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どうしてこうなった?

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大地と歴史に激震が走る大変な天変地異が起こった。

これは……どこでどうなったのか身に覚えは無いけど、若干二十歳で死んでしまったと思われる俺への神様からのプレゼントなのだと思う。
今いる黄泉の国が現実と同じだったのはこの為だったのだと納得できた。だって、彼女いない歴が歳の数、ファーストキスも未体験な童貞に、「どんな思い残し」があるかどうかなんて聞かなくてもわかるだろう。

因みにだが、この新たな天国の変な所は半端ない。ちょっと忙しくて、ちょっと家の中がゴタついて、ちょっとお金が無かったから(だって食料が2人分)携帯料金の支払いを延期(あくまで延期)していたら止められた。
この世界は携帯が当たり前に使えるって事には慣れてたけど、全く変なあの世だと思う。

しかしこれはいつになく重大な事態となって俺を困らせている。今程携帯の通信機能が必要且つ不可欠だった事は未だかつて無い。

何があったって。

大学の講義終わりに見知らぬ女の子に声をかけられいきなり告られたのだ。どこで会ったのか、いつ俺と会ったのかまるで知らないけど、そんな事はどうでもいい。

名前は美穂ちゃん。

ヒラヒラと風に靡くミニスカートはピンクで花柄。七分丈の袖の先は共布がヒラヒラと揺れるガーリーな服装。カールした長めの髪にはピンクの束が混ざっているとても可愛い女の子だ。妙にサバサバとした「付き合ってください」には驚いたけど、文句があろう筈が無い。
「俺で良ければ」と飛び付いた。

人生一気に上向き。
楽しくて嬉しくて大好きで、ドリカムの一説が口をつく程浮かれてアパートに帰った。

勿論部屋の中には遥果がいるけど、そんな事を言ったりはしない。普段通り、普通の顔で「ただいま」と笑った。

……何で笑ったんだと…自分でも馬鹿だなぁと思うけど、お尻がフワフワしてるからここはしょうがない。
散らかった部屋にはいつもムカつくけど今日は気にならない。油断すると広角が上がるから、なるべく遥果の顔は見ずに黙々とご飯を食べて黙々と風呂掃除をしたりした。
そして、いつも「今日は何をした、何があった」と聞いてくる遥果もこの日に限って何も言わない。

これは、正に神様からのプレゼントだ。
そう言えば誕生日が近いのだ。
つまり誕生日になればうふふであははないい事があるってもいい筈だ。

ご飯を食べて風呂に入ったらもう結構な夜中になる訳だが、遥果がチューしてくるのは毎日だ。
コスコスと下半身を触ってくるのは5日に3度くらい、そしてもっと奥を触るのはその3度の中の2回。乗っかってくるのはその2度のうちの一回。

つまり5日に一度は「アレ」をやっちゃったりしている訳だが、実の所、俺は「アレ」をセックスとは認めてない。ついでに言えば遥果とのチューも最早キスにはカウントしてない。

だって世間一般の定石とは違うから。
何なら生きる為のご飯と一緒だから。

だからこの日も何も考えなかった。
お風呂の後の長いキスは、この先の為の予行練習だと思う事にしている。
(急遽そう決めた)
そうか、こうするのか、なるほど、こうしたら気持ちいいのか、と今まで意識しなかった事が気になって充実していた。

そして、背中からパンツの中に手が入って来る時は最後までやる時の合図と言っていい。
散々お尻を撫で回した手が深い割れ目の奥にツイッと忍び込むともう条件反射になっている。
だって、遥果は自由だから抵抗したって無駄だからね。足を突っ張って腰を浮かせた。



うん。
腰が怠い。
それにしても俺って快楽主義なのかなって自己嫌悪に落ち込む。よりにもよって女子から告白された日に、男相手に自らお尻を差し出すなんて笑える。

最近は隣の部屋からの壁ドンが無いのだ。
さすが本物のホモと言うのか、遥果は色々と上手いから、感極まったら抑制なんか吹き飛んで「もっと」とか「そこ」とか、後は意味不明の唸り声を上げてしまう。
きっと、隣の人に聞かれてるんだろうなと思うと非常に恥ずかしいけど、どうせ架空の人なんだから気にしたってしょうがない。

