便利じゃろ!?攫われたり、逸れた時に正確な情報を得れるのじゃぞ!?それに俊見たんじゃろ?スケベェ」

「後者は事故ですが、前者はマップで配置分かるのでいらないいじゃないですか・・・それに、良いんですか?ノベールさんは優しい神様として通ってると思いますが、スケベ機能作ったり実際はポンコツだとばれますよ?信仰が無くなりますよ?」

「うっ、人が気にしてる事をスラスラと言いおってからに!ポンコツじゃないのじゃ!」

やり取りが続き最後にはクロクが折れた。

「わかったのじゃ・・・。メッセージ機能作るのじゃよ・・・夕方には仮実装するが、ノベールには俊が伝えるんじゃぞ!?」

「わかりました。」

二人のやり取りが終わった頃、ノベールが近づいてきた。

「終わりまして?荷馬車が来ましたわ!」

俊とノベールはお金を払い、荷馬車に乗った。

「それで、お話は無事、終わりましたの?」

「はい、夕暮れ時くらいには出来そうですね。」

ノベールにクロクとのやり取りを共有し、移動期間について説明をした。

「わかりましたわ。それでトオル様?魔法の威力について調べるとの事ですがどうしますの?」

「メルトスライムが部分的に衣服を溶かすのは、制限が掛かっていた。と伝えましたよね?」

「えぇ・・・直さない方が良かったバグ・・・という物ですわね。わたくし、今後は近づかないように致しますわ。」

「まぁ、その制限が掛かる事自体が、バグのようなんですよね。なので水玉を作り出す魔法などあれば、検証に使えるかなと。」

水球ウォーターボールですわね。わたくしも使えますわよ?」

ノベールの手のひらの上に15cmほどの水玉が出来上がる。

「それでこれがどうかしますの?」

「それは誰が出しても同じ大きさですか?」

ノベールは俊の言いたい事を察したようだ。

「なるほど・・・生活魔法はそれで調べがつく訳ですわね?」

「ですね。その魔法で言えば魔力値が大きい人ほど大きさに変化があるはずなんですよ。」

「たしかに、この水球ウォーターボールは人により大きさは違いますわね。つまり正常と言う訳ですわね?」

「そうなります。そこでノベールさん。誰が出しても共通だと思う魔法をわかる範囲で、紙にまとめてもらえますか?」

「わかりましたわ!」

そこへ荷馬車の御者から馬に休憩ととる話をされた。

気づけば休憩を取るまでの長い間、話をしてたようだ。

「では今のうちにこれにメモをお願いします。」

ノベールは俊から紙と羽ペンを受け取り、思い浮かぶ魔法を纏めていった。



-----現在のバグ一覧-----



-----バグ?不明-----

-----調査-----
魔法の威力について
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

性転換マッサージ2

廣瀬純一
ファンタジー
性転換マッサージに通う夫婦の話

【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。

飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。 ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。 そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。 しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。 自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。 アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!

チート幼女とSSSランク冒険者

紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】 三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が 過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。 神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。 目を開けると日本人の男女の顔があった。 転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・ 他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・ 転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。 そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語 ※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。

【完結】おじいちゃんは元勇者

三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話… 親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。 エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…

30年待たされた異世界転移

明之 想
ファンタジー
 気づけば異世界にいた10歳のぼく。 「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」  こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。  右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。  でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。  あの日見た夢の続きを信じて。  ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!  くじけそうになっても努力を続け。  そうして、30年が経過。  ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。  しかも、20歳も若返った姿で。  異世界と日本の2つの世界で、  20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

異世界でタロと一緒に冒険者生活を始めました

ももがぶ
ファンタジー
俺「佐々木光太」二十六歳はある日気付けばタロに導かれ異世界へ来てしまった。 会社から帰宅してタロと一緒に散歩していたハズが気が付けば異世界で魔法をぶっ放していた。 タロは喋るし、俺は十二歳になりましたと言われるし、これからどうなるんだろう。

処理中です...