あんたの首が好きだ── 水嶋さん2

ろくろくろく

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エピソード3

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佐倉と別れた後、アパートに帰り着く直前だった。着いていたと言ってもいい、もう階段に足をかけているくらい。
この所の水嶋は新しいプラント建設の関係で完全に別行動を取っていたのだが、「今すぐ来い」と連絡が入った。
酒を飲んだと言ってもお構い無しだ。

時間はまだ8時にもなっていないからいいけど。いつもの事だからいいけど、呼び出された場所が良くなかった。
五時ぴったりに機械が止まる筈の工場に今すぐ来いって言われたら嫌な予感しか無い。
この所頻発の「嫌な予感No.2だ」
「泥酔してます」と嘘を付いたが水嶋の答えは「吐いて水飲んで這ってでも来い」だ。
来いと言うなら行くけど、例え経費で落ちようとも早く着いてしまうタクシーは嫌だから電車に乗った。


呼び出されたのは奥田が持っている工場の4つのうちの一つだ。そんなに遠くはないが、歩いて行ける範囲は元より、結構な広さで商業用の土地しかない為、沿線の中で住宅の賃貸料がダントツに安い場所にある。
駅に降り立つと、工場が多い為かもう閑散として真夜中みたいだった。

来るよ。
たった3年(目)だけど、奥田イズムが身に染みついて、「来い」って言われれば来るしか選択肢が無くなってる。

もうそこは諦めたけど、そんなもんだって思ってるけど………嫌な予感が違う意味で倍増した。
見えるのだ。
少し歩く筈の奥田が駅のホームから見える。煌々と照りだすサーチライトのような物がタンクや煙突を照らしている。

何かあったのだ。
納品が間に合わないから搬送を手伝えとか、倉庫の整理が終わらないから徹夜で作業だとか、「通常」の業務で呼び出されたのでは無い。

普通なら逃げるけど、もしかしたら水嶋に何かあったのではと、自然と走っていた。
そして、工場まで来てみると、「すぐ来い」と呼び出されたトラブルは考えていたよりももっと大事になっていた。

救急車に消防車、警察の車両まで揃っている。

実はこの工場は水嶋が関わるプラントが新たに建設される場所でもある。
何故、営業である筈の水嶋がそこまで関係しているのかを言えば、それは勿論水嶋が取ってきた仕事だからだ。

コンマミクロンの汚れも許されない精密機器の洗浄には、フッ化水素という水溶液が必要になるのだが、ほんの少しでも皮膚に付けば、あっという間に腐食してしまい大火傷を負う大変危険な物だ。フッ化水素の製造を日本の企業が大きなシェアを持っているのだが、その訳は、取り扱いが非常に難しく、施設の整備より買った方が安いからに他ならない。

そんな事業に奥田製薬が乗り出すのは異例だが、水嶋は水嶋らしく水嶋っぽい事をしていた。

今や半導体の製造はほぼ海外に独占されているのだが、開発段階で必要なフッ酸を小口で、高価に売り付けようと言う魂胆で、購入したフッ酸を貯蔵する施設を作ろうとしている…らしい。よく知らない。

言っておくが、水嶋は第二営業部なのだ。
第二営業部とは食品に特化されている、何をやってんだと思うけどそれが水嶋なのだ。
売り上げがあるとみたら止まってはくれない。

そしたらこの有様だ、何か重大な事故が起きた事はわかるが、事情を聞ける人がいない。みんな忙しそうで、みんな何かをしている。
まさか、本当に水嶋に何かあったのではと気が急いた。
とにかく、事故現場に行けば何かわかるだろうと走って行くと「そうだろうな」しか出て来なかった。

丸い、でっかいタンクの中程で水嶋が誰かに怒鳴っていた。ちょっと宙に浮いているようにも見えて目を擦ると、丸いタンクには細い階段が巻き付いている。
小さく(小さく見えるだけ)口を開けた場所に踊り場があるようで、そこに立っていたのだ。

「あの、何があったんですか?」

問題のタンクから少し離れた場所に止まっていた消防車の影で、身を隠すように煙草を吸っていた作業服を着た男に話しかけると、何があったかを教えてれた。

事の起こりは卸した製品に異物が混入していたとクレームが入った事だ。
異物を解析するとそれは金属の錆だとわかり、使用した施設を全部点検する事になった。
原料が入ったタンクもその一つだ。

中身を抜いてタンクの中を調査する作業が始まったのだが、勇足でタンクに入った作業員が何らかのガスを吸って昏倒した。

「え?亡くなったんですか?」
「いや、何か牛乳飲ませたら目を開けたらしいぞ、知らんけど多分生きとるんちゃう?」

知らんけどって……大阪人……。
あんまりにも嘘くさいので、揶揄われている物だと思い込んでいたらそれは違った。

多くの化学薬品や工作機器を揃える工場地帯にある診療所のお爺さんは大病院の救急よりも特殊な地域の医療に長けていると言う。そのお爺さんが呼び出されてすぐにした事が牛乳を飲ませるっていう怪しい応急処置だったらしい。