そうだ。
しょうがない。

それよりも今日は初デートの日だ。
人生初って意味でも初デート。
朝五時に起きて念入りに歯を磨いて髪を整えた、約束は午後3時だけど準備は早目がいい。
着ていく服は遥果のシャツと遥果のパンツを勝手に借りた。
だって俺の服は洗い過ぎの色落ちに毛羽立ちに擦り切れに落ちないシミと、ダメージのラインナップ総揃いだ。
遥果の服は一見普通っぽいシャツとか普通っぽいカーディガンとかで、流行り物や目立ったデザインは無いけど何気に高級なのだ。

モテるコツはズバリ、お金だって聞きた事もある。


「携帯料金に6500円、つまり予算は2000円……いや…1000円かな…足りなかったら……もう500円…」

酷く貧乏。
何故こんなトピックが月末なのか、神様って細かい試練を組み込んでくるなあ、と部屋の角の隅でお金を数えてたら遥果がペタリと背中に張り付いて来た。

「今、忙しいから」
「俺より大事?」
「そりゃもう」

待ち合わせはとってもお洒落なカフェレストランだ。食事をする時間じゃ無いし、お酒を飲む程親しくは無いからまずはお茶するくらいで、チューをするチャンスなんて来ないけど……初デートなんだからここは「俺が払う」って言う。
しかしだ。もし、だ。もし、彼女が豪勢なケーキプレートを頼んだら?
そしてキャッチーでフォトジェニックな飲み物を選んだら……。

「ケーキが1200円とかしちゃったりして飲み物が900円とかしちゃったら……もうドキドキするよな」
「達也はケーキが欲しいの?」
「遥果は黙ってて、それから首にチューしないで」

話すついでに抱きついてきたり吸い付いて来るのはいつもだ。それは遥果が一日中一人だからかなって容認してる状態な訳だけど、今は財布の中身と仕送りの日までの日割りを考えて使えるお金の上限を見極めなければならない。
お母さんはどこまでもテキトーな人だから何日か遅れる事もあるのだ、だから結構シビアな計算がいる。

「やっぱり頑張って……3000円までだな…」
「お金が必要なら口座を教えてあるだろ?出してくりゃいいじゃん」
「引きこもりのくせに偉そうだな」
「引きこもりを馬鹿にすんなよ、ちゃんと稼いでるぞ」
「…そうかもしれないけど」

「金持ち」って血筋の話なのかなって疑うけど、何をしてるんだか、遥果はパソコン一つで金儲けをしているらしい、「好きに使っていいよ」とネットバンクの暗証番号を教えて貰ったけどそんな訳にもいかないからまだどれだけ入っているかは見た事ない。

「そんな訳にもいかないだろ」
「だって、達也は俺のご飯とか買ってきてくれるじゃん、俺がいいって言ってんだからさ」
「それはそれ、これはこれ、どうしても困ったら相談するかもしれないけど今はいい」

「達也って飼えそうで飼えないね、100円を数えたりするなら素直になればいいのに」
「飼うとか言うな、100円を馬鹿にすんな」

何でもいいけど、遥果は遥果でいいけど、お金の事だけは否定させて貰う。
もし、今ここで俺が「ケーキが食べたい」と言えば、きっと速やかに用意されたりする。
そして、それは恐らく誰か他の人の手によるもので、真っ当に働いた事も無く、(あの人喫茶店は真っ当では無いと判定)お金に不自由した事が無い癖に、好きな事をやらせてもらえないからなんて贅沢な理由で人生に背を向けた遥果は、まず100円の有り難みを感じるべきだと思う。

