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思いもよらない贈り物
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放課後、レナートの教室を覗いたエステルダは、まだ戻って来ていない弟の机を睨みつけながら顔を歪めて苛立っていた。
アリッサにレナートを連れて行くと言った手前、一人で待ち合わせの場所に向かうわけにもいかず、イライラを募らせながらも仕方がないので教室の前で少しだけ待つことにした。
五分待った。
左右の廊下を端から端まで見渡したエステルダは、鞄の中からスッと一枚の紙を取り出すと、用件と待ち合わせ場所を記入し、レナートの机の上に置いた。そのまま急いで教室を出ると、もう一度廊下を慎重に見渡し、誰も居ないことを確認するや否や、スカートをひょいっとたくし上げて廊下を全力で駆け抜けて行った。
(ヴィスタ様、待っていてくださいませ!わたくし、今すぐに向かいますわ!!)
早くヴィスタに会いたいエステルダには、いつ戻ってくるのかも分からないレナートを待つことなど出来なかった。
そうして人目を気にしながら、走ったり歩いたりを繰り返して、ようやく待ち合わせ場所に辿り着いたエステルダを、嬉しそうに顔を綻ばせたヴィスタは、両手を広げて迎え入れた。
人前で走るなど淑女としてあるまじき行為! と、先ほどまでは間違いなく人目を気にしていたはずなのに、ヴィスタを前にした今の彼女からは、すっかり消えてしまったようだ。
頬を染め上げ、力いっぱい飛び込んで来たエステルダをヴィスタは力強く抱きしめた。
「ヴィスタ様、ずっとお会いできなくて寂しかったですわ。」
ヴィスタの胸に顔を押し当て、エステルダは幸せいっぱいに叫んだ。まるで犬のように全身で喜びを表現するエステルダに、ヴィスタの腕の力も強まった。
「僕もエステルダ様に、お会いしたかったです。」
そう言いながら、ヴィスタは抱きしめている腕の力を少しだけ緩めると間近でエステルダの顔を見下ろした。
喜びに打ちひしがれてヴィスタを見上げるエステルダに吸い込まれるようにヴィスタの顔が近付き、もう少しで唇が・・・と言うところで、二人は自分達の視界の中にあるはずのない、もう一つの顔に気が付いた。
「っ!! 姉さんっ!!」
「ちょ、アリッサ様!!怖いっ!!」
自分達の顔の直ぐ横に、突然現れた能面のようなアリッサの顔に驚き、のけ反っている二人を交互に見ると、アリッサは真顔で呟いた。
「レナート様は?」
そんなレナートが、アリッサのもとへ全力で走り込んで来るまでには、二人のイチャイチャをいいだけ見せつけられたアリッサが 「拷問だわ・・・。」 と、力なく呟きベンチの隅っこで背中を丸めて意気消沈するほどの時間が経っていた。
「アリッサ、ああ!!とても会いたかったです。」
先ほどまでとは打って変わり、生気を取り戻したアリッサが顔を真っ赤にして嬉しそうに微笑む姿を前に、案の定、レナートの暴走は止まらなくなってしまった。
苦しい程に抱きしめたアリッサに、雨のような口付けを容赦なく降らせたレナートは、そのままアリッサを抱きかかえると、何も言わずにその場から連れ去ろうとしたのだ。
「お待ちなさい、レナート!!」
こうしてエステルダが立ちふさがらなかったなら、正気を失いかけたレナートは、そのままアリッサを連れ去ってどこかに閉じ込めてしてしまう勢いであった。それほど今のレナートの目の色は普通ではなく、全身から放たれる熱すぎる空気には、どこか危険なものを感じるのだった。
(これは・・・アリッサ様の愛の重さを馬鹿にしている場合ではありませんわね。一番重症なのは、間違いなくレナートね・・・。)
