82 / 95
英雄への憧れ
しおりを挟む
花瓶に生けられた花を見ながら、何やら熟考している様子のアランド殿下であったが、コホン! と、気を取り直したように咳払いをすると、自分なりに何か納得したのだろうか、エステルダに向かって、「そうだな。」 と、はっきりとした口調で告げた。その瞳からは、それまでになかった決意のようなものさえ感じる。
「わかった。確かに・・・言われてみればその通りだ。エステルダ、この国の第一王子である私の命を救った貴女に一番の権利を与えよう。」
こうして殿下の意見は、そのまま国王に届けられ、アランド第一王子殿下の命を救ったエステルダの功績を称え、エステルダとヴィスタ、レナートとアリッサの婚約が王命により通達されたのであった。
没落間近のナーザス子爵領については、アリッサとヴィスタの当初の願いを叶える意味も含め、国からの助成を受けながら存続することが決まった。今後、エステルダとアリッサがお互いの家に嫁ぐとなれば、両家に強い親戚関係が築かれる。それを見越した上で、何かあった時の後ろ盾として、ナーザス子爵家はロゼット公爵家の傘下に入ることになった。
こうして王家とロゼット公爵家、両家の力を借り、領民の生活の保障と共に、ナーザス子爵家は存続することとなったのだ。
しかし、ようやくここまで来たというのに、現在二人の目の前には、一番の難関である彼らの父親が立ちふさがっていたのだった。
それと言うのも、父であるロゼット公爵が王命にも関わらず、未だナーザス姉弟との婚約に難色を示しているのだ。公爵は、ナーザス子爵家の後ろ盾になることは渋々承知したが、ナーザス姉弟と自分の娘と息子の婚約だけは、絶対駄目だと言い張った。
彼は誰の説得にも応じず、最後は大人げなく部屋に閉じこもってまで首を縦に振ることを拒んだのだ。エステルダとレナートが、代わる代わる開かないドアの前で父を説得しようとも、彼は返事もしなければ食事すら拒否する有様であった。あまりに頑固な父に呆れ果て、二人がぐったりと辟易していると、それまで何も言わずに静観していた公爵夫人が、静々と夫の部屋の前まで行き、開かないドアに向かい小声で何やらボソボソと呟いて戻って行った。
すると、それからしばらして、部屋のドアは静かに開いたのだった。
その後、何故か公爵は、あれ程までに渋っていた子供達の婚約をまるで何事もなかったかのようにあっさりと認めたのであった。
「ロゼット、ナーザス両家に、孫は何人生まれるかしらね。ふふふ・・・桃色と金色が全てとは限りません。その中にもし、あの方と瓜二つの子が現れたなら・・・貴方ならどうしますか? わたくしは第二の人生を夢見ていますわ。 ねえ、貴方、わたくし達は、この上ない幸運に恵まれましたのよ? うふふ、共に長生きしましょうね。」
その言葉を聞いて、難攻不落と思われた公爵の抵抗はガラガラと音を立てて崩れ落ちたのだった。
「もう、いい加減教えてください。父上がどんなに頑張ったところで王命は覆りません。ナーザス子爵家と父上の間で一体どのような問題があったのですか。」
「そうですわ、お父様。いつまでもそんな怒った顔なさらないで。アリッサ様もヴィスタ様も爵位以外は本当に素晴らしい方ですのよ?それに―――」
「副団長になれなかったからだ。」
「えっ?は? 今なんて?」
「はっ!?ふくだん・・・」
「そうだっ!!あれほど信頼されていたはずなのに!!絶対私が副団長に任命されて、ロックナート団長の右腕として、彼と共に国の安全を守るものと思っていたのに・・・。私は南の砦から、この王都へ移動させられたんだ。あんな奴を、あんな弱い腰抜けを副団長にして!!ロックナート様は!!私はロックナート団長から絶大な信頼を得ていた!!あのまま行けば私が間違いなく副団長だったんだ!!周りの奴らも皆が言っていた!!ミリアだって・・・、お前達の母上だって、あんなに私と結婚して南の砦で・・・、ロックナート様のもとで暮らすことを楽しみにしていたと言うのに・・・。くそっ!!」
「父上、しかしそれは、南の砦でのロックナート閣下との話。ナーザス子爵家とは何の関係も―――」
「うるさいっ!!お前達に私の気持ちが分かるか!!あんなに憧れていたのに、私は、ロックナート様とお近づきになりたくて騎士の道に進んだんだ!!あの方が存在していなければ騎士になどならん!!会ったこともない婚約者のミリアと手紙だけでこれほど愛を育めたのは、砦でのロックナート様の話で異常に盛り上がったおかげだ!!私達夫婦にとって、英雄ロックナートが人生の全てだったんだ!!」
