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プロローグ
第1話 エピローグ 裏切り────
しおりを挟むまず、私がこの異世界にきた理由を『青木 椿』の地球での人生から説明を始めよう。
異世界に来る前のこと…~
朝がいつものように、今日もやってくる
私の日課は3歳の頃に行方不明となって2度と姿を現さないお父さんの写真に挨拶するというちょっと悲しい朝から始まる。
お父さんは「ちょっと、山までー!」
と言って家を出ていった。今思えば意味がわからない。山でキノコでも取ろうとしたのだろつか?いや、もしかしたら、生きてるかもしれない。だけどその確率はゼロに等しいだろう。だってもう、何年経ってるというのさ…私を置いてって…
父が行方不明になってから、母は違う人と同棲をしていて、共働きをしている。
母の今の恋人と同棲する為に遠くへ母は引越した。置いてかれた私はその場に残って一人暮らし。
昔からお母さんが仕事をしていたから、小さい頃の遊び相手はお父さんだった。
だから、お父さんが居なくなった今。私の心の支えは居ない。友達も作る気にはならなかった。
だけど、お母さんに言われた。
「いつまで、ボッチでいるの。高校行ったらちゃんと友達作りなさいよ。」
と…
無理だよ。最初はそう思った。
だって、いままで人と関わったことなんて『ナシ』なんだからさ、
でも、そんな考えは逆転した。
私、青木 椿!春からピカピカのJK!
なんと、初の友達、(親友と言ってもいいも!!!)が出来たのだ!!!
彼女の名前は新堂 未来。
いつも笑顔を絶やさない女の子だ。
彼女との出会いは、1週間前の高校の入学式の日…
私は学校への道に迷っていた。
少し早めに出てきたからなのか、同じ制服を着た生徒が誰一人として、いなかった。
どうしようか…このままだと、本当に入学式に遅刻してしまうかもしれない。
「仕方ない…遅刻するか…」
と諦めた時、後ろから誰かに軽く肩を叩かれた。後ろを振り向くとそこにはショートヘアで優しく微笑む同じ制服を着た女子。そう、これが新堂 未来。
「私、新堂未来!今日から高一です!貴方も今日から高一?」
未来が、私に気さくに声を掛けてきた時はびっくりした。
こんな、可愛い子が私に話しかけるなんて…ってね。だってその時の私の格好は前髪で顔を隠して、ダッサイ丸眼鏡を掛けたいかにも、モブキャラっていう格好だったから
「そ…そうだよ。私は青木椿…。よろしくね。新堂さん…」
「あはは!そんなに、敬語じゃなくていいよー!同じ学年なんだしさー!そうだ!良かったら一緒に学校行かない?」
未来は腹を抑えて笑うと、頬を上げながら言った。
「ありがとう…じゃあ一緒に…」
私達は学校に着くと、同じクラスって事を知る。それから未来はこんな私に沢山の笑顔を見せてくれた。そんな彼女の笑顔と優しさが私がずっと閉ざしていた心の扉が開いた。
そこから、私達はめでたく!親友となったのです!
ある日、私は一緒に帰ろうと未来を探していた。校舎中を探してようやく、理科室の中に未来がいることを気がついた。
「あっ!未来いたっ!探したん…」
未来に声を掛けようとしたがその声は、途中でかすれていった。
そこには鬼のような形相に変えた未来がよくクラスの陰口ばかり言うグループを囲んで座っていたからだ。
脅されているのではない。その光景を見たらすぐわかった。
悪口を一緒に言っているのだ。
「まじ、あいつ無理。くっつきすぎでしょ。それにまだ、出会ってから一カ月も経ってないのに親友とか言ってんの。ほんとキモすぎ。関わらなければよかった」
未来がこんな言葉を発した。
「てか、未来ー。なんであんな地味子と仲良くしたの??」
「そりゃ、パシリとか使い用があったからじゃん」
そう言ってから、周りの女子達と一緒にゲラゲラ笑ってる。
こんなの…。私の知ってる未来じゃないよ…。止めなきゃ…。
そう思った瞬間。私の体は勝手に動いていた。
「未来!ここで何してるの!!」
ちょっと自分でも想像以上の大きな声が出てびっくりした。
「なにって?誰かさんの悪口言ってるだけだけど…?」
私が姿を現した事に周りの女子は少し戸惑っていたけど、未来は平然と私と向き合っていた。
「あのねぇ。もうハッキリ言うけどさぁ。
今の誰かさんっていうの、お前だから。いままでずーっと、猫かぶっていい子ずらしてたけど、もう無理だわ」
そんな…。嘘だ。嘘に決まってるよ。
うん。嘘だ。嘘だ。嘘だ。
「だって!!!未来は…未来は!!私の事1番の親友って言ってくれたじゃない!!!」
この時、私はきっと泣いていた。
唯一、心を開いていた人に裏切られたのだから。
「え?まさか。本気にしてんの??笑わせてくれるわ。嘘に決まってんじゃん。」
「……。」
私は沢山の涙でぐしゃくじゃになりながら、理科室から走り去ってまだ桜が咲きみ立っている校門へと出た。
ずっと、信じていたんだよ。
たった2週間かもしれない。
だけど、私には初めて親友が出来て、行きたくなかった学校も楽しみになった。
未来のおかげで世界は見違える様に変わったんだよ。
なのに…。なのに…。嘘なのね。あの笑顔も。言葉も。つらい。
この暗闇のどん底から誰か救い出してほしい。
誰からも必要とされてない私の居場所なんてこの世にない。
いっそ、死んでしまおうか。そう思ったけど、その勇気は持ち合わせていない。
どうすればいい…
「誰か…助けて…」
この言葉を私が発した瞬間
まっていたかのように
ビューっと勢いのある強い風がふく
その強い風に巻き込まれた桜は私の周りを踊るように舞っている
はっと息を飲んだ
こんなに勢いがある風なら普通は目を閉じてしまうはずなのに、目を閉じられない。
この光景を見ていたいと思ってしまうからなのだろうか?
「さぁ。行きましょう…。あなたを必要とする。新しい世界へ。」
「悩むことはない。行こう。みんなが貴方を待っているのだから…。」
その声が体全身に血が流れるように伝わった。多分この声はこの風が運んで来てくれたもの…。私はただただそれに期待を寄せた。
「わたしっ……!」
「いくっ!!その世界へ!!!」
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