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勝手にドアマン
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天井まであるガラスの壁面、縁が見えなくて壁と一体化したような不思議なドアをくぐると、まず目に入ったのは天井でクルクルと回っている大きなプロペラだ。
白と銀を基調にしたスクエアな印象の調度品は手を置いたら切れてしまいそうに思える。
客席と入り口を分けるように伸びたカウンターには輪切りのフルーツプカプカと浮かんでいるでっかいガラスのタンクがあった。
中身はジュースかなって思ったけど、腰にお洒落なエプロンを巻いたお姉さんがコップに注いでお手拭きと一緒に持って行くから最初に出て来るお水なんだとわかった。
店内はサワサワと品のいい会話が漂っている。
いい匂いのするパスタを上品な手付きで食べるOLはみんなきちんとお化粧をしていた。
「タン塩ふた皿!」って叫ぶ人は誰もいない。
昭和っぽい建物の中で頬を膨らませて焼肉を食う俺達から見れば別世界だ。
居心地が悪くて居竦んでキョロキョロしていると、赤城さんが振り返ってこっちを見ている事に気が付いた。
「あの……さっきは……」
「今更ですけど法律ではどうしようもない困った事を解決します……の方ですよね?」
「あ……はい、すいません」
何故謝るのかって、謝るしかないからだ。
そして事務所の名前が違う。
「ヘルメットは脱いだ方がいいですよ」
「あ……そうか、そうですよね、すいません」
健二の馬鹿じゃ無いから赤城さんに対してあがったりはしないけど、あまりにも場違いで慌てていた、急いでヘルメットを脱いで始めて気が付いたけど、左側の側面にビックリするぐらいの傷が付いてる。
それってつまりバイクでコケて滑ってる時にアスファルトが削ったって事だ。
一つ間違えれば危うく大怪我だった。
健二がカウンターの練習をしたのは赤城さんにカッコいい所を見せるつもりだったのだ。
最初からそのつもりだったのだ。
本当に大馬鹿。
そしてその馬鹿は今、昼食に訪れるOL達に「レディファーストごっこ」をしている。
ガラスのドアを開けては「どうぞ」って……馬鹿
昼休みの時間だから客の出入りが途切れなくてこっちに来ない。どうせ邪魔だから丁度いいけどね。
迎えに出て来た店員さんに「2人です」と伝えて席に座った。
「あの、葵ってお名前ですよね、苗字を伺ってないんですがどうお呼びすればいいですか?」
「苗字は無いので葵でいいです」
「………無いんですか?」
「無いんです」
父が死んだ今、フルネームを名乗る気はない、金輪際無い、一生無い。
赤城さんはとても気の利く女性なのだろう、少し困ったような顔をしたが、「そう」と軽く受け流してメニューを渡してくれた。
「色々すいません、ここのお支払いは任せて頂いて結構なのでお好きな物を頼んでください」
「そうさせて頂きます、私はランチを取らせて貰うけど葵さんは何か食べますか?」
「いえ、僕は飲み物だけで結構です、赤城さんはご遠慮なくどうぞ」
実はメニューをチラリと見てビビっていた。
赤城さんが頼んだメニューは和風パスタ。
1600円?サラダ付きって言われても写真に乗ってるパスタは健二なら3口で食べ終わる量しか無いように見える。
コーヒーを頼んで健二の分は無しでいい。
いないものとする。
そしてさっさと用を済ましてさっさと帰る。
練りに練った報告書を赤城さんの前に出した。
「食事が来る前にこれをお渡ししておきます、中身は中間報告書なんですが、昼休みに時間を頂いているので詳しく読むのは仕事が終わってからにしてください、調査の概要は今から説明します」
「わかりました、これは預かってもいいんですね?」
「はい、まずは赤城さんにストーキングをしていると思われる男は野田正樹という名前の弁護士です」
「野田……正樹…」
「はい、赤城さんが今のアパートに引っ越しされてからも頻繁に顔を合わしたりしてますか?」
「頻繁って程でも無いんですけど……たまに……」
「ええ、先週と……他にも何回かコンビニの前で会ってましたよね、それはこちらでも確認しています、しかし見た所では野田の行動に怪しい所は無いんですよ、今の住まいを決めたのも赤城さんより先に決めてました」
「でも……」
不信と不満と文句が赤城さんの口から出そうになったタイミングでコーヒーが来た。
続きを言わせたら「もういい」って仕事をキャセルされそうなので捕足する。
「ご心配無く、野田が無実で全部が偶然だとは結論付けたりはしてません、野田のアパートは立地もそうですけど、推測される収入から見ても不自然です、引き続き任せて頂ければ赤城さんの心配は必ず解決しますのでご安心ください」
嘘だけど。
知らないけど。
仕事だから仕方ない。
「よろしくお願いします」と無理矢理な感じで言わせてから健二がこっちに来る前にさっさと席を立った。
コーヒーは飲んで無いけど健二の邪魔が入るよりマシだ。
健二は……勝手にドアマンをまだやってる。
普通にしてたらその方がかっこいいのにほんと馬鹿。
「健二さん、帰りますよ」
「え?!話は?赤城さんは?」
「もう終わりました、赤城さんのお友達も待っていらっしゃるようなので俺達が長居すると迷惑でしょう」
「そんな……」
そんなもこんなも無い、何もさせないし何も言わせない、もう友達と合流して高級パスタを食べてる赤城さんの方を伸び上がって見ている健二を放っておいて、お金を払ってから外に出た。
健二はブツブツと文句言いながらも付いてきた。
「カッコよかったかどうか聞こうと思ってたのに……」
「カッコいい訳ないでしょ、失敗したし転んだし、知り合いだと思われたくないと思いますよ、まあ細かい事は後で報告します」
子供のように下唇を突き出す健二に「じゃあ事務所で」と言って、キッチリと頭を下げると、「どこ行くんだ?」って。
わからない方が不思議だ。
「帰るんですよ、電車でね」
もう健二の後ろに乗るつもりは無い。
オフロードバイクと馬鹿健二が怖い。
店の中には赤城さんとか、その他にも健二が苦手《大好き》な若い女子が山程いるのだ。
そして店は全面ガラス張り、おもちゃのように手の中でバイクを振り回す技はまだ他にもある。前輪を持ち上げるウィリーとか、アクセルターンとか、いかにもやりたがりそうだ。
「何でだよ」
「わからない方がむしろ不思議です」
「これは仕事だぞ?今日か明日か明後日かにはまた夜に出かけるぞ?葵は俺1人にやらせるつもりか?」
「それはまた別の話でしょう」
夜の町にいるのはゴリラと愉快な仲間達だ。
女子はいないし、そもそも誰かに見られたら困るんだから、わざわざ意味も無くカッコつけたり派手な行動は取れない……
と……信じたいけど今ん所はそれも保留。
口喧嘩している間に健二がヘルメットを被って、それに釣られてヘルメットを被って、健二がどれだけ馬鹿かわかって欲しいから馬鹿馬鹿言っているうちに何だかもう健二の運転するバイクの後ろに乗る事が自然になってる。
死ねと言いつつ後ろに座って健二の肩につかまった。
一体何をしているんだか……気が付いたらバイクの後ろに乗って事務所に帰ってた。
健二に慣れ過ぎてる。
一緒にいる時間が長過ぎる。
仕事の時は仕方ないけどそれ以外の時間は縛られてない。起きる時間も寝る時間も一緒、今朝なんか2人で朝ご飯を買いに行った。
朝飯なんかそれぞれで買ってそれぞれが勝手に食えばいいのに一体何をしてるんだか……
どうしても腑に落ちないまま事務所の急な階段を上がると椎名が「おかえり」とドアを開けてくれた。
白と銀を基調にしたスクエアな印象の調度品は手を置いたら切れてしまいそうに思える。
客席と入り口を分けるように伸びたカウンターには輪切りのフルーツプカプカと浮かんでいるでっかいガラスのタンクがあった。
中身はジュースかなって思ったけど、腰にお洒落なエプロンを巻いたお姉さんがコップに注いでお手拭きと一緒に持って行くから最初に出て来るお水なんだとわかった。
店内はサワサワと品のいい会話が漂っている。
いい匂いのするパスタを上品な手付きで食べるOLはみんなきちんとお化粧をしていた。
「タン塩ふた皿!」って叫ぶ人は誰もいない。
昭和っぽい建物の中で頬を膨らませて焼肉を食う俺達から見れば別世界だ。
居心地が悪くて居竦んでキョロキョロしていると、赤城さんが振り返ってこっちを見ている事に気が付いた。
「あの……さっきは……」
「今更ですけど法律ではどうしようもない困った事を解決します……の方ですよね?」
「あ……はい、すいません」
何故謝るのかって、謝るしかないからだ。
そして事務所の名前が違う。
「ヘルメットは脱いだ方がいいですよ」
「あ……そうか、そうですよね、すいません」
健二の馬鹿じゃ無いから赤城さんに対してあがったりはしないけど、あまりにも場違いで慌てていた、急いでヘルメットを脱いで始めて気が付いたけど、左側の側面にビックリするぐらいの傷が付いてる。
それってつまりバイクでコケて滑ってる時にアスファルトが削ったって事だ。
一つ間違えれば危うく大怪我だった。
健二がカウンターの練習をしたのは赤城さんにカッコいい所を見せるつもりだったのだ。
最初からそのつもりだったのだ。
本当に大馬鹿。
そしてその馬鹿は今、昼食に訪れるOL達に「レディファーストごっこ」をしている。
ガラスのドアを開けては「どうぞ」って……馬鹿
昼休みの時間だから客の出入りが途切れなくてこっちに来ない。どうせ邪魔だから丁度いいけどね。
迎えに出て来た店員さんに「2人です」と伝えて席に座った。
「あの、葵ってお名前ですよね、苗字を伺ってないんですがどうお呼びすればいいですか?」
「苗字は無いので葵でいいです」
「………無いんですか?」
「無いんです」
父が死んだ今、フルネームを名乗る気はない、金輪際無い、一生無い。
赤城さんはとても気の利く女性なのだろう、少し困ったような顔をしたが、「そう」と軽く受け流してメニューを渡してくれた。
「色々すいません、ここのお支払いは任せて頂いて結構なのでお好きな物を頼んでください」
「そうさせて頂きます、私はランチを取らせて貰うけど葵さんは何か食べますか?」
「いえ、僕は飲み物だけで結構です、赤城さんはご遠慮なくどうぞ」
実はメニューをチラリと見てビビっていた。
赤城さんが頼んだメニューは和風パスタ。
1600円?サラダ付きって言われても写真に乗ってるパスタは健二なら3口で食べ終わる量しか無いように見える。
コーヒーを頼んで健二の分は無しでいい。
いないものとする。
そしてさっさと用を済ましてさっさと帰る。
練りに練った報告書を赤城さんの前に出した。
「食事が来る前にこれをお渡ししておきます、中身は中間報告書なんですが、昼休みに時間を頂いているので詳しく読むのは仕事が終わってからにしてください、調査の概要は今から説明します」
「わかりました、これは預かってもいいんですね?」
「はい、まずは赤城さんにストーキングをしていると思われる男は野田正樹という名前の弁護士です」
「野田……正樹…」
「はい、赤城さんが今のアパートに引っ越しされてからも頻繁に顔を合わしたりしてますか?」
「頻繁って程でも無いんですけど……たまに……」
「ええ、先週と……他にも何回かコンビニの前で会ってましたよね、それはこちらでも確認しています、しかし見た所では野田の行動に怪しい所は無いんですよ、今の住まいを決めたのも赤城さんより先に決めてました」
「でも……」
不信と不満と文句が赤城さんの口から出そうになったタイミングでコーヒーが来た。
続きを言わせたら「もういい」って仕事をキャセルされそうなので捕足する。
「ご心配無く、野田が無実で全部が偶然だとは結論付けたりはしてません、野田のアパートは立地もそうですけど、推測される収入から見ても不自然です、引き続き任せて頂ければ赤城さんの心配は必ず解決しますのでご安心ください」
嘘だけど。
知らないけど。
仕事だから仕方ない。
「よろしくお願いします」と無理矢理な感じで言わせてから健二がこっちに来る前にさっさと席を立った。
コーヒーは飲んで無いけど健二の邪魔が入るよりマシだ。
健二は……勝手にドアマンをまだやってる。
普通にしてたらその方がかっこいいのにほんと馬鹿。
「健二さん、帰りますよ」
「え?!話は?赤城さんは?」
「もう終わりました、赤城さんのお友達も待っていらっしゃるようなので俺達が長居すると迷惑でしょう」
「そんな……」
そんなもこんなも無い、何もさせないし何も言わせない、もう友達と合流して高級パスタを食べてる赤城さんの方を伸び上がって見ている健二を放っておいて、お金を払ってから外に出た。
健二はブツブツと文句言いながらも付いてきた。
「カッコよかったかどうか聞こうと思ってたのに……」
「カッコいい訳ないでしょ、失敗したし転んだし、知り合いだと思われたくないと思いますよ、まあ細かい事は後で報告します」
子供のように下唇を突き出す健二に「じゃあ事務所で」と言って、キッチリと頭を下げると、「どこ行くんだ?」って。
わからない方が不思議だ。
「帰るんですよ、電車でね」
もう健二の後ろに乗るつもりは無い。
オフロードバイクと馬鹿健二が怖い。
店の中には赤城さんとか、その他にも健二が苦手《大好き》な若い女子が山程いるのだ。
そして店は全面ガラス張り、おもちゃのように手の中でバイクを振り回す技はまだ他にもある。前輪を持ち上げるウィリーとか、アクセルターンとか、いかにもやりたがりそうだ。
「何でだよ」
「わからない方がむしろ不思議です」
「これは仕事だぞ?今日か明日か明後日かにはまた夜に出かけるぞ?葵は俺1人にやらせるつもりか?」
「それはまた別の話でしょう」
夜の町にいるのはゴリラと愉快な仲間達だ。
女子はいないし、そもそも誰かに見られたら困るんだから、わざわざ意味も無くカッコつけたり派手な行動は取れない……
と……信じたいけど今ん所はそれも保留。
口喧嘩している間に健二がヘルメットを被って、それに釣られてヘルメットを被って、健二がどれだけ馬鹿かわかって欲しいから馬鹿馬鹿言っているうちに何だかもう健二の運転するバイクの後ろに乗る事が自然になってる。
死ねと言いつつ後ろに座って健二の肩につかまった。
一体何をしているんだか……気が付いたらバイクの後ろに乗って事務所に帰ってた。
健二に慣れ過ぎてる。
一緒にいる時間が長過ぎる。
仕事の時は仕方ないけどそれ以外の時間は縛られてない。起きる時間も寝る時間も一緒、今朝なんか2人で朝ご飯を買いに行った。
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