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翌日、レイラはルチアーノと共に朝から王宮へと呼び出された。
侯爵邸へ迎えに来た公爵家の馬車に乗って王宮についたレイラは、昨日と同じアドリアン殿下の執務室に通される。
訪問の礼をして部屋に入ると、そこにはすでにアドリアンとマルセルがいた。
「マルセル様!昨日は本当にありがとうございました。なんとお礼を申し上げていいか…」
レイラはマルセルを見上げて声を震わせる。
「いい。それがオレの役目だから」
衛兵団の制服を着たマルセルはただ首を横に振り、それから背後のアドリアンを振り返った。
「アドリアンから報告があるそうだ」
「レイラも当事者だ。聞いておいた方がいいだろう?」
夜色のアドリアンが四面に組まれたソファーセットを指して言う。レイラはルチアーノに促されて彼の隣に腰を下ろした。
…昨日も思ったけど、座る位置が決まってるのよね、この人たち。本当によく集まるんだわ。
アドリアンは上座の長ソファーにゆったりと凭れるよう贅沢に座り、ルチアーノはその向かいにレイラと並んで座る。
マルセルは一番出入口に近い左側のソファーに。ちなみにここにトマがいると右手に座る。
「それで夫人から話は聞き出せたのか?」
ルチアーノの言葉に、アドリアンが頷いた。
「ああ。包み隠さずすべて話したそうだ」
アドリアンの視線を受けてマルセルが続ける。
「すべて白状した。貴族への怨恨も、昨日のブノワトの件で侍女を唆したことも。だが…」
マルセルはレイラを見て言葉を濁した。
「結局、明確な証拠が見つからず、夫人を捕らえることはできなかった」
「なっ!?」
声を荒げたのはルチアーノだった。
レイラは両手を口許に添えて驚くばかり。
「なぜだ?自供したんだろう?」
「侍女と夫人の供述は一致している。間違いない。でもそれだけだ。夫人を罪に問うには証拠能力に乏しい。」
「実行犯の男二人は現場で押さえているし、協力者であった侍女も捕らえているからね。その上さらに、となると自供だけでなく確証がないと難しいよ」
マルセルの言葉をアドリアンが補足する。
「でもわかったこともあったよ」
アドリアンが続けた。
「レイラの不名誉な噂についてだ。入学以来、数々囁かれてきた噂は、ハンナやブノワトの話を聞いた夫人が侍女や使用人経由で広めていたらしい」
「まあ…」
レイラは眉を顰める。
「ただの噂話にしては常にレイラへの悪意が見え隠れしていたのは、夫人の思惑が絡んでいたからだ」
レイラにしてみれば、会ったことも見たこともない夫人から悪意ある噂を撒かれていたのだ。当然、気分はよくない。
「そんなの名誉毀損よ」
「それでも夫人を罰するには至らない」
陰口を叩いただけと言えばそれまで。少々大人げないけれど。
「大人ってずるいわ」
レイラは頬を膨らませた。
「夫人の処遇についてはクロフォード卿に一任することになった。罪には問えなくても、彼女が発端なのは間違いない。それに……」
アドリアンは難しい顔で言う。
「夫人がまっとうな精神状態だとは思えない。彼女は薬物依存だったんだろう?依存症は耳障りのいい言葉で克服できるようなものじゃないよ」
―――彼女は最初から壊れていたんだ。
「…そうね」
そうかもしれない。レイラは頷いた。
だってハンナから夫人の話を聞く度に違和感を――って、そうだ。
「ねえ、そういえばハンナは…」
レイラが言いかけたそのとき、こんこんと軽いノックの音がして女官が告げる。
「殿下、ブノワト様をお連れしました」
「ああもうそんな頃合か」
アドリアンは身体を起こしてドアの向こうに返事をする。
「いいよ、入ってもらって」
女官が扉を開けると、シンプルなワンピースを着たブノワトが少し視線を落としてしずしずと現れる。
「アドリアン殿下、この度は助けていただき本当にありがとうございます」
「いいよ。当然のことをしただけだ」
「ですが……」
しっとりと睫毛を伏せたブノワトは淡く頬を染めていて、とろりと潤ませた瞳を上げて――はた、と動きを止める。
「…やだ、どうしてレイラがいるのよ」
「ご挨拶ね、ブノワト。昨日はどうも」
レイラは存外元気な様子のブノワトにそっと胸を撫で下ろした。昨日はあんなに辛そうに泣いていたのだから。
ブノワトはレイラの隣のルチアーノ、その反対隣のマルセルと順に視線で辿り、最後にアドリアン王子殿下であろう男を見て、ぱちりと目を瞬かせる。
「え、え…!?ちょっと、あなた……!」
ずびし、と人差し指を向けられて、アドリアンは眉を顰める。
「なんだ無礼だな」
だって、紺色の長い髪を頭の上で括った、この神出鬼没な男は――!