「お、お父様、それはわかりましたが、それとわたくし達の婚約とは話が別―――」
「うるさい!!黙れ!!」
今まで、何を聞いても、貝のように黙り込んでいた父の話は、まるでダムが決壊したかのように次々と押し寄せて、数時間にも及ぶ当時の恨みつらみに加え、更には英雄ロックナートの武勇伝へと続いた為、エステルダとレナートの意識は、はるか遠くへ押し流された後、残骸となって床に転がったのだった。
だが、正式に両家の婚約が成立すると、ロゼット公爵宛てに一通の手紙が届いた。
差出人のロックナート・ナーザスの名前を見た途端、夫婦揃って軽い呼吸困難に陥っていたが、実際に手紙を読んだ後には、夫婦揃って床に突っ伏して泣き崩れてしまったのだった。
手紙には、孫の婚約をとても喜んでいる内容に加え、当時のロゼット公爵を副団長に出来なかった理由。現在の南の砦の話、息子に爵位を譲った後は、気軽に南の砦に戻って来いとまで書かれていた。そして、ここまで読んだロゼット公爵は、声を漏らして泣き崩れたのだ。
「私はロックナート様に見限られた訳ではなかった・・・。ミリア、見てくれ、ここに書いてある。父上が、父上は、あの時既に、ご自分の病気を知っていたんだ・・・病気だったから・・・私に跡を継がせるために王都に呼び寄せていたんだ。・・・本当だったら私を副団長にしたかったと、一緒に戦いたかったと・・・、ミリア、書いてあるんだ、ここに。そして、役目が終わったら、」
「ええ、貴方。書いてありますわ!!また南の砦にって、書いてありますわ!!ふぅぅぅ、こんなにも、お優しい言葉を・・・。」
その後、その手紙は額に入れられてロゼット公爵の執務室の一番目立つ場所に飾られている。
早くレナートに爵位を譲って、南の砦に夫婦で向かいたい公爵は、焦って領地の仕事を教え始めた上に、時間の無駄だと言ってレナートが騎士になることにも反対し、勝手に学園の普通科に移そうとして、家庭内に揉め事を増やしていた。
「わかった。確かに・・・言われてみればその通りだ。エステルダ、この国の第一王子である私の命を救った貴女に一番の権利を与えよう。」
こうして殿下の意見は、そのまま国王に届けられ、アランド第一王子殿下の命を救ったエステルダの功績を称え、エステルダとヴィスタ、レナートとアリッサの婚約が王命により通達されたのであった。
没落間近のナーザス子爵領については、アリッサとヴィスタの当初の願いを叶える意味も含め、国からの助成を受けながら存続することが決まった。今後、エステルダとアリッサがお互いの家に嫁ぐとなれば、両家に強い親戚関係が築かれる。それを見越した上で、何かあった時の後ろ盾として、ナーザス子爵家はロゼット公爵家の傘下に入ることになった。
こうして王家とロゼット公爵家、両家の力を借り、領民の生活の保障と共に、ナーザス子爵家は存続することとなったのだ。
しかし、ようやくここまで来たというのに、現在二人の目の前には、一番の難関である彼らの父親が立ちふさがっていたのだった。
それと言うのも、父であるロゼット公爵が王命にも関わらず、未だナーザス姉弟との婚約に難色を示しているのだ。公爵は、ナーザス子爵家の後ろ盾になることは渋々承知したが、ナーザス姉弟と自分の娘と息子の婚約だけは、絶対駄目だと言い張った。
彼は誰の説得にも応じず、最後は大人げなく部屋に閉じこもってまで首を縦に振ることを拒んだのだ。エステルダとレナートが、代わる代わる開かないドアの前で父を説得しようとも、彼は返事もしなければ食事すら拒否する有様であった。あまりに頑固な父に呆れ果て、二人がぐったりと辟易していると、それまで何も言わずに静観していた公爵夫人が、静々と夫の部屋の前まで行き、開かないドアに向かい小声で何やらボソボソと呟いて戻って行った。
すると、それからしばらして、部屋のドアは静かに開いたのだった。
その後、何故か公爵は、あれ程までに渋っていた子供達の婚約をまるで何事もなかったかのようにあっさりと認めたのであった。
「ロゼット、ナーザス両家に、孫は何人生まれるかしらね。ふふふ・・・桃色と金色が全てとは限りません。その中にもし、あの方と瓜二つの子が現れたなら・・・貴方ならどうしますか? わたくしは第二の人生を夢見ていますわ。 ねえ、貴方、わたくし達は、この上ない幸運に恵まれましたのよ? うふふ、共に長生きしましょうね。」
その言葉を聞いて、難攻不落と思われた公爵の抵抗はガラガラと音を立てて崩れ落ちたのだった。
「もう、いい加減教えてください。父上がどんなに頑張ったところで王命は覆りません。ナーザス子爵家と父上の間で一体どのような問題があったのですか。」
