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24話 4日目 溶ける。

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「トオルさん?メルトスライム甘く見てますよね?ダーリングさんの背中についてるだけだーって」

「あと汗が出やすいって手足くらいですよね?」

ジト目となったカーラを見て俊は思った。

あれ?あとは何処だ?女性の天敵って服を溶かして汗を吸う事ですよね?

考え事をしている俊にカーラは呆れる。

「はぁ・・・これも勉強です。教えておくと汗が手足、背中以外にも胸元もです。」

「あぁ、言われてみれば厚着してると、蒸れると聞きますね。」

この人は・・・と話を続ける。

「想像しなくて良いんですが、手足、背中と着て前も溶かされると嫌なのは分かりますよね?」

「分かりますが・・・なぜ汗なんです?」

「それは内包魔力がにじみ出るからです。それを吸いメルトスライムは生き永らえようとしてると書庫にある本に記載はありましたね。」

おや?と考えた俊は僕は大丈夫では?僕に魔力ありませんし?

「それなら僕は、大丈夫かもしれませんね。魔力ないので」

「話をするのは良いんだがよ。これどうすんだ?」

ダーリングはメルトスライムがうごめく背中を見せてくる。

「ひっ、あまり近づかないでください!私に飛びついたらどうするんですか!」

「とりあえず・・・、僕が触って見ましょうか。」

俊がダーリングに付いているメルトスライムに振れた。

メルトスライムは俊に反応を見せずダーリングから剥がれない。

「どうやら、僕には興味がないようです。」

「本当に魔力がないんですか?そんな事例は聞いた事がないです。」

魔力がない事に考え事をするカーラを余所にメルトスライムに動きがあった。

メルトスライムはダーリングから剥がれ落ちもう一人の人物に向かい飛びついた。

「あっ」

「おっ?」

考え事をしているカーラにメルトスライムは飛びつき、衣服を溶かそうとしている。

「いやぁぁぁぁぁ!ちょっと剥がしてください!」

ダーリングは慌てて前に付くメルトスライムを引きはがそうとする。

「いやぁぁぁぁぁぁ!何処触ってるんですか!変態!」

「剥がせって言うから剥がそうとしたら変態って・・・酷かないか?」

「焦らず雷衣体エレキボディを使えば良いのでは・・・?」

我に返ったカーラは雷衣体エレキボディを唱え発動した。

カーラの体からバチバチと電流が放たれた。

「・・・なんか、すいません。」

「俺ので良ければこれで隠しな・・・」

ダーリングはカーラに腰に巻いていた上着を投げる。

ダーリングと俊は後ろを向き溜息を吐いた。

「え?」

カーラは視線を下に向けると座り込んでしまった。

「いやぁぁぁぁぁぁ!」

カーラの衣服は前の部分が綺麗に溶かされている。

カーラはダーリングが投げていた上着を着て一部を隠した。。

「もう、振りむいて大丈夫ですか?」

「はいぃ・・・大丈夫です。」

おぉっと・・・逆にさっきより酷いような?

その姿はジャージの前が空いたままのような丈太で、閉めれず谷間が見えている。

おや?と俊は考える。

行く先々でこういう事・・・なんか僕多いですね・・・望んでる訳ではないんですが・・・しかし、このメルトスライムは話を聞く限りでは普通のスライムなんでしょうが、魔力を吸う事はわかりましたが、部分的に溶かすというのも気になりますし、クロクさんに報告は上げておくとしましょうかね。

こうしてクロクへの報告事項が増えるのだった。





-----現在のバグ一覧-----
マップに自分の座標が表示されない。
牢屋内の壁が柔らかい。

-----バグ?不明-----

-----調査-----
魔法の威力について
メルトスライムの情報に疑問有
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