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悪役令嬢は悪徳商人に囲われる

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右も左も、吸って揉まれて苛められて、メイヴィスは息を乱してぐったりとしていた。


「ああ、あん、ヴィンス…」

「かわいい、メル、全部食べてしまいたい」


抱き締められると胸の尖りが擦れてびりびりと刺激が走る。真っ白な肌の上で薔薇色に色づいていたそこは、すっかり色濃く染まっていた。

白金色の長い髪をベッドに乱れ広げたまま、メイヴィスは首筋に口づけられ、ふるりと身を震わせた。長い指が柔らかい肌を辿り、下腹の方まで降りてくる。


「っ、や……!!」


髪と同じ白金色の下毛に触れられて、びくん!と身体が拒否を示す。けれどヴィンセントは構わずに蜜や汗で濡れそぼる秘所に中指を滑らせた。


「あんん…っ!」


ぬるぬると蜜を広げるように花唇をなぞられ、何度か繰り返すうちに、つんと尖った花核が指に当たる。


「あっ、あっ、ああ、ん…ッ!」


濡れた指でくにくにと重点的に触れられて、メイヴィスは脚をもぞもぞ揺らしてシーツを乱す。
「はあっ」と相手の熱く湿った吐息が耳に入り、はっと顔を上げると、ぎらぎらした目のヴィンセントがじっと見下ろしていた。


「気持ちいい?メル」

「あうぅんっ!!」


花核を擦る指の刺激が強くなって、高く声を上げたメイヴィスは細く白い指で男の手首を掴まえて押さえる。首を横に振っても動きは止まらない。腰を逃がそうと膝を立てれば、余計に触れやすくなって、ぬちゅんと濡れた音を立て大胆に弄られた。


「ああぁん――…ッ!!」


両手でヴィンセントの手首を掴んだまま、強い快感にびくびくと腰を反らせる。息を止めていたのか、一瞬後にどっと全身の血が巡る。脱力して横になると、腕を引かれる形で男が倒れ込んできた。


「メル」

「ん」


ちゅっちゅっと褒めるようにキスが降ってくる。

まだ波が引かないメイヴィスは、じくじくする花核と切なく疼く奥の入り口を持て余して、もじもじと腰を揺らす。ヴィンセントがそれに気付かないはずがない。よしよしと身体の側面を撫でて、身を起こし細い脚を左右に広げた。


「ああ、や……っ、恥ずかしい……」


赤く染まった顔を背けるメイヴィスを甘い瞳で見下ろして、ヴィンセントは蜜口に指を伸ばした。ぐちゅんと長い指が奥へと埋め込まれる。


「ああっ」

「やはり狭い。メル、痛くないか…?」


ヴィンセントが気遣わしげに訊ねる。
腹も薄く腰回りも細いメイヴィスの中は狭く、指一本をきゅうと締めつけてくる。

「ん…っ、平気……」

何度か内部を確かめるように動かれて、メイヴィスは腰をひくんと震わせた。固い指の腹で粘膜を擦られるのはそれまでの愛撫とまったく違った。

ヴィンセントは指を抜くと、香油を足して今度は二本差し入れてくる。

「あっ、ああぁ、あ……っ!あん!」

ぬちゅぬちゅと慎重に中を拡げられる。指を増やされたときはさすがに引きつれるような痛みがあったが、メイヴィスはすっかり蕩けていた。


「イっていいよ」


長い指で巧みに蜜壺をかき混ぜられ、さらにもう一方の手で花核を攻められ追い上げられる。メイヴィスはヴィンセントの指を締めつけなから、高い声を上げて達した。


「あぁ、あ、はあ……ん……」


崩れ落ちたメイヴィスの中からずるりと異物が抜ける。ヴィンセントは蜜でしとどに濡れた指をうっとりと舐め上げた。そのいやらしさにメイヴィスはまたかあっと顔が熱くさせる、が。


「かわいかった。疲れただろう、眠っていい」

「え……っ?」


メイヴィスは目を丸くしてヴィンセントを見上げる。今日は初夜だ。初夜というのは夫婦が繋がる日のはずだ。これで終わりなわけがない。


「どうして…?まだヴィンスと繋がってないわ」

「夫婦になったんだから、これから少しずつ進めていけばいい」

「今日じゃだめなの……?」


両手をついて上体を起こしたメイヴィスは首を傾げる。そのとき不意に王妃の言葉が甦った。

『あの小娘は儚く細いばかりのお前よりよっぽど女として逞しい』

―――ああ、なるほど。女としての魅力が足りなかったのかもしれない。


「ヴィンス。わたくしでは興奮しないのかもしれないけど、はじめての夜なんだからきちんとしたいの」

「な…っ、メル、それは違う」

「あなたがしてくれたようにわたくしも奉仕するわ。やり方は……教えてくれる?」


にじり寄るメイヴィスにヴィンセントは頭を抱えた。それからざっと夜着を脱ぎ捨てる。
メイヴィスが目にしたのは、鍛えられ引き締まった骨太の体躯とその中央でそそり立つ雄だ。その大きさに思わず息を飲む。


「メルで興奮しないなんて絶対にあり得ない。ほら、触る前からすでにこうだ。見たらわかるだろう?ただ…メルに受け入れてもらうには、少し辛いと思う」

すらりと細いメイヴィスと逞しいヴィンセントには大きな体格の差があった。閨の中でも影響するほどに。

「苦しい思いはさせたくない。もう少し慣れてからでも…」


―――大きい…。確かにこれを受け入れるにはかなりの覚悟が必要だわ。でも。


「わたくし、ヴィンスとひとつになりたい」

「メル!」

「慣れるまでってどれくらい?わたくしとあなたの身体の大きさはどんなに待っても変わらないと思うの」


ヴィンセントが顔を顰める。
威圧感のある表情だが、メイヴィスには怖くなかった。むくれた少年のようだったから。

「それでもヴィンスがいやだって言うなら、仕方ないけど…」

メイヴィスが言うと、ヴィンセントは大きく息を吐いた。それから先程使った香油をもう一度手にする。


「できるだけ負担をかけないようにする」


メイヴィスの身体を恭しくシーツの上に横たえて、仕切り直すよう深く口づけた。


「メイヴィス、愛している」
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