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だから好きになってしまう
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肩を落とし重い足取りでレナートのもとへ向かうアリッサの背中を、複雑な気持ちで見送ったヴィスタは、落ち着かない気持ちを静める為に放課後のカフェに向かった。
熱いお茶を前にして静かに目を閉じたヴィスタは、星飾りのお祭りを思い出していた。
(やはりあの時に、彼らとは距離を置くべきだったのかもしれない・・・。)
自分達はずっと、名前だけの貴族であった。もしかしたら自分は、その貴族としての最後の思い出が欲しかったのかもしれない。
恐らく自分達が貴族でいられるのも、この学園にいる間だけだろうことは、アリッサもヴィスタもとっくに覚悟はしていた。それが過ぎれば、こうしてレナートやエステルダの姿を見ることすら難しくなるだろう。
幼い頃より互いに支え合って来た姉の想いを、例え少しの間だったとしても叶えてあげたい。そして、それはヴィスタ自身にも当てはまることであった。一切の打算なく素直な愛情を与えてくれるあの令嬢の想いに、自分も真剣に応えたいと思ってしまったのだ・・・。しかし、こうなってしまった今、あの時の甘い判断を強く後悔する自分がいる。
現にアリッサは、レナートから離れなくてはいけない悲しみに、ずっと一人で耐えていた。いくら支えたくても自分はアリッサに拒まれてしまい、何の役にも立たなかった。ハーロンが助けてくれなければ、今もアリッサは一人で泣いていたのかもしれない。そう思うと、自分の無力さを痛感すると共に、この先、エステルダにも自分の姉と同じ思いをさせてしまうことが、ヴィスタの心を更に苦しめるのだった。
大きく深呼吸をしたヴィスタが、そっと目を開けると、カフェに入って来るエステルダの姿が目に入って来た。独りで来たエステルダは、ヴィスタの姿を見つけるなり嬉しそうに顔をほころばせ足早に近付いて来た。
「ヴィスタ様、偶然ですわね!ご一緒してもよろしいですか?」
そして、優しく微笑むヴィスタの顔を見て、赤くなった頬に手を当ててもじもじしている。
(かわいいな・・・。)
ヴィスタがエステルダを席に座らせ、彼女の飲み物を取りに行っただけで、綺麗な青い瞳を見開いて驚いたようにこちらを凝視している。
(公爵家のお嬢様が、こんなことくらいであんなに驚いて。)
「どうぞ。」と、ヴィスタが、紅茶と一緒にクッキーを差し出しただけで、エステルダの顔は零れんばかりの笑顔だ。
こうしたちょっとした男性からの親切や気遣いに、あまりにも慣れていない様子のエステルダを見た時、よく他の令嬢がやっている自分を良く見せる為の演技なのかと疑った。しかし、優しくすればするほど、暑くもないのに、やたらとハンカチで汗を拭いていたり、恥ずかしい程に顔を赤らめたり、目ん玉が飛び出るかと思うくらい驚いている姿に、ヴィスタは自分の目を疑った。
そして、これは演技では無理だな。と、直ぐに答えが出てしまうのだった。ちなみに、レナートに同じことをされても表情に変化がないどころか、お礼すら言わない。
どうやらエステルダは、身内以外の男性に大切に扱われて来なかったことが見て取れるのだった。
それが分かってからは、自分が何かする度に喜びを隠せないエステルダを見ながら、もっと喜ばせたい、もっと甘やかしたいと強く思うようになってしまった。
「今、アリッサ様は、レナートと話をしていますわ。」
つい先ほどまで、幸せいっぱいを全身で表していたエステルダだったが、その言葉と共に一瞬で姉の顔に変わっていた。ヴィスタは、こんな時のエステルダをいつも姉のアリッサと重ねて見ていた。
「はい。そうみたいですね・・・。」
「場所はきっと避雷針の・・・、あの塔ですわ。あんな薄気味悪い場所で二人きりなんて・・・。わたくし、先ほどアリッサ様に言いましたの。レナートが暴走したらぶん殴るのですよ!って。」
得意気に話すエステルダを前に、ヴィスタは飲んでいた紅茶を吹き出しそうになった。
「ぶん殴る?」
「ええ、アリッサ様ならレナートごとき余裕でしょうから。」
ね? と、小首を傾げて笑っているエステルダは、たまにこうして公爵令嬢の皮を脱ぐ時がある。常に気品に溢れた美しい所作は周りの人間を魅了するけれど、たまに飛び出る暴言においては、女盗賊もビックリだろう。
ヴィスタは笑いを堪えて、その塔の話を詳しく聞いた。
「あの塔を建てたのは、我がロゼット公爵家なのです。昔からうちの使用人が、定期的に訪れて塔を管理しているのですが、どうも最近になってアリッサ様と二人になる為に、レナートが塔の鍵を使用人からこっそり借りているようなのです。」