「100円を馬鹿にしたりはしないけどさ、達也に困ったりして欲しくないだけ」
「何でもいいけど変な所を触らないでよ」

背中に抱き着いた遥果の手が胸を弄り撫で撫で、もう片方の手は腹を撫で撫で。
遥果には時間の感覚が無いからいつでもどこでもお構い無しなのだ。
だから、変に盛り上がったりする前にアパートを出た。まだ朝の10時だけど、待ち合わせは3時だけど、この大事なデート前にヘロヘロにされてしまうよりはいい。

まずは携帯料金を払ってから街をぶらついて11時。猛烈にお腹が空いたけどお金が無いから我慢して12時。
待ち合わせのカフェレストランに着いたのは1時だけど、そのまま店の前を行ったり来たりで時間を潰して2時半に店に入った。

頼んだのはメニューの中で最安値だったコーラだ。氷抜きにして貰ったのは最後までこれ一杯で過ごすつもりだから。一口飲んで携帯を開いた。
料金未払いで通信が切れてたけどもう戻ってる。
写真で保存した彼女の電話番号を辿ってトークを繋げ、「もうすぐ、着く」と嘘の連絡を入れた。

そこでもう一口コーラを飲む。

今はウキウキと言うよりも不安でいっぱいになっている。自己紹介から始まるお付き合いなんて初めてで、どんな話をしたらいいのか、どんな態度をとったらいいのか分からなくて心臓がバクバク煩い。
何か話題に出来そうな動画でも探せばいいのにウィンドーから見える通行人が気になって外と店の入り口ばかりを見てしまう。

暫くの間、椅子の背凭れに背中をつける事も忘れて固まっていたと思う。カフェのカウンターにあるアナログ時計は動きを止めたかのように遅く、時間が間延びしている。

1分、五分、10分……悠久の30分を過ごし、もう3時と言ってもいいなって頃だった。
ずっと見つめ続けていたドアから入って来た男と目が合った。こんな時は普通ならお互いに視線を逸らすものだけど、その男がこっちを見たままなので俺も目が離せなくなり、見つめあったままで近くに来たと思ったら、何でか知らないけどその男は当たり前のように席の前に座った。

「待った?」って、待ってたけどあんたじゃ無い。

「あの……すいません、友達が来るのでその席は空いてません」

もし空いてても相席をするような店じゃ無い。
それなのにその男は「いいんだよ」と笑って店員さんに向かって手を上げた。

メニューを見ないでの注文はエスプレッソ。
エスプレッソなんてひねた注文(量が少ないからカッコ付けの飲み物と断定してる)をする奴に用は無いし、その席にはもうすぐ初彼女が来るのだ。ビビって同伴者を連れて来たなんて思われたくない。

「すいません、もう一回言いますけどその席には友達が来るんです」
「だからいいの」
「良くないです」
「君を呼び出したのは俺なの」

「……は?」

前髪だけを少し伸ばしたイケメンを気取る髪型、銀縁の眼鏡、薄いショートトレンチにVネックのTシャツ。何だか知らないけど高そうな分厚い腕時計。人違いか勘違いをしているのは間違い無いのに男の目はしっかりと俺を見ている。

「俺は三橋です」

間違いを指摘したいのに何故か自己紹介になった。慌てて、あんたは誰だと聞こうとしたら、男は「知ってるよ」と笑う。

「あの……俺は三橋ですよ?どこかでお会いしましたか?」
「忘れたの?酷いな~~あんだけアピったのにな、ちょっとショックだよ」
「アピった?」

何を、どこで、どんなプレゼンをされたのか……考えたけどわからないから男の顔をよく見てみると突然思い出した。大学の上級生だ。何回か誘われたけど友達に揶揄われたから無視してた人だ。
多分だけど「黒」って字が名前に付いてた。

