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計画は速やかに
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壁掛けの蝋燭が、地下に通じる石段を不気味に照らす。普通であれば恐ろしさで腰が引けてしまうだろう。しかし、デリクは何の迷いもなくシャーロットより先に階段を駆け下りた。
地下は思った以上の広さで、右側には鉄格子の付いた牢屋が数個。いずれも空で、どこにもリリアの姿はない。ではどこにいるのか……。デリクは牢屋の向かい側にあるたった一つの扉を見つめ、引き寄せられるようにドアノブへと手をかけた――。
「リリア……」
だだっ広い石造りの部屋の中央にリリアが横たわっている。デリクはすぐさま駆け寄った。
「リリア目を覚ませ。リリア!」
大声で呼びかけ必死に揺さぶる。
「あまり揺らさない方が良くてよ。毒の回りが早まるわ」
「毒……?」
優雅に石段を降りてきたシャーロットは扉を閉めて外から鍵をかけた。
(――閉じ込められた!?)
「なぜ扉を閉めた! 毒とは何のことだ」
「毒は毒よ。私には魔力がない。その女に敵うわけないでしょ?」
「君が何を言ってるのかさっぱり分からない。早く扉を開けろ」
デリクはリリアを抱えて扉を叩いた。
「あなたたち二人、今から仲良く死ぬのよ。どうして開けなくてはいけないの?」
シャーロットの意気揚々とした声に、デリクの背筋が凍りつく。
――嵌められた。
気付いたところでもう遅い。
「関係ない人を巻き込むな。殺すなら俺だけにしろ!」
「ダメよ。ブレイン嬢が死なないと私の計画は完成しない」
扉に設置された小窓が開き、一枚の紙がひらひらと床に落ちていく。シャーロットは無慈悲な声で呟いた。
「召喚」
「――!?」
紙に描かれた魔法陣が光り、その衝撃でデリクとリリアは吹き飛ばされた。展開された魔法陣から巨体が現れる。硬い鱗、鋭い爪、大きな翼。口から剥き出した牙が恐怖心を煽る。
「ドラゴン……」
「デリク、あなた一応剣術も習っていたわよね。剣を一本プレゼントするわ。あなたが必死に戦った痕跡を残しておいてちょうだい」
デリクはザッと部屋を見渡して無造作に置かれた剣を見つけた。リリアを部屋の隅に寝かして、剣を手に取りドラゴンに立ち向かう。生死をかけて戦うデリクの姿を、シャーロットは冷たい瞳に映した。
「――筋書きはこう。ブレイン嬢を邪魔に思った侍女がドラゴンを召喚。私たち二人は助けに来たけれど、残念ながらあなたと彼女はドラゴンに殺されてしまう。あの悪い魔術師は殺人罪で処刑。私は公爵家を出て別人として生きていく。やっと自由になれるんだわ」
「別人として生きる? そんなことできるわけないだろ。こんなことをして……シャーロット、君は狂ってる……」
「狂ってるわ。でなきゃこんなことできないもの」
ドラゴンに薙ぎ払われたデリクの腕から血が流れる。羽ばたきによる風圧で体は壁に打ち付けられた。
「ねえ、この前私があなたに使おうとした魔法陣。なんと言われて渡されたのか教えてあげましょうか。『これがあればデリクを殺せる』……あの魔術師はそう言ったくせに……なのにあの魔法陣の本当の効力は……許せない……どれだけ私の気持ちを踏みにじれば気が済むのよ。あの時はあなたを殺すことを戸惑ったけど、今は何の躊躇いもない」
「俺もリリアも死なない」
「いいえ、死ぬわ。ここに護衛はいない。ブレイン嬢も毒と拘束魔法で動けないのよ。まあ、魔術師団で働かず魔術店なんかしてるくらいだもの。この女の実力も大したことないのでしょうけど」
「君はリリアの実力を――」
大きく開口したドラゴンがけたたましい叫び声を上げた。地面が揺れ、超音波となったその叫びがキーンと鼓膜を突き破りそうになる。
デリクは頭が破裂しそうになるのを堪えながらリリアの耳を慌てて塞いだ。
「大丈夫だよリリア。俺が必ず君を守るから」
超音波のような叫び声が静まると、ドラゴンは再びデリクに牙を剥いた。脳震盪と腕の怪我が酷く剣を握る手が震える。
「くそっ……力が入らない……」
それでも剣を落とすまいと力を込めた時、扉の外で女性の怒鳴り声が聞こえた。
「――シャーロット!! これはどういうことなの!!」
クドカロフ公爵夫人だ。
「どうしてお母様が!?」
扉の小窓を覗いた公爵夫人の顔が青褪めた。
「あなた……何てことを……凄まじい超音波で何人も失神したの、上は大騒ぎよ!」
「超音波……何のこと?」
そういえば、ドラゴンが叫んだ時にデリクがリリアの耳を塞いでいた。シャーロットはハッと気が付く。
「まさか、あの時の保護魔法……」
そのまさかだ。リリアが夜会直前にかけていた保護魔法によってシャーロットは鼓膜が破れそうな超音波に気付かなかったのだ。リリアの実力を甘く見ていたシャーロットの落ち度だろう。
「早く鍵を貸しなさい! メイベル、ドラゴンを止めて!!」
「はい、奥様」
メイベルが拘束魔法でドラゴンの動きを止める。しかしドラゴンの勢いも凄まじく、手こずっているようだ。
「どうしたの!? あなたの用意したドラゴンではないの?」
「違います。私はお嬢様がブレイン嬢を懲らしめたいとおっしゃるのでそのお手伝いを少ししただけです。奥様、このドラゴン、私一人では無理かもしれません。騎士団を呼んでください」
「上には大勢の人たちがいるのに……そんなことをしたら……」
「騒ぎになっているのなら隠蔽は無理ですよ、お母様」
「シャーロット……お前」
嘲笑うシャーロットを前に、公爵夫人の目が吊り上がった。手を振り上げて娘の頬を思い切り叩く。シャーロットは憎悪に満ちた目で母親を睨み返した。
「その目は何!? お前のせいでこうなっているんでしょう!! ――そうよ、良い事を思いついたわ。シャーロット早く騎士団を呼んできなさい! 早く!」
シャーロットは唇を噛んで石段を駆け上がった。
地下は思った以上の広さで、右側には鉄格子の付いた牢屋が数個。いずれも空で、どこにもリリアの姿はない。ではどこにいるのか……。デリクは牢屋の向かい側にあるたった一つの扉を見つめ、引き寄せられるようにドアノブへと手をかけた――。
「リリア……」
だだっ広い石造りの部屋の中央にリリアが横たわっている。デリクはすぐさま駆け寄った。
「リリア目を覚ませ。リリア!」
大声で呼びかけ必死に揺さぶる。
「あまり揺らさない方が良くてよ。毒の回りが早まるわ」
「毒……?」
優雅に石段を降りてきたシャーロットは扉を閉めて外から鍵をかけた。
(――閉じ込められた!?)
「なぜ扉を閉めた! 毒とは何のことだ」
「毒は毒よ。私には魔力がない。その女に敵うわけないでしょ?」
「君が何を言ってるのかさっぱり分からない。早く扉を開けろ」
デリクはリリアを抱えて扉を叩いた。
「あなたたち二人、今から仲良く死ぬのよ。どうして開けなくてはいけないの?」
シャーロットの意気揚々とした声に、デリクの背筋が凍りつく。
――嵌められた。
気付いたところでもう遅い。
「関係ない人を巻き込むな。殺すなら俺だけにしろ!」
「ダメよ。ブレイン嬢が死なないと私の計画は完成しない」
扉に設置された小窓が開き、一枚の紙がひらひらと床に落ちていく。シャーロットは無慈悲な声で呟いた。
「召喚」
「――!?」
紙に描かれた魔法陣が光り、その衝撃でデリクとリリアは吹き飛ばされた。展開された魔法陣から巨体が現れる。硬い鱗、鋭い爪、大きな翼。口から剥き出した牙が恐怖心を煽る。
「ドラゴン……」
「デリク、あなた一応剣術も習っていたわよね。剣を一本プレゼントするわ。あなたが必死に戦った痕跡を残しておいてちょうだい」
デリクはザッと部屋を見渡して無造作に置かれた剣を見つけた。リリアを部屋の隅に寝かして、剣を手に取りドラゴンに立ち向かう。生死をかけて戦うデリクの姿を、シャーロットは冷たい瞳に映した。
「――筋書きはこう。ブレイン嬢を邪魔に思った侍女がドラゴンを召喚。私たち二人は助けに来たけれど、残念ながらあなたと彼女はドラゴンに殺されてしまう。あの悪い魔術師は殺人罪で処刑。私は公爵家を出て別人として生きていく。やっと自由になれるんだわ」
「別人として生きる? そんなことできるわけないだろ。こんなことをして……シャーロット、君は狂ってる……」
「狂ってるわ。でなきゃこんなことできないもの」
ドラゴンに薙ぎ払われたデリクの腕から血が流れる。羽ばたきによる風圧で体は壁に打ち付けられた。
「ねえ、この前私があなたに使おうとした魔法陣。なんと言われて渡されたのか教えてあげましょうか。『これがあればデリクを殺せる』……あの魔術師はそう言ったくせに……なのにあの魔法陣の本当の効力は……許せない……どれだけ私の気持ちを踏みにじれば気が済むのよ。あの時はあなたを殺すことを戸惑ったけど、今は何の躊躇いもない」
「俺もリリアも死なない」
「いいえ、死ぬわ。ここに護衛はいない。ブレイン嬢も毒と拘束魔法で動けないのよ。まあ、魔術師団で働かず魔術店なんかしてるくらいだもの。この女の実力も大したことないのでしょうけど」
「君はリリアの実力を――」
大きく開口したドラゴンがけたたましい叫び声を上げた。地面が揺れ、超音波となったその叫びがキーンと鼓膜を突き破りそうになる。
デリクは頭が破裂しそうになるのを堪えながらリリアの耳を慌てて塞いだ。
「大丈夫だよリリア。俺が必ず君を守るから」
超音波のような叫び声が静まると、ドラゴンは再びデリクに牙を剥いた。脳震盪と腕の怪我が酷く剣を握る手が震える。
「くそっ……力が入らない……」
それでも剣を落とすまいと力を込めた時、扉の外で女性の怒鳴り声が聞こえた。
「――シャーロット!! これはどういうことなの!!」
クドカロフ公爵夫人だ。
「どうしてお母様が!?」
扉の小窓を覗いた公爵夫人の顔が青褪めた。
「あなた……何てことを……凄まじい超音波で何人も失神したの、上は大騒ぎよ!」
「超音波……何のこと?」
そういえば、ドラゴンが叫んだ時にデリクがリリアの耳を塞いでいた。シャーロットはハッと気が付く。
「まさか、あの時の保護魔法……」
そのまさかだ。リリアが夜会直前にかけていた保護魔法によってシャーロットは鼓膜が破れそうな超音波に気付かなかったのだ。リリアの実力を甘く見ていたシャーロットの落ち度だろう。
「早く鍵を貸しなさい! メイベル、ドラゴンを止めて!!」
「はい、奥様」
メイベルが拘束魔法でドラゴンの動きを止める。しかしドラゴンの勢いも凄まじく、手こずっているようだ。
「どうしたの!? あなたの用意したドラゴンではないの?」
「違います。私はお嬢様がブレイン嬢を懲らしめたいとおっしゃるのでそのお手伝いを少ししただけです。奥様、このドラゴン、私一人では無理かもしれません。騎士団を呼んでください」
「上には大勢の人たちがいるのに……そんなことをしたら……」
「騒ぎになっているのなら隠蔽は無理ですよ、お母様」
「シャーロット……お前」
嘲笑うシャーロットを前に、公爵夫人の目が吊り上がった。手を振り上げて娘の頬を思い切り叩く。シャーロットは憎悪に満ちた目で母親を睨み返した。
「その目は何!? お前のせいでこうなっているんでしょう!! ――そうよ、良い事を思いついたわ。シャーロット早く騎士団を呼んできなさい! 早く!」
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