11 / 40
コラボ配信
しおりを挟む
僕たち冒険者が魔物と戦う上で使うのが全部で三つ。
まず一つ目は魔力。
二つ目が魔法。
そして、三つ目がスキルである。
「くっ……この、負けないんだからっ!」
魔力はすべての基礎だ。
身体を強化したり、魔法やスキルを発動させる力の源である。これが尽きれば基本的にゲームオーバーとなる。
それでそんな魔力によって引き起こされる二つの力。
そのうちの一つである魔法はガチガチの理論である。
まず魔法は属性に分かれていて、火、地、水、風に分かれている。
魔法発動のプロセスとしては何の属性にも染まっていない魔力に属性を与えて属性魔力へと変換。そして、体の中にある属性魔力を体外に放出することで魔法となる。
それで、ただ属性魔力を体外に放出しただけでは大した威力の出ない初級魔法となる。
初級魔法から上の段階に持っていくためにはこれらの形を変える必要がある。
そのために必要となるのが魔法陣だ。
体外へと放出する際に魔法陣を展開することで初級魔法の在り方に変化を加えるのである。出す量を多くしたり、形を変えたりと。
しっかりと決められた魔法陣という形の中でしか発露させられない魔法。
それとは違い、もう一方の魔力によって引き起こされる力であるスキルは千差万別である。
魂に刻み込まれた力であり、発動を願いながら魔力を使うだけでスキルが発動してくれる。
その効果も千差万別、複雑である。
ちなみに僕の光武と菩薩観音様はスキルに分類される。
基本的に、僕はスキルの数が豊富でそれらによるごり押しが最も得意な戦い方もしれない。
普通に魔力も、魔法も使うけど。
「はぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!!!」
これが冒険者の力事情である。
そんな中、今自分の前で一生懸命戦っている桃葉はというと、魔法はあまり使わずに魔力とスキルを使うスタイルであるようだった。
おそらくは身体強化系のスキルと魔力による強化を重ね掛けし、スキルによって作り出した剣で戦っていくようなスタイルであると予測できる。
というか、実際にそんな風に僕の前で戦っているから間違いも、クソもないけどね。
「……にしても、普通に強いなぁ」
僕は桃葉を眺めながらその彼女の実力を冷静に分析する。
彼女が持つ力は普通にプロレベルだろう。
「やった!やりました!」
僕が勝手に後ろからその力を図っている間に、桃葉は戦いを終わらせてしまう。
「お、お疲れ様ぁ」
「うん、ありがとう。それで?どうだったかな?」
「えっ、あっ、問題なかったと思うよ?中層で戦う分なら何の問題もないだけの強さを持っていると思うかなぁ?」
「そう?それならよかったわ」
僕の言葉を聞いた桃葉は勝手に感謝の言葉を話してくれる。
「ただ、……それでもやっぱりあれは怖いかな」
「あれ?」
「ほら、イレギュラーエンカウント」
「……ぁぁ」
僕の言葉を聞いた桃葉が頬を引きつらせながらうめき声をあげる。
中層だけ、たまに下層クラスの魔物がうろついていたりなという変な現象があるのだよね。
このイレギュラーエンカウントこそが中層で冒険者の致死率を跳ね上げている要因である。
「やっぱり中層に潜るならイレギュラーエンカウントの対策は必須。せめて逃げられるような手段を持っておくべきだと思うかな?やっぱり」
「……あまり私は中層に潜らないから知らないけど、そんなに会うものなのかしら?」
「割と会うよ。そうだなぁ……じゃんけんで五連続負けるくらい?」
「け、結構会う感じがするわね」
じゃんけんで五連続負けるくらいの確率で死ぬと考えると相当嫌だろう。
「……ぁ、ほら。また」
ちょうど、こんなことを話していた最中に遠くのほうから一体の魔物が近づいてくる。
その実力としてはちょうど下層くらい……間違いなくイレギュラーエンカウントの敵であると言えるだろう。
「……っ」
僕の隣で桃葉は頬を引きつらせながら警戒心をあらわにしている。
まぁ、それもそうだろう。
以前はイレギュラーエンカウントのせいで命の危険へと瀕したわけだ。
警戒しないわけがないだろう……つ、つまりはだ。
ここでいいところを見せられればさらに好感度が上がってさらに捨てられずに済む可能性があがるというということだ。
「せ、せっかくだし……僕の強さ?というものを見せてあげようかなぁ」
こんなチャンスを逃せるわけがない。
僕は胸を張りながら意気揚々とそう宣言する。
桃葉は魔力とスキルを使っていたわけだから……僕は魔法を使っちゃおうかな!
「……いけるの?」
「問題なく」
僕は桃葉の言葉に即答すると共に自身の魔力を高めて立体的で巨大な魔法陣を描き始める。
「……えっ?」
そんな僕の様子を見て桃葉は困惑の声を漏らしている。
「ふふふ……冥層にも潜れる圧倒的な力を見よっ!」
僕はカッコいいポーズをとりながら魔法を発動。
「ガァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアっ!!!」
イレギュラーエンカウントの魔物を中心として吹き荒れた地獄の業火は一瞬にしてその魔物を炭へと変えるのだった。
まず一つ目は魔力。
二つ目が魔法。
そして、三つ目がスキルである。
「くっ……この、負けないんだからっ!」
魔力はすべての基礎だ。
身体を強化したり、魔法やスキルを発動させる力の源である。これが尽きれば基本的にゲームオーバーとなる。
それでそんな魔力によって引き起こされる二つの力。
そのうちの一つである魔法はガチガチの理論である。
まず魔法は属性に分かれていて、火、地、水、風に分かれている。
魔法発動のプロセスとしては何の属性にも染まっていない魔力に属性を与えて属性魔力へと変換。そして、体の中にある属性魔力を体外に放出することで魔法となる。
それで、ただ属性魔力を体外に放出しただけでは大した威力の出ない初級魔法となる。
初級魔法から上の段階に持っていくためにはこれらの形を変える必要がある。
そのために必要となるのが魔法陣だ。
体外へと放出する際に魔法陣を展開することで初級魔法の在り方に変化を加えるのである。出す量を多くしたり、形を変えたりと。
しっかりと決められた魔法陣という形の中でしか発露させられない魔法。
それとは違い、もう一方の魔力によって引き起こされる力であるスキルは千差万別である。
魂に刻み込まれた力であり、発動を願いながら魔力を使うだけでスキルが発動してくれる。
その効果も千差万別、複雑である。
ちなみに僕の光武と菩薩観音様はスキルに分類される。
基本的に、僕はスキルの数が豊富でそれらによるごり押しが最も得意な戦い方もしれない。
普通に魔力も、魔法も使うけど。
「はぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!!!」
これが冒険者の力事情である。
そんな中、今自分の前で一生懸命戦っている桃葉はというと、魔法はあまり使わずに魔力とスキルを使うスタイルであるようだった。
おそらくは身体強化系のスキルと魔力による強化を重ね掛けし、スキルによって作り出した剣で戦っていくようなスタイルであると予測できる。
というか、実際にそんな風に僕の前で戦っているから間違いも、クソもないけどね。
「……にしても、普通に強いなぁ」
僕は桃葉を眺めながらその彼女の実力を冷静に分析する。
彼女が持つ力は普通にプロレベルだろう。
「やった!やりました!」
僕が勝手に後ろからその力を図っている間に、桃葉は戦いを終わらせてしまう。
「お、お疲れ様ぁ」
「うん、ありがとう。それで?どうだったかな?」
「えっ、あっ、問題なかったと思うよ?中層で戦う分なら何の問題もないだけの強さを持っていると思うかなぁ?」
「そう?それならよかったわ」
僕の言葉を聞いた桃葉は勝手に感謝の言葉を話してくれる。
「ただ、……それでもやっぱりあれは怖いかな」
「あれ?」
「ほら、イレギュラーエンカウント」
「……ぁぁ」
僕の言葉を聞いた桃葉が頬を引きつらせながらうめき声をあげる。
中層だけ、たまに下層クラスの魔物がうろついていたりなという変な現象があるのだよね。
このイレギュラーエンカウントこそが中層で冒険者の致死率を跳ね上げている要因である。
「やっぱり中層に潜るならイレギュラーエンカウントの対策は必須。せめて逃げられるような手段を持っておくべきだと思うかな?やっぱり」
「……あまり私は中層に潜らないから知らないけど、そんなに会うものなのかしら?」
「割と会うよ。そうだなぁ……じゃんけんで五連続負けるくらい?」
