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そしてプリン
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「野田さんですね?」
「…え?何ですか?」
「お話を聞きたいんです、お食事はお済みのようですが少しお時間を頂けますか?」
名前を呼んでいるのにも関わらず、野田は自分に声を掛けているのかを確かめているように後ろや横を見回した。
そしてオドオドと背の高い健二を見上げた。
「私に………何か」
「そんなに怯えなくても話を聞かせて貰うだけです、ついでに言えばカツアゲとかオヤジ狩りでもありません」
「こういう者です」と言って、何と健二が名刺を出した。
あったの?名刺?って驚いた。
そしてやっぱり仮で使われてるんだなってちょっと残念な気持ちになった。本当に「仮」だから名刺なんて無くて当たり前なんだけどね。
健二の名刺には「H.M.K」と「鳴瀬賢治」と書いてあるだけだ。成瀬を鳴瀬、健二を賢治と漢字を変えているのはいざという時の用心なのだと思う。
当然だと思うけど野田に突っ込まれた。
「お名前と……これは会社の名前ですか?何の情報も無い名刺に見えますが……」
「そうですね、呼び合うのに不便だから作っただけです、私はとある調査を請け負っている者です」
「はあ……調査ですか、私は職業柄ご協力出来る事はあんまり無いんですが…」
「御心配無く、極個人的な事です」
健二はにっこりと笑ったが野田が落ち着か無い気分になるのはわかる。どう見ても怪しいし、健二は背が高いから怖いと思う。
ってか、数千円握らせば「毎度」って笑いそう。
野田もそう思ったのかカツアゲじゃないと断っているのにポケットを探ってる。
健二もそれに気付いて、もう一回「話をするだけです」と断った。
話をする野田を見たのは初めてだが、遠くから伺っていた時と変わらなかった。地味で特筆すべき特徴は無く、脅しを掛けるのは簡単に見える。
しかし、野田の職業が弁護士であると思い知らされたのは、健二が赤城さんの写真をスマホに出して見せた時だった。
「この女性をご存知ですか?」と健二が聞くと「知らない」と言いきった野田は、ほんの少しの動揺も見せず、見事なポーカーフェイスを保っていた。
「本当に?」
「その女性はどなたですか?、私に何か関係が?」
「野田さん、よく見てください、一年程前からあなたが付け回している女性ですよ」
「付け回してる?どういう意味ですか?何を証拠にそんな事を仰るんです」
「今日も後を付けたでしょう、彼女が店の中に逃げ込むと、こうやって時間を潰して待ち伏せてる」
「待ち伏せとは失礼ですね、私はこの先にある場所で仕事の約束があったんです、その帰りに偶然見つけた良さそうな洋食屋で好物のハンバーグを食べていただけですよ」
「おかしいですね、彼女がお店に逃げ込んで10分程経ってから外を覗いたらあなたがまだそこにいたと証言しています」
「それは店が一杯だったから待っていたんです、何かおかしいですか?あの店は星4つの評価がある人気店ですよ」
あくまで「知らない」と言い切る野田の言い分には澱みも隙も無いように見えた。
しかし、赤城さんがこの地味顔を認識する程何回も顔を合わせているのだ、もう一方である野田が全く知らないと言うのは返って不自然だと思う。
「あの、口を挟んでもいいですか?」
「いいけど、俺の前に出るな」
何故なのか、前に出ようとすると健二の腕が押し返した。スパイごっことか王子様ごっこに浮かれていた馬鹿な健二はいなくなり、何だか険しい顔をしている。
そんなに警戒するような相手では無いと思うけど一応この道の先輩だ。一応だけどね。
健二の背中に肩を入れて続けた。
「野田さん、あなたはここ最近2度も引越しをされてますよね?」
「何故そんな事を?」
「え?」
あれ?………これ言っても良かった?
もしかして駄目だった?
野田の引っ越しは赤城さんから聞いた話だけど、何か法に触れる事があるのか?
