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悪役令嬢は悪徳商人に拐われる
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メイヴィスは閨において下着を着けない。
ヴィンセントの上に跨がったメイヴィスは、直にその熱に秘所を擦りつけていた。
「あぁっ、あっ、あっ!あん!」
―――気持ちいい。
ぴんと勃った花核を刺激し、しとどに濡れた蜜口を熱い雄に押しつける。
ヴィンセントの手をそれぞれ握って熱心に腰を前後させるメイヴィスのそれは、疑似性交というより拙い自慰そのもので、ヴィンセントは愉悦に浸る。
「いやらしいな、メル。淑女がいつからこんなにはしたなくなった?」
「あぁっ、や、言わな……でっ」
「メルをこんなにいやらしくしたのは誰?」
「ヴィンス…んんっ、ヴィンス……っ」
「そうだよな、オレだ。オレだけだっ」
「んんッ、あ、あぁ―――!!」
何度も甘く達していたが、ついに大きな波に飲まれて、メイヴィスはびくびくと腰を引き攣らせた。
くたりと力の抜けたメイヴィスをヴィンセントはそっとベッドに押し倒す。
「あぁヴィンス…」
硬く大きく膨らみ、筋を浮かせたヴィンセントの雄茎が、メイヴィスの蜜に濡れててらてらと光っていた。脚を持ち上げられると蜜口が期待で震える。
しかし、ヴィンセントはぴたりと膝をあわせると、白い太股と花唇の間にその塊を挟み込んだ。
「だめだ、挿れない」
「…なぜ……?」
「おしおきだから」
ずるりと腰を引いたヴィンセントは、そのままずぱんと勢いをつけて押し戻す。メイヴィスの視界に星が散った。
「……っ…あ……!?」
散々擦りつけた花核はよく熟れて、突き上げられる毎にびりびりと強すぎる快感を与えた。
何度も何度も腰を叩き込まれて、全身まるごと揺らされて、メイヴィスは必死に目の前の雄にしがみつく。
「はあっ、は…っ」
耳元で聞こえる荒い呼吸音にも煽られる。気持ちいい。涙が滲む。
そのうちにヴィンセントの動きが小刻みに激しくなって、あっと思ったときには、固く閉ざされていた膝をがばりと開かれた。
無防備にさらけ出された白い腹へ白濁を浴びせかけられる。どろりと熱い体液の感触と雄の匂いにくらりとする。
「ああ……汚れちゃったな?」
ぬちゃり。
大きな掌で塗り広げられて、ひくりと喉が震える。
「高貴なメイヴェル嬢には戻れないな、メル」
「っ、あ……!」
ぞくぞくと背筋が慄く。メイヴィスは確かに感じ入っていた。
あられもない媚態を満足げに見下ろして、ヴィンセントは重ねるだけの口づけをする。
「メル、愛される覚悟をしろと言ったはずだ。オレは絶対あなたを逃がさない。わかってくれ」
「ああヴィンス……わかった、わ…」
***
昨夜ヴィンセントの激情に晒されたメイヴィスは、朝からぽやっとしていた。
「おい、姫様どうした?」
「少しやり過ぎた」
ラニーに囁かれてヴィンセントが苦笑する。
メイヴィスは見てわかるほど熱に浮かされていた。とろとろと青い瞳が蕩けている。その視線がこちらに向けられるや、かあっと頬を赤くして、おろおろ狼狽え出した。
「…本当、何したんですか…」
困惑するラニーだが、ヴィンセントも困っていた。
―――かわいすぎて困る。
結局最後まで抱かなかったから情欲が燻ったままなのだろう。たくさん愛してあげないとかわいそうだ。
黒い獣が内心で舌舐りしていると、「そうだ」とラニーが言った。
「今日は全員で肉を焼くから二人も来いよ」
「わかった。けど昼からやれよ」
「もちろん。夜に姫様を外になんて出せないだろ」
湖の街での滞在中、一団はほとんどオフの扱いだった。荷物の管理は必要だがその程度だ。
「わあ、すごい!!」
メイヴィスは声を弾ませた。
野営に慣れた行商隊がいくつかのグループに分かれて火を焚いている。鉄板や石材を使って、肉はもちろん、野菜や魚など各地で揃えた食材を調理している。ちょっとした屋台のようだ。
「姫様もどうぞ!」
メイヴィスもさっそく串に刺さった肉を手渡された。ヴィンセントを見ると無言で頷かれる。
「いいのかしら。こんな風に食べるのははじめてだわ…」
おそるおそる口をつけると、香ばしさと肉汁の熱さに驚いた。
「んっ!?」
「はは。食べ辛いな、取り分けてもらうか」
「このままでいいわ、がんばってみる」
小さな口でかぷっと噛みつく。あまりの食べ慣れなさに慌ててマヤが飛んでくる。
「こちらに。お席をご用意してあります」
ヴィンセントもその後に続こうとしたら、従業員から声がかけられた。
「会頭はこちらに!貝を焼いてください!」
「はあ?」
―――メイヴィスがくすくす笑う。
「商会の皆様は仲がいいですね」
「……そうかもな」
腹立ち紛れのヴィンセントが手当たり次第に貝を焼いたので、いまは全員で貝を食べている。
「肉が食べたかったのに…」という声が上がれば「うるさい」と反論する。
「はやく調理しないと貝はあたるだろ」
取って付けたようなヴィンセントの言い分がメイヴィスはおかしくて堪らなかった。
串に刺さったままの肉に噛りついたのもはじめてだったが、屋外で食事をするなんてこともはじめてだ。楽しい。
「あっ!本当に全部焼いたのか!?」
ラニーが声を上げる。
「パエリア用の貝もない!」
「知るか!!」
わっと笑い声が上がって、メイヴィスもきゃっきゃっと笑った。こんな風に笑うのもはじめてだった。
ヴィンセントの上に跨がったメイヴィスは、直にその熱に秘所を擦りつけていた。
「あぁっ、あっ、あっ!あん!」
―――気持ちいい。
ぴんと勃った花核を刺激し、しとどに濡れた蜜口を熱い雄に押しつける。
ヴィンセントの手をそれぞれ握って熱心に腰を前後させるメイヴィスのそれは、疑似性交というより拙い自慰そのもので、ヴィンセントは愉悦に浸る。
「いやらしいな、メル。淑女がいつからこんなにはしたなくなった?」
「あぁっ、や、言わな……でっ」
「メルをこんなにいやらしくしたのは誰?」
「ヴィンス…んんっ、ヴィンス……っ」
「そうだよな、オレだ。オレだけだっ」
「んんッ、あ、あぁ―――!!」
何度も甘く達していたが、ついに大きな波に飲まれて、メイヴィスはびくびくと腰を引き攣らせた。
くたりと力の抜けたメイヴィスをヴィンセントはそっとベッドに押し倒す。
「あぁヴィンス…」
硬く大きく膨らみ、筋を浮かせたヴィンセントの雄茎が、メイヴィスの蜜に濡れててらてらと光っていた。脚を持ち上げられると蜜口が期待で震える。
しかし、ヴィンセントはぴたりと膝をあわせると、白い太股と花唇の間にその塊を挟み込んだ。
「だめだ、挿れない」
「…なぜ……?」
「おしおきだから」
ずるりと腰を引いたヴィンセントは、そのままずぱんと勢いをつけて押し戻す。メイヴィスの視界に星が散った。
「……っ…あ……!?」
散々擦りつけた花核はよく熟れて、突き上げられる毎にびりびりと強すぎる快感を与えた。
何度も何度も腰を叩き込まれて、全身まるごと揺らされて、メイヴィスは必死に目の前の雄にしがみつく。
「はあっ、は…っ」
