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10話目原子炉?ピラミッド?
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「カードバトルで思ったんだけど僕って魔法使えるよね?」
「はい。私を生み出したのも魔法ですよ」
エリアスが帰った後展望フロアで僕はセバスのお茶を飲んでいた。
あー最高だね。
もう異世界も慣れたものだ。
「それはわかってるけど。そうじゃなくて、やっぱり魔法と言ったら火の玉とか土の塊を打ち出したりするやつだよ」
「は、はぁ。その程度魔術でも行使可能なものですが」
「魔法と魔術って違うの?」
「はい。魔法は簡単ですが、魔術となると術式と呼ばれる技術を用いないと発動自体しませんからね」
「ふーん。だからセバスの値段が高かったんだ」
僕は魔法の使えるスライムを望んだからね。
「それもあるでしょう」
「で、魔法を教えてくれるかい」
「はい、わかりました。ですがすぐに使えると思いますよ。願うだけですから」
困惑顔のセバスに魔法を教えてもらった。
奴隷契約魔法なんてものもあるらしい、あと蘇生魔法は難しいらしい。
ふむふむ、魔力とイメージ次第だという事がわかった。
というわけで僕はセバスの言うことを参考に練習した。
ひ、火、メラメラ燃える。
想像した。
そして叫ぶ。
「火よ、顕れよ!」
ボワっと現れたるは火炎。
一瞬で現れ、一瞬で消える。
「魔法だ!やったー!うわ、DPが減るね。眷属生み出したほうが効率いいね」
「DPは魔力ですからね。眷属はマーケットから配給される魔力がありますので。あと叫ばなくてもできますよ」
「マーケットさまさまだねー。うん。知ってる、ロマンだよロマン。ありがとねセバス」
練習時間15秒で魔法が使えた。
その後は火の玉を空中旋回させたり水の龍をあやったり……練習不足だから頭にぶつけたり蛇だったりしたけどね。
他のダンジョンマスターもできるのか今度エリアスあたりに聞いておこう。
まぁそんな楽しい事はひとまず置いといて。
神殿フロアの奥の方に転移した。
「さて原子炉、作りますか」
熱エネルギーを魔力に変えるぞ!
よくSFドラマなんかでエネルギーエネルギー言って、容易く利用してるけどあれ凄いよね。
普通変換するのにロスやら何やら大変だろうに。
簡単に未知のエネルギー利用しちゃってたりするのは凄いわ。
未知じゃなくない?とポップコーン片手に映画館でボソリと言ってしまったのは冷や汗ものだったなぁ。
ちょうど静かなシーンで声が響いてしまった。
ファンの殺気を感じたね。
あっあれはSFじゃなくてヒーロー物だったけな。
SFアメコミヒーロー物か。
ってどうでもいいね。
僕はSFでそんなシーンがあると違和感を感じていたわけだけど、今なら違和感を感じないだろうね。
僕の想像力が乏しかっただけだったのだ。
魔法すごいなぁ。
出来上がった眷属のその名はニューク君。
「流石ムーン様です。これは一体どうなっているのですか」
いつのまにか来ていたセバスが話しかけてきた。
「核分裂反応を起こしてるんだよ」
「核分裂反応ですか?」
「僕もあんまり、いや全然わかってないよ」
緑色のスライムを茶色で一部透明な殻が覆ってる、長さ、太さは僕と同じぐらいで円筒形だ。
人の形じゃないから余計DPは高くなってしまうけどそこは移動能力やらなんやらを全てカットしてカバー。
中のスライムが適度な核分裂反応で熱を生み出し続け、外殻がその熱を適度に吸い取り魔石にする。
そういった魔法の生物だ。
ついでに放射線もカットしてくれるはず……。
燃料が尽き、熱を生み出せなくなる時が彼の死だ。
彼の体全てが魔力となって消失する。
核廃棄物ともおさらばである。
「勢いで作ったけどこれ、元は取れるのだろうか。取れると信じてるぞ」
優しくさすった。
ぽろっと魔石が出て来た。
ポットは神殿フロアの奥の方に祭壇的な場所を作り、そこに置いてもらった。
上から見ると四角くて、歩幅の広い段差が何段かあってその中央の地面にポットが入れる穴がある。
