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8話 2日目 バグの報告をしました。
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「そ、それは大変でしたね。そのお父様?の魔力は強いんですか?」
これほどの氷を生成するのであればゲームだと魔力値が高くなければ無理だろうと判断した俊は魔法を放った方の魔力を知る事とした。
「そうですわね。人族に比べれば多いと思われますの。ただ、私《わたくし》よりは低かったと記憶してますの」
「ノベールさんの魔力が分からないので何とも言えませんが、ノベールさんはこの氷作れますか?」
ノベールは自身の魔力を全開で放った事はなく考えるとこれほどの大きな塊の生成は無理だと感じた。
「私《わたくし》には無理だと思いますわ。できてもこの半分も無理ですの」
「なるほど、では調査してみましょうかね。」
大きな氷の塊に近づき触ってみる俊は氷の強度を調べるとバグだと確認したが対応を考えた。
「ノベールさん、この氷柔らかいですよ。簡単に掘り出せるほどに」
「早速助けますの!」
「駄目です。今必要以上にこの塊に刺激を与えないでください。バグに手を加えるとやっかいな事になります。」
昔自分のしていたゲームのバグを思い出す俊は少し表情が暗くなった。
「アイテムを分裂して肝心な重要アイテムが消失して進行不能になる・・・はぁ・・初めての詰んだゲームを思い出してしましましたね。」
「そのゲーム?は分かりませんけれど、物って分裂出来ますの?それは便利じゃありませんこと?あ、でもこの場合はお爺様が二人になるのかしら?」
「えぇ、原理は違いますが人も分裂する事はありますよ。僕この世界来た時は分裂してましたから」
「訳がわかりませんわ・・・」
既に分裂経験済みの俊に唖然とするノベールだった。
一方その頃クロクはツジ村のバグの修正に追われ荒れていた。
「なんじゃ・・・またエラーが起きたのじゃ・・・500年分を少しずつ反映させるのって大変すぎるんじゃ・・・ここをなぜ避けなければなかったのかと意識を残すのも大変じゃし・・・俊が落ちた事象も残すって最後の修正を考えるのも嫌になるのじゃ・・・。」
事象が合わずエラーを起こすシステムにイライラを隠せないクロクは誰かに助けを求めたくなっていた。
「誰か助けてほしいのじゃぁぁぁぁぁぁぁぁあ!グスン、でもこれ直さないと俊に怒られそうじゃし・・・のじゃぁぁぁぁぁ!」
神様であるにも関わらず俊にグチグチと言われる事の嫌な気持ちが勝ってしまい頭を振るクロクだった。
「さて、周囲も調べた結果この氷の塊だけがバグを起こしてると思っても間違いはなさそうですね。クロクさんに報告ですかねぇ・・・」
バグと結論が付いた事に喜びが隠せないノベールはもう一つのお願いを口にした。
「その、私もお話をする事は出来ませんの?」
ノベールのお願いに悩む俊はバグを懸念し断る事にした。
「現状それはオススメしません。数時間前まで神様の存在を知らなかったノベールさんが、神様と会ってしまうと何が送るかわかりませんから。何も起きないか調査してからですね。」
「分かりましたわ!ぜひ、調査してほしいんですの!この件が片付いたらお礼も言いたく思いますの」
UIを操作しクロクへと連絡を行う横で、俊を信用し調査に乗り気となったノベールだった。
「のじゃぁ・・・・俊どうしたんじゃ?」
画面に映ったクロクはバグ修正に追われ窶れていた。
「だ、大丈夫ですか?なんというか、お疲れ様です。」
「無理じゃぁぁ・・・まだバグの修正が終わらぬのじゃぁぁ・・・事象に影響がないように修正って大変すぎるのじゃよ・・・ところで、どしたんじゃ・・・まさか、わしを労って!?」
「いえ、当たり前の事を当たり前にしてるのに労うもないでしょう?でも休憩は適度に取ってくださいね。」
労いがない事に涙目となったが、少し心配をしてくれてる俊に安心したクロクは要件を聞く事にした。
「酷いのじゃ・・・ところで、どうしたのじゃ?何かあったのじゃ?」
俊は現在起きてる建物のおかしな状況とそれに紐づくかもしれない強度の話を伝えた。
「またバグなのじゃ・・・。まだ二日しか経過してないのに俊はバグと遭遇しすぎじゃ!少し休ませてほしいんじゃよ・・・グスン」
「事象の関連性があった場合ですが、建物に閉じ込められた三人と先々代の王様の計四名の生命にかかわるかもしれませんから、急ぎでお願いしたいのですが、出来そうですか?」
「正直、地面の判定バグが終わっておらぬのじゃ・・・無理じゃよ・・・わし死んでしまう・・・。」
バグの修正に手の足りなさを感じた俊は解決できる方法を考える。
「うーん、そうですね。誰か手伝える人を呼ぶ事は出来ないんですか?ほかにもAIのような補助を作るとか」
(トオル様の口ぶりから察しますと神様って大変ですのね・・・)
「呼べるかもしれない者もいるのじゃがちょっと・・・うーむ・・・。でも解決出来んと、わし激務じゃし・・・のじゃぁぁぁぁぁ」
両手を頭に当てて振り続けるクロクを眺める俊であった。
-----現在のバグ一覧-----
マップに自分の座標が表示されない。
ツジの村付近に判定がない地面があり落ちる。
