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2話目 転生準備 アースって
しおりを挟む今僕の目には半透明の画面が浮かんでいる。
それをタブレット型端末のようにタッチ操作して自分や眷属の種族、ダンジョンの立地、内装などを考え入力していけと神様は言った。
僕は既に設定を眺めていたけれど神様の補足説明は続いていた。
聞き耳を立てつつ設定を考える。
「まぁまとめると理解すべき点は少ないよ。一つ、君たちは剣と魔法のファンタジーの世界にダンジョンマスターとして転生する。ダンジョンの外に出れないわけじゃないから観光もできるよ」
今開いてる画面には四つの項目があった。
「二つ、ダンジョンマスターはDPと呼ばれるポイントシステムと生まれ持っている眷属クリエイトという力を使うことで生き残ることができる。システムをつかってのダンジョン制作やマスター同士の商売、交流。想像力と扱える種族特性を活かしたユニークな眷属たちによる戦力というわけだ!」
「名前の入力」「ダンジョンの立地」「眷属の種族」「ダンジョンの構築」の四つだ。
「あと三つ目になるのかな。君たちの心臓はダンジョンの心臓だ。これは魔力の塊であらゆる種族が狙ってくるだろうね、他のダンジョンマスターも含めて。こんな感じで説明は終わりかな。理解できなくてもしかたないけどなるべく受け入れないとすぐしんじゃうからね。まぁ言っても無駄かな。あとかっこつけて言ったけど君たちが転生したあと何しようが自由だよ。何をしようが僕は罰しないから、傲慢な現地人が何を思うかは知らないけどね。現地人に負けないように自衛のための武力はあった方がいいよ、あはは」
あと星の大きさや物理法則は地球とほぼ同じとも説明していた。
次第にクラスのみんなも設定をし始めたみたいだ。
何もないようにみえる空中をタッチしているから分かる。
僕はまず「ダンジョンの立地」書かれている項目をタッチした。
すると青く美しい星が画面に表示された。
星の上にアースと書かれている。
(綺麗だなー。異世界に英語はないんだろうから日本語でおけとは言えないかな)
名前をタッチしてみると「ランダムで決定しますか。DPは消費されません」と表示された。
保留で、と思うとその表示が消えた。
(あれ、これもしかして脳波コントロールできるのかな)
アースを拡大、と念じると画面も拡大していき、五つぐらいの島?大陸?が見えてきた。
(おお、便利)
こうしていると冷静に対応しているようにみえるかもしれないが、僕は混乱している。
人は混乱の局地に至り、気を失えないと、危機感からか冷静になるということを現在進行形で学んだ。
「一応、時間制限あるから、なるべく早く設定した方がいいぞー」
神様が急かす。
(アメリカとヨーロッパの間に下向きのランドルト環のような大陸があるし他の大陸もかなり歪んでいるけれど、大陸の配置的には地球と同じなのか。海の面積がかなり狭いような簡単な船でも頑張れば渡れるような……。アメリカ(仮)が西で日本(仮)が東でヨーロッパが中心か)
そこで気づく。
(ああ、いやいやこれは平面図じゃないんだ。このアースの裏側を見ていないのにこうだなんてアースの大陸の配置は地球と全然違うみたいだな)
ランドルト環のようなところを選択すると「DPがあと10万必要です」と表示された。
ちなみに僕が持っているDPは10万である。
クラスメイト皆が一人10万であるそうだ。
今の倍必要とは……。
他の場所を選ぶにも5万程度必要だった。
保留だ。
(ランドルト環は気になる形ではあったし日本(仮)も気になるけれどアースの裏側の確認もしないと)
縮小と念じると初めの画面に戻った。
(綺麗だなー。裏側に回転。おお?)
カメラ?が裏側に回ったことで一つの衛星も見ることができた。
少し遠くて見えづらいがアースと同じように星の上に名前が書かれている。
ふと僕が見えづらいムーンという名前表示をなぞると「注意!ランダムで選択されるすべてのエリアに生命体が存在していません。DPを得る方法や眷属の生存が限られる為に選択の際は一億DPが与えられますが推奨されません」と表示された。
ランダムじゃなくても1000万DPももらえるらしい。
(月も選べるんだ。保留で)
その後僕はアースの裏側には大きな大陸が一つあって、そこを選択するのにはDPがかからないことを確認すると立地選択画面を閉じて「眷属の種族」という画面を開いた。
ここも大事なところだ。
神様の説明にもあったけれどダンジョンマスターは眷属クリエイトというものが使える。
例えば眷属にヴァンパイアを選んだする、すると眷属クリエイトで厳密には違うがゾンビやコウモリなどに似たモンスターも生み出せたりするらしい。
もちろん生み出すときにはDPを使うらしいけど。
あとダンジョンマスターは見た目は人間でもどんな場所でも生きれる体らしいが眷属は違うからダンジョン作る時に参考にしてねーとも神様が言っていた。
話を戻して種族一覧をじっくり眺めて僕は思った。
(凄く、多い。緑の化物、キノコのお化け、虫のモンスターたち、血の怪物、妖怪やら人形やら、妖精やら天使やら、もうファンタジー生物の宝石箱だ)
僕はそう思った。
あと選択できる種族は1つまで。
だけど種族を合わせたりできるみたいで値段が変わるみたいだ。
結局これも保留にして「ダンジョンの構築」の画面を開いた。
画面にはテンプレートかのようなレンガで固められた地下ダンジョンと所持DPや材料なとのこまごまとした情報群も表示された。
ダンジョンとはいうものの一キロの立方体にDPを使って好きなように普通の建物を立てれる感じみたいだ。
(壁や床をぶち抜いて、ショートカットし放題じゃないか。ああ、なるほど、これもDP消費でそういった攻撃を吸収することもできるんだ)
他にできることを確認していくが、ダンジョンの異界化は出来なかった。
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