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第二部

第二部最終話

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盛り上がる周囲はおいて、油売買の用事だけ済ませて早々に退散した。
傭兵のおじさんと久しぶりの再会を祝して一緒に飲むことになった。もちろんオレはオレンジジュースだ。
おじさんとはこの機会を逃したらいつ会えるかわからない。ガエルさんからは報告は明日でいいと言われているのでお言葉に甘えることにした。

「にしてもお前ェやっぱり貴族だったんだな。
おっと、もうちっと丁寧な喋り方しなきゃならねぇか?」
「気にしなくていいですよ。というか、オレは貴族じゃなくてですね。」
「それはありがてぇ!お前ェは昔っから傭兵に馴染まない綺麗な雰囲気してたもんなぁ。」

おじさんはオレの話はあまり聞かずに喋り続ける。そういえば昔からお酒好きの陽気なおっさんで、飲み出すとこっちの話を聞かないんだよな。
というか、このおじさんは父ちゃんが貴族だったことに気づいてたんだな。

「アイデンがお前を連れてきた時なんかどこから誘拐してきたのかと思ったけど、あながち誘拐で間違いなかったのか?」

うん?なんか思ってたのと話が違う?

「連れてきたってどういうことですか?」
「うん?そういう経緯で貴族に戻ってるんじゃないのか?ある日急にアイデンが3歳くらいの男の子を連れてきたんだ。それがお前だよ。」

え、もしかして、オレって父ちゃんと血が繋がってなかったの?

「お前のことは詳しくは何も聞いちゃいないから、母親が死んで引き取ったアイデンの子だと思ってる奴もいたな。だが、お前を連れてきたのは初めて行く土地でのことだったしな。大体昔の恋を語るアイデンを見てちゃあそんなふうには思えねぇよ。
アイデンは本当に女っ気がなくてなぁ。一度酔わせて聞いてみたが、昔好きになったやつの将来のために身を引いてそいつのことがまだ好きだと言っていた。他の女には手ェ出さねえような雰囲気だったぞ。
まあ、血のつながりはなくてもお前のことを大切にしてたのは見ててよくわかってたんだ。だから、あいつが亡くなった後もお前のことはしっかり面倒見ようと思ったわけよ。」

その後もおじさんは父ちゃんの形見の話とかをしていたが、全然頭に入ってこなかった。1日のうちに入ってきた情報量が多すぎる。
頭がいっぱいになったオレは陽気に飲むおじさんに酒代は奢り、ガエルさんの口利きで泊まれた宿に帰ってすぐに寝た。

次の日、ガエルさんのところに行ったオレは昨日傭兵のおじさんから聞いた話を伝えた。
ガエルさんの中で整理がついてるだろう問題を掻き乱すことになるかもしれないと少し悩んだ。だけど、昨日のガエルさんの様子を見て言わない方が不誠実だと思ったのだ。
おそらくだけど、オレの父親はガエルさんのことが好きだからこそ身を引いて、好きな気持ちを持ったまま亡くなった。
オレも父ちゃんが女遊びを(男遊びもだが)してるのを見た記憶がない。オレが父ちゃんの子供でないのだとしたら、ずっと一途にガエルさんのことを想っていたのだろう。

「そうか・・・。」

オレから話を聞いたガエルさんは一言だけ呟いて大きな掌で顔を覆った。だから、オレはガエルさんがどんな表情をしていたのか知らない。
首筋を伝う水滴の正体をオレは知らなくていいと思った。

オレはハンカチを差し出して席を外した。
父ちゃんに何があってガエルさんと別れて傭兵になる選択をしたのか知らない。
だけど、ガエルさんを思って身を引いたのだとしたら、その選択は誰を幸せにしたのだろうか。

出てくる直前に見えたガエルさんの後姿と、エリス嬢の恋にまっすぐな様子と、オレに結婚しようと言ったジュリアン様の真剣な表情と、色々なものが脳裏に浮かんでは交差し混じり合う。

オレは先のことを不安がってばかりで、大切なことを見逃しているのかもしれない。
無性にジュリアン様に会いたくなって予定より大分早いが約束の喫茶店に向かう。

「あれ、アナクレト随分早いね。」

以前教えてもらったおしゃれな壁面のある近道を通っていると、壁に背を預けたジュリアン様がいた。気のせいかどことなく窶れた感じがする。
喫茶店はすぐそこだから、もしかしたらオレと同じく早めに来てしまい時間を潰していたのかもしれない。人通りの少ない道にはオレたち2人きりしかいない。

ジュリアン様はオレを見て驚いたあと優しく微笑んだ。
オレの心の中に沈澱しているジュリアン様に対する愛おしさが巻き上がる。
今日別れ話をしようと思っていた癖に都合のいいことだと自分でも思う。

「ジュリアン様、オレ・・・」

まだ自分の中でも気持ちが整理できてない。そのためか喋り出したものの名前を呼んだ後、口が動かなくなってしまった。

「アナクレト、俺から先に話してもいい?」

ジュリアン様は穏やかな様子で話し始めた。

「俺はアナクレトがそばにいてくれたらそれでいいけど、アナクレトはそれだけじゃ足りないんだよね?」
「そんなこと・・・」

ジュリアン様の語り口調は優しいが、内容はオレの心に突き刺さる。

「ごめん、ごめん、アナクレトが欲張りだとか愛が薄いとかそういう意味じゃないよ。
そばにいるだけじゃなくて、そばにいることでいい影響がないと満足できないんだよね。」
「・・・そうです。」

ジュリアン様の言っていることは間違ってない。
それだからこそ、俺の心には暗雲が立ち込める。

「俺にはまだよく分からないけど、大人になるってそういうことなんだと思う。好きなだけじゃ不安で不満なんだよね。」

そうだ、その通りだ。
俺の言いたいことは全部伝わっている。ということは、たどり着く結論は一つだ。
オレたちは今日別れることになる。
オレたちが一緒にいることにメリットはない。好きなだけじゃやっていられない。ジュリアン様がそれに気付いたということはもう別れるしかない。
オレから別れようというつもりだった癖に、ジュリアン様からそれを告げられることを考えると苦しくてたまらない。
これ以上口を開かないでほしいというオレの気持ちと裏腹に、ジュリアン様の口からサラッとその言葉は流れ出た。

「だから、俺たちが一緒にいることで、良いことがいっぱいあるようになればいいんだよね?」
「え?」

ジュリアン様の予想外の言葉に驚く。

「どうして驚くの?この1ヶ月、そのために動いてくれたんじゃないの?」
「え??」

さらに驚く言葉が続く。
ジュリアン様が言うにはどうやら石鹸の件が貴族界隈で広まっているそうだ。社交はオフシーズンのため大々的ではないが、賢人現る!とみんなが噂しているそうだ。
投資したい、縁を繋ぎたいとという貴族が続々と現れているそうだ。なんだそれ、怖い。

「それにアナクレト、昨日ガエルの名代として売買の場に行ったんだよね?」
「そうですけど、それがどうしたんですか?」
「商人ギルドにはガエルが後見する貴族だと思われてると思うけど・・・」
「いや、でもそれは誤解じゃないですか!」

これ以上の勘違いはゴメンなため強めに否定する。

「いくら誤解されようが、オレは貴族にはなれないですよ。父が昔貴族だったらしいですが身分は捨ててますし、オレは学院も出てないですし。」
「そういうわけでもないよ。隣国は貴族の制度がちょっと違うからね。
この国は学院出てないといけない暗黙の了解があるけど、あっちは血統と後見重視みたいだしね。
ガエルが後見すれば今日からでも貴族になれるはずだよ。」

え、そうなの!?
いや、ガエルさんはオレが父ちゃんの実子じゃないって知ってるから大丈夫なはずだ。

「まあ何にしろ、隣国の貴族に縁があることは昨日の大立ち回りと一緒にこれから噂で広まるだろうけどね。」

オレに教養がないために知らず知らず解決してしまった三方一イル損事件のことも知られてるのか・・・

「アナクレトは今社交界が注目する存在ってわけだよ。
そのアナクレトと恋人なのって俺にすっごくいい影響を与えると思わない?」

とっても嬉しそうなジュリアン様の表情は晴れ晴れしている。声のトーンも高く、機嫌の良さがよく分かる。

「アナクレトと1ヶ月離れ離れなのはすごく寂しかったけど、アナクレトがこんなに頑張ってくれたのはとても嬉しいよ。ありがとう。」

全部勘違いなのでものすごく居心地は悪い。だけどオレだってジュリアン様のことが好きなのだ。別れなくてもいいなら別れたくない。
・・・この勘違いに乗ってしまおう。
ちょっとズルしてる感覚で後ろめたいけど、自分の欲望を優先することにした。

「えっと・・・、どういたしまして。」

ちょっとどもりつつ、ジュリアン様の勘違いを受け入れる返事をした。
すると、ジュリアン様はオレを抱き寄せて首飾りにチュッとキスをした。
その後オレの首筋に顔を埋めてる囁くように呟いた。

「本当に良かった・・・。」






本当に良かった・・・。
ジュリアン・ヴュイヤールは心の声が外に漏れ出ていることに気づかないほど疲労困憊していた。
この1ヶ月、ジュリアンはただアナクレトの気持ちが変わるのを待っていたわけではない。

1ヶ月前、突然アナクレトに別れを提案された時の彼は案外冷静だった。
付き合った翌日のアナクレトの艶めいた姿に動転して忘れていたが、グダグダ言うアナクレトに能力を使って本音を引き出すという反則技で付き合ったのだ。アナクレトの目が覚める前に想定していたことが時間差で起きたようなものだ。
彼はもちろん動揺はしたが、反面予想通りという気持ちもあった。

