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とある銀河のとある星より
雷
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前回の接近から、664年の歳月が経過した。もうまもなく、惑星ヴィルドシフィラムが、再びエユノンのそばへとやって来る……。
「僕たちも一緒に行きます!」
「ぜひ我々も連れていってください!」
「大丈夫だよ! 僕ひとりで! その方が敵も油断するだろうから。大丈夫。必ずやってみせる!」
エユノン宇宙空港にて、ひとりの戦士が宇宙戦闘船へと乗り込んだ。
そしてその者はたったひとり、惑星エユノンを発ち、接近しつつあるヴィルドシフィラムへと向かった。
胸元には、大切な友人から貰った青い石のペンダントが美しく煌めいている。
――「ようやくだ。気が遠くなるほど長い時間が掛かったが、遂に惑星エユノンを我らが手中に収める日がやって来た。先祖代々の悲願であるこの一大事業を、我々が完遂させられるというのは実に栄誉なことだ。重力操作装置『ドムドン』の調子は順調か?」
「ええ。問題ありません」
「ん? ヴィルドシフィラム上空に宇宙船が一隻見えます」
「我々のものではないようだ。おそらくあれはエユノンの……」
「奴ら、先制攻撃を仕掛けてくるつもりか?」
「たった一隻でか? 降伏しに来たんじゃないか?」
「攻撃しますか?」
「いや待て、とりあえずもう少し様子を見よう」
エユノンより来たりしその戦士は、ヴィルドシフィラム上空において、操縦席よりその姿を現し、その機上に立った。
「おいおい、なんだありゃ? たぬきか?」
「何やってんだあいつ? ギャハハハハ!」
ヴィルドシフィラムにて、一斉に笑いが起きた。
「まあとにかく、話だけでも聞いてみよう」
自動翻訳機を用いて、ニプトニスタル族とソニア族による初めての会話が行われた。
「えーと、聞こえるかな? 我々はニプトニスタル族。そしてここはヴィルドシフィラムだ。今君がいるのは我が星の領空。勝手に入ってはいけないところだよ。ところで、君は一体誰かな?」
「私はソニア族の戦士。ポンポコ・マルルだ」
またしても、笑いが起きた。
「え?ポンポコ? ポコポコポンポン?」
「マルマルって名前なの? 丸いから? ギャハハハ!」
マルルは、ヴィルドシフィラムを冷めた目で見下ろしていた。
――たとえ誰が何を言おうと、たとえ大勢の者に笑われようと、この誇り高き名前を恥じることなど、未来永劫決してない――
「おい、近頃お前たちの星やその周りの星で、妙なことが起きていないか?」
「何のことだ?」
「洪水が起きたり、干ばつが起きたり、まあ色々だ」
「ああ。起きている。それがどうした?」
「生意気なたぬきだ。それはな、我々の科学力がもたらしたものだ」
「なに?」
「我々がここに到着する前に、小型の重力操作装置を送り込んでおいたのだ。お前たちの星とその周りの星に、強い重力を送り込み、海や雲を動かし、異常気象を引き起こしたのだ」
「そしてここに、その100倍ほどの力を持った重力操作装置がある。『ドムドン』という代物だ。お前も一端《いっぱし》の戦士だというのなら、これがどういうことか、説明しなくてもわかるな? 私たちは弾一発撃つことなく、貴様らの星をめちゃくちゃにして滅ぼすことができるのだ。もちろん、我々はその影響を受けることはない。我々は重力を完全にコントロールしつつあるのだ」
「なるほど。それはつまり、お前たちはやがて『ブラックホール』を生み出す可能性があるということか?」
「ほお。ぽんぽこたぬきのくせに難しい言葉を知っているな。今はまだ研究途上だが、まあそうだな。いずれは作り出すことができるだろう。そうなれば我々は、全宇宙を支配できるかもしれん。まあ、これから滅びる貴様らには何の関係もない話だがな」
「やはりそうか……。彼らの予測は当たっていたのだ……」
「なに? 彼ら? 一体誰のことを言っているんだ?」
「この争いに終止符を打つ、手助けをしてくれた方々のことだ。私は今、その方々からあるものを授かっている。お前たちは、ここで全滅する運命にある」
――「これは……、一体?」
「これは、ある特定の種のみを全滅させることができる武器です。奴らは重力を操る技術を手に入れてしまいました。このままいけば、やがてはブラックホールが作り出されてしまうかもしれません。それは、この世界にとって非常に危険なことです。奴らを野放しにはできない……。マルルさん、この武器を使って……」――。
