1 / 52
1.青春を彩る1ページ
しおりを挟む――――辺りに誰もいない、放課後の屋上前の踊り場。
「......ずっと好きでした!付き合ってください!」
告白。それは本来ならば、甘く切ない青春を彩る1ページ。
俺はそれに言葉を返す。
「で? 何が目的なの?」
「..................え?」
「罰ゲームか?それともドッキリか?まあどっちでもいいけど。もう満足したか?俺、そういうの興味無いから。あ、今日スーパーの特売日だから俺もう帰るわ」
「え!?あ、ちょ、ちょっと......」
何か言いたげだが、聞く耳は持たん。どうせロクなことがない。
そもそも屋上は封鎖されてるからここ誰も掃除しなくて埃っぽいんだよ。そんなとこに呼び出すこと自体失礼だ。ついでに俺に風邪をひかせようったってそうはいかない。
今日はたしか野菜が安かったな。晩飯は何を作ろうか。
そんなことを考えながら下校した。
青春なんて――人間関係なんてくだらない。
そもそも青春っていったいなんなんだ?赤とか黄色とか青くない春は存在しないのか?青い春も意味わからんけど。青だと苦そうなイメージだしどうせならピンクにしろよ。ちょうど桜咲くし。
なんの話だっけ。
そうそう。ブルーハワイといえば、かき氷のシロップって色が違うだけで実は同じ味らしい。
俺はコーラかけて食べる派だからどうでもいいけど。
人は裏切るモノ。俺はそれをよく知っている。だからこの高校に入学して1年が経過し、2年生になった今でも友達もおらず「ぼっち」で過ごしている。
無視されているとか、イジメられているとかそういうワケではない。用事がある時は普通に話しかけてくる。俺は一人でいることを望み、周りもそれを察して放っておいてくれている。ただそれだけのことだ。
無理して一緒にいて愛想笑いばかりして疲れないのだろうか。時間は有限なのだ。有意義に使わないと。
授業を受けつつ、休み時間は小説を読んだり宿題をしたり。昼休みは静かな所で過ごして、授業が終われば誰よりも早く帰る。俺が帰宅部次期主将となる日も近いだろう。今の主将が誰かも知らんけど。
それが俺の日常。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説

切り札の男
古野ジョン
青春
野球への未練から、毎日のようにバッティングセンターに通う高校一年生の久保雄大。
ある日、野球部のマネージャーだという滝川まなに野球部に入るよう頼まれる。
理由を聞くと、「三年の兄をプロ野球選手にするため、少しでも大会で勝ち上がりたい」のだという。
そんな簡単にプロ野球に入れるわけがない。そう思った久保は、つい彼女と口論してしまう。
その結果、「兄の球を打ってみろ」とけしかけられてしまった。
彼はその挑発に乗ってしまうが……
小説家になろう・カクヨム・ハーメルンにも掲載しています。
雨上がりに僕らは駆けていく Part2
平木明日香
青春
学校の帰り道に突如現れた謎の女
彼女は、遠い未来から来たと言った。
「甲子園に行くで」
そんなこと言っても、俺たち、初対面だよな?
グラウンドに誘われ、彼女はマウンドに立つ。
ひらりとスカートが舞い、パンツが見えた。
しかしそれとは裏腹に、とんでもないボールを投げてきたんだ。
M性に目覚めた若かりしころの思い出
kazu106
青春
わたし自身が生涯の性癖として持ち合わせるM性について、それをはじめて自覚した中学時代の体験になります。歳を重ねた者の、人生の回顧録のひとつとして、読んでいただけましたら幸いです。
一部、フィクションも交えながら、述べさせていただいてます。フィクション/ノンフィクションの境界は、読んでくださった方の想像におまかせいたします。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
彗星と遭う
皆川大輔
青春
【✨青春カテゴリ最高4位✨】
中学野球世界大会で〝世界一〟という称号を手にした。
その時、投手だった空野彗は中学生ながら152キロを記録し、怪物と呼ばれた。
その時、捕手だった武山一星は全試合でマスクを被ってリードを、打っては四番とマルチの才能を発揮し、天才と呼ばれた。
突出した実力を持っていながら世界一という実績をも手に入れた二人は、瞬く間にお茶の間を賑わせる存在となった。
もちろん、新しいスターを常に欲している強豪校がその卵たる二人を放っておく訳もなく。
二人の元には、多数の高校からオファーが届いた――しかし二人が選んだのは、地元埼玉の県立高校、彩星高校だった。
部員数は70名弱だが、その実は三年連続一回戦負けの弱小校一歩手前な崖っぷち中堅高校。
怪物は、ある困難を乗り越えるためにその高校へ。
天才は、ある理由で野球を諦めるためにその高校へ入学した。
各々の別の意思を持って選んだ高校で、本来会うはずのなかった運命が交差する。
衝突もしながら協力もし、共に高校野球の頂へ挑む二人。
圧倒的な実績と衝撃的な結果で、二人は〝彗星バッテリー〟と呼ばれるようになり、高校野球だけではなく野球界を賑わせることとなる。
彗星――怪しげな尾と共に現れるそれは、ある人には願いを叶える吉兆となり、ある人には夢を奪う凶兆となる。
この物語は、そんな彗星と呼ばれた二人の少年と、人を惑わす光と遭ってしまった人達の物語。
☆
第一部表紙絵制作者様→紫苑*Shion様《https://pixiv.net/users/43889070》
第二部表紙絵制作者様→和輝こころ様《https://twitter.com/honeybanana1》
第三部表紙絵制作者様→NYAZU様《https://skima.jp/profile?id=156412》
登場人物集です→https://jiechuandazhu.webnode.jp/%e5%bd%97%e6%98%9f%e3%81%a8%e9%81%ad%e3%81%86%e3%80%90%e7%99%bb%e5%a0%b4%e4%ba%ba%e7%89%a9%e3%80%91/
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる