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初めての贈り物
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新たな決意を胸に意気込む二人であったが、結局、アリッサとヴィスタの休みは、その後三週間にも及んだ。途中、もしかして学園を辞めたのではと心配になったエステルダが、アリッサの担任に尋ねてみると、理由は聞いていないが、二人共ナーザス子爵家の領地に戻っていることが分かった。
「ご実家で、何かあったのかしら・・・。」
「さあ・・・、それとなく父上に聞いてみましたが、特に問題があるとは言っていませんでした・・・。ご家族や親戚に何かあったのかもしれませんね・・・。」
「・・・レナート、アリッサ様とヴィスタ様の居ない学園が、これ程つまらないとは思いませんでしたわ・・・。」
「そうですね。」
「・・・貴方はまだいい方ですわ。騎士科の生徒達と放課後の鍛練やら、意味もなく体を鍛えたり、勉強だってしているようですし・・・。わたくしなんて、アランド殿下の婚約者を目標に生きてきたから、王宮でお妃教育が始まる前に、学園のお勉強も全て終わらせてしまいましたし、無駄に顔は広くても友人と呼べるような人もいませんし、アリッサ様とヴィスタ様の極秘調査以外にすることが何もありませんわ・・・。」
ふー・・・と、大きな溜息を吐いたエステルダは、心底つまらなそうに空を見上げた。
レナートも同じように、今にも雨が降ってきそうな曇り空を見上げながら姉との会話を続けた。
「よく一緒に行動していたご令嬢達はどうされたのですか?確か三人くらいいましたよね?」
「ああ・・・あの人達ね・・・。元々友人ではありませんもの。わたくしが殿下の婚約者候補を辞退した途端、話しかけても来なくなった所を見ると、将来的に何かしらの恩恵にあずかろうと思って、すり寄って来ていたのではなくて?まあ、どちらにしても、気が合って一緒に居た訳ではないですからね。」
「あんなに徒党を組んでアリッサ虐めに精を出していたのにですか?」
エステルダは、当時のアリッサに対する自分の態度を思い出し、恥ずかしいような申し訳ないような、なんとも情けない表情を浮かべると、レナートを見上げジロリと睨んだ。
「ふん、別にいいじゃない。どうせ何を言ったところでアリッサ様には意味がなかったんですから。たとえ暴力を振るったとてアリッサ様には勝てっこないし、もし、何処かに閉じ込めるなんて悪戯でもしたなら、怪物のようにドアをぶち破って仕返しに来たかもしれないわね・・・。何より殿下や他の貴族令息が目的だと思ってあれやこれや言っていたと言うのに、本命はまさかのレナートなんですもの・・・。」
アリッサの本命と言う言葉に気分を良くしたレナートが満足そうに口元を緩めているのを横目で見ながら、エステルダは、「本当に嫌になってしまうわ。」と、もう一度深い溜息を吐いた。
「殿下と言えば、最近あまりお見掛けしないわね。」
「殿下は、公務だけでなく生徒会もありますからね。それでもアリッサの前には、ちょくちょく現れていましたよ。いつだかもアリッサをしつこく生徒会に勧誘して断られていましたし・・・。ですが、いくら彼女を気に入っていても、さすがの殿下もアリッサだけはどうにもできないでしょうね。」
「おじい様?」
「はい。身分どうこうの前に、無理にアリッサの意にそぐわないことをした場合、ロックナート閣下を怒らせる可能性がありますからね・・・。さすがの王家も、ロックナート閣下とアーレン閣下を怒らせて得がないことぐらい分かっているでしょうから。」
「ふふふ、アリッサ様が王宮になんて閉じ込められたら、壁を破壊して脱出・・・。近衛どころか王宮騎士団もろとも・・・、くふふ、王宮壊滅ね!」
「姉上・・・。」
「あーあー・・・、早くヴィスタ様にお会いしたいわー・・・。」
大きく伸びをしたエステルダは、そろそろ教室に戻りましょうとレナートを促した。
すると何か思いついたレナートは、先に歩き出したエステルダを呼び止めた。
「姉上、そんなに暇を持て余しているのでしたら、私と街に行きませんか?」
声を掛けられたエステルダは、少し考えると、