「黒……♪€3%…さん?」
「うん、覚えていてくれたんだね、それよりさ、誰とセックスしたの?」

「………」

「………………はい?」
「昨日……か、まあ一昨日、下手したら今日、セックスしたでしょ?」

「………」

何だこの人。
したけど、確かにしたけど、あれは補給で(当社比)セックスじゃ無い(だから当社比)。
何よりもほぼ知らない相手に聞く事じゃ無い。

「すいません、その席には友達が来ると言ってるでしょう、どっか行ってください、席を変わってください、帰ってください」
「だから三橋くんを呼び出したのは俺なの」
「俺が待ち合わせている相手は髪の毛がくるくるしてます。意味がわかりません」
「君を誘ったのは俺の妹の美穂、結構可愛いだろ?それにしても女子相手だとチョロいんだね」

「……え?」

マジデイミフメイ。

何を言っているのか頭に入ってこないのは、黒●《何とか》さんの話口調は軽くて淀みないからだと思う。

「どう言う事……ですか?」
「俺が何回誘っても乗ってくれないから三橋くんを呼び出してくれるように妹に頼んだの、俺はね、君に恋してるんだ、言っとくけど俺は軽くないよ?誠実だよ?遊びじゃないんだ、真面目に付き合って欲しいと思ってる」

「……………何故?」

「え?付き合ってくれって言って何故と聞かれたのは初めてだなぁ」

だって、20年間皆無だった「付き合ってください」が2日で2回なんておかしいし、そのうちの一回を否定されて、残ったもう一回が男だなんて変だろう。

しかし、落ち着け。
この世界は現実では無いのだ。
どこかで不具合が起きてバグが生じている可能性もある。この黒●の目には俺じゃなくて可愛い女の子を写しているのかもしれない。

「俺は男なんですけど…どんな風に見えてます?」
「迷子になった子狸みたいだね」

「………」

どうやら本当にバグっている。

「もう一回言いますよ?俺は三橋達也、人間の男です、狸でも狐でもありません」
「三橋くんは可愛いって意味だよ」

「………」

「ちょっとお聞きします、美穂さんは来ないって事でいいんですね?」
「うん、来ないよ」
「わかりました、ではさようなら」

隣の席に置いていた遥果のジャケットを手に取り立ち上がった。
黒●の目に映っているのが可愛い女の子なら気持ち悪い。普通に俺が見えてるんならより一層気持ち悪い、ここは一旦店を出てから隠れて美穂ちゃんを待てばいい……来るんなら…だけど。

当然のように同じ伝票に刻まれたコーラ代は黒●が払えばいいんだけど……そこにあるべき物が無い。

「あれ?」
「これをおさがし?」

テーブルに置いてはずの携帯を黒●が持ってヒラヒラと振っている。ニヤつく顔には誠実の「せ」の字も無い。

「何をするんです、返してください」
「そんなに急がなくてもいいだろう、なぁ、今誰かと付き合ってる?…ってか付き合ってないから美穂の誘いに乗ったんだろ?」

「………」

そうだけど、「それなら俺でもいいじゃん」と言われても「そうですね」とはならない。
「男」ならもう既に1人いるし、持て余してる。

「確かに彼女はいませんが、少なくともあなたとは付き合いません」
「でもセックスはするんだ、ああ、俺は気にしないよ、まあ……付き合ったら気にするけどさ、フリーなセックスは子供が出来ない男同士のいい所でもあるとは思う。」
「だから何を根拠にそんな事を聞くんです」

「あれ?気付いて無いの?」

「何がですか」

ここ、と黒●が自分の首を指で指した。
何だと思って黒●の首をよく見てみると、「違うよ」とか「溜息が出るくらい可愛い」とか、訳のわからない事を言う。

「トイレに行く?」
「どうしてですか?トイレは大丈夫です」
「そうじゃなくてさ……まあ、行こ」

「ちょっと…」

トイレはしつこいくらい行ったのだ。
ほぼ用もないのに行ったのだ。
だからいいと言っているのに、俺にとっては不吉とも言える「いいからいいから」と「まあまあ」付きで腕を引かれて男性用の個室に連れ込まれた。

