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15話 3日目 ドワーフと出会う
しおりを挟むスターブルとの通話が終わり、問題の建物についた俊は中から救助された人たちを探した。
「閉じ込められていた人はどなたでしょう?衛兵の方は中の調査してますが、救助された人と話もしてると思うんですが・・・」
辺りを見渡す俊は少し離れた所で話をしている衛兵を見つけ、駆け寄った。
「すいません。救助された人はどなたでしょう?」
「ん?あぁ君か。救助対象の三人なら休んでもらっている。3日間も閉じ込められたんだ。さすがに疲れているだろうと思ってな。」
それもそうかと思い、話をする機会を作る事にした。
「わかりました。今回のこの不思議な現象の調査は僕もしないと行けませんから救助された方が目覚めましたら連絡頂ければと思います。」
「わかりました。お伝えしますね。それでは私は建物の調査に向かいますので。」
衛兵が離れ、鍛冶屋に向かう事にした俊だが道が分からない為、道を歩いていた婦人に尋ねた。
「すいません。鍛冶屋を探してるんですが場所が分からなくてですね。お伺いしても良いですか?」
「鍛冶屋ですか?鍛冶屋ならここをまっすぐ行って左に曲がったらすぐ見えると思うわよ。」
婦人にお礼を伝え目的地に向かう俊は香ばしい匂いにつられた。
「良い匂いですね。しかしまだお金はありませんし・・・後でまた来ますかね。まずは鍛冶屋に向かいましょう。」
鍛冶屋についた俊は建物に入り、人を呼ぶ
「すいませーん!城から来たんですが、どなたかいませんか?」
奥から一人の表情が暗いドワーフらしき人物が出てきた。
「城からだって?どしたよ。あんちゃん。」
「すいません。倉庫内の物の問題が解決出来てるか確認に来たのですが、宜しいですか?」
問題の解決と聞き表情が明るくなったドワーフが部屋まで案内をしてくれた。
「ここがうちの倉庫だな。いや~、困ったもんだぜ。扉は開くんだが、中の物が全て動かせないわ、込ませないわで困ってたんだ。」
「解決できてると思うんですが・・・調べますね。」
倉庫に入った俊はドワーフの話を聞き物を調べていく。
「問題なく触る事も、持つ事もできますね。大丈夫そうです。」
「どれ、俺も確認してみるか。」
インゴットを触り確かめるドワーフは万遍の笑みを浮かべた。
「おぉぉぉ?大丈夫だ!これで仕事を再開できるってもんだ!」
良かったですねと俊は部屋を出て行こうとすると
「待ちな、あんちゃん。この現象の解決は非常に助かった!お礼もまだ言ってねぇのに帰んなよなぁもう」
「あぁ、すいませんね。あと一か所周らないと行けないもので・・・」
「悪いなあんちゃん。しっかりお礼も言わないとドワーフの名折れってもんよ。本当に助かった。ありがとう。」
頭を下げるドワーフに俊は少し時間を取るのも仕方ない事ですねと礼を受けた。
「いえ、この問題の解決の為に動いてるようなものですから・・・頭を上げてください。」
「すまねーな。お礼と言っちゃなんだが武器の一本でもどうだい?」
しどろもどろになる俊はお金がないと伝えるも
「恩人から取れるかってんだ。一本打たせてくれ。何が良い」
お礼を断るのも申し訳ないと貰う事にした俊は希望の武器を考えた。
「そうですね・・・悩みますが・・・僕自体は戦闘力ほとんどないんですが・・・魔物もいますし・・・」
安全な位置からの攻撃を考え弓を浮かべたが、的に当てる自身もないともう一つの武器を思い浮かべ決めた。
「そうですね。投げ槍なんて作れますか?」
「投げ槍か。出来ないこともないが使いにきーぞ?投げたら終わりじゃねーか。そうさな、それならマジシャンに依頼してリターンの効果を付与しても良いかもしれねぇな。」
話を聞いた俊は名前から予想した。
「名前から予想すると手元に戻ってくるって感じですかね?それは練習も出来て良いですが・・・大丈夫なんですか?お金とか・・・僕今手持ちないですが・・・」
「それくれー問題ねぇよ。これも何かの縁だろ?俺の名前はダーリングってんだ。よろしくな!」
ニカッっと笑うダーリングに笑顔で自己紹介をする俊。
「有難う御座います。僕の名前は葉伊比 俊と言います。」
名前を聞き首を傾げるダーリングは
「珍しい名前だな?ハイビで良いのか?」
「いえ、名前は俊ですね。葉伊比は苗字ですが・・・そうですね。族名とでも言えばいいでしょうか?」
「なるほどな、じゃっ、トオル。出来たら連絡するんだが城で良いのか?」
「はい、大丈夫です。 楽しみにしてます。」
おう!と笑顔のダーリングの元を離れ国立図書館へと向かう俊だった。
-----現在のバグ一覧-----
マップに自分の座標が表示されない。
ツジの村付近に判定がない地面があり落ちる。半分解決済み
牢屋内の壁が柔らかい。
強度のおかしな建物がある。
国立図書館の書庫の壁の強度
-----バグ?不明-----
-----調査-----
魔法の威力について
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