「そうね、少しは気晴らしになるかもしれませんわね。」と、微笑んだ。
「サファイアを見せてください。」
てっきり姉の気分転換の為にあちこち見て回るのかと思いきや、レナートの向かった先は、母とエステルダもよく来る王都でも有名な宝石店だった。
顔なじみのエステルダとレナートを前に、店員は快く商品を並べ始めた。
普段は宝石になど、さほど興味を示さないレナートの真剣な横顔を見て、あれほど身なりに無頓着なレナートが、アリッサに好かれたいが為に、ついに宝石まで身に着けようとしているのかと思い、恋とは人をここまで変えるものなのだと、エステルダは目を細めながら感慨深く見つめていた。しかし、ふと、彼女はあることに気が付いた。
「あら? レナート?これは女性物ではありませんか?」
改めて宝石に目を落としたエステルダは、ペンダントやイヤリングを訝しげに見ると、直ぐにレナートに顔を向けた。しかし、レナートはその質問には答えず、うっすらと耳を赤くしながら店員に向かって贈り物だと告げた後、何やら説明し始めた。
「実は、学園の友人に贈りたいと思い伺いました。学園の舞踏会用なのですが、お恥ずかしい話、まだ婚約関係でもありませんので、贈られた相手がそれほど気を遣わない物を探しています。ですので、このような大きな宝石はちょっと・・・逆に迷惑にならないか心配でして・・・。」
その言葉に、店員だけではなくエステルダまでもが、はっと頬を染めて目を輝かせた。
「そっ、そうでございましたか。そうとは存じ上げませんで、大変申し訳ございません。でしたら直ぐにご令嬢に人気のお品をご用意致します。」
「あ、あの!」
目の前の宝石を片付け始めた店員がエステルダの声に顔を上げると、そこには瞳をキラキラと輝かせたエステルダが興奮気味に身を乗り出していた。
「あの、わたしくも贈り物を・・・。 弟と同じ条件で・・・男性用で。 お、お願いしますわ。」
ほんのり頬を染めたレナートとエステルダの顔を交互に見た若い女性店員は、わくわくした気持ちを隠しもしないで、かしこまりました!と、大き目の声で返事をすると、そそくさと席を後にした。
その日二人は、お互いに良い買い物ができたと会話をしながら、好きな相手に贈り物ができる喜びを分かち合い、渡した時のアリッサとヴィスタの驚いた顔を想像しながら、気分良く帰りの馬車に乗り込んだのだった。
「ご実家で、何かあったのかしら・・・。」
「さあ・・・、それとなく父上に聞いてみましたが、特に問題があるとは言っていませんでした・・・。ご家族や親戚に何かあったのかもしれませんね・・・。」
「・・・レナート、アリッサ様とヴィスタ様の居ない学園が、これ程つまらないとは思いませんでしたわ・・・。」
「そうですね。」
「・・・貴方はまだいい方ですわ。騎士科の生徒達と放課後の鍛練やら、意味もなく体を鍛えたり、勉強だってしているようですし・・・。わたくしなんて、アランド殿下の婚約者を目標に生きてきたから、王宮でお妃教育が始まる前に、学園のお勉強も全て終わらせてしまいましたし、無駄に顔は広くても友人と呼べるような人もいませんし、アリッサ様とヴィスタ様の極秘調査以外にすることが何もありませんわ・・・。」
ふー・・・と、大きな溜息を吐いたエステルダは、心底つまらなそうに空を見上げた。
レナートも同じように、今にも雨が降ってきそうな曇り空を見上げながら姉との会話を続けた。
「よく一緒に行動していたご令嬢達はどうされたのですか?確か三人くらいいましたよね?」
「ああ・・・あの人達ね・・・。元々友人ではありませんもの。わたくしが殿下の婚約者候補を辞退した途端、話しかけても来なくなった所を見ると、将来的に何かしらの恩恵にあずかろうと思って、すり寄って来ていたのではなくて?まあ、どちらにしても、気が合って一緒に居た訳ではないですからね。」
「あんなに徒党を組んでアリッサ虐めに精を出していたのにですか?」
エステルダは、当時のアリッサに対する自分の態度を思い出し、恥ずかしいような申し訳ないような、なんとも情けない表情を浮かべると、レナートを見上げジロリと睨んだ。
