神に愛された子

鈴木 カタル

文字の大きさ
上 下
84 / 124
連載

♛ 閑話

しおりを挟む




『 イピリア不在時のリーン達 』








 
イピリアが戻って来ない!


てっきり夜までには僕の所へ帰ってくると思ってたのに。
夕食の時間を過ぎてもまだ帰ってきてない。
ベットの上で聖獣達と待っているのに。


「 大丈夫なのかなぁ 」

こんなに遅くなるなら、お爺様の所へ寄ってくれば良かった。真っ直ぐ帰宅した事を後悔するよ。

'' 次は 僕の番 ''

「 えっ、カルキノスもやられたいの?」

イピリアを待ちながら アクリスの口元から頬へと指先で撫でて...いや、擽っているつもり。口を塞がれ嫌がるアクリスは、僕の手を両手で掴み足はキックしてる。
まるで子猫が手にじゃれているみたいだ。

'' この この手が 我を ''

「 ふふふ 」

懸命な足キックに手を離す。
アクリスは息切れしてる。

カルキノスはそんな風に弄られるアクリスが 遊んでもらっていると感じたみたい。

'' 僕も やって ''

ぽてんと寝転がり どうぞ と顔を向けてくる。そんな風にされたら…やるしかないよね。

「 苦しくなったら言ってね?」

'' はーい ''

カルキノスの口元から頬へと指先で擽る。
わしゃわしゃ…撫でているようなもんなんだけど。

'' んん  んん ''

何か言いたそうにしてるから ぱっと手を離す。
不思議そうな顔をするだけなので 今度は両手でやってみた。

なでなで...じゃなくて、こちょこちょ…

「 あれ? 」

アクリスみたいに手にじゃれてこない。
力が弱過ぎた? さっきと同じなんだけどなぁ。
わしゃわしゃと撫でても、目を閉じるだけでじゃれてこない。

'' 子奴は 鈍感なのだ ''

「 でもこの顔さ...ぷっ、ふふふっ まるで笑ってるみたいに見えない? 」

僕が口元を両手で撫でるから カルキノスの口角は上がる。そして、瞳を閉じているのだ。
ニコッと笑っている顔に見える。

'' おお 本当だ 笑い顔に見えるぞ "

「 面白い顔になっちゃうね 」

むにむにとしてる頬まで撫で回す。
この柔らかさ、手触り、堪りません! 

でもカルキノスの顔を見ると面白くて笑っちゃう。笑う子グマなんだもん。

はぁ~...
癒される...この温もりも...触り心地も...


癒し効果なのか 段々と眠くなってくる。

撫でるのを止めて、ぽふんと横になる。
もう瞼が重くて駄目だ...
目が閉じちゃ...2匹...とも...


'' 寝ちゃった 僕も寝る ''

'' 我も寝る こっちは我の場所だ ''

アクリスは背中にくっつき丸まって寝る。
カルキノスは胸の側まで擦り寄りくっつくと寝た。

リーンと一緒に寝るのは良くあること。



暫く後に リーンの母親が様子を見に来た。

ベットの上で仲良く寝ている姿に悶絶する。
布団を掛け直して、自分の旦那様に報告しに行った。


「 こんな素敵な光景を見逃すのは可哀想だわ~ 今度こそ教えなきゃ~ 」

旦那様に話をしたら、何故か子供達まで一緒に見に行ったみたい。

聞いた話だとレーモンドは朝方まで見てたらしいわ。








┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼

ショートショートでした。

こんな風に普段リーンと聖獣達はは過ごしています。(今回はイピリア不在) 
穏やかな寝顔を家族に晒しているリーン達。

 
 
しおりを挟む
感想 237

あなたにおすすめの小説

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!

饕餮
ファンタジー
  書籍化決定!   2024/08/中旬ごろの出荷となります!   Web版と書籍版では一部の設定を追加しました! 今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。 救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。 一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。 そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。 だが。 「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」 森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。 ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。 ★主人公は口が悪いです。 ★不定期更新です。 ★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。

貴方に側室を決める権利はございません

章槻雅希
ファンタジー
婚約者がいきなり『側室を迎える』と言い出しました。まだ、結婚もしていないのに。そしてよくよく聞いてみると、婚約者は根本的な勘違いをしているようです。あなたに側室を決める権利はありませんし、迎える権利もございません。 思い付きによるショートショート。 国の背景やらの設定はふんわり。なんちゃって近世ヨーロッパ風な異世界。 『小説家になろう』様・『アルファポリス』様に重複投稿。

聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったため、異世界でふわふわパンを焼こうと思います!

伊桜らな
ファンタジー
家業パン屋さんで働くメルは、パンが大好き。 いきなり聖女召喚の儀やらで異世界に呼ばれちゃったのに「いらない」と言われて追い出されてしまう。どうすればいいか分からなかったとき、公爵家当主に拾われ公爵家にお世話になる。 衣食住は確保できたって思ったのに、パンが美味しくないしめちゃくちゃ硬い!! パン好きなメルは、厨房を使いふわふわパン作りを始める。  *表紙画は月兎なつめ様に描いて頂きました。*  ー(*)のマークはRシーンがあります。ー  少しだけ展開を変えました。申し訳ありません。  ホットランキング 1位(2021.10.17)  ファンタジーランキング1位(2021.10.17)  小説ランキング 1位(2021.10.17)  ありがとうございます。読んでくださる皆様に感謝です。

国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。

樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。 ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。 国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。 「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。