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8話目ダンジョン増築!
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「そっかぁ……やっぱり高すぎるよねぇ」
「そうではありませんわ!ですが我々アースに住まう下等生物にとって500万は高すぎると考えてしまうのですわ。そう、ムーン様としては払えて当然ということはわかってますの。ただ我々は単なるダンジョンマスターであって、このような天界に住まわれるムーン様にお会いできるというなら500万でも妥当ではあると私は思います。ですが何分、私達下界の者は、それもこの素晴らしさがわからない無知なる者にとっては500万DPは高すぎる! 知らしめる為にももう少しお安くなればムーン様の素晴らしさをきっと理解できるでしょう!あ、神々の知識は安くする必要はないですわよ?」
「いや、だから神様じゃなくて僕も普通のダンジョンマスターだからね……異世界から転生させられたって言ったよね」
「ええ、ええ、わかっておりますわ。わかっておりますとも。あ、ではそろそろ私は帰らなくてはなりません。ではまたムーン様」
そう言ってとても拝み倒したあとお土産の月の砂に頬ずりしながら青い髪をした見た目美少女のエリアスは満面の笑み()を浮かべてアースに帰った。
エリアス、彼女はノブナガマネーでダンジョンを改築しようとしたところにやってきた第2のお客様だ。
僕のことをお忍びでダンジョンマスターになった神様か何かと思い込んでいるみたいで……少々苦労した。
下手に来られたからノブナガさんよりは幾分話しやすかったところはよかったかな。
まぁおいおい誤解は解けるだろうと思いたいね。
それまでは呼び捨てにしとこ。
「ふぅ……ダンジョンマスターって変わり者が多そうだよね」
「どうぞ、エリアス様から捧げられた茶葉を使った紅茶でございます」
「ん、ありがとう……捧げられたってふざけてる?」
「いえいえ、神であらせられるムーン様にそのような戯れは畏れ多いことかと」
「はぁ……美味しいねセバス」
「はい。香り高く、高級な茶葉かと」
「セバスの魔法を使った淹れ方のおかげもあるだろうけどね」
「ありがとうございます」
ということで、エリアスとの相談も踏まえた上で客寄せの為に新しい施設を作ろうか。
頭の中で考えるとダンジョンマスターの不思議感覚で眷属を考えたり、内装を考えたりすることができた。
「侵入者がいないと簡単にできるみたいだね。あとはぽちぽちっと買って、パパッと念じて、ググッとこうねって感じでやればいいのか。わかる?」
「私にはさっぱりわかりかねます」
「だよねー、じゃあさっそくやっていくよ」
上に手をかざす。
すると上空を覆うように新たな壁が広がっていく。
完全に覆ったあと、透明化させた。
出費の事は考えないのだ。
「うんうん、いい感じ」
「これがダンジョンマスターの力、実際に見るとやはり素晴らしいものです」
いい気分になって周りに手をかざす。
数々のお酒や味付きスライムを置いておく棚とバー風のカウンター、テーブル、イス、魔法のキャンドル、グラス等がどこからともなくあらわれる。
「おおー、楽しい! そして眷属召喚!おぉ演出込みだねぇ!」
魔法陣が広がり、人型の月の砂でできた人形が3体ほど地面から生えてきた。
もちろん中にはスライムが入っている。
この眷属は泥人形みたいなイメージで、スライムと人形部分がほとんど融合しているような感じだ。
お値段一体1万DPほど。
ただの雑魚である。
太陽光発魔機能でもつけようと思ったけど、高価だし生み出されるDPは少なそうだしで、つけたとしても宇宙空間に耐えられる眷属にだなと思ってやめた。
まぁそもそも太陽光発電はあんまり好きじゃないので別のをつけようかとも思ったけどなぁ……核分裂とか核融合とか真空エネルギーとか……まぁDPが足りないけどね。
DPを生み出すためにDPが必要で、その分をほかに使ったほうがもっといい事ができそうな気がしなくもないけど、客に頼らずに維持できる程度にはDPを自前で生み出しはしたいから悩みどころ。