「牛乳って?何か特別な効用でもあるんですか?」
「指が落ちるやん?」
「いえ、落ちないと思います」

「………あんた関西か?」
「違います」
「まあええわ、んなもん機械にはさまれたら指でも首でも落ちるやん、綺麗に落ちたら継げる事もある」

わかったか?と聞かれてもわかる訳ない。
「その診療所のお爺さんは首が落ちても繋げてくれると?」
「爺さんは繋げへんぞ?そこはちゃんとした病院がやるんやけどな、爺さんが牛乳に漬けとけって言うから漬けといたらくっついてん」
「首が?!」

「ちゃうわアホ」って見せてくれたのは歪に曲がった人差し指だ。お前の話かよって思ったけど、その人の話では牛乳は生理食塩水とほぼ同じ役目を果たすと言う。欠損部位の速やかな保存があったから非常に良い状態のまま手術を受ける事が出来たらしい。

「あんたも指とか首とか落ちたらそうしいや」って笑われてもそんな機会は無いと思いたいが、事故の初期段階での適切な処置が無ければ諦めねばならなかった指は一部神経は死んでいるらしいがちゃんと動いている。

「で?今回はどこの部位を牛乳に漬けたんですか?ガスの中毒と聞いたんですけど?胃ですか?胃が機械に挟まって落ちたって事でいいですか?」
「よお知らんけど、救急車より早く来た爺さんが牛乳飲ましたら目を覚ましてん言うたやろ、牛乳は胃で固まるからな、何かあったんやろ、知らんわ」

胃が落ちた…はあっさりと無視だ。
「本社は呑気でええなー」と笑うけど、職種の違いは置いといて呑気はどっちだと思う。
工場の人の話はちょっと面白くて、ちょっとサボってもいい気分になっていた。
……ってか。
ここで本社の営業に何ができると言うのだ。
煙草を一本貰って少し話し込んでいるとちょっと信じられない事になっているとわかった。

水嶋だ。
のんびりと煙を吐いている場合じゃない。

水嶋は朝1番に異物混入の連絡を受けて工場に飛んできた。そして、そこは水嶋だから当然のように原因の究明とクレーム分の追加納入を要求した。

タンクの中身チームと洗浄チームに分けたのも水嶋で、急がせたせいで事故が起きたからと、ガスを抜いた今、「俺が見てくる」と言ってタンクに上がっているって……。

「はあ?!それを!もっと早く言ってください!先に言ってください!」

冗談じゃ無い。
タンクの中に入った人は一言も発せず、苦しそうな様子もなく、何の前触れも無く突然崩れ落ちたのだと言う。そうなのだ。よくある一酸化炭素中毒も「混ぜるな危険」の塩素ガスもたったひと吸いで命を奪う。
繋いでいた命綱を手繰り寄せた時には呼吸もなく、心臓も動いてなかったと聞いた。

「ガスを抜いた?!ちゃんと抜けてるって誰にわかる?!」

自分の仕事で、営業で死力を尽くすのはいい。しかし専門家が必要な仕事なのに何をやってるんだとしか言いようが無い。

わかってる。
水嶋は早く仕事を進めたいだけなのだとわかってる、早く代替納品をしたいだけなのだ。
もし、代わりがいないなら、他に誰もいないなら水嶋の代わりには若手が入ればいい、それは誰かって言えばもう俺しかいないけど……。

「いるじゃん!他にいっぱいいるじゃん!!」

よくわかっていない本社の素人なんかより、工場の人、その中の担当者、その下に付く部下一同、消防士だっている。
そして今、一番適役だと思える消防士が何もしないのは、関係ないから、仕事じゃないから、今タンクに入る必要なんてないからだ。

タンクに沿った階段の登り口には沢山の人が溜まっている。工場の関係者、本社で見かけた顔もいるから多分偉い人だ、その他は救急隊員、レスキュー隊員、警察官、この事故は業務上過失障害、下手したら過失致死の事件なのだから当然だけど、水嶋にすればそんな事どうでもいいのだ。

やけにガタイのいい奴らを押し除けて、嘘みたいに頼りなく細く急な鉄製の階段に足を掛けると、「待て!」と手を引かれ、投げるように引き倒された。

「何するんですか!止めないと!あの人馬鹿だから力ずくで止めないと!」
「この梯子は3人までだ!!」

梯子って言っちゃったよ。
見る限る非常階段と言える程じゃないけど、梯子って言われると「3人まで」が本当なのだとわかった。

「3人以上梯子に乗るとどうなるんですか?」
「知らんわ」
「今!タンクが原因かなんて調べなくていいでしょう、それにやるなら専門家がやるべきです!」
「そんな事はわかってるから俺らかて止めてるんや!そやけど今週いっぱい掛かるってあいつに言うたら俺がやるからって聞かへんねん!」

「何でもいいから取り敢えず立て」と肘の辺りを引いてくれた人は、作業着の下にシャツとネクタイ、「第3工場 工場長 山本」と書いた名札が付いていた。
工場長ってことは恐らくだけど奥田製薬の取締役の1人って事で、この事故の責任者でもあり下手をしたら刑事責任まで負わなければならない立場の人だ。
それにしても工場は関西弁が普通らしい。

「水嶋さんを止めてください、力づくでいいから止めてください、今すぐ!じゃなきゃ階段を登ります」
「ええけど」

ええんかい。なら止めるな。

「ラインのどこから異物が混入したかはまだわかってないんですよね?」
「ああ、製造段階で使った機械を今朝からバラして点検している途中だ。梱包前の金属探知機が反応しなかったって事はそんな大掛かりな欠損は無いやろう、パッと見て大きな欠損や錆が見付かるとは思えんから異物の原因を調べてラインを通常稼働するには少なくとも1週間は掛かると思った方がいいだろう」
「クレームの代替えする在庫は無いんですか?」
「あるけど、それも一回ふるいに掛けてチェックが必要だろう」

「………」

つまり、そう言うことだ。
「早く来い、今すぐ来い」と呼び出された理由はとにかく手がいるから、人海戦術だから。

上を見上げると、どうやら水嶋はタンク内部の探検には行かせてもらえないようだ。………当たり前だけど。

それならいい。
それならここで頑張るのは、頑張らなければならない人がやればいい。コッソリ逃げてやろうかな…と思った時だった。(言っておくが思っただけだ)「江越っ!」と苛付き丸出しの怒鳴り声が落ちて来た。

サッと工場長の影に隠れたけど、スケスケの階段《はしご》のほぼ真上から見てるんだから見えるよな。仕方なく「はい」と返事をすると、水嶋の指示はやはり「濾過している倉庫に行ってチェック済みの分を出来た順に納品しろ」って事だ。

「徹夜だな」と思わず呟くと、「徹夜やな」と何だか楽しそうな工場長。

「それから!」と続いた第二波が落ちて来そうな雰囲気に、足元にあった小石でも投げてやろうかと思ったけど………

何故だろう、事態を把握出来なくて傍観した。

本当にゆっくりだったのだ。

運送部に所属するつぶらな瞳の犬系マッチョなら軽いチョップ一回で折れてしまいそう……そんな棒状でなけなしの柵から、かぶり付くように身を乗り出していた水嶋が、ゆっくりと、ゆっくりと傾いていく。
ワッと上がった声は何故か遠く、まるでスローモーション編集をした画像を見ているようだった。

巨大なボール型のタンクは遠近感を狂わす。
梯子の途中に付いてる足場は人が2人乗ればやっとだ。見上げている場所から手を伸ばせば、足場ごと掴んで口に入ってしまいそうなくらい小さく見える。つまり視認しているよりもずっと高い。

その場所から、傾いていた水嶋の体がポロンと漏れた。

「水嶋さんっ?!!」

ヒラヒラと舞い落ちて来る水嶋

「それ字面《じづら》がおかしい!!」

ヒラヒラと舞い落ちて来るのは雪だったり花びらだったり枯れ葉だったりしなければならない、生身の体であってはならないのだ。

やはりガスが残っていたかのか、水嶋には意識が無いようだった。腕を振り回したり、何かに捕まろうとする防御反射が何も無いのだ、正に棒っキレのように無機質に落ちてくる。しかも頭からだ。
落ちたら……もう落ちてるけど……頭からだろうが足からだろうが、落ちたら無事で済む高さじゃない。

V=√2ghとかF=(mv)/tとか物理の数式が浮かんでくるけど計算をする暇は無い。とにかく大人1人がある程度の高さから落ちてくる衝撃は人が受け止められる重量じゃ無いのだ。
それなのに、そこにいた全員が腕を広げ、落ちて来る水嶋を受け止めようとしている。
漫画や映画では無いのだ、落ちて来る水嶋の体は何も無かったように差し出された腕を粉砕してコンクリートに激突する。だからもうこれしか無い。

落下点に向かってジャンプした。

ザアッと腹を削る地面は砂の多い粗雑なコンクリートだ。
多分死ぬから、なんて思いながらもスーツが擦れて破れる音に舌打ちをした。「あっっ!」と、大勢の悲鳴が聞こえたけど俺は何故か笑ってたと思う。

