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0日目 色々とグダグダなんです。
しおりを挟む「ふむ、世界を構成はしたがこれで問題はないか?何分初めての世界作りで不安じゃ・・・」
新たに世界を作ったのは新米創造神として昇華した女神であるクロクだ。
新米創造神の前は、創造神のアシスタントをしており種族の発展を管理していたが、創造神としての仕事は初めてであり不安しかない。
「そもそもなんでわしが創造神をさせられるんじゃ・・・発展の管理しかしてなかったんじゃぞ・・・。世界作りの質問をしたら渡されたのはこのマニュアル一冊だけであとは頑張れってなんじゃ」
マニュアル一冊から世界を作る事は非常に優秀のようにも見えるが、発展の管理とは数字の管理である為、作業内容が180度異なる事により自信はない。
「よし、わしの判断となるがテストは大事じゃ・・・よね?一人だけこの世界に招いて問題ないかチェックじゃ!まずは父様に一人テスターを確保してもらうのじゃ!」
兎に角新たな世界を稼働させる為に第一歩を進んだクロク、テスターの確保を行い問題がなければ無事、新米創造神のスタートとなる。
スタートを切る為に行動を起こしに神殿へと向かうクロク。誰を頼るか考えた結果、元上司であり父親を頼る事にした。
「父様!お願いがあるんじゃが、管理してる地球から一人だけわしの世界に送れる人材はいないかの?」
クロクの話を聞き、タブレット端末を手に取った。
「あぁ、転生枠なら大量にあるが転生者で良いか?」
転生枠を見て答えた男性神はスターブル。
クロクの父であり、地球がある世界を管理している創造神だ。
「マニュアル一冊で頑張って作った世界にいきなり転生はちょっと・・・ちゃんと出来ているかのチェックをする協力者がほしいんじゃけど・・・」
「う~む、ならば転生はそこに魂が根付くからダメだな。コピーを送るなら影響はないぞ」
「コピー?」
「うむ、適正な人材の魂をコピーして送り込み最終的には元の魂と合体させて1つの魂に戻す事が出来る」
複製された魂であれば本人には影響はなく、元の世界にも影響はでない。
年齢にもよるが一つに戻った場合の経験値がほかの魂に比べ何割か多くなり次の人生がノーマルモードからイージーモードの間のような変化くらいである。
「ではコピーをお願いするのじゃ!人選はお願いしたいのじゃが行先は剣と魔法の世界で・・・初めて出来た世界で活動する事に理解いただける殿方が良いのじゃ」
「あぁ、地球で言うデバッグをさせるわけか。なら人選にはゲーム好きは必須だな。多少アホならなお良い」
「デバッグとはなんじゃ?人選の内容も不安しかないのじゃが・・・教えてくれるのか?父様よ」
「デバッグってのは簡単に言うと予期せぬ動きを見つけて報告する作業の事だな。ゲーム好きなやつらは予期せぬ動きを見つけるのも好きだし楽しむやつらが多いから余計な問題は抱えにくい、あとアホなやつらのほうが想定外の検証をする。」
現代ではデバッグは進みかなりのバグは修正されているが、予期せぬ事から見つかるバグまでは修正されていない事がある。
ただ、今回の世界は初めて作られた世界であるから丁度良いと思いスターブルは気を利かせて良い条件を教えた。
「なるほど!ではそれでお願いするのじゃ!また困ったら来るのじゃ!」
「おう、こっちで人選終わったら送るからあとは任せるぞ。 さて、まずは人選だがどれどれ・・・」
地球の生物リストを開き条件を入力していくがそこでアホでつまずいてしまった。
「可愛いくらいのアホってどれくらいが良いんだ?うし、履歴からそれっぽい事を調べて使うか」
履歴には一覧で表示された行動が表示されていた。
暗号を作る、道じゃない所を渡る、顔のプリントをする・・・などなど色々な行動が一覧にありスターブルは悩んだ。
「アホすぎるのもダメだしな、複製を送る理由になる行動で良いか」
条件は決まり人選が決まった。
画面に表示された人物は負もなく可もなく一般的な顔つきの男性であった。
「人選も決まったと連絡もあったしこれであとはコピーした魂に体を与え世界に送るだけじゃが大丈夫じゃろか・・・と、兎に角じゃテスターとなる者には能力を付与して安定しているかのチェックじゃ!」
能力一覧を見つめるもデフォルトで作った世界である為、能力一覧はほとんどなかった。
「あ、これ駄目じゃ・・・基本能力しか入れてなかった・・・。マニュアルにもないし・・・と、兎に角テスターを呼んで調整したほうが早そうじゃ。」
あたふたするクロクは初の世界作りである為、準備不足が目立ってきたが、協力者となる人物と話を行い解決しようと考えていた矢先、スターブルから魂が送り届けられ部屋に灰色の球体が現れた。
「えぇぇ・・?もう来たのか?まだ準備中だったんじゃが・・・あぁっと何か説明すれば良いものか・・・」
あたふたする女性を見つめ逆に冷静となる自分は状況を把握しようと声をかける事にした。
「すいません、ここは何処でしょう?さっきまでいた所とまったく違うんですが?」
場所を聞く当たり何も説明を受けていない事に気づいたクロクは余計に混乱を起こした。
「え!?何も聞いておらぬ!?父様コピー送るとは言ったけど説明なしにコピーしたんか!?新米にいきなりハードル高すぎんか!?えーっと、えー・・・」
「まず落ち着きましょうか?僕としては状況を把握したいんですけど」
前に浮かぶ灰色の魂に落ち着いてと言われ冷静になろうと深呼吸をするクロクは説明を行う。
「すぅ~・・・はぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・すまぬ・・・・、状況を教えるとまず今お主がいるここは地球ではないんじゃよ」
地球ではないと聞き流行りの想像し、聞いてみる事にした。
「最近のラノベによくある異世界転生でしょうか?」
「ラノベは分からぬが異世界に行くのは合っておるよ、ただ転生ではないんじゃが・・・」
「え、では召喚になるんです?さすがにそれはちょっと・・・何というか召喚先でステータスが低いと追い出されるとか、平均でもスキルが弱く売られるなんてのは嫌なんですけど」
召喚時の展開を言われ困惑するも目的を伝えようとふと気づいた。コピーの件をどう説明したものかと悩み灰色の魂の人物の情報を見ようとタブレットのような端末を手に取り調べる。
そこには名前、年齢、性格などあらゆる情報が表示されており、コピーの件を伝えるとどのように反応するか探る為、大急ぎで性格情報を探した。
そこに表示された性格は【曲者】だった。
「あ、詰んだのじゃ」
性格からして今後の展開でひと揉めする事を察したクロクは遠い目をせざるえなかった。
「あの・・・」
焦りを隠せないクロクは正直に謝罪から始める事にした。
「先に謝っておく。すまんのじゃぁぁぁぁぁぁ!本当に申し訳なんいんじゃ!状況の説明にわしも困っておる!だが落ち着いて聞いてほしい!お願いじゃぁぁ・・・」
勢いよくジャンピング土下座を行い、少し部屋が散らかってしまっている。
「え、何?いきなりジャンピング土下座って・・・」
「すまぬ、すまぬ・・・。体の構成はすぐ行うのじゃ・・・まずは怒らずにわしの話を聞いてほしいのじゃぁぁぁ・・・」
土下座から顔を上げ涙目で見つめられ遠ざかりたいが遠ざかれない魂。
涙目で誤りながらも手を動かしのタブレット状の端末の操作を行い体の構成を行ったクロク
体が構成され思うように動く事を確認する男性体。
「あぁ、体が動く・・・とりあえず泣き止んでもらって・・・説明をお願いしても?」
「グスン、まずはお主についてからなのじゃがお主は現実世界、地球にいる本人とは違う。コピーじゃ」
「は?」
コピーと言われ自分の帰る場所がない事を察し青筋を浮かべるが、話をとりあえず聞くことにした。
「コピーと言っても目的が達成されればオリジナルと合体し、一つに戻る事も出来るのじゃが・・・わしがコピーを作った訳じゃなくてあの・・そのじゃな」
「いや、歯切れが悪いので単刀直入に言ってもらえます?」
元に戻れる事を知り少し安堵をしたが歯切れが悪い事に苛立ちを隠せない。
「転生先の世界がなくて新しく世界を作ろうとテスターを父様にお願いしたらお主がコピーされて説明されずにここへ来た。 うわぁぁぁぁぁん、初日からこんなのあんまりじゃぁぁぁぁぁ、こんなんでわし創造神なんて無理じゃよぉぉぉ、グスン」
原因となる人物がほかにいる事に再び青筋を浮かべ、目の前の女性も被害者である事が分かった。
「では、貴方が原因ではないと。それでは被疑者たる父様とやらをぶん殴りたいので呼んでもらえます?」
「すまぬ、地球を見ておるから持ち場は離れられん・・・が目的が達成すれば帰還する時には会えるんじゃ・・・グスン」
「呼ぶ事は出来ない、けど目的を達成しろって納得できませんよね?」
性格から今の流れを想像していたクロクは余計にいたたまれなさでどうしたものか必死に考え出来る事を伝えた。