牢屋内の壁が柔らかい。
強度のおかしな建物がある。
大きな氷の塊
凍結魔法の威力
-----バグ?不明-----
これほどの氷を生成するのであればゲームだと魔力値が高くなければ無理だろうと判断した俊は魔法を放った方の魔力を知る事とした。
「そうですわね。人族に比べれば多いと思われますの。ただ、私《わたくし》よりは低かったと記憶してますの」
「ノベールさんの魔力が分からないので何とも言えませんが、ノベールさんはこの氷作れますか?」
ノベールは自身の魔力を全開で放った事はなく考えるとこれほどの大きな塊の生成は無理だと感じた。
「私《わたくし》には無理だと思いますわ。できてもこの半分も無理ですの」
「なるほど、では調査してみましょうかね。」
大きな氷の塊に近づき触ってみる俊は氷の強度を調べるとバグだと確認したが対応を考えた。
「ノベールさん、この氷柔らかいですよ。簡単に掘り出せるほどに」
「早速助けますの!」
「駄目です。今必要以上にこの塊に刺激を与えないでください。バグに手を加えるとやっかいな事になります。」
昔自分のしていたゲームのバグを思い出す俊は少し表情が暗くなった。
「アイテムを分裂して肝心な重要アイテムが消失して進行不能になる・・・はぁ・・初めての詰んだゲームを思い出してしましましたね。」
「そのゲーム?は分かりませんけれど、物って分裂出来ますの?それは便利じゃありませんこと?あ、でもこの場合はお爺様が二人になるのかしら?」
「えぇ、原理は違いますが人も分裂する事はありますよ。僕この世界来た時は分裂してましたから」
「訳がわかりませんわ・・・」
既に分裂経験済みの俊に唖然とするノベールだった。
一方その頃クロクはツジ村のバグの修正に追われ荒れていた。
「なんじゃ・・・またエラーが起きたのじゃ・・・500年分を少しずつ反映させるのって大変すぎるんじゃ・・・ここをなぜ避けなければなかったのかと意識を残すのも大変じゃし・・・俊が落ちた事象も残すって最後の修正を考えるのも嫌になるのじゃ・・・。」
事象が合わずエラーを起こすシステムにイライラを隠せないクロクは誰かに助けを求めたくなっていた。
「誰か助けてほしいのじゃぁぁぁぁぁぁぁぁあ!グスン、でもこれ直さないと俊に怒られそうじゃし・・・のじゃぁぁぁぁぁ!」
神様であるにも関わらず俊にグチグチと言われる事の嫌な気持ちが勝ってしまい頭を振るクロクだった。
「さて、周囲も調べた結果この氷の塊だけがバグを起こしてると思っても間違いはなさそうですね。クロクさんに報告ですかねぇ・・・」
バグと結論が付いた事に喜びが隠せないノベールはもう一つのお願いを口にした。
「その、私もお話をする事は出来ませんの?」
ノベールのお願いに悩む俊はバグを懸念し断る事にした。
「現状それはオススメしません。数時間前まで神様の存在を知らなかったノベールさんが、神様と会ってしまうと何が送るかわかりませんから。何も起きないか調査してからですね。」
「分かりましたわ!ぜひ、調査してほしいんですの!この件が片付いたらお礼も言いたく思いますの」
UIを操作しクロクへと連絡を行う横で、俊を信用し調査に乗り気となったノベールだった。
「のじゃぁ・・・・俊どうしたんじゃ?」
画面に映ったクロクはバグ修正に追われ窶れていた。
「だ、大丈夫ですか?なんというか、お疲れ様です。」
「無理じゃぁぁ・・・まだバグの修正が終わらぬのじゃぁぁ・・・事象に影響がないように修正って大変すぎるのじゃよ・・・ところで、どしたんじゃ・・・まさか、わしを労って!?」
「いえ、当たり前の事を当たり前にしてるのに労うもないでしょう?でも休憩は適度に取ってくださいね。」
労いがない事に涙目となったが、少し心配をしてくれてる俊に安心したクロクは要件を聞く事にした。
「酷いのじゃ・・・ところで、どうしたのじゃ?何かあったのじゃ?」
俊は現在起きてる建物のおかしな状況とそれに紐づくかもしれない強度の話を伝えた。
「またバグなのじゃ・・・。まだ二日しか経過してないのに俊はバグと遭遇しすぎじゃ!少し休ませてほしいんじゃよ・・・グスン」
「事象の関連性があった場合ですが、建物に閉じ込められた三人と先々代の王様の計四名の生命にかかわるかもしれませんから、急ぎでお願いしたいのですが、出来そうですか?」
「正直、地面の判定バグが終わっておらぬのじゃ・・・無理じゃよ・・・わし死んでしまう・・・。」
バグの修正に手の足りなさを感じた俊は解決できる方法を考える。
「うーん、そうですね。誰か手伝える人を呼ぶ事は出来ないんですか?ほかにもAIのような補助を作るとか」
(トオル様の口ぶりから察しますと神様って大変ですのね・・・)
「呼べるかもしれない者もいるのじゃがちょっと・・・うーむ・・・。でも解決出来んと、わし激務じゃし・・・のじゃぁぁぁぁぁ」
両手を頭に当てて振り続けるクロクを眺める俊であった。
-----現在のバグ一覧-----
マップに自分の座標が表示されない。
ツジの村付近に判定がない地面があり落ちる。
牢屋内の壁が柔らかい。
強度のおかしな建物がある。
大きな氷の塊
凍結魔法の威力
-----バグ?不明-----
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