我が弟ながら、なんていやらしい!!と、エステルダは眉をしかめてテーブルの上を睨んでいるが、ヴィスタは、自分の姉の心配よりも、レナートに怒っているエステルダを見ている方が面白かったし、こっそり動いているつもりのレナートが、やることなすこと全て姉に見透かされていることに、とても興味が湧いた。
「ははっ、姉は心配いりませんよ。」
軽く笑顔を見せるヴィスタを見て、ムッとしたエステルダは表情を更に厳しくした。
「何を悠長なことを言っているのです!!アリッサ様がいくらお強くても、レナートはあれでも男ですわ!!何かあったらどうするのです!!ただでさえ、アリッサ様はレナートに弱いというのに・・・。アリッサ様の唯一の弱点は、レナートですわよ!?」
「ですが、それを拒むのも受け入れるのも姉のアリッサです。強すぎる姉を力だけで押さえ込むのは、いくらレナートさんでも無理でしょう。ですから、何があったとしてもそれは姉の同意のもとなのです。」
(たとえ、その後に泣くことになったとしても、それも大好きだったレナートさんとの一つの思い出になるのだろうし・・・。)
先ほどから自分達二人は、何の話をしているのだろうと、ふと冷静になるヴィスタだったが、エステルダが本当の家族のようにアリッサの心配をしてくれていることで、ヴィスタの心配は半分になり、随分と気持ちに余裕ができたように感じた。現に、つい先ほどまで後悔していたエステルダ達との関係を、今では、逆らえない運命のように感じている自分がいるのだから。
(結局、エステルダ様もレナートさんも、とても魅力的な人なんだろうな・・・。だから何度諦めようと思っても心を持って行かれてしまう。)
「ヴィスタ様、そろそろ外で待ちませんか?」
(そして、やっぱりこの人は、僕と一緒に姉さんを待ってくれるんだ・・・。)
「ヴィスタ様・・・、あの、手を、繋いでも・・・いいですか?」
(ふっ、別に勝手に触れていいのに。姉さんが落ち込んでからは僕に触れることにも、一々確認してくる。彼女なりに気を遣ってくれているんだな・・・。)
「さあ、参りましょう!!もし、アリッサ様がレナートに泣かされていましたら、私がレナートをぶっ飛ばしてあげますわ!!」
(ほら、だからこうして、また君を好きになってしまう・・・。)
ヴィスタの手を引き、嬉しそうに前を歩くエステルダのうしろ姿は、常に人をひきつけ自信に満ち溢れている。ヴィスタは、そんな彼女を見る度に、根拠のない頼もしさと安心感を覚えるのだった。
熱いお茶を前にして静かに目を閉じたヴィスタは、星飾りのお祭りを思い出していた。
(やはりあの時に、彼らとは距離を置くべきだったのかもしれない・・・。)
自分達はずっと、名前だけの貴族であった。もしかしたら自分は、その貴族としての最後の思い出が欲しかったのかもしれない。
恐らく自分達が貴族でいられるのも、この学園にいる間だけだろうことは、アリッサもヴィスタもとっくに覚悟はしていた。それが過ぎれば、こうしてレナートやエステルダの姿を見ることすら難しくなるだろう。
幼い頃より互いに支え合って来た姉の想いを、例え少しの間だったとしても叶えてあげたい。そして、それはヴィスタ自身にも当てはまることであった。一切の打算なく素直な愛情を与えてくれるあの令嬢の想いに、自分も真剣に応えたいと思ってしまったのだ・・・。しかし、こうなってしまった今、あの時の甘い判断を強く後悔する自分がいる。
現にアリッサは、レナートから離れなくてはいけない悲しみに、ずっと一人で耐えていた。いくら支えたくても自分はアリッサに拒まれてしまい、何の役にも立たなかった。ハーロンが助けてくれなければ、今もアリッサは一人で泣いていたのかもしれない。そう思うと、自分の無力さを痛感すると共に、この先、エステルダにも自分の姉と同じ思いをさせてしまうことが、ヴィスタの心を更に苦しめるのだった。
大きく深呼吸をしたヴィスタが、そっと目を開けると、カフェに入って来るエステルダの姿が目に入って来た。独りで来たエステルダは、ヴィスタの姿を見つけるなり嬉しそうに顔をほころばせ足早に近付いて来た。
「ヴィスタ様、偶然ですわね!ご一緒してもよろしいですか?」
そして、優しく微笑むヴィスタの顔を見て、赤くなった頬に手を当ててもじもじしている。
(かわいいな・・・。)
ヴィスタがエステルダを席に座らせ、彼女の飲み物を取りに行っただけで、綺麗な青い瞳を見開いて驚いたようにこちらを凝視している。
(公爵家のお嬢様が、こんなことくらいであんなに驚いて。)
「どうぞ。」と、ヴィスタが、紅茶と一緒にクッキーを差し出しただけで、エステルダの顔は零れんばかりの笑顔だ。