そしてマルルは、宇宙戦闘船から『あるもの』を取り出した。
それを見たニプトニスタル族は、またしても一斉に笑い出した。
「ギャーッハッハッハ! おい見ろ! ありゃあ原始時代の武器だ。あんなので我々の科学力に勝てるとでも思っているのか? おいおい、せめてもっとましなものを持ってこいよ。ギャアハハハ!」
「ネアさん……、見てくれていますか? ネアさんがたったひとつの命を犠牲にしてまで守ってくださったアナスターシャの皆さんは、今も平和に暮らしています。あれから664年の歳月が流れた今、奴らはまたしてもやって来ました。しかし、遂にこの争いに終止符を打つ時が来たのです。見ていてください。ネアさん……!」
マルルは、ある者たちから授かったその『槍』を構えた。
槍が見据えるは、仇敵『惑星ヴィルドシフィラム』。
「その雷鳴は、悪を滅ぼす天の咆哮! そして、平和の訪れを告げる鐘の音! 届け……『ヴァルキュリヤの神解』!!」
愛する仲間を想いながら、あらん限りの力を込めて、マルルはその『槍』を放った。
およそ1300年の長きにわたる争いへ終止符を打つ、最後の一撃を。
「この一撃で、すべてを取り戻す! さらばだ。悪魔よ!」
槍は、すべての悪を貫くがごとく、まっすぐに突き進む。
「お、槍が飛んできたぞ。誰か打ち落としてやれ」
「はいはい~。迎撃ミサイルを発射っと」
「あれ……? 打ち落とせません!」
「なに? 突破されただと? 槍にか? どうなってる! 第二迎撃システム用意、打て!」
「……駄目です! すべて避けられてしまいます!!」
「なに? どうなってるんだ! よし、ドムドンを使え。目標はあの槍だ。とっとと吸い込んでしまえ!」
「はい! 重力操作機能作動! ……駄目です! 捕縛できません! まっすぐ突き進んできます」
「なに? 重力は、光すら捕らえて逃さんのだぞ? 一体どうなってる? 一体どんな技術を使っているというんだ? いや、待て待て、たかが槍だぞ。何をそんなに怯える必要がある。あんなの一発当たったところで、何がどうなるわけでも……ん? なんだあの光は? 眩しい! 何が起きている? 一体何がどうなっているんだ!?」
マルルの放ったその槍に導かれるがごとく、惑星ヴィルドシフィラムに、とてつもなく巨大な雷が墜ちた。
そして、オーロラのような光が、ヴィルドシフィラム一面を覆い尽くした……。
「僕たちも一緒に行きます!」
「ぜひ我々も連れていってください!」
「大丈夫だよ! 僕ひとりで! その方が敵も油断するだろうから。大丈夫。必ずやってみせる!」
エユノン宇宙空港にて、ひとりの戦士が宇宙戦闘船へと乗り込んだ。
そしてその者はたったひとり、惑星エユノンを発ち、接近しつつあるヴィルドシフィラムへと向かった。
胸元には、大切な友人から貰った青い石のペンダントが美しく煌めいている。
――「ようやくだ。気が遠くなるほど長い時間が掛かったが、遂に惑星エユノンを我らが手中に収める日がやって来た。先祖代々の悲願であるこの一大事業を、我々が完遂させられるというのは実に栄誉なことだ。重力操作装置『ドムドン』の調子は順調か?」
「ええ。問題ありません」
「ん? ヴィルドシフィラム上空に宇宙船が一隻見えます」
「我々のものではないようだ。おそらくあれはエユノンの……」
「奴ら、先制攻撃を仕掛けてくるつもりか?」
「たった一隻でか? 降伏しに来たんじゃないか?」
「攻撃しますか?」
「いや待て、とりあえずもう少し様子を見よう」
エユノンより来たりしその戦士は、ヴィルドシフィラム上空において、操縦席よりその姿を現し、その機上に立った。
「おいおい、なんだありゃ? たぬきか?」
「何やってんだあいつ? ギャハハハハ!」
ヴィルドシフィラムにて、一斉に笑いが起きた。
「まあとにかく、話だけでも聞いてみよう」
自動翻訳機を用いて、ニプトニスタル族とソニア族による初めての会話が行われた。
「えーと、聞こえるかな? 我々はニプトニスタル族。そしてここはヴィルドシフィラムだ。今君がいるのは我が星の領空。勝手に入ってはいけないところだよ。ところで、君は一体誰かな?」
「私はソニア族の戦士。ポンポコ・マルルだ」
またしても、笑いが起きた。
「え?ポンポコ? ポコポコポンポン?」
「マルマルって名前なの? 丸いから? ギャハハハ!」
マルルは、ヴィルドシフィラムを冷めた目で見下ろしていた。
――たとえ誰が何を言おうと、たとえ大勢の者に笑われようと、この誇り高き名前を恥じることなど、未来永劫決してない――
「おい、近頃お前たちの星やその周りの星で、妙なことが起きていないか?」
「何のことだ?」
「洪水が起きたり、干ばつが起きたり、まあ色々だ」
「ああ。起きている。それがどうした?」
「生意気なたぬきだ。それはな、我々の科学力がもたらしたものだ」
「なに?」
「我々がここに到着する前に、小型の重力操作装置を送り込んでおいたのだ。お前たちの星とその周りの星に、強い重力を送り込み、海や雲を動かし、異常気象を引き起こしたのだ」
「そしてここに、その100倍ほどの力を持った重力操作装置がある。『ドムドン』という代物だ。お前も一端《いっぱし》の戦士だというのなら、これがどういうことか、説明しなくてもわかるな? 私たちは弾一発撃つことなく、貴様らの星をめちゃくちゃにして滅ぼすことができるのだ。もちろん、我々はその影響を受けることはない。我々は重力を完全にコントロールしつつあるのだ」
「なるほど。それはつまり、お前たちはやがて『ブラックホール』を生み出す可能性があるということか?」
「ほお。ぽんぽこたぬきのくせに難しい言葉を知っているな。今はまだ研究途上だが、まあそうだな。いずれは作り出すことができるだろう。そうなれば我々は、全宇宙を支配できるかもしれん。まあ、これから滅びる貴様らには何の関係もない話だがな」
「やはりそうか……。彼らの予測は当たっていたのだ……」
「なに? 彼ら? 一体誰のことを言っているんだ?」
「この争いに終止符を打つ、手助けをしてくれた方々のことだ。私は今、その方々からあるものを授かっている。お前たちは、ここで全滅する運命にある」
――「これは……、一体?」
「これは、ある特定の種のみを全滅させることができる武器です。奴らは重力を操る技術を手に入れてしまいました。このままいけば、やがてはブラックホールが作り出されてしまうかもしれません。それは、この世界にとって非常に危険なことです。奴らを野放しにはできない……。マルルさん、この武器を使って……」――。
そしてマルルは、宇宙戦闘船から『あるもの』を取り出した。
それを見たニプトニスタル族は、またしても一斉に笑い出した。
「ギャーッハッハッハ! おい見ろ! ありゃあ原始時代の武器だ。あんなので我々の科学力に勝てるとでも思っているのか? おいおい、せめてもっとましなものを持ってこいよ。ギャアハハハ!」
「ネアさん……、見てくれていますか? ネアさんがたったひとつの命を犠牲にしてまで守ってくださったアナスターシャの皆さんは、今も平和に暮らしています。あれから664年の歳月が流れた今、奴らはまたしてもやって来ました。しかし、遂にこの争いに終止符を打つ時が来たのです。見ていてください。ネアさん……!」
マルルは、ある者たちから授かったその『槍』を構えた。
槍が見据えるは、仇敵『惑星ヴィルドシフィラム』。
「その雷鳴は、悪を滅ぼす天の咆哮! そして、平和の訪れを告げる鐘の音! 届け……『ヴァルキュリヤの神解』!!」
愛する仲間を想いながら、あらん限りの力を込めて、マルルはその『槍』を放った。
およそ1300年の長きにわたる争いへ終止符を打つ、最後の一撃を。
「この一撃で、すべてを取り戻す! さらばだ。悪魔よ!」
槍は、すべての悪を貫くがごとく、まっすぐに突き進む。
「お、槍が飛んできたぞ。誰か打ち落としてやれ」
「はいはい~。迎撃ミサイルを発射っと」
「あれ……? 打ち落とせません!」
「なに? 突破されただと? 槍にか? どうなってる! 第二迎撃システム用意、打て!」
「……駄目です! すべて避けられてしまいます!!」
「なに? どうなってるんだ! よし、ドムドンを使え。目標はあの槍だ。とっとと吸い込んでしまえ!」
「はい! 重力操作機能作動! ……駄目です! 捕縛できません! まっすぐ突き進んできます」
「なに? 重力は、光すら捕らえて逃さんのだぞ? 一体どうなってる? 一体どんな技術を使っているというんだ? いや、待て待て、たかが槍だぞ。何をそんなに怯える必要がある。あんなの一発当たったところで、何がどうなるわけでも……ん? なんだあの光は? 眩しい! 何が起きている? 一体何がどうなっているんだ!?」
マルルの放ったその槍に導かれるがごとく、惑星ヴィルドシフィラムに、とてつもなく巨大な雷が墜ちた。
そして、オーロラのような光が、ヴィルドシフィラム一面を覆い尽くした……。
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