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ユウジ・ショウトク
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竹林に囲まれた和風の城があった。
そこの主はユウジ・ショウトクだ。
「ほら、言ってごらん」
あの日から一週間が経った。
ダンジョンマスターに転生して、この城を見て回った時の感動や眷属達のファンタジー感に心躍らせたのが遥か遠くに感じる。
今俺は城の地下のダンジョン最深部ではなく上、天守閣で時代劇の殿様のように座っている。
背中から羽を生やし、頭に魔法の輪っかがある天使族と常に鎧を纏い、刀を腰につけ、槍を装備した鎧武者をそれぞれ数人の護衛として控えさせながら、目の前の少女と会話をする。
「俺に言いたいことがあるんでしょ、ほら、言ってごらん」
話が話なだけに、まるで殿様だ。などと浮かれてはいられない。
この悲劇の原因は俺にもあったんだろうから。
涙を流し、震えているその姿を俺は直視する。
「は、はい……私たちをたすけてください……どうか……助けて、ください!」
目の前で懇願する女の子。
ボロボロの服を着て、顔も含めて体中泥だらけ、擦り傷も多い。
注目するのは頭に生えたうさぎ耳だろうか。
天使族の眷属はそのままの格好でここに来させるのを嫌がって浄化の魔法をかけようとしたけどやめさせた。
侍族は命令だけを聞く感じで作れたけれど天使はイエスマンとして生まれさせられなかった、アホにさせようとすると余計DPがかかった。
話を戻して、こうしてちゃんと彼女から、話を聞くまでは俺は力を貸す気はなかった。
助けを求められるまで下手に介入する気は無かった。
この辺りの勢力の力もまだしっかりと把握できていないし、人を助けるなんて傲慢だ。
しばし間をおいて、外を眺める。
難民達の手で簡単なテントが張られ、焚き火が行われているのが見える。
100人いるかどうかぐらいだろうか。
来たのが昨日の夜のことだというのに早いものだ。
それも当然か、彼らは生きているのだから、衣食住が必要になる。
彼らが城の中で暮らせばDPが少しは手にはいるか。
彼らはここから少し離れたところにある村から逃げて来た者たちだ。
村との交流は少しだけあった。
天使を偵察に出した時に森で怪我をした猟師を助けたんだ。
「うん、わかってる。やれるだけ、やってみるつもりはある。今言ってくれたことでなおさら放って置くことはできなくなった。必ず、助ける」
そう優しく堂々と少女に語りかける。
長や、大半の男は戦いで死んだらしく、ちゃんとしたリーダーもいない中で、難民達が戦々恐々としながら藁をもすがる思いで捧げものとして寄越してきたのがこの少女。
「あ、ありがとうございます! な、なんでもします!! 私の命はダンジョンマスター様のもの、だから村のみんなを救ってください!」
とても重い。
いやこの世界での命が軽いのかもしれない。
この地は戦争が絶えないと言っていた助けた猟師から得た情報を思い出す。
この大陸ではダンジョンマスターが結構いて認識としては土地を治めている存在といった感じらしい。
貴族や王みたいなものか縄張りを持った獣かみたいな。
山賊が近いかもしれない。
どれも一緒か?
で、この辺りには今までダンジョンマスターはいなかったらしい。
遠くの方にダンジョンマスター同盟アバタルとかいう勢力がいて、マスター同士で争っていたり近隣にちょっかいをかけていたりはするらしい。
まれにこの辺りにも来るから知名度は結構あるとか。
それとダンジョンマスターの心臓は非常に価値が高いから討伐対象になってしまうかもしれないとも言われたな。
他にも猟師は色々と教えてくれた。
ここは獣人達の国ココロと人間族至上主義の国フォーリナとの国境地帯であること。
だから小競り合いが絶えないとか、兎族はフォーリナから愛玩動物として狙われてるとも猟師は言っていた。
そして猟師はこうも言っていた。
コロナス村はフォーリナへの餌でもあると。
結局どちらの国にも好感は持てなかった。
どちらを応援するかと言われると迷う。
こうして思い出すと世界地図のどの辺に自分がいるかもわかったし、周辺の状況もわかったし、あの猟師只者じゃない感がすごかったな。
まぁそれはただの錯覚だったんだろう。
難民達の中には彼はいなかった。
戦って死んだようだ。
異世界はイクオのいうような空想とは違うと痛感した。
「ところで、君の名前は?」
「え、はい。コロナス村のルピスと言いますです、ダンジョンマスターさま。どうかどうかお願いしますです」
「そっか。必ず、助けてみせるよ。安心していてくれ」
「あ、あ、本当に本当に、ありがとうございます!」
眷属に命じてルピスに浄化の魔法をかけさせ、ルピスを難民キャンプへと帰らせた。
まったく、助けるだなんて都合のいい事を言ったものだ。
現状彼らを助けたいとおもっているのは 俺の本心だが、打算もある。
こうして俺は自分を偽るこの感覚を受け入れる。
この異世界で生き残る為に。
死にたくはない。
俺は土地に閉じこもって獲物を招き入れて……等々の普通のダンジョン経営をする気は無かった。
マーケットを使ってイクオやツキ、クラスメイト達とどうにか協力をしようとも思ったけれど、現状意味がないと俺は判断した。
協力して何をするんだ?