「あなた、衛兵でしょう!?」
「あ?オレが衛兵に見えるのか?」
驚愕するブノワトに、不愉快だと機嫌を損ねるアドリアン。
「衛兵団の制服で好き勝手していたのは殿下よね?」
こそこそと小声で話すレイラに、
「(こくこく)」
無言で頷いて肯定するマルセル。
「あいつやっぱりブノワトと面識があったな」
ルチアーノは渋い顔で唸った。
「第一王子の専用執務室に招かれておいて、人を衛兵呼ばわりか。ずいぶんだなブノワト」
厳しい声を向けられて、ブノワトは途端に青くなって平伏する。
「も、申し訳ございません…!」
「昨日は誰に助けられて、誰の温情で一晩王宮で過ごせたと思っている?」
「ア、アドリアン王子殿下のお陰でございます!」
膝を床につけながら、それでもブノワトは「でも」と言葉を濁らせる。
「殿下は昨日、空色の髪だったかと…?」
「あれは公式の装いだからな」
「…物は言いようね」
レイラは呆れた。
侯爵邸へ迎えに来た公爵家の馬車に乗って王宮についたレイラは、昨日と同じアドリアン殿下の執務室に通される。
訪問の礼をして部屋に入ると、そこにはすでにアドリアンとマルセルがいた。
「マルセル様!昨日は本当にありがとうございました。なんとお礼を申し上げていいか…」
レイラはマルセルを見上げて声を震わせる。
「いい。それがオレの役目だから」
衛兵団の制服を着たマルセルはただ首を横に振り、それから背後のアドリアンを振り返った。
「アドリアンから報告があるそうだ」
「レイラも当事者だ。聞いておいた方がいいだろう?」
夜色のアドリアンが四面に組まれたソファーセットを指して言う。レイラはルチアーノに促されて彼の隣に腰を下ろした。
…昨日も思ったけど、座る位置が決まってるのよね、この人たち。本当によく集まるんだわ。
アドリアンは上座の長ソファーにゆったりと凭れるよう贅沢に座り、ルチアーノはその向かいにレイラと並んで座る。
マルセルは一番出入口に近い左側のソファーに。ちなみにここにトマがいると右手に座る。
「それで夫人から話は聞き出せたのか?」
ルチアーノの言葉に、アドリアンが頷いた。
「ああ。包み隠さずすべて話したそうだ」
アドリアンの視線を受けてマルセルが続ける。
「すべて白状した。貴族への怨恨も、昨日のブノワトの件で侍女を唆したことも。だが…」
マルセルはレイラを見て言葉を濁した。
「結局、明確な証拠が見つからず、夫人を捕らえることはできなかった」
「なっ!?」
声を荒げたのはルチアーノだった。
レイラは両手を口許に添えて驚くばかり。
「なぜだ?自供したんだろう?」
「侍女と夫人の供述は一致している。間違いない。でもそれだけだ。夫人を罪に問うには証拠能力に乏しい。」
「実行犯の男二人は現場で押さえているし、協力者であった侍女も捕らえているからね。その上さらに、となると自供だけでなく確証がないと難しいよ」
マルセルの言葉をアドリアンが補足する。
「でもわかったこともあったよ」
アドリアンが続けた。
「レイラの不名誉な噂についてだ。入学以来、数々囁かれてきた噂は、ハンナやブノワトの話を聞いた夫人が侍女や使用人経由で広めていたらしい」
「まあ…」
レイラは眉を顰める。
「ただの噂話にしては常にレイラへの悪意が見え隠れしていたのは、夫人の思惑が絡んでいたからだ」