「………」



最後の肉布団……のつもりだったのに何も起こらない。随分と時間が掛かっているように感じるけど、嘘みたいにいっぱい喋ってたけど(心の中で)、咄嗟のスライディングをしてからまだ0.5秒くらいしか経って無かったんだと思う。

何が起こっているのか上を見上げると、そこにいた全員の視線は宙にあった。
そしてまたもや目が変になったかと思った。

水嶋の体がまるでバウンドしたように重力に逆らう形で浮いている。
しかも、まだスローモーションだ。

どうやら命綱に繋がっていたらしいが、正にバンジー状態のまま反動で浮き上がり、また落ちて来た。そして繋がっていた紐が切れたか外れたらしい、予測した落下点を大きく外れた水嶋の体は、ライトが照らして無い場所に落ちてボスンっ!とくぐもった音がした。

勿論すぐに見に行こうとしたけど。
何なのだろう、これは何なのか、突然神様が現れて「ドッキリでした~」とでもいいそうな感じで目の前がキラキラ光ってる。正確にいうとキラキラした何かが降って来るのだ。

「何だこれ…」

まさか、これが世に言うお迎えなのか?
この後スポットライトが射して羽根のついた天使でも舞い降りて来るのか?
水嶋がどうなったのか、もし死んでたら奥田を辞めて頭を丸めて山に篭るか、放浪に旅立つか、この際だから一緒に逝ってやろうかと考えながら、集まった人達から一歩遅れて水嶋の消えた場所まで行こうとした、そしたら本当に何なのだ。
「息を吸うな!」と怒られた。

そこで俺は考えた。
自ら息を止めていたら死ぬるのかと……。
もしかして頑張って死ねと応援された?

「そんな難しい死に方出来ません!」

「アホ!キラキラしてんのはグラスファイバーのカスや!あんまり吸い込むとエラいことになるぞ!あいつは建築資材の上に落ちたんや!鼻も口も目も塞いで取り敢えず退避しろ!」
「嫌です!」

死ぬ覚悟をしているのだから多少の健康被害なんてどうでもよかった。「やめろ」と怒鳴っているのが工場長の声だとわかっているが、向きを変えたライトが照らす大きな茶色の包みに駆け寄ると、完全防備にシフトしたレスキュー隊員が意識の無い水嶋を掘り起こした所だった。

「牛乳!」と思わず叫んだのは仕方が無いと思う。
「お腹が空いたのなら家に帰れ!」は、またもや工場長だ。いつも常備しているのか、透明なゴーグルをしてタオルで口を覆っている。
酷く緊迫した状況なのに、もしかしたら責任者として逮捕されるかもしれないのに、「給食は無いぞ」と気の利いたおふざけを入れて来る所はやっぱり大阪人だなって笑えるけど、ほんの数秒差で水嶋を失いたくは無い。
だからこそ、今!すぐに!この酷く怪しい情報を伝えなければならない。

「違います!中毒なら!ガスを吸ったのなら牛乳です、何でか知らないけど、本当じゃ無いかもしれないけど牛乳なんです!」
「落ち着け!ガスは無い、ガスのせいじゃ無い筈だ」
「でも牛乳なんです!森永でも明治でも生協でもいいけど、ガスには牛乳なんです!タンクの中にガスはもう無いなんてまだ誰も調べてないでしょう!牛乳!」

牛乳牛乳うるせえ!ってまた怒られたけど、タンクの外にいて中毒になるならあそこにいた全員やられてるって冷静な意見も添えられた。

「ガスでなければ……」

そこでハッとした。

水嶋は金曜日の夜に黒子の前橋から逃げて呑み潰れていた。土曜日は朝からちょっと酸っぱくなった後、佐倉に付き合い、その夜はスーツごとびしょ濡れになった。
一緒に過ごした日曜日に薬を飲んだ様子は無い。
そして今日は家に帰らずにアパートから直接出勤して………会社に行ってからなのか、その前なのか、クレーム処理に走り回っている。

予備で持っていた薬は濡れて駄目になっていたのかもしれない、仕事を優先するあまり何度も機会を逃していたのだとしたら?
丸4日間薬を飲んで無い事になる。

そうなると、半分は俺が悪いけど、半分以上俺が悪いけど水嶋も水嶋だ。何故自分の体を後回しにするのだ。

屈強なレスキュー隊員に抱きかかえられ、グラスファイバーの中から助け出された水嶋はダランと垂れた首がグラグラと揺れている。
そしてキラキラしてる。
キラキラしているのは命の滴が見えている訳ではないが、ぱっと見だが大きな怪我は無い様に見えた。

「呼吸、脈拍は正常」と聞こえたから取り敢えずはホッとしたけど、意思の無い手足をおもちゃのように揺らし、担架で運ばれていく水嶋の姿は、いつもより細く、いつもより小さく、いつもより護るべき子供に見えた。
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