お互いまだまだそんな余裕がないだろうと思った。
まずはここに俺がいることを、力を示して足場を固めないと。
今の状況はピンチじゃないチャンスだ。
力を示し俺の正義を、正しいと思った事を為すだけだな。
僕、いやムーンから連絡が来たのはそう覚悟を固めた直後だった。
「これは、どうするか」
獣人の国ココロ王城王の間。
コロナス村への攻撃の知らせは、猟師のふりをしていた兵士が村を抜け出し、直ちに近くの都市に情報を届け、そこから空を飛ぶ伝令兵によって王城に伝わった。
「して、緊急の情報とは?」
「はっ!コロナス村にフォーリナーが接近中との事。村に潜ませていた我らの兵士によればもう村は襲われた後かと!」
「ついに仕掛けてきおったか!他国に早急に伝えよ! これは民を守る正義の戦いである手出し無用と」
報告を受けた王は叫んだ。
頭に日本の角を生やした大柄な男だ。
目は鷹のように鋭い。
コロナス村や一部の村を除けば大抵は血が混ざり合い純血は珍しいものになっている。
今の王様のように稀に様々な種族の特徴を受け継いだ者も生まれるが普通に暮らしている。
隣に人間という血のみを信じる、彼らが野蛮だと感じる国があれば自然と血など関係ないという考えにもなろうか。
ココロの王や貴族に貴賎はない。
ただ状況と能力が伴えば成れる。
「直ちに!」
兵士は後ろの兵に目配せをし、後ろの兵は去っていった。
周りの貴族達も策がはまった事に興奮を隠しきれず喋り出す。
「随分とかかりましたな」
「策を講じておったのでしょうが……」
「獲物は多いほどよいと?」
「誠にその通り」
王が立ち上がれば、貴族達は押し黙った。
「聞いていない事があったな。アバタルの干渉の危険はあるが予防策として使えるかもしれん。報告を」
「はっ!ダンジョンマスターの事、報告させていただきます!」
貴族達はざわつき始める。
「知らぬ者もいる。説明せよ」
「はっ! 今より一週間前、コロナス村近くの森の中に奇妙な城が突如生まれました」
「「なんと、そのようなことが」」
二人の貴族が同じことを言い、目を合わせる。
「ふっ、続けよ」
「はっ!」
一方コロナス村。
「奴らに目にもの見せてくれるわ!」
馬に跨り騎士たちが駆けていく。
「きゃあー!」
「まま、ママどこなの」
「いたぞ、捕まえろ!」
ここは兎族の住むコロナス村。
彼等は哀れな存在だ。
殺されるか奴隷にされるために村に住んでいたのだから。
ココロのやつらはそんな奴らをこんな近くに住まわせておくなんて残忍だ。
そう思いながらも騎士達は仕事をやめない。
「村の外に待機してる連中は農民達だ。奴らの手にそれらは触れさせるなよ!これは王命だ」
「もちろん、了解です!」
「ほら、まだまだいるはずだ!探せ!」
フォーリナーはハイエルフによって支配されていた。
だが今は人間が反乱を起こした結果、人間のみが支配者だ。
また支配されるのではないかと言う恐怖はフォーリナーにいる人間誰しもが持つ感覚であり、それゆえ他種族に対して非常に攻撃的だ。
自分たちの苦しみを他者にも与えているということを考える余裕はなかった。
「奴らは森のダンジョンに逃げ込んだようです!魔術師がダンジョンだと断言しておりました!」
「何?この辺りにダンジョンはなかったと思うが。わかった。深追いはせずにここで一日、休息をとる。捕まえたのは予定通り輸送しろ。魔術師には王都への連絡をさせろ。明日、明後日にはココロの連中も来るはずだ。しっかり休んでおけ」
「了解です!」
「アバタルのやつらではなく野良のダンジョンマスターか、逃げ込んだ兎族はどうなったのか。死んだか、奴隷か、まさか手厚い保護だろうか。生まれたばかりのマスターが話のわかるものであれば楽にさらなる功績を得られるのだがな。それもこれもココロを倒してからか。そうだ。ダンジョンマスターも倒せばよいのか、生まれたばかりであれば弱い。倒せば魔玉も手に入る……ふっふっふっ、私は幸運だな」
そこの主はユウジ・ショウトクだ。
「ほら、言ってごらん」
あの日から一週間が経った。
ダンジョンマスターに転生して、この城を見て回った時の感動や眷属達のファンタジー感に心躍らせたのが遥か遠くに感じる。
今俺は城の地下のダンジョン最深部ではなく上、天守閣で時代劇の殿様のように座っている。
背中から羽を生やし、頭に魔法の輪っかがある天使族と常に鎧を纏い、刀を腰につけ、槍を装備した鎧武者をそれぞれ数人の護衛として控えさせながら、目の前の少女と会話をする。