アリッサを抱えたレナートが、ふて腐れたように口を尖らせて露骨に不満の表情を向けている姿を見て、心底呆れたエステルダであったが、腰に手を当てると厳しい顔をレナートに向けた。
「なんです、その顔は!!わたくし達は、ここで貴方が来るのを待っていましたのよ!?ですのに、遅れて来た上にアリッサ様を連れ去って一体どこに行こうというのです!!ふざけるのも大概になさい!!」
そうして、アリッサを離せと、いつものようにレナートをバシバシと叩きながらエステルダは話を続けた。
「わたくしも先ほど伺ったばかりなのですが、アリッサ様とヴィスタ様がわたくし達に贈り物を用意してくださってますのよ!?」
「贈り物!? アリッサが私に!?」
想像もしていなかった言葉に、レナートは目を見開き、ポカンとした顔でアリッサをその場に降ろしたかと思うと、今度は期待と喜びの表情でアリッサを見つめている。そんなレナートの熱い期待を感じ取ったアリッサは、大慌てで弁解する。
「いえ、レナート様、それほどたいした物ではありませんので、あまり期待しないでください・・・。」
レナートの無言の圧に呑まれ、徐々に声が小さくなってしまうアリッサだったが、そんな姉を助けるかのようにヴィスタが鞄の中から大きな紙袋を取り出すと、
「受け取ってくださいますか?」
と、エステルダに差し出して来た。少し照れたようにはにかむヴィスタに、つい見惚れてしまいそうになったエステルダが、贈り物の紙袋の中をそっと覗き込むと、中には手編みと思われる桃色の手袋とマフラーが入っていた。
まるで売り物かと思う程の美しい仕上がりと、ヴィスタの髪の色を意識したその色合いに、
「なんて、綺麗なのでしょう・・・。」
と、エステルダは瞳を潤ませてうっとりと呟いた。
が・・・、
マフラーの隅っこに、不自然に縫い付けられている恐ろしい顔の猫マークを見た途端、
「うっ!!」
と、苦しそうな声を上げた後、ジロリと冷たい視線をアリッサに注いだ。
視界の隅では、そんなエステルダを隣で見ていたヴィスタが、肩を震わせて笑いを堪えているのが目に入っていた。
アリッサにレナートを連れて行くと言った手前、一人で待ち合わせの場所に向かうわけにもいかず、イライラを募らせながらも仕方がないので教室の前で少しだけ待つことにした。
五分待った。
左右の廊下を端から端まで見渡したエステルダは、鞄の中からスッと一枚の紙を取り出すと、用件と待ち合わせ場所を記入し、レナートの机の上に置いた。そのまま急いで教室を出ると、もう一度廊下を慎重に見渡し、誰も居ないことを確認するや否や、スカートをひょいっとたくし上げて廊下を全力で駆け抜けて行った。
(ヴィスタ様、待っていてくださいませ!わたくし、今すぐに向かいますわ!!)
早くヴィスタに会いたいエステルダには、いつ戻ってくるのかも分からないレナートを待つことなど出来なかった。
そうして人目を気にしながら、走ったり歩いたりを繰り返して、ようやく待ち合わせ場所に辿り着いたエステルダを、嬉しそうに顔を綻ばせたヴィスタは、両手を広げて迎え入れた。
人前で走るなど淑女としてあるまじき行為! と、先ほどまでは間違いなく人目を気にしていたはずなのに、ヴィスタを前にした今の彼女からは、すっかり消えてしまったようだ。
頬を染め上げ、力いっぱい飛び込んで来たエステルダをヴィスタは力強く抱きしめた。
「ヴィスタ様、ずっとお会いできなくて寂しかったですわ。」
ヴィスタの胸に顔を押し当て、エステルダは幸せいっぱいに叫んだ。まるで犬のように全身で喜びを表現するエステルダに、ヴィスタの腕の力も強まった。
「僕もエステルダ様に、お会いしたかったです。」
そう言いながら、ヴィスタは抱きしめている腕の力を少しだけ緩めると間近でエステルダの顔を見下ろした。
