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第1話
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「婚約を破棄する!さぁ!城から出ていけ!!!」
今はパーティが開かれているのだけれど、その場に相応しくない大声で私に怒鳴りつけるのはこの国の第四王子プルーン・セルバル・ハイネ。この王子様は末っ子である為に甘やかされて育った。だからこそ、周りの貴族達に可愛がられ、知能が劣っている…
「理由を聞いても宜しいでしょうか?」
今にも飛び跳ねて喜びたい気持ちを抑え、冷静に彼に問う
「それは、お前みたいな、ただの令嬢なんぞよりも優しく僕を愛してくれる運命の人に出会ったんだ。更にお前は僕のフィアンセを虐めたと、聞いた。本当は処刑にでもしようと思ったとこだが、心優しい僕のフィアンセは貴族の権限だけ取り上げるだけでいいと言ったのだ!!さぁ!出ていけ!」
ほら、見てご覧なさい。
ここに居る大勢の貴族達が呆れて、いませんね。貴族達は真面目に彼の話に耳を傾けています。どうやら呆れているのは私だけのようですね。
「その、フィアンセとは、何方なんですの?私には全く心当たりがありませんが…」
これは事実だ。私はそのフィアンセとやらを虐めてはいない。
「この場に及んで、とぼけるつもりか?!なんとも卑劣なっ!!シーラもこっちに来い!」
彼に呼ばれて、扉から出て来たのは私の専属のメイド、シーラ。
彼女が新しいフィアンセですの…見たところ財力目当てというのは見え見えですが…
「シーラだ。これから僕はこのシーラと結婚をする。そして、シーラには今婚約を破棄した、セルの実家、ポール・ナタリーに養子として入ってもらう。さぁあ!そこの下民はでていけ!」
彼は私に向かって指を指しながら、怒鳴る。
段々と口調が荒くなっていきますよ?下民呼ばわりなんて…それに、私の家に養子なんて絶対受け付けられないと言う事を知るはずもないでしょうに。
「分かりました。私は彼女を虐めたつもりはありませんが、婚約破棄が出来るのなら喜んで城から出ていきますわ」
こんな王子と結婚して生涯を共にするなんて御免ですもの。
本当の私は隣国パスタニア皇国の第一皇女。ルイナ・ラハイヤ・セル。
ポール・ナタリー・セルというのは、偽名。
鎖国しているこの国に物資の輸出をさせるためにはスパイが必要だった。そこで、この国の令嬢として私がスパイとして入り、この馬鹿皇子と婚約を結び、二人の親交を深めると偽り、妃が入る為の別棟ではなく、城で生活を送り密かに国の財政などを調べていたのだ。
だけれど、もう限界ですわ。
貴族ではなく本当の市民と結婚するなんて…それには流石に貴族達も目を鱗にして驚いているようだ。
そろそろ、茶番も終わりにさせて頂いて、本来の任務を実行致し、帰らせて頂きますわ
「ポール・ナタリー家は隣国の王族からある伝言を受け取りました。貴族全員が揃っているところで発表しようと思いましたが、追放されるそうなので、ここで発表させて頂きます」
私は使用人に物資輸出の件の紙を持って来てもらい、読み上げた
『要件を言おう。そちらのナソパ国は物資が豊富だと聞くが、鎖国をしている為取引すらできない。そこで、王族に近い貴族に手紙を出す事にした。我が国はナソパ国との貿易をしたい。いい返事を期待しておる パスタニア皇国 ルイナ・ラハイヤ・サルハナ皇王』
これには、今まで静かに黙っていた国王も立ち上がり、目を見開いている。
それはそうだろう。他の国からの影響を受けないよう最善の注意を払っていたが、隣国からの手紙が入ってしまったのだから。
「では、私はこれで失礼致します」
私は堂々と城をあとにした。王様やあの馬鹿皇子は口をパクパク動かしていましたが、知るものですか。
これで、任務は完了!
さぁ、歩いて…帰りましょうか
────
どうも、作者です!