「俺に言いたいことがあるんでしょ、ほら、言ってごらん」
話が話なだけに、まるで殿様だ。などと浮かれてはいられない。
この悲劇の原因は俺にもあったんだろうから。
涙を流し、震えているその姿を俺は直視する。
「は、はい……私たちをたすけてください……どうか……助けて、ください!」
目の前で懇願する女の子。
ボロボロの服を着て、顔も含めて体中泥だらけ、擦り傷も多い。
注目するのは頭に生えたうさぎ耳だろうか。
天使族の眷属はそのままの格好でここに来させるのを嫌がって浄化の魔法をかけようとしたけどやめさせた。
侍族は命令だけを聞く感じで作れたけれど天使はイエスマンとして生まれさせられなかった、アホにさせようとすると余計DPがかかった。
話を戻して、こうしてちゃんと彼女から、話を聞くまでは俺は力を貸す気はなかった。
助けを求められるまで下手に介入する気は無かった。
この辺りの勢力の力もまだしっかりと把握できていないし、人を助けるなんて傲慢だ。
しばし間をおいて、外を眺める。
難民達の手で簡単なテントが張られ、焚き火が行われているのが見える。
100人いるかどうかぐらいだろうか。
来たのが昨日の夜のことだというのに早いものだ。
それも当然か、彼らは生きているのだから、衣食住が必要になる。
彼らが城の中で暮らせばDPが少しは手にはいるか。
彼らはここから少し離れたところにある村から逃げて来た者たちだ。
村との交流は少しだけあった。
天使を偵察に出した時に森で怪我をした猟師を助けたんだ。
「うん、わかってる。やれるだけ、やってみるつもりはある。今言ってくれたことでなおさら放って置くことはできなくなった。必ず、助ける」
そう優しく堂々と少女に語りかける。
長や、大半の男は戦いで死んだらしく、ちゃんとしたリーダーもいない中で、難民達が戦々恐々としながら藁をもすがる思いで捧げものとして寄越してきたのがこの少女。
「あ、ありがとうございます! な、なんでもします!! 私の命はダンジョンマスター様のもの、だから村のみんなを救ってください!」
とても重い。
いやこの世界での命が軽いのかもしれない。
この地は戦争が絶えないと言っていた助けた猟師から得た情報を思い出す。
この大陸ではダンジョンマスターが結構いて認識としては土地を治めている存在といった感じらしい。
貴族や王みたいなものか縄張りを持った獣かみたいな。
山賊が近いかもしれない。
どれも一緒か?
で、この辺りには今までダンジョンマスターはいなかったらしい。
遠くの方にダンジョンマスター同盟アバタルとかいう勢力がいて、マスター同士で争っていたり近隣にちょっかいをかけていたりはするらしい。
まれにこの辺りにも来るから知名度は結構あるとか。
それとダンジョンマスターの心臓は非常に価値が高いから討伐対象になってしまうかもしれないとも言われたな。
他にも猟師は色々と教えてくれた。
ここは獣人達の国ココロと人間族至上主義の国フォーリナとの国境地帯であること。
だから小競り合いが絶えないとか、兎族はフォーリナから愛玩動物として狙われてるとも猟師は言っていた。
そして猟師はこうも言っていた。
コロナス村はフォーリナへの餌でもあると。
結局どちらの国にも好感は持てなかった。
どちらを応援するかと言われると迷う。
こうして思い出すと世界地図のどの辺に自分がいるかもわかったし、周辺の状況もわかったし、あの猟師只者じゃない感がすごかったな。
まぁそれはただの錯覚だったんだろう。
難民達の中には彼はいなかった。
戦って死んだようだ。
異世界はイクオのいうような空想とは違うと痛感した。
「ところで、君の名前は?」
「え、はい。コロナス村のルピスと言いますです、ダンジョンマスターさま。どうかどうかお願いしますです」
「そっか。必ず、助けてみせるよ。安心していてくれ」
「あ、あ、本当に本当に、ありがとうございます!」
眷属に命じてルピスに浄化の魔法をかけさせ、ルピスを難民キャンプへと帰らせた。
まったく、助けるだなんて都合のいい事を言ったものだ。
現状彼らを助けたいとおもっているのは 俺の本心だが、打算もある。
こうして俺は自分を偽るこの感覚を受け入れる。
この異世界で生き残る為に。
死にたくはない。
俺は土地に閉じこもって獲物を招き入れて……等々の普通のダンジョン経営をする気は無かった。
マーケットを使ってイクオやツキ、クラスメイト達とどうにか協力をしようとも思ったけれど、現状意味がないと俺は判断した。
協力して何をするんだ?