耳元で聞こえる荒い呼吸音にも煽られる。気持ちいい。涙が滲む。
そのうちにヴィンセントの動きが小刻みに激しくなって、あっと思ったときには、固く閉ざされていた膝をがばりと開かれた。
無防備にさらけ出された白い腹へ白濁を浴びせかけられる。どろりと熱い体液の感触と雄の匂いにくらりとする。
「ああ……汚れちゃったな?」
ぬちゃり。
大きな掌で塗り広げられて、ひくりと喉が震える。
「高貴なメイヴェル嬢には戻れないな、メル」
「っ、あ……!」
ぞくぞくと背筋が慄く。メイヴィスは確かに感じ入っていた。
あられもない媚態を満足げに見下ろして、ヴィンセントは重ねるだけの口づけをする。
「メル、愛される覚悟をしろと言ったはずだ。オレは絶対あなたを逃がさない。わかってくれ」
「ああヴィンス……わかった、わ…」
***
昨夜ヴィンセントの激情に晒されたメイヴィスは、朝からぽやっとしていた。
「おい、姫様どうした?」
「少しやり過ぎた」
ラニーに囁かれてヴィンセントが苦笑する。
メイヴィスは見てわかるほど熱に浮かされていた。とろとろと青い瞳が蕩けている。その視線がこちらに向けられるや、かあっと頬を赤くして、おろおろ狼狽え出した。
「…本当、何したんですか…」
困惑するラニーだが、ヴィンセントも困っていた。
―――かわいすぎて困る。
結局最後まで抱かなかったから情欲が燻ったままなのだろう。たくさん愛してあげないとかわいそうだ。
黒い獣が内心で舌舐りしていると、「そうだ」とラニーが言った。
「今日は全員で肉を焼くから二人も来いよ」
「わかった。けど昼からやれよ」
「もちろん。夜に姫様を外になんて出せないだろ」
湖の街での滞在中、一団はほとんどオフの扱いだった。荷物の管理は必要だがその程度だ。
「わあ、すごい!!」
メイヴィスは声を弾ませた。
野営に慣れた行商隊がいくつかのグループに分かれて火を焚いている。鉄板や石材を使って、肉はもちろん、野菜や魚など各地で揃えた食材を調理している。ちょっとした屋台のようだ。
「姫様もどうぞ!」
メイヴィスもさっそく串に刺さった肉を手渡された。ヴィンセントを見ると無言で頷かれる。
「いいのかしら。こんな風に食べるのははじめてだわ…」
おそるおそる口をつけると、香ばしさと肉汁の熱さに驚いた。
「んっ!?」
「はは。食べ辛いな、取り分けてもらうか」
「このままでいいわ、がんばってみる」
小さな口でかぷっと噛みつく。あまりの食べ慣れなさに慌ててマヤが飛んでくる。
「こちらに。お席をご用意してあります」
ヴィンセントもその後に続こうとしたら、従業員から声がかけられた。
「会頭はこちらに!貝を焼いてください!」
「はあ?」
―――メイヴィスがくすくす笑う。
「商会の皆様は仲がいいですね」
「……そうかもな」
腹立ち紛れのヴィンセントが手当たり次第に貝を焼いたので、いまは全員で貝を食べている。
「肉が食べたかったのに…」という声が上がれば「うるさい」と反論する。
「はやく調理しないと貝はあたるだろ」
取って付けたようなヴィンセントの言い分がメイヴィスはおかしくて堪らなかった。
串に刺さったままの肉に噛りついたのもはじめてだったが、屋外で食事をするなんてこともはじめてだ。楽しい。
「あっ!本当に全部焼いたのか!?」
ラニーが声を上げる。
「パエリア用の貝もない!」
「知るか!!」
わっと笑い声が上がって、メイヴィスもきゃっきゃっと笑った。こんな風に笑うのもはじめてだった。
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