なんせこっちは法の隙間で困っている人を助ける職業なのに法律に関する本すら一冊も無い、そして野田は法を職としている。
迂闊だったのか、このまま話を進めてもいいものか迷って健二の顔を見ると「うん」って……
実技と洞察はそれなりだけど座学は小学生って健二に同意を貰っても「よし」とはならない、でも責任を取るのはH.M.Kだ、つまり椎名だ。
だからいい。
「引っ越ししましたよね」
「しましたよ、でもそれなりの事情があります、プライベートな事なのでお話する訳にはいきませんけどね」
本当にペラペラと澱みない。
「その事情はどうでもいいんです、この写真に写っている女性は何度もあなたを見かけているそうですよ、朝の出勤や帰り道で何度もね、全く知らないと言うのは不自然では無いですか?」
「………あなた方は何が仰りたいんです、この際ハッキリと言ってくれませんか?時間がもったいない」
「わかりました、彼女はあなたにストーキングを受けているのでは……と怯えています、実の所警察にも相談しています、心当たりは?」
「それは心外です」
警察というワードを出してもなお崩れない。
野田は少し戯けたように手を広げ、驚いた振りをした。
「あくまで知らないと?」
「警察は何と?現状では判断が付かないから様子を見るとでも言われたんじゃないんですか?」
「そうですけど……」
さすが弁護士だ。
痛い所を的確に突いてくる。
このままでは劣勢なだけでは無く、反対に名誉毀損で訴えられたりする危険性も出て来た。
その時だ。
「ふざけないでください」と震える声が背中の方から聞こえた。
「赤城さん?」
「…おい」と肩を引かれ、制止と共に「名前を出すな」と健二に耳打ちをされた。
うん。失敗した。
「名前を出すな」は二回目。
野田に危険は感じ無いが健二が異様に警戒している。女子を目の前にしても崩れる事は無く、ツカツカと突進してくる赤城さんの前に入ってさり気なくガードになった。
カッコいいよ、健二さん。
でもこの展開は不味いと思う。
赤城さんはキレてるし健二が出した腕を突破しそうだ。もう前を向いている場合じゃない、野田から目を離さない健二を加勢して赤城さんを押し戻した。
「何すんのよ!」
「ここは抑えてください、お店に戻った方がいいです」
「放っておいて!あなた方の話をさっきから聞いてたら温いのよ!」
「お願いです、ここは俺達に任せてください」
「任せられないから出て来たのよ!あなたね、惚けるのはやめなさいよ!私の引っ越し先を何度も追ってきてよく言いますね」
「何の事ですか」と野田はあくまでシラを切っているがあれ?と思った。
弁護士らしい勝ち誇った口調も無駄に張った気勢も明らかに弱まって動揺が見える。
もしかして野田は健二と同種なのか?
これはチャンスと言えばチャンスなのだろうが…赤城さんからは仄かにアルコールの匂いがする、酔ってるよ。
「ビールを飲む」って言ってた赤城さんとのやり取りを健二は知らないけど、赤城さんが酔っているのはわかったらしい、顎で道路を指して「行け」と言った。
「早く彼女を連れてアパートまで送っていけ、ここは俺が引き受ける」
「わかりました、タクシーを呼びます」
どうにも治らない赤城さんの手を引こうとすると「触んな!」と振り払われた。
「おい!てめえ!!」
てめえ?
腕を組んでの仁王立ち。
「赤城さん…あの…」
「黙ってろチビ!あんた!何のつもりよ!コッソコソうろつきやがって気色悪いんだよ!言いたい事あんならはっきり言えよ!このヘタレ!」
「赤城さん?!」
赤城さんが壊れた。
いいや、壊れたと言うのは違う、これが本性だと知っていた。知っていたけど怖い。そしてチビって誰だ。
野田は勿論だが健二も驚いて……何でだよ。何してんだ健二。
野田の側に立って男2人で同じポーズを取って縮こまってる。
「赤城さん……帰りましょう」
「離せよこの万年小学生!!」
「万年小学生?!誰です?!それ?!」
「黙れってんのよチワワ!!ツヤツヤプルプルしてんじゃねえよこのプリン!」
「……プリン?」
「好きでしょう?!好きって顔してる、好きって言え!」
「すっっ!!!すすす好きなんですっっ!!!」
「……………」
今の誰の声?
俺は言ってない。
プリンなんて好きじゃないよ?
野田?
「好きなんです!一目惚れなんです!」
プリンが?
「私と!」
プリンは?
「結婚してくださいっっ!!!」
おお~っと拍手したのは何かの揉め事だと遠巻きに見ていた通行人だ。洋食屋の店からも数人が出てきて見ていた。
「えええ~~~~っっ?!」と
「えええ~~~~っっ?!」は俺と健二。
「よく言った」って言ったのは赤城さん
何だこれ?プリンは?