お互いまだまだそんな余裕がないだろうと思った。
まずはここに俺がいることを、力を示して足場を固めないと。
今の状況はピンチじゃないチャンスだ。
力を示し俺の正義を、正しいと思った事を為すだけだな。
僕、いやムーンから連絡が来たのはそう覚悟を固めた直後だった。
「これは、どうするか」
獣人の国ココロ王城王の間。
コロナス村への攻撃の知らせは、猟師のふりをしていた兵士が村を抜け出し、直ちに近くの都市に情報を届け、そこから空を飛ぶ伝令兵によって王城に伝わった。
「して、緊急の情報とは?」
「はっ!コロナス村にフォーリナーが接近中との事。村に潜ませていた我らの兵士によればもう村は襲われた後かと!」
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隣に人間という血のみを信じる、彼らが野蛮だと感じる国があれば自然と血など関係ないという考えにもなろうか。
ココロの王や貴族に貴賎はない。
ただ状況と能力が伴えば成れる。
「直ちに!」
兵士は後ろの兵に目配せをし、後ろの兵は去っていった。
周りの貴族達も策がはまった事に興奮を隠しきれず喋り出す。
「随分とかかりましたな」
「策を講じておったのでしょうが……」
「獲物は多いほどよいと?」
「誠にその通り」
王が立ち上がれば、貴族達は押し黙った。
「聞いていない事があったな。アバタルの干渉の危険はあるが予防策として使えるかもしれん。報告を」
「はっ!ダンジョンマスターの事、報告させていただきます!」
貴族達はざわつき始める。
「知らぬ者もいる。説明せよ」
「はっ! 今より一週間前、コロナス村近くの森の中に奇妙な城が突如生まれました」
「「なんと、そのようなことが」」
二人の貴族が同じことを言い、目を合わせる。
「ふっ、続けよ」
「はっ!」
一方コロナス村。
「奴らに目にもの見せてくれるわ!」
馬に跨り騎士たちが駆けていく。
「きゃあー!」
「まま、ママどこなの」
「いたぞ、捕まえろ!」
ここは兎族の住むコロナス村。
彼等は哀れな存在だ。
殺されるか奴隷にされるために村に住んでいたのだから。
ココロのやつらはそんな奴らをこんな近くに住まわせておくなんて残忍だ。
そう思いながらも騎士達は仕事をやめない。
「村の外に待機してる連中は農民達だ。奴らの手にそれらは触れさせるなよ!これは王命だ」
「もちろん、了解です!」
「ほら、まだまだいるはずだ!探せ!」
フォーリナーはハイエルフによって支配されていた。
だが今は人間が反乱を起こした結果、人間のみが支配者だ。
また支配されるのではないかと言う恐怖はフォーリナーにいる人間誰しもが持つ感覚であり、それゆえ他種族に対して非常に攻撃的だ。
自分たちの苦しみを他者にも与えているということを考える余裕はなかった。
「奴らは森のダンジョンに逃げ込んだようです!魔術師がダンジョンだと断言しておりました!」
「何?この辺りにダンジョンはなかったと思うが。わかった。深追いはせずにここで一日、休息をとる。捕まえたのは予定通り輸送しろ。魔術師には王都への連絡をさせろ。明日、明後日にはココロの連中も来るはずだ。しっかり休んでおけ」
「了解です!」
「アバタルのやつらではなく野良のダンジョンマスターか、逃げ込んだ兎族はどうなったのか。死んだか、奴隷か、まさか手厚い保護だろうか。生まれたばかりのマスターが話のわかるものであれば楽にさらなる功績を得られるのだがな。それもこれもココロを倒してからか。そうだ。ダンジョンマスターも倒せばよいのか、生まれたばかりであれば弱い。倒せば魔玉も手に入る……ふっふっふっ、私は幸運だな」
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