上 下
9 / 41
初の異世界で…

第7話 金髪、青目変態天使

しおりを挟む
「…」
どこだろう。さっき美香と森の中に一緒にいたのに…。
辺りは、よくテレビで見かける東京の街中。田舎暮らしだった私にとって、東京の光景は初めて見る景色。

「こんにちは…。椿さん…」

あれ。幻覚かな。なんか変な白い羽根が生えた天使っぽい奴が空から降ってきた。声掛けてきたし…うん。怪しい。知らない人にはついて行っちゃダメって言われてる
ここはひとまず逃げよう…

「あっ!ちょっと待ってー。つばきさぁあーん!」

天使っぽい何かが、私の足に抱きついてきた…

「へ、へんたい!!!」

ビックリしすぎて、思いっきりその天使をもう片方の足で蹴ってしまった
蹴ったところちょっと腫れちゃってるけど私は悪くないはず
それにしても、この行動からみてもコイツが天使だとは思えない。もっと天使といったら礼儀正しい紳士的なイメージなんだけどなぁ

「あの…。とりあえず話を聞いてください。椿さん」

天使は私に蹴られた頬をさすりながら改めて、私にお願いをしてきた。

「僕は、カブリエル。見た目の通り超美少年天使だよっ!」

「…」
やっぱコイツ変だ。すぐ逃げよう。
私は止めていた足をまた前に進めようとした。

「ま、待ってください!えっとですね、ここは貴方の夢の中。貴方を安心させようと思いまして、もとの世界にある渋谷の風景にしてます。私が貴方の前に現れた理由は一つ。頼み事があったんです。」

ガブリエルはさっきと違う冷静な透き通った声で真面目に言った。

「私もっと、田舎に住んでた。渋谷初めて。全然安心しません…」

「…」
「まぁあ!日本ですし!地球ですし!その雰囲気に近づけただけですよー」
と苦笑いする自称美少年天使さん

「はぁ…」
とりあえずやる気の無さそうな声で返事はしておいた。

確かにね、美少年なのは美少年だよ?クリクリの青目、曇のない綺麗な金髪、整った顔立ち。スタイル抜群…なんかこの自称天使さん褒めると自分が悲しくなってきたよ…

「んで、本題からいいますね!えっと…。貴方には世界を変えて欲しいのですっ」

カブリエルが真剣な眼差しで見つめてくる。
そこで私は美香から聞いた魔王の話を思い出した。

「それは、魔王を倒せってこと?」

「違うよー!あ!そろそろ美香さんが君を呼んでるからお別れねっ!美香さんにもよろしく伝えといてー」

ん。何が違うんだ。魔王倒したら世界は変わると思いますが…。もちろん誠に残念な事ながら私にそんな力はありませんが…

「あ!あと君の目の事なん……」

そこで、金髪、青目変態天使との会話は途絶えた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。 だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。 十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。 ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。 元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。 そして更に二年、とうとうその日が来た…… 

どうぞご勝手になさってくださいまし

志波 連
恋愛
政略結婚とはいえ12歳の時から婚約関係にあるローレンティア王国皇太子アマデウスと、ルルーシア・メリディアン侯爵令嬢の仲はいたって上手くいっていた。 辛い教育にもよく耐え、あまり学園にも通学できないルルーシアだったが、幼馴染で親友の侯爵令嬢アリア・ロックスの励まされながら、なんとか最終学年を迎えた。 やっと皇太子妃教育にも目途が立ち、学園に通えるようになったある日、婚約者であるアマデウス皇太子とフロレンシア伯爵家の次女であるサマンサが恋仲であるという噂を耳にする。 アリアに付き添ってもらい、学園の裏庭に向かったルルーシアは二人が仲よくベンチに腰掛け、肩を寄せ合って一冊の本を仲よく見ている姿を目撃する。 風が運んできた「じゃあ今夜、いつものところで」という二人の会話にショックを受けたルルーシアは、早退して父親に訴えた。 しかし元々が政略結婚であるため、婚約の取り消しはできないという言葉に絶望する。 ルルーシアの邸を訪れた皇太子はサマンサを側妃として迎えると告げた。 ショックを受けたルルーシアだったが、家のために耐えることを決意し、皇太子妃となることを受け入れる。 ルルーシアだけを愛しているが、友人であるサマンサを助けたいアマデウスと、アマデウスに愛されていないと思い込んでいるルルーシアは盛大にすれ違っていく。 果たして不器用な二人に幸せな未来は訪れるのだろうか…… 他サイトでも公開しています。 R15は保険です。 表紙は写真ACより転載しています。