ジュリアンはアナクレトと話していてすぐに気付いた。これは子供っぽいとか大人っぽいとかそういう次元の話ではない。
アナクレトはジュリアンとずっと一緒にいられるという確証がないことが不安なのだ。
それは結婚という形式だけの話ではない。ジュリアンの気持ちがアナクレトから離れない保証が欲しいのだ。
アナクレトのある意味で幼稚とも言える感情に気付いたジュリアンだが、それだけ愛されているのだと思えば悪い気はしなかった。むしろ嬉しい。
だが、ジュリアンの気持ちが変わらないことを証明するのは案外難しい。ジュリアンにはどんな状況になってもアナクレトを好きな自信がある。だが、それをアナクレトに信じてもらわなければいけないとなると一気に難しい話になる。
それなら、アナクレトが自分自身にそれだけの価値があるのだと納得する状況に持っていけばいい。そう考えたジュリアンは方法を考えて実行した。

ジュリアンはまず、オラースをアナクレトと接触させた。
オラースは別名歩く拡声器と言われてるぐらい発信力がある。顔が広いし口が上手いのだ。
村でのアナクレトの教師としての評判は聞いていた。豪商に抱え込まれそうになっているという報告を聞いて焦ったことはジュリアンの記憶に新しい。会った時にその話になるようにオラースには軽く話は振っておく。
放っておけばアナクレトのいい噂が広まるだろと考えていたが、アナクレトは知らぬ間に石鹸の発明に携わっていて予想外の活躍でジュリアンの想像以上の結果になった。

次にジュリアンが接触したのはガエルだ。
ガエルが昔にアナクレトにプロポーズした際、アナクレトの父親に恩があることやアナクレトが貴族だと言っていたことを村の噂で聞いていた。それを覚えていたため今回利用できると思ったのだ。
ジュリアンがアナクレトを幸せにできるとガエルに思わせることができれば、ガエルはこちらに協力するだろう。そんな考えでガエルを飲みに誘い、悩みという体でアナクレトへの想いを語った。
昨日まではガエルがアナクレトに会いに行く様子もなかったため失敗したかと諦めていたところだった。だが、ガエルの働きかけとアナクレトの活躍でこちらも予想以上の結果になりジュリアンとしては大満足だ。

ジュリアンはアナクレトを抱きしめたまま深呼吸をする。彼の全身を疲労感が覆っていた。

「ジュリアン様、何だかすごくお疲れのようですけどどうされたんですか?」
「アナクレトと会えない間心配で気疲れしちゃったんだよ。」

ジュリアンが言ったことは嘘ではないが、真実でもない。
彼がこんなに疲れることになったのは彼の能力ゆえだ。企みが上手くいくよう、アナクレトに負の感情が向かわないようコントロールしていたのだが首飾りを身につけていない状態では消耗が激しかったのだ。
とはいえ、1ヶ月前の状況で首飾りを返して欲しいと言ってしまえばアナクレトはショックを受けただろう。返してもらういい案が思いつかず、ジュリアンは根性で乗り切ったのだ。

それにしてもアナクレトは相変わらず魔法使いみたいだな、とジュリアンは思う。現状はジュリアンが想定していたよりもかなり良い状況だ。ジュリアンの能力だけではこうはいかなかっただろう。
ムクムクの実が今年不作で高騰が予測されていたところそれを超える洗い心地の商品が発明されたと聞いてジュリアンも驚いた。賢人の噂はもう少し半信半疑という形で広まると思っていたが、すでに事実として扱われている。
昨日の商人ギルドでも、基本的にアナクレトは控えめなので隣国貴族と縁がある事実を作ったあと上手く周知させなければと思っていた。それをあんなに大々的に存在をアピールする形になるとは思ってもいなかった。
ジュリアンが能力を使っていたにしても奇跡的な運の良さと、そもそものアナクレトの人柄の良さが導いた結果だとジュリアンは考える。

(アナクレトはちょっと状況を整えてあげるだけで評価される実力があるんだから、もうちょっと堂々としても良いのに。まあ、そんなところも好きだけど。)

心の中でジュリアンは惚気る。
この1か月の出来事がジュリアンの策略がきっかけだとアナクレトに気づかれてしまえば、またアナクレトは自信を失うだろう。だから、彼は素知らぬふりをして感謝を告げた。アナクレトはなんだかんだ言って感謝されることに弱い。上手く絆されてくれて良かった。

ジュリアンは内心の考えを笑顔で隠し、アナクレトの頬を撫でる。アナクレトはちょっと照れくさそうな、でも嬉しそうな顔をした。

「大好きです。ジュリアン様。」

ジュリアンは疲労感が吹き飛んでいくように感じた。
この言葉を聞くだけでいくらでも頑張れるとジュリアンは思った。
ジュリアンの次なる懸念は一つ。

(恋人として付き合いうことに納得はしてもらったから、あとは経験豊富なアナクレトにちゃんと"オトナ"だって意識してもらわなきゃ。)

アナクレトの内面を的確に把握しているジュリアンだが、恋は盲目なのか彼にとっては寝起きのアナクレトの色気がそれだけ壮絶だったのか、アナクレトの経験値に関する誤解は全く解けていなかった。

人間関係に勘違いやすれ違いは付きものだ。それは恋人たちも例外ではない。

「オレも大好きだよ、アナクレト。」

でも、2人が幸せそうなので問題はないのかもしれない。少なくとも、今日のところは。
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