「ふん、別にいいじゃない。どうせ何を言ったところでアリッサ様には意味がなかったんですから。たとえ暴力を振るったとてアリッサ様には勝てっこないし、もし、何処かに閉じ込めるなんて悪戯でもしたなら、怪物のようにドアをぶち破って仕返しに来たかもしれないわね・・・。何より殿下や他の貴族令息が目的だと思ってあれやこれや言っていたと言うのに、本命はまさかのレナートなんですもの・・・。」
アリッサの本命と言う言葉に気分を良くしたレナートが満足そうに口元を緩めているのを横目で見ながら、エステルダは、「本当に嫌になってしまうわ。」と、もう一度深い溜息を吐いた。
「殿下と言えば、最近あまりお見掛けしないわね。」
「殿下は、公務だけでなく生徒会もありますからね。それでもアリッサの前には、ちょくちょく現れていましたよ。いつだかもアリッサをしつこく生徒会に勧誘して断られていましたし・・・。ですが、いくら彼女を気に入っていても、さすがの殿下もアリッサだけはどうにもできないでしょうね。」
「おじい様?」
「はい。身分どうこうの前に、無理にアリッサの意にそぐわないことをした場合、ロックナート閣下を怒らせる可能性がありますからね・・・。さすがの王家も、ロックナート閣下とアーレン閣下を怒らせて得がないことぐらい分かっているでしょうから。」
「ふふふ、アリッサ様が王宮になんて閉じ込められたら、壁を破壊して脱出・・・。近衛どころか王宮騎士団もろとも・・・、くふふ、王宮壊滅ね!」
「姉上・・・。」
「あーあー・・・、早くヴィスタ様にお会いしたいわー・・・。」
大きく伸びをしたエステルダは、そろそろ教室に戻りましょうとレナートを促した。
すると何か思いついたレナートは、先に歩き出したエステルダを呼び止めた。
「姉上、そんなに暇を持て余しているのでしたら、私と街に行きませんか?」
声を掛けられたエステルダは、少し考えると、
「そうね、少しは気晴らしになるかもしれませんわね。」と、微笑んだ。
「サファイアを見せてください。」
てっきり姉の気分転換の為にあちこち見て回るのかと思いきや、レナートの向かった先は、母とエステルダもよく来る王都でも有名な宝石店だった。
顔なじみのエステルダとレナートを前に、店員は快く商品を並べ始めた。
普段は宝石になど、さほど興味を示さないレナートの真剣な横顔を見て、あれほど身なりに無頓着なレナートが、アリッサに好かれたいが為に、ついに宝石まで身に着けようとしているのかと思い、恋とは人をここまで変えるものなのだと、エステルダは目を細めながら感慨深く見つめていた。しかし、ふと、彼女はあることに気が付いた。
「あら? レナート?これは女性物ではありませんか?」
改めて宝石に目を落としたエステルダは、ペンダントやイヤリングを訝しげに見ると、直ぐにレナートに顔を向けた。しかし、レナートはその質問には答えず、うっすらと耳を赤くしながら店員に向かって贈り物だと告げた後、何やら説明し始めた。
「実は、学園の友人に贈りたいと思い伺いました。学園の舞踏会用なのですが、お恥ずかしい話、まだ婚約関係でもありませんので、贈られた相手がそれほど気を遣わない物を探しています。ですので、このような大きな宝石はちょっと・・・逆に迷惑にならないか心配でして・・・。」
その言葉に、店員だけではなくエステルダまでもが、はっと頬を染めて目を輝かせた。
「そっ、そうでございましたか。そうとは存じ上げませんで、大変申し訳ございません。でしたら直ぐにご令嬢に人気のお品をご用意致します。」
「あ、あの!」
目の前の宝石を片付け始めた店員がエステルダの声に顔を上げると、そこには瞳をキラキラと輝かせたエステルダが興奮気味に身を乗り出していた。
「あの、わたしくも贈り物を・・・。 弟と同じ条件で・・・男性用で。 お、お願いしますわ。」
ほんのり頬を染めたレナートとエステルダの顔を交互に見た若い女性店員は、わくわくした気持ちを隠しもしないで、かしこまりました!と、大き目の声で返事をすると、そそくさと席を後にした。
その日二人は、お互いに良い買い物ができたと会話をしながら、好きな相手に贈り物ができる喜びを分かち合い、渡した時のアリッサとヴィスタの驚いた顔を想像しながら、気分良く帰りの馬車に乗り込んだのだった。
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