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採取

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 リーベが眉間を打ち抜いてサックリと倒してみせたコボルド。

「……うんしょ、よしっと!」

 そのコボルドの口へとリーベが短剣を突きつけ、一生懸命にその中をほじくり返していく。

「取れました!」

 そして、格闘すること数分。
 ようやくコボルドが口の中から牙を採取することに成功する。

「ふぅー、疲れました」

 魔物の固い肉を切っての採取は案外重労働で難しい。
 何とかコボルドから牙を抜き終えたリーベは深々と疲労のため息を漏らしながら自分の息を整える。

「お疲れ様ですわ!」

「お疲れ様」

 無事にコボルドから牙を採取し終えたリーベへと僕とミエドはねぎらいの声を投げかける。

「ありがとうございます。これで今回の特別課題は終了ですね」

「そうですわね。どうだったですの?」

「色々と大変だったけど楽しかったです。こうして本当に魔物と戦って、自分がどれだけの強さを持っているかを、その身でもって知れたのはよかったです」

「……逆に私は今の現在地を知れたわ。もっと頑張らなくちゃね。私は」

「双方にとって実りがあったのならよかったですわ!」

「逆に貴方はどうだったの?何か、実りになることがあったかしら?」

「私はすでに完成されていますの。あまり成長することもないですわ」
 
 今さら学生レベルのことをやって成長するのは結構難しいと思う。
 僕にとって益になることがあるとするのならばこれまで自分が触れてこなかった剣術とかになるだろう。
 今のところ僕の近距離戦は純粋な身体能力に生まれながらの魔力量でのごり押しなのだから。

「……すっごい自身ね」

「事実ですの」

「レイユ様がおっしゃられるとすごい説得力ですね。反論が思い至りません」

「当然ですの!なんて言ったって私は学生最強なのですわ!」
 
 僕は二人の言葉へと自信満々に胸を張る。
 今のところは僕がキーリア学園で最強と言っても過言ではないだろう。
 どこまで行っても僕の魔法能力は頭一つ抜けていると言っていい。

「「「……っ!?」」」

 僕たちが完全に終わった雰囲気で談笑していた中。
 急にダンジョンが増え始める。

「な、何がっ!?」

 ミエドが動揺の声を思わずと言った形で上げる。
 それと同時にダンジョンの床が勢いよくぶち抜かれ。

「ぐぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

 一つの巨大な魔物が現れると共に───魔法反応。

「アンチマジック」

 いきなり現れた謎の魔物から噴き出してきた魔法由来の毒。
 それに対して僕は素早く対抗策となる魔法を発動させるのだった。
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