初めての令嬢者…っ!楽しみですね笑笑
全くこのあとの物語考えてないんですけどね( ̄▽ ̄;)
今はパーティが開かれているのだけれど、その場に相応しくない大声で私に怒鳴りつけるのはこの国の第四王子プルーン・セルバル・ハイネ。この王子様は末っ子である為に甘やかされて育った。だからこそ、周りの貴族達に可愛がられ、知能が劣っている…
「理由を聞いても宜しいでしょうか?」
今にも飛び跳ねて喜びたい気持ちを抑え、冷静に彼に問う
「それは、お前みたいな、ただの令嬢なんぞよりも優しく僕を愛してくれる運命の人に出会ったんだ。更にお前は僕のフィアンセを虐めたと、聞いた。本当は処刑にでもしようと思ったとこだが、心優しい僕のフィアンセは貴族の権限だけ取り上げるだけでいいと言ったのだ!!さぁ!出ていけ!」
ほら、見てご覧なさい。
ここに居る大勢の貴族達が呆れて、いませんね。貴族達は真面目に彼の話に耳を傾けています。どうやら呆れているのは私だけのようですね。
「その、フィアンセとは、何方なんですの?私には全く心当たりがありませんが…」
これは事実だ。私はそのフィアンセとやらを虐めてはいない。
「この場に及んで、とぼけるつもりか?!なんとも卑劣なっ!!シーラもこっちに来い!」
彼に呼ばれて、扉から出て来たのは私の専属のメイド、シーラ。
彼女が新しいフィアンセですの…見たところ財力目当てというのは見え見えですが…
「シーラだ。これから僕はこのシーラと結婚をする。そして、シーラには今婚約を破棄した、セルの実家、ポール・ナタリーに養子として入ってもらう。さぁあ!そこの下民はでていけ!」
彼は私に向かって指を指しながら、怒鳴る。
段々と口調が荒くなっていきますよ?下民呼ばわりなんて…それに、私の家に養子なんて絶対受け付けられないと言う事を知るはずもないでしょうに。
「分かりました。私は彼女を虐めたつもりはありませんが、婚約破棄が出来るのなら喜んで城から出ていきますわ」
こんな王子と結婚して生涯を共にするなんて御免ですもの。
本当の私は隣国パスタニア皇国の第一皇女。ルイナ・ラハイヤ・セル。
ポール・ナタリー・セルというのは、偽名。
鎖国しているこの国に物資の輸出をさせるためにはスパイが必要だった。そこで、この国の令嬢として私がスパイとして入り、この馬鹿皇子と婚約を結び、二人の親交を深めると偽り、妃が入る為の別棟ではなく、城で生活を送り密かに国の財政などを調べていたのだ。
だけれど、もう限界ですわ。
貴族ではなく本当の市民と結婚するなんて…それには流石に貴族達も目を鱗にして驚いているようだ。
そろそろ、茶番も終わりにさせて頂いて、本来の任務を実行致し、帰らせて頂きますわ
「ポール・ナタリー家は隣国の王族からある伝言を受け取りました。貴族全員が揃っているところで発表しようと思いましたが、追放されるそうなので、ここで発表させて頂きます」
私は使用人に物資輸出の件の紙を持って来てもらい、読み上げた
『要件を言おう。そちらのナソパ国は物資が豊富だと聞くが、鎖国をしている為取引すらできない。そこで、王族に近い貴族に手紙を出す事にした。我が国はナソパ国との貿易をしたい。いい返事を期待しておる パスタニア皇国 ルイナ・ラハイヤ・サルハナ皇王』
これには、今まで静かに黙っていた国王も立ち上がり、目を見開いている。
それはそうだろう。他の国からの影響を受けないよう最善の注意を払っていたが、隣国からの手紙が入ってしまったのだから。
「では、私はこれで失礼致します」
私は堂々と城をあとにした。王様やあの馬鹿皇子は口をパクパク動かしていましたが、知るものですか。
これで、任務は完了!
さぁ、歩いて…帰りましょうか
────
どうも、作者です!
初めての令嬢者…っ!楽しみですね笑笑
全くこのあとの物語考えてないんですけどね( ̄▽ ̄;)
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