「……あの………」
「少し落ち着きたいのでどこかの店に入りましょう、用心の為に成瀬さんと葵さんも付いてきてください」
「はあ……」
それならば、と洋食屋さんのお店が「是非ともうちを使ってください」と招き入れてくれた。
それにしても赤城さん、突然冷静な声を出されても付いていけません。
呆然とした俺と健二は黙って赤城さんに付いていくしかない。
そして、ついでだからとハンバーグをご馳走になりながら、隣の席で話し合いをする2人を眺めるなんて予想外も予想外だ。
そしてこれも予想外、「今度」と約束したバンバーグは予想を上回る美味しさだった。
「…え?何ですか?」
「お話を聞きたいんです、お食事はお済みのようですが少しお時間を頂けますか?」
名前を呼んでいるのにも関わらず、野田は自分に声を掛けているのかを確かめているように後ろや横を見回した。
そしてオドオドと背の高い健二を見上げた。
「私に………何か」
「そんなに怯えなくても話を聞かせて貰うだけです、ついでに言えばカツアゲとかオヤジ狩りでもありません」
「こういう者です」と言って、何と健二が名刺を出した。
あったの?名刺?って驚いた。
そしてやっぱり仮で使われてるんだなってちょっと残念な気持ちになった。本当に「仮」だから名刺なんて無くて当たり前なんだけどね。
健二の名刺には「H.M.K」と「鳴瀬賢治」と書いてあるだけだ。成瀬を鳴瀬、健二を賢治と漢字を変えているのはいざという時の用心なのだと思う。
当然だと思うけど野田に突っ込まれた。
「お名前と……これは会社の名前ですか?何の情報も無い名刺に見えますが……」
「そうですね、呼び合うのに不便だから作っただけです、私はとある調査を請け負っている者です」
「はあ……調査ですか、私は職業柄ご協力出来る事はあんまり無いんですが…」
「御心配無く、極個人的な事です」
健二はにっこりと笑ったが野田が落ち着か無い気分になるのはわかる。どう見ても怪しいし、健二は背が高いから怖いと思う。
ってか、数千円握らせば「毎度」って笑いそう。
野田もそう思ったのかカツアゲじゃないと断っているのにポケットを探ってる。
健二もそれに気付いて、もう一回「話をするだけです」と断った。
話をする野田を見たのは初めてだが、遠くから伺っていた時と変わらなかった。地味で特筆すべき特徴は無く、脅しを掛けるのは簡単に見える。
しかし、野田の職業が弁護士であると思い知らされたのは、健二が赤城さんの写真をスマホに出して見せた時だった。
「この女性をご存知ですか?」と健二が聞くと「知らない」と言いきった野田は、ほんの少しの動揺も見せず、見事なポーカーフェイスを保っていた。
「本当に?」
「その女性はどなたですか?、私に何か関係が?」
「野田さん、よく見てください、一年程前からあなたが付け回している女性ですよ」
「付け回してる?どういう意味ですか?何を証拠にそんな事を仰るんです」
「今日も後を付けたでしょう、彼女が店の中に逃げ込むと、こうやって時間を潰して待ち伏せてる」
「待ち伏せとは失礼ですね、私はこの先にある場所で仕事の約束があったんです、その帰りに偶然見つけた良さそうな洋食屋で好物のハンバーグを食べていただけですよ」
「おかしいですね、彼女がお店に逃げ込んで10分程経ってから外を覗いたらあなたがまだそこにいたと証言しています」
「それは店が一杯だったから待っていたんです、何かおかしいですか?あの店は星4つの評価がある人気店ですよ」
あくまで「知らない」と言い切る野田の言い分には澱みも隙も無いように見えた。
しかし、赤城さんがこの地味顔を認識する程何回も顔を合わせているのだ、もう一方である野田が全く知らないと言うのは返って不自然だと思う。
「あの、口を挟んでもいいですか?」
「いいけど、俺の前に出るな」
何故なのか、前に出ようとすると健二の腕が押し返した。スパイごっことか王子様ごっこに浮かれていた馬鹿な健二はいなくなり、何だか険しい顔をしている。
そんなに警戒するような相手では無いと思うけど一応この道の先輩だ。一応だけどね。
健二の背中に肩を入れて続けた。
「野田さん、あなたはここ最近2度も引越しをされてますよね?」
「何故そんな事を?」
「え?」
あれ?………これ言っても良かった?
もしかして駄目だった?
野田の引っ越しは赤城さんから聞いた話だけど、何か法に触れる事があるのか?