だから中央はそれなりに高い。
そうだな、ミニピラミッドもどきかな。
「段差の歩幅が広いところと全体的に小さいのが僕的にはポイント」
「異世界の感覚は私にはさっぱりわからないです」
「うん、僕もわからないよ。僕の美術の点数は低かったし。これは僕流の芸術だよ」
「それは失礼しました」
ちなみに、このニューク君は原子炉だからウラン濃度的に核爆発は不可能なんだけど僕はそれでいいと思った。
もし核兵器なんて使ってその爆発が他のダンジョンマスターに見られたら、そういった爆発を起こせる眷属を生み出せるようになるかもしれないと僕は恐れた。
第三次世界大戦待った無し、きっとアースは滅ぶ。
それは悲しい。
まぁ100年もしないうちに緑は戻るかもしれないけど。
誰もいなくなって月に眷属とだけで無限に近い寿命を生きるなんて想像しただけで震えるね。
それに僕には核爆弾の知識はほとんどない。
たしか爆縮レンズがどうのこうの、火薬も使っててタイミングがどうのこうの。水爆は核爆弾を起爆に使っててどうのこうの。
とりあえず思ったより高度な技術力が必要なんだよねーってことだけしかわからない。
核爆弾は、原子炉より作るのは難しいとか。
そんな諸々の理由で核兵器は一旦 保留した。
実験するとしても誰にもみられない月の裏側にいけるようになったらである。
あとはクラスメイト達が核爆弾を生み出して使用しない事を祈る他ないな。
って、大事なことを思い出した。
「イクオとユウジは大丈夫だろうか」
「イクオ様とユウジ様、ですか?」
「僕の友達なんだ」
僕が心配するとしたらこの二人だけだ。他のクラスメイト達も一応は心配だけど。
きっと何人かはもう殺されて心臓を取られてたり、他のダンジョンマスターの奴隷になってたりするだろうから怖くてマーケットで確認してないんだよね。
ってもし誰か奴隷になってて悪い奴に知識を奪われたら、核兵器誕生待った無しじゃ……。
アースの人に理解できるか怪しいけど、僕もろくに理解せず生み出せるし。
うん、ダンジョンも少しは安定したしみんなに連絡してみようか。
まず僕は勇気を振り絞ってマーケットでイクオとユウジに連絡した。
あとは返事を待つのみである。
「はい。私を生み出したのも魔法ですよ」
エリアスが帰った後展望フロアで僕はセバスのお茶を飲んでいた。
あー最高だね。
もう異世界も慣れたものだ。
「それはわかってるけど。そうじゃなくて、やっぱり魔法と言ったら火の玉とか土の塊を打ち出したりするやつだよ」
「は、はぁ。その程度魔術でも行使可能なものですが」
「魔法と魔術って違うの?」
「はい。魔法は簡単ですが、魔術となると術式と呼ばれる技術を用いないと発動自体しませんからね」
「ふーん。だからセバスの値段が高かったんだ」
僕は魔法の使えるスライムを望んだからね。
「それもあるでしょう」
「で、魔法を教えてくれるかい」
「はい、わかりました。ですがすぐに使えると思いますよ。願うだけですから」
困惑顔のセバスに魔法を教えてもらった。
奴隷契約魔法なんてものもあるらしい、あと蘇生魔法は難しいらしい。
ふむふむ、魔力とイメージ次第だという事がわかった。
というわけで僕はセバスの言うことを参考に練習した。
ひ、火、メラメラ燃える。
想像した。
そして叫ぶ。
「火よ、顕れよ!」
ボワっと現れたるは火炎。
一瞬で現れ、一瞬で消える。
「魔法だ!やったー!うわ、DPが減るね。眷属生み出したほうが効率いいね」
「DPは魔力ですからね。眷属はマーケットから配給される魔力がありますので。あと叫ばなくてもできますよ」
「マーケットさまさまだねー。うん。知ってる、ロマンだよロマン。ありがとねセバス」
練習時間15秒で魔法が使えた。
その後は火の玉を空中旋回させたり水の龍をあやったり……練習不足だから頭にぶつけたり蛇だったりしたけどね。
他のダンジョンマスターもできるのか今度エリアスあたりに聞いておこう。
まぁそんな楽しい事はひとまず置いといて。
神殿フロアの奥の方に転移した。
「さて原子炉、作りますか」
熱エネルギーを魔力に変えるぞ!
よくSFドラマなんかでエネルギーエネルギー言って、容易く利用してるけどあれ凄いよね。
普通変換するのにロスやら何やら大変だろうに。
簡単に未知のエネルギー利用しちゃってたりするのは凄いわ。
未知じゃなくない?とポップコーン片手に映画館でボソリと言ってしまったのは冷や汗ものだったなぁ。
ちょうど静かなシーンで声が響いてしまった。
ファンの殺気を感じたね。
あっあれはSFじゃなくてヒーロー物だったけな。
SFアメコミヒーロー物か。
ってどうでもいいね。
僕はSFでそんなシーンがあると違和感を感じていたわけだけど、今なら違和感を感じないだろうね。
僕の想像力が乏しかっただけだったのだ。
魔法すごいなぁ。
出来上がった眷属のその名はニューク君。
「流石ムーン様です。これは一体どうなっているのですか」
いつのまにか来ていたセバスが話しかけてきた。
「核分裂反応を起こしてるんだよ」
「核分裂反応ですか?」
「僕もあんまり、いや全然わかってないよ」
緑色のスライムを茶色で一部透明な殻が覆ってる、長さ、太さは僕と同じぐらいで円筒形だ。
人の形じゃないから余計DPは高くなってしまうけどそこは移動能力やらなんやらを全てカットしてカバー。
中のスライムが適度な核分裂反応で熱を生み出し続け、外殻がその熱を適度に吸い取り魔石にする。
そういった魔法の生物だ。
ついでに放射線もカットしてくれるはず……。
燃料が尽き、熱を生み出せなくなる時が彼の死だ。
彼の体全てが魔力となって消失する。
核廃棄物ともおさらばである。
「勢いで作ったけどこれ、元は取れるのだろうか。取れると信じてるぞ」
優しくさすった。
ぽろっと魔石が出て来た。
ポットは神殿フロアの奥の方に祭壇的な場所を作り、そこに置いてもらった。
上から見ると四角くて、歩幅の広い段差が何段かあってその中央の地面にポットが入れる穴がある。
だから中央はそれなりに高い。
そうだな、ミニピラミッドもどきかな。
「段差の歩幅が広いところと全体的に小さいのが僕的にはポイント」
「異世界の感覚は私にはさっぱりわからないです」
「うん、僕もわからないよ。僕の美術の点数は低かったし。これは僕流の芸術だよ」
「それは失礼しました」
ちなみに、このニューク君は原子炉だからウラン濃度的に核爆発は不可能なんだけど僕はそれでいいと思った。
もし核兵器なんて使ってその爆発が他のダンジョンマスターに見られたら、そういった爆発を起こせる眷属を生み出せるようになるかもしれないと僕は恐れた。
第三次世界大戦待った無し、きっとアースは滅ぶ。
それは悲しい。
まぁ100年もしないうちに緑は戻るかもしれないけど。
誰もいなくなって月に眷属とだけで無限に近い寿命を生きるなんて想像しただけで震えるね。
それに僕には核爆弾の知識はほとんどない。
たしか爆縮レンズがどうのこうの、火薬も使っててタイミングがどうのこうの。水爆は核爆弾を起爆に使っててどうのこうの。
とりあえず思ったより高度な技術力が必要なんだよねーってことだけしかわからない。
核爆弾は、原子炉より作るのは難しいとか。
そんな諸々の理由で核兵器は一旦 保留した。
実験するとしても誰にもみられない月の裏側にいけるようになったらである。
あとはクラスメイト達が核爆弾を生み出して使用しない事を祈る他ないな。
って、大事なことを思い出した。
「イクオとユウジは大丈夫だろうか」
「イクオ様とユウジ様、ですか?」
「僕の友達なんだ」
僕が心配するとしたらこの二人だけだ。他のクラスメイト達も一応は心配だけど。
きっと何人かはもう殺されて心臓を取られてたり、他のダンジョンマスターの奴隷になってたりするだろうから怖くてマーケットで確認してないんだよね。
ってもし誰か奴隷になってて悪い奴に知識を奪われたら、核兵器誕生待った無しじゃ……。
アースの人に理解できるか怪しいけど、僕もろくに理解せず生み出せるし。
うん、ダンジョンも少しは安定したしみんなに連絡してみようか。
まず僕は勇気を振り絞ってマーケットでイクオとユウジに連絡した。
あとは返事を待つのみである。
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