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終楽章(前篇)
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(1)
新しい何か、something new は、内向的な私を、生きていくべき広い通りへ導いてくれる。愛すべき人々が存在する場所。気をゆるませて息をつける、光そそぐ場所。そこで私は、心ゆるせる人と明日を語り、描き、創っていく。
正しいsomething new に私は手を伸ばす。少し心震わせながら、足を踏み出してみる。
小さな弔いの旅を私は決行した。
例年より早く、5月中旬に梅雨入りして雨天が続いたけれど、ちょうど休みの日に朝からカラリと空が晴れ、今日行こうとつよく思った。
京都の宇治線六地蔵駅近くからバスに乗り、小栗栖 (おぐりす)という地に降り立った。弔いであるのに、私にとって初めての地に、自然と心浮き立つ。
家を出てからホームや電車、バスの中でも、もう何度も確認した紫紺色のリングケースを、ショルダーバッグのファスナーを開け再度確認する。
リングケースに仕舞われた小さな珠は、長岡天満宮で彼と再会して話した後に、その足で勝竜寺城公園へ行って手にした。珠は、石造物群の手前にある石箱の中に、小石などに混じってそのまま在った。ハンカチに丁寧にくるんで化粧ポーチに入れ、サロンに出勤し、その日に家へ持ち帰った。
リングケースに大切に仕舞いナイトテーブルに置いて1か月。自室で毎日ホラー現象が起きるのではないかと身構えたけれど、例のうめき声は聞こえず、リングケースがコトコト動くようなことも無かった。
好奇心で珠を持ち帰ったわけではない。彼がその、ロザリオの珠を、石造物群に置いた時に感じた小さな違和感が、ずっと消えずに心にあったからだ。光秀公を呼ぶ声、その想い。声の主は光秀の家臣で、光秀を心底敬い慕っていた。勝竜寺城は、信長を本能寺で討った後に光秀が秀吉との合戦に敗れ退却した場所。声の主は、そこで落命した。勝竜寺城を後にした光秀公の背を、どこまでもどこまでも付いて行きたかったに違いない。せめて、明智光秀の最期の場所へ、想いを運び弔ってやりたい。
推測の域を出ない、独り善がりな弔いなのではと、いぶかりもしたけれど、ある晩不思議な夢を見て、そうでもないと思った。細かい雨に煙る暗闇の中を、数名の家臣に囲まれ、馬上の粗末な態(なり) をした人がゆっくり門を出ていく。出る前に、静かにこちらを振り向いた。顔が濡れている。雨だけのせいではない。涙を流しているのだ。彼に向け高く掲げたロザリオが、解れてパラパラと散った。
想像が夢を生み出したのかもしれないけれど、馬上の人の表情があまりに寂しそうで、見つめるこちらの胸にも悲しみが宿った。夢から覚めてもなかなか消えず、リングケースから珠を取り出してそっと握り、慰めているのか慰められているのか分からない風に、ぼんやりとその悲しみを撫でた。
確たるものなんて、この世界にはわずかしかなくて。だから誰だっておぼつかない。あいまいが多いから、愛するフリをして色をつけ安心したり。でもそんな中でも、これは確かだと思えるものがあって、ガシガシと力強く踏みゆける時もある。
今の自分の行動に確はなくても、弔いの気持ちに嘘はなく、堂々とした足取りで、私は住宅街を抜けて行った。
思っていたよりも繁みはなく、明智薮と記された木の立て札の近くは、何もない平地が広がっていたりする。光秀が襲撃され命果てたところ。おそらく、いま自分の立つこの場所、ではないのだろう。けれど、このようなうら寂しい竹薮で亡くなった光秀に心を近寄せていくと、彼の無念が痛く、寂しさは益々その色味を帯びる。
粛々と、リングケースから珠を取り出し手の平にのせ、そっと前に差し出す。さわさわと風が鳴った。珠が微妙に動いた。風のせいか、それ自身か。
弔いはもう少し続く。ケースに珠を戻し、ペットボトルのお茶を口にして、私はゆっくりとその場を後にした。
(2)
山科川に沿って北へと歩く。事前にマップを眺めて浮かべたイメージよりも、ひらけて明るい場所だと思った。5月の眩しい光が川面と緑を輝かせ、自然と気分も上向く。
何かが、少しずつ動いている。変わろうとしている。弔いという静かな行いによって私は、亡くなった彼への想いを少しずつ解いている。意図して、ではなく自然と。珠の持ち主の想いに添うて、明智光秀の最期に思いを馳せ、好きだった彼もまた遠い人であることを思い、そして私は、心の中で静かにサヨウナラを告げる。まだここで生きていかなければならないから。前を向いて生きていきたいから。