「け、結構会う感じがするわね」
じゃんけんで五連続負けるくらいの確率で死ぬと考えると相当嫌だろう。
「……ぁ、ほら。また」
ちょうど、こんなことを話していた最中に遠くのほうから一体の魔物が近づいてくる。
その実力としてはちょうど下層くらい……間違いなくイレギュラーエンカウントの敵であると言えるだろう。
「……っ」
僕の隣で桃葉は頬を引きつらせながら警戒心をあらわにしている。
まぁ、それもそうだろう。
以前はイレギュラーエンカウントのせいで命の危険へと瀕したわけだ。
警戒しないわけがないだろう……つ、つまりはだ。
ここでいいところを見せられればさらに好感度が上がってさらに捨てられずに済む可能性があがるというということだ。
「せ、せっかくだし……僕の強さ?というものを見せてあげようかなぁ」
こんなチャンスを逃せるわけがない。
僕は胸を張りながら意気揚々とそう宣言する。
桃葉は魔力とスキルを使っていたわけだから……僕は魔法を使っちゃおうかな!
「……いけるの?」
「問題なく」
僕は桃葉の言葉に即答すると共に自身の魔力を高めて立体的で巨大な魔法陣を描き始める。
「……えっ?」
そんな僕の様子を見て桃葉は困惑の声を漏らしている。
「ふふふ……冥層にも潜れる圧倒的な力を見よっ!」
僕はカッコいいポーズをとりながら魔法を発動。
「ガァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアっ!!!」
イレギュラーエンカウントの魔物を中心として吹き荒れた地獄の業火は一瞬にしてその魔物を炭へと変えるのだった。
10
お気に入りに追加
105
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
超人気美少女ダンジョン配信者を救ってバズった呪詛師、うっかり呪術を披露しすぎたところ、どうやら最凶すぎると話題に
菊池 快晴
ファンタジー
「誰も見てくれない……」
黒羽黒斗は、呪術の力でダンジョン配信者をしていたが、地味すぎるせいで視聴者が伸びなかった。
自らをブラックと名乗り、中二病キャラクターで必死に頑張るも空回り。
そんなある日、ダンジョンの最下層で超人気配信者、君内風華を呪術で偶然にも助ける。
その素早すぎる動き、ボスすらも即死させる呪術が最凶すぎると話題になり、黒斗ことブラックの信者が増えていく。
だが当の本人は真面目すぎるので「人気配信者ってすごいなあ」と勘違い。
これは、主人公ブラックが正体を隠しながらも最凶呪術で無双しまくる物語である。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
現代ダンジョンで成り上がり!
カメ
ファンタジー
現代ダンジョンで成り上がる!
現代の世界に大きな地震が全世界同時に起こると共に、全世界にダンジョンが現れた。
舞台はその後の世界。ダンジョンの出現とともに、ステータスが見れる様になり、多くの能力、スキルを持つ人たちが現れる。その人達は冒険者と呼ばれる様になり、ダンジョンから得られる貴重な資源のおかげで稼ぎが多い冒険者は、多くの人から憧れる職業となった。
四ノ宮翔には、いいスキルもステータスもない。ましてや呪いをその身に受ける、呪われた子の称号を持つ存在だ。そんな彼がこの世界でどう生き、成り上がるのか、その冒険が今始まる。
元勇者のデブ男が愛されハーレムを築くまで
あれい
ファンタジー
田代学はデブ男である。家族には冷たくされ、学校ではいじめを受けてきた。高校入学を前に一人暮らしをするが、高校に行くのが憂鬱だ。引っ越し初日、学は異世界に勇者召喚され、魔王と戦うことになる。そして7年後、学は無事、魔王討伐を成し遂げ、異世界から帰還することになる。だが、学を召喚した女神アイリスは元の世界ではなく、男女比が1:20のパラレルワールドへの帰還を勧めてきて……。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる