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歌と熱

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ドアを潜ると外観から想像するよりもずっと狭い印象があるのは壁が分厚いからだと思う。
レンタルなのだからどこかで手続きをしたりお金を払ったりしているのだろうが、受け付けなんか無いし管理する人もいないのだ。ビジターの使用は出来ないって事らしいがその辺は黒江に任せているから何も知らないままだった。

中に入ったらすぐ目に入るのは赤いオイルスキンの三人掛けソファだ。
床も壁も木材で統一され、照明も柔らかい。
正面に据えられた難しそうなオーディオ機器やパソコンが無ければ50th風のカフェにも見えるが、取調べを覗き見する窓のような四角いガラスの向こうは明るすぎる蛍光灯が青い光を放っていた。

「黒江さんは中だね……まさか…ここに入るのは初めて…だよね?」
「うん、初めて、まるで近未来SFの実験室みたいだね」

ふうんと珍しそうに中を覗き込み、そう言ったクリスの感想は的を得ていた。
待ち構えているだろうと思っていた黒江は「実験室」の中で楽器を弾いているが、微かな音漏れも無いのだ。

「何だか楽しそうだから…このまま帰ろうかな」
「それもいいけど…ほら、気付かれちゃったよ」
「あ、ホントだ」

ガラス越しからブンブンと手を振った黒江がドカドカと演奏スペースから出てきた。
背が高いから片手で持ったベースギターがお箸くらいに見える。
慌てて頭を下げた。

「遅れてすいません」
「来たのか、良かったよ、もう来ないかと思っていた所だ」

ごめんなさいと、もう一度頭を下げたが黒江の視線は別の所にある。

「あ……あの、この人は……」
「友達か?」
「うん…そうなんだけど…」

何と言えばいいいのか。
紹介するって程親しくないから図々しいような気もするけど連れてきたのだからスルーも出来ない。続きが言えずモゴモゴと口籠ると、スッと前に出たクリスがグンっと胸を張った。

「いや、顎を上げるな、下げてよね」
「初めまして、私は蓮の彼氏……」
「大学の先輩です」
「蓮、間違ってないけどここははっきりしといたほうが……」「見学したいって言うから連れてきました。不味いなら「帰って」もらいます」

ガッチリと太い釘を刺したつもりなのにクリスには効いてない。挑むように腕を組んで「栗栖隆文です」と、(名前までいらない)笑ってるのに眉間に皺が寄っているという複雑な顔で自己紹介をした。

「珍しいな」
「………そうでしょうね」

身長差とか。雰囲気とか。勿論容姿を含めても、黒江さんが納得のいかない顔をするのはわかる。
しかし、32歳の彼は大人だった。
聞きたい事をグッと押さえ込んで爽やかに笑った。

「私は黒江です、蓮の友達に会うのは初めてなんだけど……不思議だな、初めて会ったような気がしないな……どこかでお会いした事がありますか?」

そうでしょうとも……

「何か言ったか蓮?あ、それからあっちは日暮です、俺達は蓮くんのサポートをさせて貰ってるんですが…それで……あの…悪いけど俺達は一応商業ベースを考えて音楽をやっているんです、今日はまだ未発表の曲をやるから関係者以外は……」
「わたしは関係者ですよ」
「え?蓮の身内なんですか?」
「それ以上です、ある程度は我慢しますが独占されちゃたまりませんからね」

何も知らない黒江にはクリスが無駄に発するパチパチと跳ね回る青い火花が見えてない。
完全にクリスの1人相撲になっているのだが、この顔だけで世間を渡って行けそうなイケメンがしがないボッチの何に拘っているのか本当にわからない。

しかし、言ってる事も変だし態度だって変なのに、美女が履いた「NIKEの靴下」と同じく存在感だけで全てを押し切ってしまった。
当然と言う顔をしたクリスはソファじゃ無くてDTM機材の椅子にちゃっかりと座り込んだ。
まだ納得の行かない顔をしているものの、スピーカーは切ってある筈だからクリスには何も聞こえない、見るだけだ。
黒江は「商業ベースで」と言っているが、もう3年も同じ事をやってるのにまだ一曲も出来てないのだから多分そんな日は来ないだろう。

とにかく、時間は限られているのだ、黒江と日暮と俺はクリスを残してスタジオに入った。

「蓮、今日は好きにしていいからな」
「好きに?……って?」
「気持ちよく歌う日って言えばいいかな、俺と日暮は頑張ってついて行く、その為にパーカッションとベースだけにしたんだ」
「………同じだと思うけど……」

黒江が何を求めているのかわからない。
言われる通りの音をなぞっても、なぞっても、何回撮り直してもいい顔は貰えない。駄目ならもう開放して欲しいのにそれも許されない。

今のところ逃げ道はない。

カバーの付いたマイクの位置を口元に合わせて、ヘッドフォンを付けていると、音を確かめるようにタタンとドラムが鳴った。黒江のベースもチューニングの音を寄こして来る。
普段なら録音した演奏を聴くために付けるヘッドフォンなのだが今回は演奏から耳を守る為だけに使っている。
音が静かになった所で、四角い窓から見つめる視線に気が付いて愕然とした。

レンタルスタジオは狭いのだ。
6畳も無い防音室と広目の廊下くらいしか無い前室。つまり、物凄く至近距離からクリスが見ている。

何も聞こえて無いとしても恥ずかしかった。
ライブをやった時ぐらい恥ずかしい。
音楽と言える程の物は何も無いのに、その気になって歌ってる姿なんてただただ恥ずかしい。

「いいか?」と聞かれても返事なんか出来ない。
チューニングを兼ねた音がもう一度来たが声なんか出てこなかった。
しかし、普段からそこを真面目にやって無かったから黒江も気にしたりしない、すぐに切り替えて次に移る。

音が来た、歌詞は……何だっけ?と思っているうちに出遅れてる、あわあわと出て来た声はあくびその物だった。
案の定また演奏が止まる。

「蓮?」
「すいません…」
「久しぶりだからいいけど…ボイトレからやるか?時間は気にしなくていいぞ」
「いえ……」

出来ればもう帰らせて貰えないだろうか。
クリスがいるいないは大きいけど、外の天気が曇りだったせいか何だか嫌な日なのだ。
しかし、黒江は待ってくれない、もう一回音が来た。

今度はちゃんとタイミングを合わせたけど、ベースとドラムの音に吸い込まれて自分にも聞こえなかった。いつも駄目だけど、最近の中では最低だ、再び演奏を止めた黒江の目がガラス窓の向こうをチラッと見たからこれは不味いと思った。

クリスを追っ払ってもらうのはいい。
それに乗じて今日はやめる。
逃げる事ばかりしか考え付かないが、誰かに聞かせたい音楽など持ち合わせていないのだ。

スタジオに来てまだ10分くらいしか経ってないけど……お金が掛かってるってわかってるけど……休憩を取りたいと言おうとしたら、突然クリスの声が耳に届いた。
パッと顔を上げるとガラス越しに見えるクリスがにこやかに手を振っていた。

「え?あれ?スピーカー?」

スタジオにある機材は家電では無いので数あるボタンに親切な説明なんて書いてない。
普通に生きていたら見た事もないし、触った事も無いあの難しそうな機械を解読できる人がいるとは思えないのだが……クリスには難なく使えるらしい。頭いいってそう言う事なのだろうか、黒江も驚いたらしい。

「え?蓮の友達ってDTMがわかる人?」
「IQのなせる技だと思います」

少し慌てた顔をした黒江の心配は闇雲に機材を触られると何だか難しい設定が狂うと困るからだ。

「クリス!勝手に触んなよ!!ってか聞くな!」
「スピーカー以外触ってないよ、そんな事はいいから蓮、僕を見て」
「見て……って?」
「うん、僕の事だけ見て歌ってよ、黒江さん、日暮さん、蓮が乗りやすいようにローテンポで同じフレーズ繰り返してください」
「だから聞かないでって言ってるのに…」

プロデューサーかっての。
この際だからクリスを追い出してやろうと思ったのに、阿吽で動く黒江さんと日暮さんが音を出す。

仕方ないから合わせて、合わせて、クリスがどんな顔をしているかを見ていた。

どうせまた変な事言ったり、芝居掛かった賛辞の表情を見せると思っていた。

しかし、予想とは少し違う、瞬きをしないクリスの目は真剣だった。

実はスタジオと控え室を繋ぐスピーカーはもう切れているのにヘッドフォンからはクリスの声が聞こえていた。

「僕を見て」と。

見ろと言われたからでは無いが見てしまうのはクリスが気になるからだ。
ガラス越しではあるが実質的な距離は1.5mぐらいだろうか、何度かもっと近くで見た事はあるが今程じっくりと眺めるのは初めてだった。

黙っていればこそだが、小さな頭、柔らかそうな髪、真っ直ぐな眉の下にある瞳は見事なアーモンド型をしている。
今更だがその端正な造りに驚いてしまう。

クリスには雲一つない青い青い晴天が似合うと思った。しかし、海とか山とか泥臭いイメージは無いから風景は無いのだ。

厚い雲が切れた空から線になって降り注ぐ光の筋は好きだった。アスファルトのあっちとこっちで違う色が好き。
雨上がりの水溜りに映る空が好き。

今日は曇っていた空が晴れているといいなと思った。



蓮が乗ってきた。

リズムに乗って体が揺れている。
歌う口が笑う形になって来た。
ドラムを叩く日暮も気付いたのだろう、視線を送ってくる。

いつもいつも、どこにスイッチがあるのか、どこでスイッチが入るかわからないから収録に怠りは無い。
出来れば……出来ればでいいからマイクに付けたポップガードから外れないで欲しいのだが、少しくらい息の音が入ったからどうだと言うのだ、抑揚の無いカラオケよりはずっといい。

音を途切れさせてはならない、一度止まったら足元を見てしまい、我に返ったらもう取り戻せない、この先が正念場だった。
以前の経験から考えても、蓮の笑い顔が消えたら本格的に走り出してしまうだろう、変調やテンポアップに集中力を研ぎ澄ませ、付いて行かなければ耳のいい蓮は自らのリズムから外れると乗っている波から降りてしまう。

一曲目が終わってもインターバル無しで二曲……三曲。
まるで長い曲を奏でるように継ぎ目を作らないで演奏を続けるのは集中するのが大変だが何としても滅多に無いこの機会を逃したくなかった。

蓮を拾った時から思っていた事だが、彼は内包する音楽を感覚だけで歌う無自覚な天才だと思っていた。

「天才」などと陳腐な表現を簡単に使いたく無いがアーティスト達の盛衰を間近で見てきたから「才能」を見る目だけはあると自負している。

今「才能」とひと口に纏めたがある意味では才能のある奴なんて沢山いるものだ。
どこから取り出すのか、作る曲、出す曲全て完成度が高く、キャッチーで心に残るメロディラインを揃えて来る有名アーティストには溢れて余る程の才能があるだろう。売れている有名アーティストは誰しもが欲しがる特別なものを持っていながら、その上で日々の研鑽を怠らず、自らの音楽に向き合い、打ち込み、時には計算も入れて「商売」として成立させている。

そいつらは確かに天才と呼んでもいいのかもしれないが、蓮の持つ「天才」とは少し意味合いが違う。

蓮には作曲という概念は無いのだ。
歌詞の解釈を踏まえて歌い方を考えてもいない。
ただ単に気持ちいい音を重ねているだけで自分の音を作り出してしまう。
しかし、それは残念ながら酷く未完成で酷くわかりにくい。
だから「わかる者」のサポートが必要なのだ。
音を拾い、メロディを紡ぎ、繋ぎ合わせて更に編曲が必要だった。
つまり、神様が黒江に与えた役割は「脇役の天才」なのだ。

それでよかった。
この世で1番蓮の凄さが理解出来る耳を持っていた事に感謝しか無い。
今は4曲目、このままあと二曲こなせれば形がある物に纏める事が出来るだろう。

もつか?と日暮に目配せを送ると、「行け」と言う合図が帰って来た、打ち合わせは出来ていないから次の曲へ移行する為にドラムが無機質なリズムを叩いた。
「さあ」と5曲目のイントロに指を掛けた時だった。突然割り込んで来たマイクのハウリングに邪魔をされた。

「はい、そこまで」

マイクを通したクリスの声は楽しい宴会に冷や水を浴びせるくらい無粋で邪魔だ。

「いい所だったのに……」

思わず舌打ちが出た。
音に乗り、リズムに乗り、感情の波を自由に泳ぐようなパフォーマンスは滅多に拝めない貴重な自然現象に近いのだ。
しかも崩れそうで崩れなかったのはアルバムの収録を目指してからは初めてだったと言える。

後2曲……せめて後一曲出来たらミニアルバムくらいなら作れたのに…と、余計な同伴者を恨めしく思ったが、蓮がギリギリだったのはわかる。
ゼンマイが切れたようにペタンと座り込んだ。


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