なんせこっちは法の隙間で困っている人を助ける職業なのに法律に関する本すら一冊も無い、そして野田は法を職としている。
迂闊だったのか、このまま話を進めてもいいものか迷って健二の顔を見ると「うん」って……
実技と洞察はそれなりだけど座学は小学生って健二に同意を貰っても「よし」とはならない、でも責任を取るのはH.M.Kだ、つまり椎名だ。
だからいい。
「引っ越ししましたよね」
「しましたよ、でもそれなりの事情があります、プライベートな事なのでお話する訳にはいきませんけどね」
本当にペラペラと澱みない。
「その事情はどうでもいいんです、この写真に写っている女性は何度もあなたを見かけているそうですよ、朝の出勤や帰り道で何度もね、全く知らないと言うのは不自然では無いですか?」
「………あなた方は何が仰りたいんです、この際ハッキリと言ってくれませんか?時間がもったいない」
「わかりました、彼女はあなたにストーキングを受けているのでは……と怯えています、実の所警察にも相談しています、心当たりは?」
「それは心外です」
警察というワードを出してもなお崩れない。
野田は少し戯けたように手を広げ、驚いた振りをした。
「あくまで知らないと?」
「警察は何と?現状では判断が付かないから様子を見るとでも言われたんじゃないんですか?」
「そうですけど……」
さすが弁護士だ。
痛い所を的確に突いてくる。
このままでは劣勢なだけでは無く、反対に名誉毀損で訴えられたりする危険性も出て来た。
その時だ。
「ふざけないでください」と震える声が背中の方から聞こえた。
「赤城さん?」
「…おい」と肩を引かれ、制止と共に「名前を出すな」と健二に耳打ちをされた。
うん。失敗した。
「名前を出すな」は二回目。
野田に危険は感じ無いが健二が異様に警戒している。女子を目の前にしても崩れる事は無く、ツカツカと突進してくる赤城さんの前に入ってさり気なくガードになった。
カッコいいよ、健二さん。
でもこの展開は不味いと思う。
赤城さんはキレてるし健二が出した腕を突破しそうだ。もう前を向いている場合じゃない、野田から目を離さない健二を加勢して赤城さんを押し戻した。
「何すんのよ!」
「ここは抑えてください、お店に戻った方がいいです」
「放っておいて!あなた方の話をさっきから聞いてたら温いのよ!」
「お願いです、ここは俺達に任せてください」
「任せられないから出て来たのよ!あなたね、惚けるのはやめなさいよ!私の引っ越し先を何度も追ってきてよく言いますね」
「何の事ですか」と野田はあくまでシラを切っているがあれ?と思った。
弁護士らしい勝ち誇った口調も無駄に張った気勢も明らかに弱まって動揺が見える。
もしかして野田は健二と同種なのか?
これはチャンスと言えばチャンスなのだろうが…赤城さんからは仄かにアルコールの匂いがする、酔ってるよ。
「ビールを飲む」って言ってた赤城さんとのやり取りを健二は知らないけど、赤城さんが酔っているのはわかったらしい、顎で道路を指して「行け」と言った。
「早く彼女を連れてアパートまで送っていけ、ここは俺が引き受ける」
「わかりました、タクシーを呼びます」
どうにも治らない赤城さんの手を引こうとすると「触んな!」と振り払われた。
「おい!てめえ!!」
てめえ?
腕を組んでの仁王立ち。
「赤城さん…あの…」
「黙ってろチビ!あんた!何のつもりよ!コッソコソうろつきやがって気色悪いんだよ!言いたい事あんならはっきり言えよ!このヘタレ!」
「赤城さん?!」
赤城さんが壊れた。
いいや、壊れたと言うのは違う、これが本性だと知っていた。知っていたけど怖い。そしてチビって誰だ。
野田は勿論だが健二も驚いて……何でだよ。何してんだ健二。
野田の側に立って男2人で同じポーズを取って縮こまってる。
「赤城さん……帰りましょう」
「離せよこの万年小学生!!」
「万年小学生?!誰です?!それ?!」
「黙れってんのよチワワ!!ツヤツヤプルプルしてんじゃねえよこのプリン!」
「……プリン?」
「好きでしょう?!好きって顔してる、好きって言え!」
「すっっ!!!すすす好きなんですっっ!!!」
「……………」
今の誰の声?
俺は言ってない。
プリンなんて好きじゃないよ?
野田?
「好きなんです!一目惚れなんです!」
プリンが?
「私と!」
プリンは?
「結婚してくださいっっ!!!」
おお~っと拍手したのは何かの揉め事だと遠巻きに見ていた通行人だ。洋食屋の店からも数人が出てきて見ていた。
「えええ~~~~っっ?!」と
「えええ~~~~っっ?!」は俺と健二。
「よく言った」って言ったのは赤城さん
何だこれ?プリンは?
「……あの………」
「少し落ち着きたいのでどこかの店に入りましょう、用心の為に成瀬さんと葵さんも付いてきてください」
「はあ……」
それならば、と洋食屋さんのお店が「是非ともうちを使ってください」と招き入れてくれた。
それにしても赤城さん、突然冷静な声を出されても付いていけません。
呆然とした俺と健二は黙って赤城さんに付いていくしかない。
そして、ついでだからとハンバーグをご馳走になりながら、隣の席で話し合いをする2人を眺めるなんて予想外も予想外だ。
そしてこれも予想外、「今度」と約束したバンバーグは予想を上回る美味しさだった。
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