こうしたちょっとした男性からの親切や気遣いに、あまりにも慣れていない様子のエステルダを見た時、よく他の令嬢がやっている自分を良く見せる為の演技なのかと疑った。しかし、優しくすればするほど、暑くもないのに、やたらとハンカチで汗を拭いていたり、恥ずかしい程に顔を赤らめたり、目ん玉が飛び出るかと思うくらい驚いている姿に、ヴィスタは自分の目を疑った。
そして、これは演技では無理だな。と、直ぐに答えが出てしまうのだった。ちなみに、レナートに同じことをされても表情に変化がないどころか、お礼すら言わない。
どうやらエステルダは、身内以外の男性に大切に扱われて来なかったことが見て取れるのだった。
それが分かってからは、自分が何かする度に喜びを隠せないエステルダを見ながら、もっと喜ばせたい、もっと甘やかしたいと強く思うようになってしまった。
「今、アリッサ様は、レナートと話をしていますわ。」
つい先ほどまで、幸せいっぱいを全身で表していたエステルダだったが、その言葉と共に一瞬で姉の顔に変わっていた。ヴィスタは、こんな時のエステルダをいつも姉のアリッサと重ねて見ていた。
「はい。そうみたいですね・・・。」
「場所はきっと避雷針の・・・、あの塔ですわ。あんな薄気味悪い場所で二人きりなんて・・・。わたくし、先ほどアリッサ様に言いましたの。レナートが暴走したらぶん殴るのですよ!って。」
得意気に話すエステルダを前に、ヴィスタは飲んでいた紅茶を吹き出しそうになった。
「ぶん殴る?」
「ええ、アリッサ様ならレナートごとき余裕でしょうから。」
ね? と、小首を傾げて笑っているエステルダは、たまにこうして公爵令嬢の皮を脱ぐ時がある。常に気品に溢れた美しい所作は周りの人間を魅了するけれど、たまに飛び出る暴言においては、女盗賊もビックリだろう。
ヴィスタは笑いを堪えて、その塔の話を詳しく聞いた。
「あの塔を建てたのは、我がロゼット公爵家なのです。昔からうちの使用人が、定期的に訪れて塔を管理しているのですが、どうも最近になってアリッサ様と二人になる為に、レナートが塔の鍵を使用人からこっそり借りているようなのです。」
我が弟ながら、なんていやらしい!!と、エステルダは眉をしかめてテーブルの上を睨んでいるが、ヴィスタは、自分の姉の心配よりも、レナートに怒っているエステルダを見ている方が面白かったし、こっそり動いているつもりのレナートが、やることなすこと全て姉に見透かされていることに、とても興味が湧いた。
「ははっ、姉は心配いりませんよ。」
軽く笑顔を見せるヴィスタを見て、ムッとしたエステルダは表情を更に厳しくした。
「何を悠長なことを言っているのです!!アリッサ様がいくらお強くても、レナートはあれでも男ですわ!!何かあったらどうするのです!!ただでさえ、アリッサ様はレナートに弱いというのに・・・。アリッサ様の唯一の弱点は、レナートですわよ!?」
「ですが、それを拒むのも受け入れるのも姉のアリッサです。強すぎる姉を力だけで押さえ込むのは、いくらレナートさんでも無理でしょう。ですから、何があったとしてもそれは姉の同意のもとなのです。」
(たとえ、その後に泣くことになったとしても、それも大好きだったレナートさんとの一つの思い出になるのだろうし・・・。)
先ほどから自分達二人は、何の話をしているのだろうと、ふと冷静になるヴィスタだったが、エステルダが本当の家族のようにアリッサの心配をしてくれていることで、ヴィスタの心配は半分になり、随分と気持ちに余裕ができたように感じた。現に、つい先ほどまで後悔していたエステルダ達との関係を、今では、逆らえない運命のように感じている自分がいるのだから。
(結局、エステルダ様もレナートさんも、とても魅力的な人なんだろうな・・・。だから何度諦めようと思っても心を持って行かれてしまう。)
「ヴィスタ様、そろそろ外で待ちませんか?」
(そして、やっぱりこの人は、僕と一緒に姉さんを待ってくれるんだ・・・。)
「ヴィスタ様・・・、あの、手を、繋いでも・・・いいですか?」
(ふっ、別に勝手に触れていいのに。姉さんが落ち込んでからは僕に触れることにも、一々確認してくる。彼女なりに気を遣ってくれているんだな・・・。)
「さあ、参りましょう!!もし、アリッサ様がレナートに泣かされていましたら、私がレナートをぶっ飛ばしてあげますわ!!」
(ほら、だからこうして、また君を好きになってしまう・・・。)
ヴィスタの手を引き、嬉しそうに前を歩くエステルダのうしろ姿は、常に人をひきつけ自信に満ち溢れている。ヴィスタは、そんな彼女を見る度に、根拠のない頼もしさと安心感を覚えるのだった。
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