彼が購入したピカピカのマンションで、彼はひとり寂しく逝った。死因は急性脳症であろう、ということだった。であろうって、どう受け止めれば良いのか分からなかった。バタバタな中で、彼の母親と彼にまつわる思い出を沢山語り合った。富士山が小さく見えるリビングで、大阪へ返す私の物を段ボール箱に詰めながら。優しい、あたたかな時間だった。
けれど大阪に戻れば誰もいない。つらいね、悲しいねと取り合える手はどこにもない。街はいつも忙しなくて、せきたてられる。張り詰めた心を抱えて私は街を歩く。唯一泣けるのは、自分の部屋。これは、心理学用語であるモーニングワーク(喪の作業) の一環であると、泣く自分を冷静に見る自分もいた。そんな自分に嫌気が差したり。ぐちゃぐちゃな感情を引きずりながら、日常を送っていた。
スマホで現在の位置を確認し、新小栗栖街道へ再び戻る。
ぽつりとそれは在った。明智光秀銅塚。石塀に囲われた小さな空間。小栗栖の薮で討たれ、もはや最期と自刃した光秀の首は、家臣に隠され、胴体は近くに埋められた。それがこの辺りということで、石碑が建てられた。
寂しくはない。多くの人がここで、光秀の死を悼んだ。ひそやかにも深い優しさが漂っている。
この場所で良かったのだと思いながら、珠を取り出して両手で包む。入り口にはチェーンがかけられているので、石碑のそばには行かず、入り口横の茂みにそっと珠を置く。
何も起こらない。でも確かに何かが変わった。後退ではなく、前進。
すぐ横の車道を車がゆく、人が通り過ぎる。ありふれた風景の中で、私は小さな奇跡を覚える。
銅塚から少し歩き、小野駅から地下鉄に乗る。人気がなく、車窓に移る自分の顔を眺めながら、心もとない気持ちがふつふつとわいてくる。大丈夫、かな。ちゃんと笑って進めるだろうか。笑えなくてもいい。どうにかこうにか、そうやって。
六地蔵駅に戻り、地上へ出る。正午過ぎの陽は柔らかく目に心地よい。澄み渡る空を大げさに見あげて、サヨウナラをつぶやいてみる。それは悲しい言葉ではなく、私の背中をつよく押す。ありがとう、の変換。
新しい何か、something new は、内向的な私を、生きていくべき広い通りへ導いてくれる。愛すべき人々が存在する場所。気をゆるませて息をつける、光そそぐ場所。そこで私は、心ゆるせる人と明日を語り、描き、創っていく。
正しいsomething new に私は手を伸ばす。少し心震わせながら、足を踏み出してみる。
小さな弔いの旅を私は決行した。
例年より早く、5月中旬に梅雨入りして雨天が続いたけれど、ちょうど休みの日に朝からカラリと空が晴れ、今日行こうとつよく思った。
京都の宇治線六地蔵駅近くからバスに乗り、小栗栖 (おぐりす)という地に降り立った。弔いであるのに、私にとって初めての地に、自然と心浮き立つ。
家を出てからホームや電車、バスの中でも、もう何度も確認した紫紺色のリングケースを、ショルダーバッグのファスナーを開け再度確認する。
リングケースに仕舞われた小さな珠は、長岡天満宮で彼と再会して話した後に、その足で勝竜寺城公園へ行って手にした。珠は、石造物群の手前にある石箱の中に、小石などに混じってそのまま在った。ハンカチに丁寧にくるんで化粧ポーチに入れ、サロンに出勤し、その日に家へ持ち帰った。
リングケースに大切に仕舞いナイトテーブルに置いて1か月。自室で毎日ホラー現象が起きるのではないかと身構えたけれど、例のうめき声は聞こえず、リングケースがコトコト動くようなことも無かった。
好奇心で珠を持ち帰ったわけではない。彼がその、ロザリオの珠を、石造物群に置いた時に感じた小さな違和感が、ずっと消えずに心にあったからだ。光秀公を呼ぶ声、その想い。声の主は光秀の家臣で、光秀を心底敬い慕っていた。勝竜寺城は、信長を本能寺で討った後に光秀が秀吉との合戦に敗れ退却した場所。声の主は、そこで落命した。勝竜寺城を後にした光秀公の背を、どこまでもどこまでも付いて行きたかったに違いない。せめて、明智光秀の最期の場所へ、想いを運び弔ってやりたい。
