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一方その頃
しおりを挟む俺は雪原に立ち叫んだ。
「さむぅーーーーー! そうな光景」
どーも、イクオです。
須藤郁夫改め、イクオトリアエズです。
ここは北極なのか南極なのかシベリアなのかさっぱりわかりませんがとりあえずですよトリアエズ。
酷くないですか?
辺り一面真っ白、空は青く輝いて…まぁわかりやすく言うと雪以外何もない。
ダンジョンの入り口だけぽつんと立ってますよ。
地下に続いていくこの入り口、正面から見るこの形は公衆電話かな?お便所かな?
さて北極か南極かシベリアかわからないと言いましたが。
北極は氷が浮いていて、南極は地面があるわけですよ。
シベリアは労働者がいるらしいけどここには俺以外いないからシベリアはないね。
それでダンジョンマスターはダンジョン内の空間をDPを使えば無理のない範囲で好きなようにできるわけですよ。
でもDPも全然ないわけ。
でもここには沢山の氷があるのでマーケットをポチッとなっと。
すると氷が売れるではありませんか。
氷は需要があるわけなんだなぁ。
はいすごーく安く売却。
そしてDPも使って氷を建材倉庫的なアイテムボックス的な空間に貯めます。
するとダンジョン空間内全部と外側ほんの少しの氷がどんどんなくなっていくわけです。
ついでにテンプレ的レンガダンジョンもなくします。
そうすると目の前に大穴ドーン!
中に海はありませーん!
というわけでここは南極なんですかねー。
「ふかぁぁーい!! こんな大穴みたことないぞー!」
まぁこんなことしなくてもダンジョン範囲内には氷あったのは謎のダンジョンマスターの感覚で分かってたんですけどね。
そうここ南極ですよ!奥さん!南極!
日本からだと宇宙よりも遠いらしい南極!
「ちくしょーー!異世界ハーレムないじゃないかぁーー!!! 猫耳もエルフもいねーぞ!というかダンジョンマスターとか悪役じゃねえかー!」
と誰もいないことをいいことに叫んだ。
とここで俺はようやく虚しくなった。
そして少し落ち着いた。
「はぁー、おかしくなりそうだな。本当に転生したのか。全然凍って死ぬ気配もないし……雪ばっかだし」
としばらくぼーっとしていると、目の前の大穴の端っこの上、つまり俺の前あたりの空中にまるで地面ができたかのように紫の魔法陣が広がり出した。
「お、神様が謝罪にきた感じか!?」
叫んで見るものだなぁとは思いつつも怖いので少し距離をとった。
そして光とともに現れたのはエルフ達だった。
ほとんどは男だったがその中にはハイエルフと言ってもいい容姿をした美少女がいた!
「エルフキター!!しかも浮いてる!」
空中に浮かんだ魔法陣の上に立った美少女。
耳は長く、露出の高い緑の服を着て、刀を持っていた。
「悪魔の子めっ!」
「お、お待ちください!」
美少女はそう叫ぶと引き止めようとしたエルフの男達を振り切り、魔法陣を蹴り上げこちらに来ようとしていた。
「ひえぇ!」
刀を抜いた!?
俺は尻餅をついた。
女が魔法陣から出た瞬間、空中の魔法陣が消える。
そして落ちていく男とこちらに飛び出しながら落ちていく美少女。
美少女は穴の端っこを掴んだ。
俺は腰が抜けながらもとっさに助けようと手を伸ばそうとした。
「種は殺す!」
と大声で叫ばれ、俺は一瞬躊躇った。
そうしている間に美少女も手を滑らせて穴に落ちていった。
「な、なんだこれ」
俺のDPは100万ほども増え、盛大に吐いた。
DPがたまってダンジョン内テレポートができるようになった俺は遺体というか肉片を氷に埋めた。
この後氷を売りながら眷属で現代兵器モドキを作ってこの地の魔物と戦ったり、それと並行してある場所を発見したりするんだがそれはまたの話だ。
異世界ハーレムは非常に遠い。
異世界こえーし、まじできついなと。
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