庭師見習いは見た!お屋敷は今日も大変!

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番外編1マイクとサラの甘い時間

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雨降って地固まるとでも言うのか、ミリーの影響で一歩前進した僕とサラは、夕食後の一時、庭の東屋の物置での逢瀬を楽しんでいた。

この物置は、使用人がパーティー時の休憩中に軽食を摘まんだり寛いだり出来るようにミニキッチンやトイレ、ソファーなどが置いてある。
ちょっと出世して庭師見習いから庭師のヒヨッコぐらいになった僕は、この物置の責任者なので鍵を持っているのだ。

外から見てもバレないように、ラグを持ち込んで床に座り、足元に光量を絞った灯りを置いている。
月が明るい夜ならそれすら灯さない。

「サラ…」

「マイク…」

こんな時に話すことなんて無い。
ただ抱き合って止まらないキスを繰り返す。
そして、サラを撫でる手も止まらない。

手触りのいい髪の中の頭蓋骨を撫で繰り回し、耳朶の軟骨を擦り、背骨に沿って指先を走らせる。
尾てい骨に行き着いた僕の指は少しそこをくすぐってそのまま下に下がろうとするけど、身をよじらせたサラに止められる。

キスの合間に息継ぎするように喘ぐサラが小さな声を出す。

「そこはダメ…」

ゾクゾクする。

腰に戻した手のひらを脇腹に滑らせる。
指先を立ててさかのぼらせて脇をなぞる。

「んっ…!」

二の腕の内側から腋窩を引っ掻くようにすると、サラがガバッと体を離した。

薄明かりでも分かるほど真っ赤になったサラが涙目で息を乱している。

「も、もう触っちゃダメ…」

「え…もう…戻るの?」

「違う。もっと一緒にいたいから…これ以上こんな触り方しないで。…我慢出来なくなるから…」

いや、我慢してるのは僕の方なんだけど…。

「ん。髪はいい?あと…肩」

「うん…動かさないでね」

ゔっ!つら…。
でももっと一緒にいたい。

僕はサラの髪の中に突っ込んだ手と、サラの肩をガッシリと掴んだ手は動かさずに、唇でサラを撫でた。

髪の生え際からこめかみ、額を通って眼窩では舌を出して突く。
ギュッと閉じたまぶたがしょっぱい。
イヤイヤをするように逃げようとするから唇を捕まえる。
そっと伸ばした舌先でサラの上顎をノックすると、ビクンと跳ねて僕にしがみ付いてくる。
僕の肩でサラを休ませて、僕はサラの耳に唇を移す。

「サラ」

「好き」

その言葉だけを繰り返して耳をねぶる。

「あ…」

「ん…」

サラももうそれしか言えない。



このまま時が止まればいいのに、と思うけれど明日の朝も早い。

名残惜しいけれど、手を繋いで暗い夜道を2人で帰る。

分かれ道の角で今日最後のキス。

おやすみ、サラ。
また明日。





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