「何ですか!トイレはいいって言ってるでしょう、しかも何で一緒に入るんですか!」
「いいから鏡を見てみなよ」
「鏡?」

黒●は相変わらず自分の首を指差してここ、ここと笑ってる。
そして、鏡に写った自分の首を見て見ると、腰を抜かす程驚いた。
俺の首に物凄い大きなキスマークが出来てる。
そう言えばお金を数えている時に遥果が吸い付いてた。

「これは……」
「誰?…セフレ?勿論相手は男だろ?」

男だけど、この黒●は「男」だからだと誤解しているらしい。
カアっと体の中から湧き出る熱気で顔が熱い。
鏡の中の俺はゆでダコみたいに赤黒くなってるけど、キスマークは消える所が益々赤を強調してる。

「うわあ……いいなあ…三橋くんってやっぱりいいわ、なぁ、俺を試してみない?」
「は?」
「決まった相手がいないんならいいじゃん、一回試して俺の方が良かったら俺にしなよ」
「いや……あの…」

今の今まで気付いて無かったけど、黒●は凄く背の高い人だった。多分俺の頭一個分くらい背が高い。ヌウっと目の前に立ち塞がられて、思わず後ずさると、ドスンと蓋の閉まった便器に座ってしまった。

そしたら黒●の手が頬を包む。

顔から血の気が引いて行くのがわかる。
この店のトイレはそれぞれが独立した個室になっていて、あと2つはあった。だから多少の時間なら独占しても問題無いし、問題ないって事は誰にも気付いてもらえないって事だ。

これは2回目のファーストキスが危機に陥ってるって事だ。そして、よりにもよってまた男が相手だ。
それは嫌だ。
どうしても嫌だ。
何が何でもファーストキスだけは守らなければならない……、顔を近づけて来たら頭突きでもかましてやろうと、フンッと鼻息で気合を入れて便器の蓋に指を掛けた。

「達也って呼んでいい?」
「呼んでも返事しません」
「達也…」
「返事しないって言ってるでしょう」
「してるじゃん、返事」

ブフッと黒●が吹いたから逃げるチャンスがあるかと思ったのに、狙われているのは唇だと思い込んでいたら、「好き!」とジュッと音を立てて吸い付かれたのは首だった。今しがたキスマークがあるって指摘された場所だ。
しかも、上半身が逃げたせいで前に突き出す形になった股間に黒●の手が乗ってる。
こんな、公共の狭いトイレでそこまでされるなんて思いもよらない。

「こんなとこじゃ駄目です」
「…………へえ……こんな所以外ならいいんだ、思ったよりずっと積極的だね」

「……どこがですか」

「いやあ…断ると思ってたから、じゃあホテル行く?」
「ホテルに行くお金なんてありません」
「お金は俺が持ってるけど……少しだけここで楽しんでから行こ?ね?」

ね?
何だそれ。
同意してないぞ?
揉み揉みするな。
アソコを洗って準備しようって何だ。
体も、アソコも、どこも、洗わなくていいって言う遥果よりはマシだなと、どっちもどっちの比較していると股間を触ってくる手の動きが本格的になってきた。

「ちょっと、ちょっと…やめてください」
「だって待てないって達也の目が言ってる」
「目?!」

ホモの男って、どうしてこうなんだ。
ベロベロ、チューチューと首を舐めているのに淀み無く話をする、瞬時に片手でズボンのボタンを外すしてパンツに手を入れる。
どこでそんなテクニックを極めるんだと驚くよ。

このまま放置すると否応無く勃ってしまったりする訳で、そうなるともうすっかりやる気になってるこの男につけ込まれてしまう訳で、声をあげたいけど、男に襲われたなんて恥ずかし過ぎてそんな事出来ない。
生温い手がヌルリと生の下半身に届いた時には遥果の顔が頭に浮かんだ。

そう言えば初めて遥果にイカされた時もこんなんだったなあと笑いそうになっている。

男だしな。
触られたら勃つよ。
勃ったらイキたいよ。

目を閉じていれば遥果もこいつも大した変わりは無いから、もういいかな……なんて諦めが出てきた時、ドスンッとトイレのドアが揺れた。


















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