やっと冒険に出られます

渋谷かな
ファンタジー
最終の内容紹介は消えました。姫と幸せな日々を送っていたが、姫が殺されてざまあ。からの姫を生き返らせるためにポンタは大冒険に赴く。せっかくあらすじを書いたのにタグが重なってエラーで消えてしまった。残念だ。もう一度書き直す体力はないのでこれでいいや。

スウィートカース(Ⅳ):戦地直送・黒野美湖の異界斬断

湯上 日澄(ゆがみ ひずみ)
ファンタジー
変身願望をもつ若者たちを入口にして、現実世界は邪悪な異世界に侵食されつつあった。 闇の政府組織「ファイア」の特殊能力者であるヒデトとその相棒、刀で戦う女子高生型アンドロイドのミコは、異世界のテロリスト「召喚士」を追うさなか、多くの超常的な事件に遭遇する。 たびかさなる異世界との接触により、機械にしかすぎないミコが「人間の感情」に汚染され始めていることを、ヒデトはまだ知らなかった。 異世界の魔法VS刀剣と銃弾の絶対防衛線! 人間と人形の、はかない想いが寄せては返すアクセラレーション・サスペンス。 「わんわん泣こうかどうか迷ってます。私には涙腺も内蔵されてますから」

Our place ~転生乙女のジュラーレ魔法学院の日常~

龍希
ファンタジー
あたしは、家族友人に恵まれなかった。友人の出した自殺予告メールを受け取り、車で友人宅に向かう最中ダンプにオカマを掘られ、車は空を舞ってあたしは死んだ。気付くと不思議な空間にいて美少年天使が待っていて、ほぼ強制的に転生させられた。 転生先は宇宙船や魔法が平気で存在する世界。そこで私はナツキ・ルウィン・アマハと言う名の娘として生まれた。 父は宇宙考古学者、母は魔法界の女帝と謳われ、兄は美形さんでシスコン街道まっしぐらの。そんな美形家族の一員になった。 そんな私の『ジュラーレ魔法学院』の学院生活は、甘くは無かった。 魔法で肉体を中性体とし、名前も一部変えて入るものの。 婚約者&その専属騎士や、商人の息子にロックオンされると言う状況に!? その上、無意識で魔法を操ればチート気味だけどノーコン、大丈夫か? 私。 前途多難な学院生活の開幕です!

死んだと思ったら異世界に

トワイライト
ファンタジー
18歳の時、世界初のVRMMOゲーム『ユグドラシルオンライン』を始めた事がきっかけで二つの世界を救った主人公、五十嵐祐也は一緒にゲームをプレイした仲間達と幸せな日々を過ごし…そして死んだ。 祐也は家族や親戚に看取られ、走馬灯の様に流れる人生を振り替える。 だが、死んだはず祐也は草原で目を覚ました。 そして自分の姿を確認するとソコにはユグドラシルオンラインでの装備をつけている自分の姿があった。 その後、なんと体は若返り、ゲーム時代のステータス、装備、アイテム等を引き継いだ状態で異世界に来たことが判明する。 20年間プレイし続けたゲームのステータスや道具などを持った状態で異世界に来てしまった祐也は異世界で何をするのか。 「取り敢えず、この世界を楽しもうか」 この作品は自分が以前に書いたユグドラシルオンラインの続編です。

堕ちた英勇の子

正海広竜
ファンタジー
遥か昔、魔界より『魔神王』と呼ばれる存在が魔族の軍勢を率いて人間界に襲来した。  人間・亜人は手を結び『連合軍』を結成しては魔族と戦い続けた。  千年に及ぶ戦いで、辛くも『連合軍』の勝利となった。  それから十数年後。  『連合軍』の勝利の立役者となった『英雄』と『勇者』で結成された『英勇隊』に所属していた『英雄』と『勇者』達も子を成した。  その中の一人のエドワードは両親が『英勇隊』に所属していた事で、両親と世間の期待を背負わされていたが、ある事件により片目を失う。  片目を無くしつつも懸命に努力するが。 「これがあの英雄の子供か?」「他の英雄の子供に比べても頼りない」「とても、あの両親の子供とは思えない」  そんな悪評がついて回った。  それでもめげずに頑張るエドワード。  そんなエドワードを元気づける存在が居た。 「けけけ、どうした。兄弟? 今日は随分と元気がねえな」  そう声を掛けるのはエドワードにしか見えないもう一人の自分。  何時の間にか見える様になったもう一人の自分。  その正体が世に知られた時、世界は激しく揺れエドワードの人生も一変する。  なろう版とは一部展開を変えております

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

処理中です...