「そうですわ、お父様。いつまでもそんな怒った顔なさらないで。アリッサ様もヴィスタ様も爵位以外は本当に素晴らしい方ですのよ?それに―――」
「副団長になれなかったからだ。」
「えっ?は? 今なんて?」
「はっ!?ふくだん・・・」
「そうだっ!!あれほど信頼されていたはずなのに!!絶対私が副団長に任命されて、ロックナート団長の右腕として、彼と共に国の安全を守るものと思っていたのに・・・。私は南の砦から、この王都へ移動させられたんだ。あんな奴を、あんな弱い腰抜けを副団長にして!!ロックナート様は!!私はロックナート団長から絶大な信頼を得ていた!!あのまま行けば私が間違いなく副団長だったんだ!!周りの奴らも皆が言っていた!!ミリアだって・・・、お前達の母上だって、あんなに私と結婚して南の砦で・・・、ロックナート様のもとで暮らすことを楽しみにしていたと言うのに・・・。くそっ!!」
「父上、しかしそれは、南の砦でのロックナート閣下との話。ナーザス子爵家とは何の関係も―――」
「うるさいっ!!お前達に私の気持ちが分かるか!!あんなに憧れていたのに、私は、ロックナート様とお近づきになりたくて騎士の道に進んだんだ!!あの方が存在していなければ騎士になどならん!!会ったこともない婚約者のミリアと手紙だけでこれほど愛を育めたのは、砦でのロックナート様の話で異常に盛り上がったおかげだ!!私達夫婦にとって、英雄ロックナートが人生の全てだったんだ!!」
「お、お父様、それはわかりましたが、それとわたくし達の婚約とは話が別―――」
「うるさい!!黙れ!!」
今まで、何を聞いても、貝のように黙り込んでいた父の話は、まるでダムが決壊したかのように次々と押し寄せて、数時間にも及ぶ当時の恨みつらみに加え、更には英雄ロックナートの武勇伝へと続いた為、エステルダとレナートの意識は、はるか遠くへ押し流された後、残骸となって床に転がったのだった。
だが、正式に両家の婚約が成立すると、ロゼット公爵宛てに一通の手紙が届いた。
差出人のロックナート・ナーザスの名前を見た途端、夫婦揃って軽い呼吸困難に陥っていたが、実際に手紙を読んだ後には、夫婦揃って床に突っ伏して泣き崩れてしまったのだった。
手紙には、孫の婚約をとても喜んでいる内容に加え、当時のロゼット公爵を副団長に出来なかった理由。現在の南の砦の話、息子に爵位を譲った後は、気軽に南の砦に戻って来いとまで書かれていた。そして、ここまで読んだロゼット公爵は、声を漏らして泣き崩れたのだ。
「私はロックナート様に見限られた訳ではなかった・・・。ミリア、見てくれ、ここに書いてある。父上が、父上は、あの時既に、ご自分の病気を知っていたんだ・・・病気だったから・・・私に跡を継がせるために王都に呼び寄せていたんだ。・・・本当だったら私を副団長にしたかったと、一緒に戦いたかったと・・・、ミリア、書いてあるんだ、ここに。そして、役目が終わったら、」
「ええ、貴方。書いてありますわ!!また南の砦にって、書いてありますわ!!ふぅぅぅ、こんなにも、お優しい言葉を・・・。」
その後、その手紙は額に入れられてロゼット公爵の執務室の一番目立つ場所に飾られている。
早くレナートに爵位を譲って、南の砦に夫婦で向かいたい公爵は、焦って領地の仕事を教え始めた上に、時間の無駄だと言ってレナートが騎士になることにも反対し、勝手に学園の普通科に移そうとして、家庭内に揉め事を増やしていた。
0
お気に入りに追加
42
あなたにおすすめの小説
男と女の初夜
緑谷めい
恋愛
キクナー王国との戦にあっさり敗れたコヅクーエ王国。
終戦条約の約款により、コヅクーエ王国の王女クリスティーヌは、"高圧的で粗暴"という評判のキクナー王国の国王フェリクスに嫁ぐこととなった。
しかし、クリスティーヌもまた”傲慢で我が儘”と噂される王女であった――
大嫌いな令嬢
緑谷めい
恋愛
ボージェ侯爵家令嬢アンヌはアシャール侯爵家令嬢オレリアが大嫌いである。ほとんど「憎んでいる」と言っていい程に。
同家格の侯爵家に、たまたま同じ年、同じ性別で産まれたアンヌとオレリア。アンヌには5歳年上の兄がいてオレリアには1つ下の弟がいる、という点は少し違うが、ともに実家を継ぐ男兄弟がいて、自らは将来他家に嫁ぐ立場である、という事は同じだ。その為、幼い頃から何かにつけて、二人の令嬢は周囲から比較をされ続けて来た。
アンヌはうんざりしていた。
アンヌは可愛らしい容姿している。だが、オレリアは幼い頃から「可愛い」では表現しきれぬ、特別な美しさに恵まれた令嬢だった。そして、成長するにつれ、ますますその美貌に磨きがかかっている。