レイラにしてみれば、会ったことも見たこともない夫人から悪意ある噂を撒かれていたのだ。当然、気分はよくない。
「そんなの名誉毀損よ」
「それでも夫人を罰するには至らない」
陰口を叩いただけと言えばそれまで。少々大人げないけれど。
「大人ってずるいわ」
レイラは頬を膨らませた。
「夫人の処遇についてはクロフォード卿に一任することになった。罪には問えなくても、彼女が発端なのは間違いない。それに……」
アドリアンは難しい顔で言う。
「夫人がまっとうな精神状態だとは思えない。彼女は薬物依存だったんだろう?依存症は耳障りのいい言葉で克服できるようなものじゃないよ」
―――彼女は最初から壊れていたんだ。
「…そうね」
そうかもしれない。レイラは頷いた。
だってハンナから夫人の話を聞く度に違和感を――って、そうだ。
「ねえ、そういえばハンナは…」
レイラが言いかけたそのとき、こんこんと軽いノックの音がして女官が告げる。
「殿下、ブノワト様をお連れしました」
「ああもうそんな頃合か」
アドリアンは身体を起こしてドアの向こうに返事をする。
「いいよ、入ってもらって」
女官が扉を開けると、シンプルなワンピースを着たブノワトが少し視線を落としてしずしずと現れる。
「アドリアン殿下、この度は助けていただき本当にありがとうございます」
「いいよ。当然のことをしただけだ」
「ですが……」
しっとりと睫毛を伏せたブノワトは淡く頬を染めていて、とろりと潤ませた瞳を上げて――はた、と動きを止める。
「…やだ、どうしてレイラがいるのよ」
「ご挨拶ね、ブノワト。昨日はどうも」
レイラは存外元気な様子のブノワトにそっと胸を撫で下ろした。昨日はあんなに辛そうに泣いていたのだから。
ブノワトはレイラの隣のルチアーノ、その反対隣のマルセルと順に視線で辿り、最後にアドリアン王子殿下であろう男を見て、ぱちりと目を瞬かせる。
「え、え…!?ちょっと、あなた……!」
ずびし、と人差し指を向けられて、アドリアンは眉を顰める。
「なんだ無礼だな」
だって、紺色の長い髪を頭の上で括った、この神出鬼没な男は――!
「あなた、衛兵でしょう!?」
「あ?オレが衛兵に見えるのか?」
驚愕するブノワトに、不愉快だと機嫌を損ねるアドリアン。
「衛兵団の制服で好き勝手していたのは殿下よね?」
こそこそと小声で話すレイラに、
「(こくこく)」
無言で頷いて肯定するマルセル。
「あいつやっぱりブノワトと面識があったな」
ルチアーノは渋い顔で唸った。
「第一王子の専用執務室に招かれておいて、人を衛兵呼ばわりか。ずいぶんだなブノワト」
厳しい声を向けられて、ブノワトは途端に青くなって平伏する。
「も、申し訳ございません…!」
「昨日は誰に助けられて、誰の温情で一晩王宮で過ごせたと思っている?」
「ア、アドリアン王子殿下のお陰でございます!」
膝を床につけながら、それでもブノワトは「でも」と言葉を濁らせる。
「殿下は昨日、空色の髪だったかと…?」
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レイラは呆れた。
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