ちなみにイメージが正確なほど安くなるみたいで、真空エネルギーとかSFドラマで聞いた程度なやつとか使うには一兆は軽く超えそうだね。
逆にその程度で作れていいのだろうかとも思うけど、魔法もあるし神様がこの世界をコントロールしてほしいって言ってたしなぁ……。
「どうかされましたかムーン様」
「おっと、暗くなるところだった。大丈夫だよ。えっと、ウェイト君一号、二号、三号!よろしくね!」
考えても仕方ない事は先送りして挨拶をした。
挨拶は大事だ。
「「はい、マスター」」
彼らはエレベ君よりはマシな、ある程度は会話ができる知能を持っている。
こうして一気に作れるとすごくテンションが上がる。
一時期流行った家を作ったりサバイバルしたりする系のゲームをリアルにやれてると言えばわかりやすいかな。
「うん、できたね」
僕とセバスはウェイト君達を置いてエレベ君のところへ向かった。
少し飛び歩いたあと、エレベ君に乗り込んだ。
「二階へ頼むよー」
了解ですーという意識がわずかながらに伝わってくる。
しかもプルプルと震えて了解を示すエレベ君。
あまり震えられると箱が揺れてる訳でちょっと怖かったりする。
そして二階に降りたつ。
「ここが新フロア! 展望台フロア! 下にいる客が見えるだけで特に変わってないけどね。あっちからは見れないようになってる。ん、そうなるとさっきのところが新フロアだね。あっちをバーフロアと名付けよう!ここの下は従業員フロア(仮)で地下は神殿フロアのままだね」
「ここは素晴らしい眺めですね」
フロア命名をスルーしてセバスはそう言ってくれたけど、ダンジョン全体で見たらバーの明かりは小さい。
一クラスちょっとぐらいだ。
まぁ下にいるよりは周りの月の地面を眺められるのはいいね。
でもまだまだだね。
地下にも色々と作りたいけど、客寄せして、DPを貯めて自給自足できるようになるまではあのままかな。
領域拡張なんてのは先の先だね。
「うん、これでひとまずは改築完了かな」
ちなみに、このあとセバスにはパラソルやら椅子やらをここまで運んできてもらった。
ウェイト君達の教育もお願いしておいた。
「そうではありませんわ!ですが我々アースに住まう下等生物にとって500万は高すぎると考えてしまうのですわ。そう、ムーン様としては払えて当然ということはわかってますの。ただ我々は単なるダンジョンマスターであって、このような天界に住まわれるムーン様にお会いできるというなら500万でも妥当ではあると私は思います。ですが何分、私達下界の者は、それもこの素晴らしさがわからない無知なる者にとっては500万DPは高すぎる! 知らしめる為にももう少しお安くなればムーン様の素晴らしさをきっと理解できるでしょう!あ、神々の知識は安くする必要はないですわよ?」
「いや、だから神様じゃなくて僕も普通のダンジョンマスターだからね……異世界から転生させられたって言ったよね」
「ええ、ええ、わかっておりますわ。わかっておりますとも。あ、ではそろそろ私は帰らなくてはなりません。ではまたムーン様」
そう言ってとても拝み倒したあとお土産の月の砂に頬ずりしながら青い髪をした見た目美少女のエリアスは満面の笑み()を浮かべてアースに帰った。
エリアス、彼女はノブナガマネーでダンジョンを改築しようとしたところにやってきた第2のお客様だ。
僕のことをお忍びでダンジョンマスターになった神様か何かと思い込んでいるみたいで……少々苦労した。
下手に来られたからノブナガさんよりは幾分話しやすかったところはよかったかな。
まぁおいおい誤解は解けるだろうと思いたいね。
それまでは呼び捨てにしとこ。
「ふぅ……ダンジョンマスターって変わり者が多そうだよね」
「どうぞ、エリアス様から捧げられた茶葉を使った紅茶でございます」
「ん、ありがとう……捧げられたってふざけてる?」
「いえいえ、神であらせられるムーン様にそのような戯れは畏れ多いことかと」
「はぁ……美味しいねセバス」
「はい。香り高く、高級な茶葉かと」
「セバスの魔法を使った淹れ方のおかげもあるだろうけどね」
「ありがとうございます」
