【完結】私の過ごした20年

らら

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第1話

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私は自分が思ってるほどいい人間じゃ無い。

大学3年性になり始まった就職活動。
自己分析。
性格診断を行う度に、自分は論理的で協調性も高く、時にはリーダーとしてみんなを引っ張っていけるような存在なのだと自分に言い聞かせる。

本当にそうだろうか。


父は業績の良い営業マン。母は専業主婦。犬は一匹。
裕福な家庭に生まれ、私立の幼稚園に入園。

幼い頃は物静かな性格で、初めの頃は、幼稚園に預けられる度にお母さんと離れるのが嫌で泣いていた。
1番の思い出は、ダンゴムシの迷路を作ったこと。(そのダンゴムシは迷路から出てくることはなかったが)

幼稚園の終わりに差し掛かると、小学校受験の話題で持ちきりになった。

私も記念にお受験をしてみたが、もちろん落ちた。

公立の小学校に入学してからは、楽しかった。
学校から帰ってきて、宿題を終わらせ午後は映画を観る。そんな毎日だった。

けれど、楽しかったのは2年間だけで、小学3年生からの4年間は悲惨なものであった。

私の小学校は約8割が中学受験をするため、小学校3年生になると、みんなが塾に通い始める。

私もそのうちの1人だった。

幼稚園の頃から続けていたピアノを辞めて、SAP○Xに通いはじめた。

生憎私は頭が悪かった。

塾が終わった後、父親に勉強を教えて貰っていたが、頭が悪すぎて父親にいつも怒鳴られた。

字が汚い。ふざけたシャーペンを使うな。
なんでこんなこともわからない。
お前は頭が悪くて何もできないだから、せめて普通になれ。

何度も同じことを言われた。

毎晩響き渡る父の怒鳴り声と娘の泣き声に耐えかねた母が、仲裁に入ったが、呆気なく敗北。

私の勉強以外のことでも喧嘩は増え、休日の朝から母子ともに、痣だらけで過呼吸状態。

今思い出してもカオスな状況だ。

母はついに離婚を決意したのか、弁護士さんに相談し証拠集めに励み、派遣で新しい仕事を始め、家庭内別居が確立。

母と私だけが会話し、父のことは完全無視。
一言も会話をしないそんな日常が始まった。

私も小学6年生になり、いよいよ中学受験に本腰を入れ始めたが、成績は伸びず。

滑り止め以外の学校全てに落ちた。

父は、そんな馬鹿校にお金は出さないと啖呵を切っていたが、特待生で入るならば認めると言った。

父としては、私が特待生になるはずないと予想していたのだろうか。
仮になったとしても、特待生で学費が一年間免除になるならば、許容範囲だったのかもしれない。

こうして私は、中学に合格はしていたものの特待生を取るためにもう一度受験し、特待生を勝ち取ったのだった。


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