喜びに打ちひしがれてヴィスタを見上げるエステルダに吸い込まれるようにヴィスタの顔が近付き、もう少しで唇が・・・と言うところで、二人は自分達の視界の中にあるはずのない、もう一つの顔に気が付いた。
「っ!! 姉さんっ!!」
「ちょ、アリッサ様!!怖いっ!!」
自分達の顔の直ぐ横に、突然現れた能面のようなアリッサの顔に驚き、のけ反っている二人を交互に見ると、アリッサは真顔で呟いた。
「レナート様は?」
そんなレナートが、アリッサのもとへ全力で走り込んで来るまでには、二人のイチャイチャをいいだけ見せつけられたアリッサが 「拷問だわ・・・。」 と、力なく呟きベンチの隅っこで背中を丸めて意気消沈するほどの時間が経っていた。
「アリッサ、ああ!!とても会いたかったです。」
先ほどまでとは打って変わり、生気を取り戻したアリッサが顔を真っ赤にして嬉しそうに微笑む姿を前に、案の定、レナートの暴走は止まらなくなってしまった。
苦しい程に抱きしめたアリッサに、雨のような口付けを容赦なく降らせたレナートは、そのままアリッサを抱きかかえると、何も言わずにその場から連れ去ろうとしたのだ。
「お待ちなさい、レナート!!」
こうしてエステルダが立ちふさがらなかったなら、正気を失いかけたレナートは、そのままアリッサを連れ去ってどこかに閉じ込めてしてしまう勢いであった。それほど今のレナートの目の色は普通ではなく、全身から放たれる熱すぎる空気には、どこか危険なものを感じるのだった。
(これは・・・アリッサ様の愛の重さを馬鹿にしている場合ではありませんわね。一番重症なのは、間違いなくレナートね・・・。)
アリッサを抱えたレナートが、ふて腐れたように口を尖らせて露骨に不満の表情を向けている姿を見て、心底呆れたエステルダであったが、腰に手を当てると厳しい顔をレナートに向けた。
「なんです、その顔は!!わたくし達は、ここで貴方が来るのを待っていましたのよ!?ですのに、遅れて来た上にアリッサ様を連れ去って一体どこに行こうというのです!!ふざけるのも大概になさい!!」
そうして、アリッサを離せと、いつものようにレナートをバシバシと叩きながらエステルダは話を続けた。
「わたくしも先ほど伺ったばかりなのですが、アリッサ様とヴィスタ様がわたくし達に贈り物を用意してくださってますのよ!?」
「贈り物!? アリッサが私に!?」
想像もしていなかった言葉に、レナートは目を見開き、ポカンとした顔でアリッサをその場に降ろしたかと思うと、今度は期待と喜びの表情でアリッサを見つめている。そんなレナートの熱い期待を感じ取ったアリッサは、大慌てで弁解する。
「いえ、レナート様、それほどたいした物ではありませんので、あまり期待しないでください・・・。」
レナートの無言の圧に呑まれ、徐々に声が小さくなってしまうアリッサだったが、そんな姉を助けるかのようにヴィスタが鞄の中から大きな紙袋を取り出すと、
「受け取ってくださいますか?」
と、エステルダに差し出して来た。少し照れたようにはにかむヴィスタに、つい見惚れてしまいそうになったエステルダが、贈り物の紙袋の中をそっと覗き込むと、中には手編みと思われる桃色の手袋とマフラーが入っていた。
まるで売り物かと思う程の美しい仕上がりと、ヴィスタの髪の色を意識したその色合いに、
「なんて、綺麗なのでしょう・・・。」
と、エステルダは瞳を潤ませてうっとりと呟いた。
が・・・、
マフラーの隅っこに、不自然に縫い付けられている恐ろしい顔の猫マークを見た途端、
「うっ!!」
と、苦しそうな声を上げた後、ジロリと冷たい視線をアリッサに注いだ。
視界の隅では、そんなエステルダを隣で見ていたヴィスタが、肩を震わせて笑いを堪えているのが目に入っていた。
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