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ガラスの靴

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 今日はお父様と一緒に伯父様の商会に呼ばれた。
「やぁ、お前たち。よく来てくれた。エラ、ご所望の新製品の靴だよ。手に取って見てくれ」
目の前には、商品化されたガラスの靴が数足並んでいた。
「まぁ、伯父様!素晴らしいですわ!ご令嬢たちの注目の的になりそうです」
「ウチのエラにこんな才能があったなんて知らなかったよ。兄さん、これはいつから売り出すんです?」
「それなんだが、靴を取り扱うのは初めてでね。どうやって売り込もうか決めあぐねているんだ」

「伯父様、私の考えを聞いてくださる?この商品は、口コミで評判を広めるのがいいのでは、と思います。お姉様たちの話では、すでにご令嬢たちの間で噂になっているんですって。まずはお姉様たちにこの靴でお茶会や夜会に出席していただけば、目ざといご令嬢は気付くと思うんです、例の新しい靴だって。靴について聞かれたら、もしかしたら商会に在庫があるかもしれない、と答えるようにお姉様にお願いし、プレミア感を演出しましょう」
「なるほど。大々的に宣伝するよりもじわじわと広がる方が特別感があるね」
「では、お父様からお姉様たちにそのようにお願いしてくださいますか?」
「もちろん、お安いご用だよ」

 これで、ガラスの靴の流行と、お姉様たちの承認欲求を満たす手立てが整った。
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