「よ、呼ぶ事は出来ぬが連絡くらいならわしでも出来るのじゃ・・・」
「では連絡を」
タブレット状の端末からスターブルへと話をしようと発信中を示す音が鳴り響き・・・・切れた。
「出ないのじゃ・・・・グス」
肝心な時に連絡が取れないスターブルに苛立ちを覚えるも自分の置かれた状況をどうにかしたいクロクは考えたが・・・まとまらなかった。
「じゃー、行きましょうか!」
「無理じゃ、わしは行けるがお主の魂が消滅する・・・。」
消滅すると聞いて出来るタイミングを求め、今出来る事を素早く片付ける事にした。
「では連絡が出来たらか・な・ら・ず教えてくださいね?とりあえず今するべき事を聞いても?」
「必ず知らせるのじゃ。ではお主についての確認なのじゃが・・・」
先ほど少し見ていた端末には自分の情報は大体乗っているだろうと推測し相手の情報だけを望む事にした男性体
「先ほどの端末に僕の情報はあるみたいですし、確認だけして貰って貴方が誰なのか説明頂いても?」
目の前の男性の癖の強さに参りそうになるクロクだが、挫けず説明を行うことにした。
「そ、そうじゃの・・・、では名前だけ確認するんじゃが、葉伊比 俊《はいび とおる》で良いか?」
「合ってますよ。で、貴方は?」
「わしの名はクロクじゃ、行き場を無くした魂達の受け入れ先を新たな世界として作る事を指名された新米創造神じゃよ」
新米というのは引っかかるが、召喚でも転生でもなく、新しい世界で複製された自分を使うテスターとは何かと想像するが、嫌な予感しかしない。
「それで、その新しい世界に対して何をしたいので?」
「それはじゃな、わしも初めて作った世界じゃから不具合など無くしたうえで、世界を開放し行き場を無くした魂を受け入れたいのじゃ」
不具合という言葉から趣味でしていたゲームのバグ探しを思い浮かべた。
「それは僕にバグ探しをしろって事ですか?」
「そうじゃな、父様が言うにはデバッグ?とか言っておった。」
地球では、友人達から野生のデバッカーとボイスチャットで言われ揶揄《からか》われていたが、バグ探しを楽しんでいた。
ピックアップ対象外なのに抽選外からキャラをゲットした事や、壁を貫通したり、海を歩いたり、ボスを無視したりと探すのは大変だが好きだから受ける事にした。
「やりましょう。」
「良いのじゃ?新しい世界はまだデフォルトで、剣と魔法の世界を再現したばかりで何も出来ておらぬからこちらとしては非常に助かるのじゃが・・・」
「では早速じゃが、これを見てほしいんじゃ」
手渡されたタブレットのような端末を見てすぐにツッコミを入れたくなった。
「読めん!せめて地球の言語に合わせてくれません?とりあえず日本語で」
端末を俊から受け取りシステムを弄っていく。
「す、すまぬ。少し待ってほしいのじゃ・・・・・・これで大丈夫じゃなかろうか?」
「あぁ、読めますね。ん?」
表示されているのは出来立てと言われる世界の情報があり何か物足りなさを感じた。
世界名:default{sword+magic}
世界面積:510,100,000km {MAX 9.223.372.036.854.775.807}
年数:16年8ヵ月
人口:100名
種族一覧:人族
クラス一覧: -
魔物: 0
魔力濃度:10{MAX: 10000}
時間経過速度:10倍 {MAX: 1000}
[map.data]
「色々と聞きたい事がありますけど、まず人口少なすぎません?バグって物以外も起きるんですよ?種族も人族だけって他の種族が増えた後にもバグ要素ありそうなんですけど?」
「う、うむ、しかし増やすのは神でも出来ぬから時間経過を促進させるしかないかの?無理に干渉して増やすとなんじゃったか・・・何か大変な事になると聞いた覚えがあるのじゃ」
肝心なところを覚えていないクロクに対して呆れ顔になる俊。
「なんじゃその顔は!言ったじゃろ?創造自体が初めてでマニュアル一冊から作っただけじゃと・・・これでも頑張ったんじゃぞ・・・」
「神って万能じゃないんですね・・・肝心な所を忘れるとは、ポンコツ・・・ですね」
「ぽ、ポンコツ!?さすがにそれは酷いのじゃ、そもそも目の前のわし神様じゃよ?もう少し敬意くらい払っても良いと思うんじゃが・・・」
話を進めて少しの時間しか経過していないと思うが、ここまでの失敗、ヘタレっぷりにポンコツ以外の何を思えば良いのだろうと俊は思ったが、話を進める為に強気に行くと決めた。
「ポンコツに対してポンコツと言って何か悪い事でもあります?この世界の情報見たら誰もが開始と同時にサービス終了するゲームを想像しますよ。無駄口は良いので、とりあえずバグ探しより先に環境が出来ないと何も出来ないので一つずつ直してもらえます?」
「わ、分かったのじゃ・・・して、何処から進めるんじゃ?」
「まず、人口に対するこの世界面積ですね。100人しかいないのに、この広さってアホなんですか?多分星一つ分くらいありますよね?人口を増やしてその後に魂を受け入れるからって、ここまでの広さ要らないでしょう?MAXなんてとんでもない数字ですし・・・」
面積の広さを例えると25年寝ずに歩き続ければ100人中6人ほど出会えるかもしれないという広さである。さすがに俊も無理とすぐに気づき修正を求めた。
「一部人口はばらけておるが、面積修正をやると大地震や津波が起きて滅ぶから推奨はしないんじゃが・・・・」
簡単に滅ぶと言われると青筋を浮かべ後ずさりをした俊。方向を変え人口を増やして環境を整える事を考えた。
「簡単に滅ばないでほしいんですけど・・・仕方ないですね・・・人口を今から5億くらいまで増やすにはどれくらいの時間がかかります?」
「時間経過速度をMAXまで進めればここの時間だと2時間くらいで到達できるとは思うのじゃ」
「ではそれをしてる間に残りの作業を考えて同時進行していきましょう。僕は早くバグ探しをしたいんです」
バグ探しが好きだと情報にはあったがここまで執着するとはそこまで楽しいものなんかの?と思ったクロクは作業を続けていく。
2時間が経過し世界に変化が適応された。
世界名:default{sword+magic}
世界面積:510,100,000km {MAX 9.223.372.036.854.775.807}
年数:1215年5ヵ月
人口:501.030.772名
種族一覧:人族、魔族、ドワーフ族、獣人族、エルフ族、オーク族
クラス一覧: アタッカー、ディフェンダー、スピーダー、マジシャン、ヒーラー、クリエイター
職業一覧:表示
魔物: 計測中...
魔力濃度:4326{MAX: 10000}
時間経過速度:1倍 {MAX: 1000}
言語:地球同期中
[map.data]
「あとは世界の名前ですね。どうするんです?」
「あぁ~何が良いんじゃろ?洒落た名前なんぞわしは浮かばないんじゃが?わし一人じゃとこの世界デフォルト状態じゃったじゃろうし・・・」
「なら、デフォルトが由来で付ければいいのでは?デフォルトニアとか」
「それじゃ!それでいこう!」
こうして新たな世界【デフォルトニア】が誕生した。あとはこの世界に俊を送り、デバッグ作業に取り掛かってもらう事になるが連絡手段も必要な為、クロクは連絡手段としてタブレット型端末を渡す事にしようと決めた。
「ではお主をこの世界に送り、デバッグを行ってほしいのじゃが、修正事項があれば連絡が必要になると思う。お主にこのタブレット端末T-K10《ティーケーテン》を渡しておこうと思う」
「邪魔です。要りません。それより簡易ステータスのようなUIを作ってそこに映像・通話機能を埋め込んだ方が楽です。他人には見えないようにすれば良いですし」
拒否されタブレット端末、T-K10の出番はなくなった。
旅立ちムードだった所に追加の作業を言われ涙目で訴えるクロクだった。
「数時間前じゃけど!最初に比べると良い雰囲気で送り出せると思ったんじゃよ!?それを餞別もいらんと言われ、わし・・・あれ・・・目から水が・・・グスン」
「早くインターフェース作って貰っていいです?僕は早くバグを探しに向かいたいんで」
こうして追加の作業までやらされ神としての威厳は見当たらないクロクであった。
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※2016年11月。第1巻
2017年 4月。第2巻
2017年 9月。第3巻
2017年12月。第4巻
2018年 3月。第5巻
2018年 8月。第6巻
2018年12月。第7巻
2019年 5月。第8巻
2019年10月。第9巻
2020年 6月。第10巻
2020年12月。第11巻 出版しました。
PNもエリン改め、朝比奈 和(あさひな なごむ)となります。
投稿継続中です。よろしくお願いします!
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