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第8話 その少女、絶品スープを食べる

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ナナイと私は出来上がったばかりの綺麗な家に足を踏み入れる。
森の秘密屋という感じでとても、自然の恩恵を感じる。窓が四方八方についていて風通りがよく、快適な空間となっている。

「おお。水もちゃんと出てくるし…火も勝手に出てくるのか…すごいな」
ほぉほぉと、家の設備を触って感心している

「それって、ナナイさんがしたんじゃないんですか…?」

「まぁあ…そうだね。僕は精霊使いだからね。そして、君は魔法使い」
右手で指をカッコよく鳴らして、私に指を刺してくる。うん。カッコつけなくてもいいんですよ?

「えっと…私魔法使えるんですか?」

「もちろん。僕の目には生まれた時からその子に魔力があるか見えるからね」

「そうなんですか…」
彼には、どんな風に私は見えているのかな…魔力が見えるって

「半信半疑なのは、分かるさ。ご飯を食べ終わったら修行を付けてあげるよ。僕は精霊使いだけど魔法使いでもあるから、先生にはなれるよ」

「じゃあ…よろしくお願いします」
私は深くお辞儀をした。

私に魔力があるというなら、頑張って魔法を使えるようになりたい!!
それにナナイが教えてくれるなら…なんだって頑張りたいしね。
これが生まれて初めての望みだった。



「今日のご飯は…肉と山菜スープでいいかな?」

「はい!手伝います」

ナナイはまた、帽子に手を突っ込むと今度はザルを取り出した。
「モンタール草っていう山菜を詰みにいこう。モンタール草は凄く栄養価が高くて美味しいんだ。色は夕焼け空のようなオレンジ色の綺麗な草だ。一緒に探しにいこう」
また、帽子を被り直すと、家の扉を開けて山菜を探しに行った。

30分ぐらいした時には、もうザルの中にはモンタール草がワサワサと入っていた。

「これ、美味しいんですか?」
確かに綺麗な色をしているけれど、とうてい食べれるとは思えない。

「ああ。不思議な美味な味だよ」

「へぇー!楽しみですね」
私は抱えているザルに入っているモンタール草を眺めた。

空はすっかり、このモンタール草の色、オレンジ色に染まっていて空には普段見るような可愛らしい鳥じゃなく、凄く大きいドラゴンみたいな鳥が夕方を知らせるかのように飛んでいた。

家に入ると、ナナイは早速鍋を水を入れ、火にかけ中にモンタール草とモンスターの肉をいれた。だんだんグツグツと煮えてきて調味料は入れてないはずなのに凄くいい香りが家中に漂う。

「もう少しですか?」

「そうだね。いい香りだろう」

「はい。モンスターの肉が入っているのに…これもモンタール草のお陰ですか?」

「おお。そうだよ。モンタール草がモンスターの肉の臭みを消してくれているんだ。因みにあのモンスターの品種はキングウルフだと思うよ」
ナナイは鍋をスプーンで混ぜながら教えてくれた。そうして、出来上がった料理をお皿の中に盛り付ける。
自然と二人の口からヨダレが垂れる。ただただ、美味しそうと思うからだ。

料理とスプーンを木製の丸いテーブルにちょこんと置いて、私達は向かい合った席に座る。

「じゃあ…」

「はい!」

「「いただきます」」

スプーンを手に取って、スープをすくう…
そして、思いっきり口に頬張る

「!!!!」
美味しい!!!何これ!凄い!使っているのは二種類の食べ物だけなのに、力が湧き出すような食べ物だ。一気に力が入る。
これが、本当の自然の恩恵というやつか。

ナナイと私はあっという間に沢山あったスープを食べきった。

「はぁー食った。食ったー」
ナナイがお腹をぽんぽこ叩いている。

「このあと、冬寧の魔法教えたかったけど明日やるか…何しろ…」
独りブツブツと手を顎に当てて考えている、ナナイさん。やっぱり優しい人だな…。

「ナナイさん!私お皿洗ってきます!」
席を勢いよく立ち上がりスープの入っていたお皿やスプーンを水があるとこに持っていき、蛇口を捻り水を出して洗う。

「洗い物ありがとうな。それ終わったら今日は疲れただろうし、寝よう」

「はいっ!」




ベッドは隣の部屋にあるみたいで、その部屋のドアを開ける。そこには、ふかふかのベッドが2個!
私は奴隷に堕ちて以降の久しぶりの、ふかふかベッドを満喫出来ることに胸が高鳴った。

「よし、じゃあ寝よう」

「「おやすみなさい」」


そうして、森での1日目が幕を閉じた。
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