そんな二人は今年13歳になり、ともに王立貴族学園に入学した。
【完結】記憶を失くした貴方には、わたし達家族は要らないようです
たろ
恋愛
騎士であった夫が突然川に落ちて死んだと聞かされたラフェ。
お腹には赤ちゃんがいることが分かったばかりなのに。
これからどうやって暮らしていけばいいのか……
子供と二人で何とか頑張って暮らし始めたのに……
そして………
王妃さまは断罪劇に異議を唱える
土岐ゆうば(金湯叶)
恋愛
パーティー会場の中心で王太子クロードが婚約者のセリーヌに婚約破棄を突きつける。彼の側には愛らしい娘のアンナがいた。
そんな茶番劇のような場面を見て、王妃クラウディアは待ったをかける。
彼女が反対するのは、セリーヌとの婚約破棄ではなく、アンナとの再婚約だったーー。
王族の結婚とは。
王妃と国王の思いや、国王の愛妾や婚外子など。
王宮をとりまく複雑な関係が繰り広げられる。
ある者にとってはゲームの世界、ある者にとっては現実のお話。
【完結】私の愛する人は、あなただけなのだから
よどら文鳥
恋愛
私ヒマリ=ファールドとレン=ジェイムスは、小さい頃から仲が良かった。
五年前からは恋仲になり、その後両親をなんとか説得して婚約まで発展した。
私たちは相思相愛で理想のカップルと言えるほど良い関係だと思っていた。
だが、レンからいきなり婚約破棄して欲しいと言われてしまう。
「俺には最愛の女性がいる。その人の幸せを第一に考えている」
この言葉を聞いて涙を流しながらその場を去る。
あれほど酷いことを言われってしまったのに、私はそれでもレンのことばかり考えてしまっている。
婚約破棄された当日、ギャレット=メルトラ第二王子殿下から縁談の話が来ていることをお父様から聞く。
両親は恋人ごっこなど終わりにして王子と結婚しろと強く言われてしまう。
だが、それでも私の心の中には……。
※冒頭はざまぁっぽいですが、ざまぁがメインではありません。
※第一話投稿の段階で完結まで全て書き終えていますので、途中で更新が止まることはありませんのでご安心ください。
女嫌いな辺境伯と歴史狂いの子爵令嬢の、どうしようもなくマイペースな婚姻
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
恋愛
「友好と借金の形に、辺境伯家に嫁いでくれ」
行き遅れの私・マリーリーフに、突然婚約話が持ち上がった。
相手は女嫌いに社交嫌いな若き辺境伯。子爵令嬢の私にはまたとない好条件ではあるけど、相手の人柄が心配……と普通は思うでしょう。
でも私はそんな事より、嫁げば他に時間を取られて大好きな歴史研究に没頭できない事の方が問題!
それでも互いの領地の友好と借金の形として仕方がなく嫁いだ先で、「家の事には何も手出し・口出しするな」と言われて……。
え、「何もしなくていい」?!
じゃあ私、今まで通り、歴史研究してていいの?!
こうして始まる結婚(ただの同居)生活が、普通なわけはなく……?
どうやらプライベートな時間はずっと剣を振っていたい旦那様と、ずっと歴史に浸っていたい私。
二人が歩み寄る日は、来るのか。
得意分野が文と武でかけ離れている二人だけど、マイペース過ぎるところは、どこか似ている?
意外とお似合いなのかもしれません。笑
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
王太子エンドを迎えたはずのヒロインが今更私の婚約者を攻略しようとしているけどさせません
黒木メイ
恋愛
日本人だった頃の記憶があるクロエ。
でも、この世界が乙女ゲームに似た世界だとは知らなかった。
知ったのはヒロインらしき人物が落とした『攻略ノート』のおかげ。
学園も卒業して、ヒロインは王太子エンドを無事に迎えたはずなんだけど……何故か今になってヒロインが私の婚約者に近づいてきた。
いったい、何を考えているの?!
仕方ない。現実を見せてあげましょう。
と、いうわけでクロエは婚約者であるダニエルに告げた。
「しばらくの間、実家に帰らせていただきます」
突然告げられたクロエ至上主義なダニエルは顔面蒼白。
普段使わない頭を使ってクロエに戻ってきてもらう為に奮闘する。
※わりと見切り発車です。すみません。
※小説家になろう様にも掲載。(7/21異世界転生恋愛日間1位)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる