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第22話 3人で話し合う
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会議を終えた僕はダンジョン内の見回りをして、ユウジとイクオと話し合う事にした。
「これはムーン様! 軌道計算完了してます。チェックも抜かりありません! これが完了すればついにアースに手が届きます」
「トレント、それはまだだよ。アース、ムーン間の友人輸送艦は出来てないし、転移門を配置したってDPの都合で使えるのは緊急時だけだからね。でも着実に進んでるよ。この調子だね。まだ用事は終わってないから、終わってから話そう。僕は司令室に行くね」
僕は死人だ。
何もできずアースを見守るつもりだけれど力を磨くのをやめる気はない。
引きこもるために、このムーンを選んだんだ。
誰にも邪魔できないように体制を整えるつもりだ。
それに宇宙戦艦とか宇宙空母とかドローン船とか惑星間航行船とか次元潜航艇とか作りたいもん。
この世界は魔法があるんだ。
生命がある星だって多そうだよ。
世界はこのアースただ一つだけじゃないはずさ。
考えるだけでワクワクしてくるね。
後者の理由が8割、僕が宇宙に出ようとしてる原因だ。
「は、はい! 流石我らダンジョンマスターを拾っていただいたお方です!研究班は発射準備完了しております。ムーン様の発射命令をいまかいまかと待っております!」
「はいはい、わかったわかった。まだ転移門の実験がしっかりと終わってないからそれからで頼むよ」
ムーン軌道上からアース軌道上へ潜るとと移動できる門の試作機を作っている。
人がギリギリ通れるぐらいの小型だけど成功すれば小型の衛星を簡単に送れるようになる。
門と衛星のランデブーは大変な事に変わりはないけど……。
ちなみにベクトルと速度差の補正やら宇宙空間に耐えられるような眷属を生み出すのは僕1人の力では不可能だった。
マクシオンと彼らダンジョンマスターのおかげである。
今話しかけてきた彼の名はトレント。
研究に殆どのDPを注ぎ込む変人と言うのがこのムーンに来るまでの彼の評判だった。
今は僕の宇宙開発計画の強力な味方になってくれている。
まぁまだ成功するかはわからないけどね。
何度でも挑戦する気でいる。
会議でも使った通信衛星の投入も失敗の連続だったし。
僕のダンジョンはこの一年で大きく進歩した。
語り尽くすにはとても時間が足りない。
追々説明できたらいいのだけれど。
まぁ大きな変化を上げていくとまずはこうして他のダンジョンマスターを配下にした事だろうか。
アースには宇宙に興味があってその探究にDPのほとんどを費やしていた小さなダンジョンマスター達がいた。
変わり者達だね。
よく生き残ってたと思う。
そこに僕と言う格好の存在がいたわけで……接触してきた彼らは危険なアースから離れてここに来たがった。
まぁここにも危険の一つであるハイエルフはくるけどね……。
だから僕はそれを受け入れた。
安全は魔法契約で縛れば大丈夫だと思ってね。
彼らがいなければ通信衛星はこんな簡単にアースに展開できなかった。
マクシオンの転移とDPのゴリ押しで無理やり軌道に乗せる手はあっただろう。
そもそも魔法の浮力を使えば軌道に乗せる必要もなく浮かせ続ければいいだけだ。
けどそれこそ魔力の無駄が多すぎたんだよね。
宇宙空間は思った以上に厳しい環境でそこで耐える人形スライムがさらに浮き続けるなんて原子炉君を使っても中々完成しそうにはないよ。
戦艦クラスの大型なら可能かもしれないけど、まだまだそんな大きなものを作れるノウハウの蓄積なんてものがない。
作ってもすぐに見落としてた何かで巨大な戦艦が亡くなったら目も当てられないよ。
次に司令室、僕が今向かっているところだ。
地下最深部に設けた、原子炉君の近く、ピラミッドの近くである。
ここにいるのは全長50メートルはある巨大なスライム、そしてそのスライムが操る多数のモニターがある司令室だ。
もし有事になったらオペレーター君達を使って指揮を取れるように生み出している。
まぁそんな有事が起きる予定は今のところない。
ここは異世界だし、マクシオンが転移してきたようにいきなり別世界とかから怪物がなだれ込んできたりするかもしれないし……ないな。
一言でざっくり言うとただのロマン部屋かな、ゲンドウポーズで座ったりするための部屋。
ちゃんと言うと、司令室とわかる通り僕のダンジョンやダンジョンの外の眷属と通信を行う部屋だ。
あぁ、ダンジョンから外と通信する用のアンテナが展望フロアの上に立ってるよ。
ホテルでお楽しみ中の最中の映像だったり、魔法のショーを見てる観客だったり、マスターバトルの試合だったり、また転移で攻めてきたハイエルフがマクシオンの罠に引っかかって真空に投げ出されて死んでる映像だったり、アース上空からの撮影映像だったり、色々見れる。
まぁマスターである僕は司令室無くても観れるけど……。
あぁ……今、ハイエルフが死んだね。
ハイエルフの死体がダンジョンの外で月面を跳ねてるよ。
後で回収しとこう。
ハイエルフが転移してくるのは一月に一回ほどだ。
マクシオン曰くここまで送られてくるのは罪人だけらしいけど、それにしては頻度多い。
それにたまに刀で武装した人も来るから罪人だけの気もしない。
残念ながらハイエルフとの会話は毎回成り立たない。
ちなみに刀は日本を思い出すから別のところで飾ってある。
まぁハイエルフには情報収集という概念はないらしい。
毎回宇宙的、いやムーン的な初見殺しの罠でサヨナラだ。
真空を味わえるのはアースの外にあるここぐらいだからね。
でも警戒は怠らないよ。
話を戻してこの司令室だ。
ダンジョン内の映像やら眷属が送ってきた映像は意識すれば僕はいつでも見れるんだけど外注したほうが少し楽だ。
そして眺めているのが楽しい。
だからこそのこの司令君である。
あとはそうだな、僕のダンジョンの従業員は全員に小型の腕輪型人形スライムの通信君を身につけさせている。
ハイエルフがやってきた時とかお客様とのトラブルとかが起きたら他のお客様に隠れて通信して対処できるようになっている。
ここからそう言う指示も飛ばせる。
ダンジョンマスターにそういうのあまり必要ないけどね。
ダンジョンではダンジョンマスターは念じれば大抵の事はなんでもできるから。
司令室ははっきり言ってロマン部屋だね。
展望室といい、僕はロマンしか追い求めてないけど四人だから仕方ないね。
こんな感じでこの一年であったことを少しだけ振り返りながら僕は司令室に到着した。
「確かに、俺たちダンジョンマスターはムーンのこのダンジョンを見てわかる通り、なんでも出来るって言ってもいいだろう。でもだからって俺たちがこの星を支配できるなんて思い上がりにも程がある、俺はそう思うぞ。俺たちはまだ一年しかこの世界にいないし、ただの学生だったんだぜ。ずっと黙ってた2人はどうなんだよ」
イクオが僕が入って部屋に入ってすぐにそう言ってきた。
司令室にイクオとユウジをアースから呼んでおいたのだ。
一年もあればこのぐらいの余裕はある。
もちろん今は司令室のモニターの映像は殆ど表示されてない、さっきの会議の様子だけは録画されたものが表示されていたが。
あんな会議じゃ、僕は不安になるものだよ。
会議の結果はケンジが最初に言った力による支配に落ち着いた。
他の提案が出なかったとも言う。
そして第二回は実現可能なプランを持ち寄る事になった。
「あの自称神様はコントロールして欲しいと言っていたのに、力で支配だなんてね。ずいぶん直球だよね」
僕はすんなりと言葉が口から出た。
画面に表示されているケンジを横目で見ながら2人に僕はそう言った。
「そうそう、異世界人も良い奴らなんだから彼らを支配するなんてな。それにそんなことしたら怖がられて俺の異世界ハーレムの夢も遠のく」
「イクオはまだそれ目指してるんだ……」
「俺の周りの異世界人は喋るペンギンやらホッキョクグマだぞ! それはそれで可愛いけどよ、どっかの誰かみたいに美少女ウサミミの可愛い獣人娘にチヤホヤされたいんだぜ……」
笑いながらイクオはユウジを見た。
「ところで話を戻すがやっぱりムーンもイクオもそう思っていたのか。そう思うならあの場で何か言うべきだったと俺は思うぞ」
ウサミミの種族を救い、他にも数種の種族を救い未だ戦い続けていてさらには現役国王にもなっている疲れた顔したユウジは僕とイクオにそう言った。
「露骨に話を変えやがった……」
「どっちが話題を変えたんだが、俺は話を戻しただけだ」
そんな返事にイクオは何かを察したのか突っかかるのをやめていた。
「おう、まぁそうだな。会議の話の方が大事ではあるよな。ムーン、なんでこの時言わなかった。俺はまぁ……わかるだろ」
司令室の映像はケンジが力で支配しようと言っていたところだった。
僕は2人から詰め寄られる。
なんでも何も、何か言っても無駄そうだったからだ。
僕にはみんなを説得できる自信がなかった。
「僕もケンジと同じだよ。それでユージは? ユージも思ってたんでしょ」
「お、そうだよな。ユージもどうして言わなかったんだ。俺たち2人は黙るタイプだけどよ、ユージはこういう時何か言うやつだろ。あの神様にも言うぐらいなんだから」
そうそう、イクオの言う通りだ。
あの自称神様にも突っかかるほどの男が何か言うと僕も思ってたよ。
「わかった。俺か、俺の考えは……まだうまく言えないんだが、俺はこの会議に来て、このムーンのダンジョンに来て、ここに来る前は、異世界を一つの世界として見てたんだが、それが世界は一つじゃないんだなって思ったし、思わされた。だから黙ってた……」
「どういうこと?」
僕達はユウジの考えを聞く。
「これはムーン様! 軌道計算完了してます。チェックも抜かりありません! これが完了すればついにアースに手が届きます」
「トレント、それはまだだよ。アース、ムーン間の友人輸送艦は出来てないし、転移門を配置したってDPの都合で使えるのは緊急時だけだからね。でも着実に進んでるよ。この調子だね。まだ用事は終わってないから、終わってから話そう。僕は司令室に行くね」
僕は死人だ。
何もできずアースを見守るつもりだけれど力を磨くのをやめる気はない。
引きこもるために、このムーンを選んだんだ。
誰にも邪魔できないように体制を整えるつもりだ。
それに宇宙戦艦とか宇宙空母とかドローン船とか惑星間航行船とか次元潜航艇とか作りたいもん。
この世界は魔法があるんだ。
生命がある星だって多そうだよ。
世界はこのアースただ一つだけじゃないはずさ。
考えるだけでワクワクしてくるね。
後者の理由が8割、僕が宇宙に出ようとしてる原因だ。
「は、はい! 流石我らダンジョンマスターを拾っていただいたお方です!研究班は発射準備完了しております。ムーン様の発射命令をいまかいまかと待っております!」
「はいはい、わかったわかった。まだ転移門の実験がしっかりと終わってないからそれからで頼むよ」
ムーン軌道上からアース軌道上へ潜るとと移動できる門の試作機を作っている。
人がギリギリ通れるぐらいの小型だけど成功すれば小型の衛星を簡単に送れるようになる。
門と衛星のランデブーは大変な事に変わりはないけど……。
ちなみにベクトルと速度差の補正やら宇宙空間に耐えられるような眷属を生み出すのは僕1人の力では不可能だった。
マクシオンと彼らダンジョンマスターのおかげである。
今話しかけてきた彼の名はトレント。
研究に殆どのDPを注ぎ込む変人と言うのがこのムーンに来るまでの彼の評判だった。
今は僕の宇宙開発計画の強力な味方になってくれている。
まぁまだ成功するかはわからないけどね。
何度でも挑戦する気でいる。
会議でも使った通信衛星の投入も失敗の連続だったし。
僕のダンジョンはこの一年で大きく進歩した。
語り尽くすにはとても時間が足りない。
追々説明できたらいいのだけれど。
まぁ大きな変化を上げていくとまずはこうして他のダンジョンマスターを配下にした事だろうか。
アースには宇宙に興味があってその探究にDPのほとんどを費やしていた小さなダンジョンマスター達がいた。
変わり者達だね。
よく生き残ってたと思う。
そこに僕と言う格好の存在がいたわけで……接触してきた彼らは危険なアースから離れてここに来たがった。
まぁここにも危険の一つであるハイエルフはくるけどね……。
だから僕はそれを受け入れた。
安全は魔法契約で縛れば大丈夫だと思ってね。
彼らがいなければ通信衛星はこんな簡単にアースに展開できなかった。
マクシオンの転移とDPのゴリ押しで無理やり軌道に乗せる手はあっただろう。
そもそも魔法の浮力を使えば軌道に乗せる必要もなく浮かせ続ければいいだけだ。
けどそれこそ魔力の無駄が多すぎたんだよね。
宇宙空間は思った以上に厳しい環境でそこで耐える人形スライムがさらに浮き続けるなんて原子炉君を使っても中々完成しそうにはないよ。
戦艦クラスの大型なら可能かもしれないけど、まだまだそんな大きなものを作れるノウハウの蓄積なんてものがない。
作ってもすぐに見落としてた何かで巨大な戦艦が亡くなったら目も当てられないよ。
次に司令室、僕が今向かっているところだ。
地下最深部に設けた、原子炉君の近く、ピラミッドの近くである。
ここにいるのは全長50メートルはある巨大なスライム、そしてそのスライムが操る多数のモニターがある司令室だ。
もし有事になったらオペレーター君達を使って指揮を取れるように生み出している。
まぁそんな有事が起きる予定は今のところない。
ここは異世界だし、マクシオンが転移してきたようにいきなり別世界とかから怪物がなだれ込んできたりするかもしれないし……ないな。
一言でざっくり言うとただのロマン部屋かな、ゲンドウポーズで座ったりするための部屋。
ちゃんと言うと、司令室とわかる通り僕のダンジョンやダンジョンの外の眷属と通信を行う部屋だ。
あぁ、ダンジョンから外と通信する用のアンテナが展望フロアの上に立ってるよ。
ホテルでお楽しみ中の最中の映像だったり、魔法のショーを見てる観客だったり、マスターバトルの試合だったり、また転移で攻めてきたハイエルフがマクシオンの罠に引っかかって真空に投げ出されて死んでる映像だったり、アース上空からの撮影映像だったり、色々見れる。
まぁマスターである僕は司令室無くても観れるけど……。
あぁ……今、ハイエルフが死んだね。
ハイエルフの死体がダンジョンの外で月面を跳ねてるよ。
後で回収しとこう。
ハイエルフが転移してくるのは一月に一回ほどだ。
マクシオン曰くここまで送られてくるのは罪人だけらしいけど、それにしては頻度多い。
それにたまに刀で武装した人も来るから罪人だけの気もしない。
残念ながらハイエルフとの会話は毎回成り立たない。
ちなみに刀は日本を思い出すから別のところで飾ってある。
まぁハイエルフには情報収集という概念はないらしい。
毎回宇宙的、いやムーン的な初見殺しの罠でサヨナラだ。
真空を味わえるのはアースの外にあるここぐらいだからね。
でも警戒は怠らないよ。
話を戻してこの司令室だ。
ダンジョン内の映像やら眷属が送ってきた映像は意識すれば僕はいつでも見れるんだけど外注したほうが少し楽だ。
そして眺めているのが楽しい。
だからこそのこの司令君である。
あとはそうだな、僕のダンジョンの従業員は全員に小型の腕輪型人形スライムの通信君を身につけさせている。
ハイエルフがやってきた時とかお客様とのトラブルとかが起きたら他のお客様に隠れて通信して対処できるようになっている。
ここからそう言う指示も飛ばせる。
ダンジョンマスターにそういうのあまり必要ないけどね。
ダンジョンではダンジョンマスターは念じれば大抵の事はなんでもできるから。
司令室ははっきり言ってロマン部屋だね。
展望室といい、僕はロマンしか追い求めてないけど四人だから仕方ないね。
こんな感じでこの一年であったことを少しだけ振り返りながら僕は司令室に到着した。
「確かに、俺たちダンジョンマスターはムーンのこのダンジョンを見てわかる通り、なんでも出来るって言ってもいいだろう。でもだからって俺たちがこの星を支配できるなんて思い上がりにも程がある、俺はそう思うぞ。俺たちはまだ一年しかこの世界にいないし、ただの学生だったんだぜ。ずっと黙ってた2人はどうなんだよ」
イクオが僕が入って部屋に入ってすぐにそう言ってきた。
司令室にイクオとユウジをアースから呼んでおいたのだ。
一年もあればこのぐらいの余裕はある。
もちろん今は司令室のモニターの映像は殆ど表示されてない、さっきの会議の様子だけは録画されたものが表示されていたが。
あんな会議じゃ、僕は不安になるものだよ。
会議の結果はケンジが最初に言った力による支配に落ち着いた。
他の提案が出なかったとも言う。
そして第二回は実現可能なプランを持ち寄る事になった。
「あの自称神様はコントロールして欲しいと言っていたのに、力で支配だなんてね。ずいぶん直球だよね」
僕はすんなりと言葉が口から出た。
画面に表示されているケンジを横目で見ながら2人に僕はそう言った。
「そうそう、異世界人も良い奴らなんだから彼らを支配するなんてな。それにそんなことしたら怖がられて俺の異世界ハーレムの夢も遠のく」
「イクオはまだそれ目指してるんだ……」
「俺の周りの異世界人は喋るペンギンやらホッキョクグマだぞ! それはそれで可愛いけどよ、どっかの誰かみたいに美少女ウサミミの可愛い獣人娘にチヤホヤされたいんだぜ……」
笑いながらイクオはユウジを見た。
「ところで話を戻すがやっぱりムーンもイクオもそう思っていたのか。そう思うならあの場で何か言うべきだったと俺は思うぞ」
ウサミミの種族を救い、他にも数種の種族を救い未だ戦い続けていてさらには現役国王にもなっている疲れた顔したユウジは僕とイクオにそう言った。
「露骨に話を変えやがった……」
「どっちが話題を変えたんだが、俺は話を戻しただけだ」
そんな返事にイクオは何かを察したのか突っかかるのをやめていた。
「おう、まぁそうだな。会議の話の方が大事ではあるよな。ムーン、なんでこの時言わなかった。俺はまぁ……わかるだろ」
司令室の映像はケンジが力で支配しようと言っていたところだった。
僕は2人から詰め寄られる。
なんでも何も、何か言っても無駄そうだったからだ。
僕にはみんなを説得できる自信がなかった。
「僕もケンジと同じだよ。それでユージは? ユージも思ってたんでしょ」
「お、そうだよな。ユージもどうして言わなかったんだ。俺たち2人は黙るタイプだけどよ、ユージはこういう時何か言うやつだろ。あの神様にも言うぐらいなんだから」
そうそう、イクオの言う通りだ。
あの自称神様にも突っかかるほどの男が何か言うと僕も思ってたよ。
「わかった。俺か、俺の考えは……まだうまく言えないんだが、俺はこの会議に来て、このムーンのダンジョンに来て、ここに来る前は、異世界を一つの世界として見てたんだが、それが世界は一つじゃないんだなって思ったし、思わされた。だから黙ってた……」
「どういうこと?」
僕達はユウジの考えを聞く。
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