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邦陽
目覚め
しおりを挟むその日から時々春臣の呼び出しを受け部屋に行くようになった。慣れてきてからは自分から出向くようになった。春臣が忙しそうな時は避けていたけれど。
自分で触っても快楽は追えた。けれど春臣の手の方が段違いに気持ちがよかった。
皮も自分でも入浴時にいじくるようになり、少しずつ頭が露出してきた。
俺はすっかり春臣に処理をしてもらうのが当たり前になっていた。
いつも春臣の手による一方的な奉仕を受けてばかりで、その目的が分からない。
おかしなことだと思いつつも今日も春臣の部屋に来て、抜いてもらっていた。
僕の吐き出した欲望の残滓を、ティッシュで拭っていた春臣の股間が高ぶっているのがズボンの張り具合から分かった。
これまで処理してもらっている時の春臣の状態はどうだったのか。自分の快楽を追う事に夢中で気が付いていなかった。
経験則で他者に触られると気持ちがいいとわかっていた。ベッドの上で僕の横に座っていた春臣自身に手を伸ばして触ってみた。
スボンの上からゆっくりと撫でるようにして、徐々に力を入れていく。
春臣は一瞬警戒して戸惑ったようだったが、僕の意図を察してズボンを下ろし抜き身を委ねてきた。
春臣の高ぶりは既に大きくて熱かった。僕と違って先端が露出していて張り出しが大きかった。
性器の形を意識した時には父親は無く、成熟した大人の性器を見たのは先日の動画が初めて。生で見るのも初めてだった。
春臣がやるように表面を手で覆い圧力を与えながらゆっくり動かしてみた。
「それお前用、もっと先がいい」
滑らかな先端を親指の腹で撫でこする。でっぱりの縁も指先で辿る。
「……んっ」
普段とりすましたような顔をしている春臣が、息の塊を吐きながら眉をひそめ目の前の快楽に無防備に没頭していく。
高慢な春臣が普段とは違った艶やめいた表情を見せるので見てはいけないものを見たような気がしてどきどきしてきた。
もっともっといろんな表情を見たくて、反応を確認しながら角度を変え撫でさすった。
「……もっと強くして」
「こう? 」
力を入れてぎゅっと握ると顔をしかめられた。
「違う。こう」
手の甲の上から掴まれ動かされた。
春臣と体が密着する。耳元に春臣の熱い息がぶつかる。
手が動く度に「ん」「ふ」と、息とともに声も漏れる。
先がぬめってきた。手の中でこれ以上ないくらい熱く息づき大きくなっている。
力が少し強くなり上下する速度が上がる。
さっきイったばかりなのに自分の体も熱い。
「出る」
春臣はぶるっと身を震わせ、手の中に白濁液を吐き出した。一部が僕の顔に飛んだ。
まだ出そうだったので手を動かしていると春臣に手をのけられた。
はぁはぁと息が乱れ濡れている唇。
目元の下がうっすら上気して白い肌にピンクの花びらが散ったみたいになっている。
見てはいけないものを見たような気がして、かえって春臣から目を離せずにはいられなかった。
目が合ったと思ったら春臣の顔が近づいてきた。そしてそのまま口づけられた。
ねっとりと口を吸われ、舌が侵入してきた。こんな時は自分の舌をどうしてよいのかわからないし、息が苦しい。
目を閉じたまま唇をむさぼってくる春臣はすごくいやらしかった。
「お前、目をつぶれよ」
見ていることを気づかれてしまった。
視界を閉ざすと唇と舌の感覚が鋭敏になり、くちゃくちゃといやらしい水音が一段と大きく聞こえる。
春臣は自分の精液で濡れた手で半分立ち上がっていた僕のものを掴んだ。
冷たいと感じたのは一瞬で、液体のぬめりを借りて上下にしごかれると気持ちよかった。
今まであまり触れてこなかった先への刺激もぐりぐりとされた。
まだ皮が完全に剥けてはいなかったから時々ひきつれるような痛みが走る。接触に不慣れな亀頭から受ける刺激は強すぎて痛い。
口唇の刺激と下から刺激が重なり2回目にもかかわらず、あっという間にイってしまった。出てきた液体は殆ど透明だった。
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