推測の域を出ない、独り善がりな弔いなのではと、いぶかりもしたけれど、ある晩不思議な夢を見て、そうでもないと思った。細かい雨に煙る暗闇の中を、数名の家臣に囲まれ、馬上の粗末な態(なり) をした人がゆっくり門を出ていく。出る前に、静かにこちらを振り向いた。顔が濡れている。雨だけのせいではない。涙を流しているのだ。彼に向け高く掲げたロザリオが、解れてパラパラと散った。
想像が夢を生み出したのかもしれないけれど、馬上の人の表情があまりに寂しそうで、見つめるこちらの胸にも悲しみが宿った。夢から覚めてもなかなか消えず、リングケースから珠を取り出してそっと握り、慰めているのか慰められているのか分からない風に、ぼんやりとその悲しみを撫でた。
確たるものなんて、この世界にはわずかしかなくて。だから誰だっておぼつかない。あいまいが多いから、愛するフリをして色をつけ安心したり。でもそんな中でも、これは確かだと思えるものがあって、ガシガシと力強く踏みゆける時もある。
今の自分の行動に確はなくても、弔いの気持ちに嘘はなく、堂々とした足取りで、私は住宅街を抜けて行った。
思っていたよりも繁みはなく、明智薮と記された木の立て札の近くは、何もない平地が広がっていたりする。光秀が襲撃され命果てたところ。おそらく、いま自分の立つこの場所、ではないのだろう。けれど、このようなうら寂しい竹薮で亡くなった光秀に心を近寄せていくと、彼の無念が痛く、寂しさは益々その色味を帯びる。
粛々と、リングケースから珠を取り出し手の平にのせ、そっと前に差し出す。さわさわと風が鳴った。珠が微妙に動いた。風のせいか、それ自身か。
弔いはもう少し続く。ケースに珠を戻し、ペットボトルのお茶を口にして、私はゆっくりとその場を後にした。
(2)
山科川に沿って北へと歩く。事前にマップを眺めて浮かべたイメージよりも、ひらけて明るい場所だと思った。5月の眩しい光が川面と緑を輝かせ、自然と気分も上向く。
何かが、少しずつ動いている。変わろうとしている。弔いという静かな行いによって私は、亡くなった彼への想いを少しずつ解いている。意図して、ではなく自然と。珠の持ち主の想いに添うて、明智光秀の最期に思いを馳せ、好きだった彼もまた遠い人であることを思い、そして私は、心の中で静かにサヨウナラを告げる。まだここで生きていかなければならないから。前を向いて生きていきたいから。
彼が購入したピカピカのマンションで、彼はひとり寂しく逝った。死因は急性脳症であろう、ということだった。であろうって、どう受け止めれば良いのか分からなかった。バタバタな中で、彼の母親と彼にまつわる思い出を沢山語り合った。富士山が小さく見えるリビングで、大阪へ返す私の物を段ボール箱に詰めながら。優しい、あたたかな時間だった。
けれど大阪に戻れば誰もいない。つらいね、悲しいねと取り合える手はどこにもない。街はいつも忙しなくて、せきたてられる。張り詰めた心を抱えて私は街を歩く。唯一泣けるのは、自分の部屋。これは、心理学用語であるモーニングワーク(喪の作業) の一環であると、泣く自分を冷静に見る自分もいた。そんな自分に嫌気が差したり。ぐちゃぐちゃな感情を引きずりながら、日常を送っていた。
スマホで現在の位置を確認し、新小栗栖街道へ再び戻る。
ぽつりとそれは在った。明智光秀銅塚。石塀に囲われた小さな空間。小栗栖の薮で討たれ、もはや最期と自刃した光秀の首は、家臣に隠され、胴体は近くに埋められた。それがこの辺りということで、石碑が建てられた。
寂しくはない。多くの人がここで、光秀の死を悼んだ。ひそやかにも深い優しさが漂っている。
この場所で良かったのだと思いながら、珠を取り出して両手で包む。入り口にはチェーンがかけられているので、石碑のそばには行かず、入り口横の茂みにそっと珠を置く。
何も起こらない。でも確かに何かが変わった。後退ではなく、前進。
すぐ横の車道を車がゆく、人が通り過ぎる。ありふれた風景の中で、私は小さな奇跡を覚える。
銅塚から少し歩き、小野駅から地下鉄に乗る。人気がなく、車窓に移る自分の顔を眺めながら、心もとない気持ちがふつふつとわいてくる。大丈夫、かな。ちゃんと笑って進めるだろうか。笑えなくてもいい。どうにかこうにか、そうやって。
六地蔵駅に戻り、地上へ出る。正午過ぎの陽は柔らかく目に心地よい。澄み渡る空を大げさに見あげて、サヨウナラをつぶやいてみる。それは悲しい言葉ではなく、私の背中をつよく押す。ありがとう、の変換。
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