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第0話 ある日
しおりを挟む「なんだかこの景色も見慣れたね、色々あったけどここからの景色は初めてこの世界に来た時のまんまだ」
ここから見える宇宙、アースを眺めて僕はそう言った。
僕は手に持った緑茶味のスライムをブチッと噛みちぎる。
「うん、日本の味だ。食べるんじゃなかったかな、今まで全然気にならなかったのに日本に帰りたいと思っちゃったよ」
慌てて視線を下げて、ずずぅっとカップに入れられた紅茶を飲む。
カチャと少し音を立てて机にカップをおく。
「うん、異世界のお茶も美味しい」
「それは淹れた甲斐があるというものです」
僕の背後で黒いアダマンタイトに包まれた人形が……僕の眷属であるセバスが静かにそう言う。
「うん、大丈夫。セバス、これが本当のはじまりって感じだね」
「はい、今日でこの景色も変わるかと……間もなく到着時刻です」
「うん、ありがとうセバス。この椅子に机にパラソルに、わざわざ運ばせてよかったよ。懐かしいものだね」
視線を空に戻す。
照りつける太陽、広がる星空、そしてその中で堂々と存在を示す青い青い星。
そのまま眺めていればびゅん、びゅん、と魔力が乱れる音とそれに伴う白い光と共に『艦隊』が現れる。
その見た目は様々で箱型のものやら円筒形やお皿のようなもの、中には現代の戦艦や空母そのまんまという物もあった。
「これから僕はようやく、この素晴らしいくそったれな世界で生きていく事になるんだ」
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