ということで、エリアスとの相談も踏まえた上で客寄せの為に新しい施設を作ろうか。
頭の中で考えるとダンジョンマスターの不思議感覚で眷属を考えたり、内装を考えたりすることができた。
「侵入者がいないと簡単にできるみたいだね。あとはぽちぽちっと買って、パパッと念じて、ググッとこうねって感じでやればいいのか。わかる?」
「私にはさっぱりわかりかねます」
「だよねー、じゃあさっそくやっていくよ」
上に手をかざす。
すると上空を覆うように新たな壁が広がっていく。
完全に覆ったあと、透明化させた。
出費の事は考えないのだ。
「うんうん、いい感じ」
「これがダンジョンマスターの力、実際に見るとやはり素晴らしいものです」
いい気分になって周りに手をかざす。
数々のお酒や味付きスライムを置いておく棚とバー風のカウンター、テーブル、イス、魔法のキャンドル、グラス等がどこからともなくあらわれる。
「おおー、楽しい! そして眷属召喚!おぉ演出込みだねぇ!」
魔法陣が広がり、人型の月の砂でできた人形が3体ほど地面から生えてきた。
もちろん中にはスライムが入っている。
この眷属は泥人形みたいなイメージで、スライムと人形部分がほとんど融合しているような感じだ。
お値段一体1万DPほど。
ただの雑魚である。
太陽光発魔機能でもつけようと思ったけど、高価だし生み出されるDPは少なそうだしで、つけたとしても宇宙空間に耐えられる眷属にだなと思ってやめた。
まぁそもそも太陽光発電はあんまり好きじゃないので別のをつけようかとも思ったけどなぁ……核分裂とか核融合とか真空エネルギーとか……まぁDPが足りないけどね。
DPを生み出すためにDPが必要で、その分をほかに使ったほうがもっといい事ができそうな気がしなくもないけど、客に頼らずに維持できる程度にはDPを自前で生み出しはしたいから悩みどころ。
ちなみにイメージが正確なほど安くなるみたいで、真空エネルギーとかSFドラマで聞いた程度なやつとか使うには一兆は軽く超えそうだね。
逆にその程度で作れていいのだろうかとも思うけど、魔法もあるし神様がこの世界をコントロールしてほしいって言ってたしなぁ……。
「どうかされましたかムーン様」
「おっと、暗くなるところだった。大丈夫だよ。えっと、ウェイト君一号、二号、三号!よろしくね!」
考えても仕方ない事は先送りして挨拶をした。
挨拶は大事だ。
「「はい、マスター」」
彼らはエレベ君よりはマシな、ある程度は会話ができる知能を持っている。
こうして一気に作れるとすごくテンションが上がる。
一時期流行った家を作ったりサバイバルしたりする系のゲームをリアルにやれてると言えばわかりやすいかな。
「うん、できたね」
僕とセバスはウェイト君達を置いてエレベ君のところへ向かった。
少し飛び歩いたあと、エレベ君に乗り込んだ。
「二階へ頼むよー」
了解ですーという意識がわずかながらに伝わってくる。
しかもプルプルと震えて了解を示すエレベ君。
あまり震えられると箱が揺れてる訳でちょっと怖かったりする。
そして二階に降りたつ。
「ここが新フロア! 展望台フロア! 下にいる客が見えるだけで特に変わってないけどね。あっちからは見れないようになってる。ん、そうなるとさっきのところが新フロアだね。あっちをバーフロアと名付けよう!ここの下は従業員フロア(仮)で地下は神殿フロアのままだね」
「ここは素晴らしい眺めですね」
フロア命名をスルーしてセバスはそう言ってくれたけど、ダンジョン全体で見たらバーの明かりは小さい。
一クラスちょっとぐらいだ。
まぁ下にいるよりは周りの月の地面を眺められるのはいいね。
でもまだまだだね。
地下にも色々と作りたいけど、客寄せして、DPを貯めて自給自足できるようになるまではあのままかな。
領域拡張なんてのは先の先だね。
「うん、これでひとまずは改築完了かな」
ちなみに、このあとセバスにはパラソルやら椅子やらをここまで運んできてもらった。
ウェイト君達の教育もお願いしておいた。
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