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第2話
しおりを挟む中学入学後、甘ったれた自分を変えたくて、剣道部に入部し、学級委員を始めたが、上手くいかなかった。
中学1年生で、理不尽なイジメにあい、初めて、ストレスで歩けない程にお腹が痛くなった。
歩きたくても歩けないそんな経験初めてだった。
中学2年生。間違いなく人生で最も病んでいた時期。
母はついに別居を開始。
車通りの多い大通り沿いにそくするアパートだったため、床がずっと揺れていた。
隣の部屋には外国人の住人。扉は昔ながらのポストがついていたため冬はそこから空気が流れてきて寒かった。
冬の部活帰り、あたりはクリスマスのイルミネーションで輝いていて、周りは友達と帰っているのに1人で駅まで歩いているのが酷く虚しかった。
あの子1人だよって、思われるのが怖かった。
現実が上手くいく行かなくて、逃げ場を探していたのか、私はスマホゲームに熱中し、そこで知り合った2歳年上の男の子3人とよくゲームをしていた。
そのうちの1人とネット恋愛もした。
今思えば馬鹿な恋愛だったと思う。すぐに別れた。
でも、後悔はしていない。現実がどうしようも無くて、逃げ場がない時は、世界を広げて自分が住みやすい居場所を見つければいいだけだと思った。学校だけが全てじゃないからだ。
中学3年生。
ついに離婚が成立。慰謝料が入ったからか違うところに引っ越した。少しオシャレな家で、暖かかった。
自分の部屋ができて嬉しかった。
学校帰り母と待ち合わせして、お家に帰り、夜は一緒にテレビをみる日常が本当に幸せだった。
3年間続けてきた剣道も、実力が評価され部長になった。
なんであの子が部長で、〇〇が部長じゃないの?とクラス陽キャたちが話していたのも知っていたが、選ばれたのは私だと自信を持った。
友達も徐々にできて、今でも仲の良い親友もこの時期に知り合った。
中高は一貫校だったため、高校はエスカレーターで進学。
部活を続けようかと迷ったが、体力的にしんどかったこと。可愛げがなく、先輩にあまり好かれていなかったのもあって辞めた。
高校から入ってきた外部生とも仲良くなり、順風満帆の学校生活だったが、ふと、何年も会っていない父親のことを思い出した。
私は愛されていたのか、そんな無意味なことを永遠と考え、夜になると1人で泣いていた。
寂しさを埋めるために、何人もの男と電話をした。
母は、減り続ける銀行残高に焦りを覚えたのかマッチングアプリと婚活パーティーに明け暮れ、家に帰ってくるのが遅くなった。
寂しかった。
たまに、家に知らない男が泊まりにくるのが嫌だった。
この頃、自分は不幸だ。
だけど、世界にはもっと辛い人がいると自分を慰めていたのを覚えている。今覚えば、お門違いである。幸せを比べる必要なんてない。辛いなら辛い。素直に自分の辛さ。努力を受け止めてあげれば良かったのだ。
しかし、私は可哀想だと認めたくない自分もたしかに存在している。それは元の生まれ育った環境が裕福だったこと、底辺校の校内では頭が良い方だった事が、私のプライドを非常に高くしている要因であり、このプライドのせいで私は自分の置かれていた状況を認めたくない気持ちがあるからだ。
自己承認欲求とプライドが拮抗し、現在も自分は自分を認められないでいる。
自己承認欲求を認めてしまえば、いかに自分が努力したとはいえ、今の自分を幼少期の外的な環境のせいにしてしまうからだ。
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