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第80話 もう帰ってきたのか? ~ジェナサイド~
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ゾルダと自称するやつらを乗せた船が旅立ってから数日がたった。
竜天島はほとんど人が寄り付かない島だ。
それだけドラゴンが凶暴で人では太刀打ちできないからだ。
そんなところに好き好んでいく奴はいない。
もしあいつらがゾルダ率いる一行というのであれば……
無傷とは言わないが、あたいの願い事はこなしてくれるだろう。
時間はかかると思うが、あそこに住み着くドラゴンたちの数も減らしてくれるはず。
そうなればこっちも襲われる頻度は少なくなる。
今はどうなるかを待つってところかな。
失敗したら失敗したでそれはそれだしな。
お願いしたのはあの島へ行って秘宝を持ち帰ることだ。
どっからどう見積もってもあと数日は帰らないだろう。
その間、あたいはゆっくりと休ませてもらうよ。
そんなことをギルド長室で一人で考えていたら、廊下からものすごい勢いでノックする音が聞こえた。
『ドンドンドン』
「ギ……ギルド長ー!
ギルド長はいらっしゃいますかー」
慌てふためいたギルド職員が、あたいの部屋に入ってくる。
「なんだー
けたたましいな。
何があったんだ」
息を切らしたギルド職員は膝に手を当てながら、息を整えつつ言った。
「ふ……船が……船が帰ってきました」
「どこからの船だ?
ここでは船の行き来も多いし、船が帰ってきたぐらいで慌てることもないだろう」
「りゅ……竜天……竜天島へ行った船です!」
「何?」
流石にびっくりした。
ただ予想した以上の早さで帰ってきたということは……
あまり芳しくない結果だったのかな。
元魔王だというから期待していたんだが、とんでもない食わせ者だったかな。
「よし、船着き場へ向かう。
会って、直接確かめるぞ」
職員にそう言い残して、商業ギルドを後にした。
そして、船着き場へ向かった。
船着き場へ着くと、竜天島へ向かっていた船はあと少しで着岸するというところだった。
近くで着岸作業を見ていたあたいは、降りてくるゾルダ一行を見つけた。
「おーい、お早いお帰りだな。
上手くいかなかったのか?」
いち早く気が付いたのは男の方だった。
「ジェナさん、お出迎えいただきありがとうございます」
男は深々と頭を下げる。
そこに割って入ってきたのは、自称ゾルダという女だった。
「何を失敗した前提でお前は話をするのじゃ。
きちんとお前が望んだものを持って帰ってきているのじゃ」
「えーっ!
こんなに早くか?」
「はい。
いただいた絵で確認しているので、間違いないかと思います」
男はそう言うと、船から降ろされる大きな荷物を指した。
そこには、絵で記された物と瓜二つの物だった。
「確かに一緒だな。
あたいも初めて見るが、間違いなさそうだ」
あれだけのドラゴンがいる島でこれだけ短期間で持ち帰ってくるとは……
このゾルダと言うのは本物ということで良さそうだな。
「これでワシのことも認めたじゃろ?
どうだ?
今までの非礼を詫びたらどうなのじゃ」
「これで、ねえさまが本物とわかっていただけたでしょ」
女二人はあたいが信じなかったことを根に持っているのか、そのことを言ってくる。
男は間に入って、女二人を窘めているが……
まぁ、確かに女二人の言うことももっともなことだ。
ここは素直に謝っておいた方がいいだろう。
「あーっ、悪かったな。
これだけのことをしてのける奴はそう居ないし、お前がゾルダだってことは確かのようだ。
これまでのことは申し訳なかった」
「分かればいいのじゃ。
ワシはそこまでグチグチ言うつもりはないしのぅ」
「ねえさまが、そういうのであれば、マリーも特に何もないわ」
女二人は得意げな顔をして、あたいの方を見ていた。
そういう顔をしているってことは、やっぱり疑われたことを相当根に持っていたのかもしれない。
この謝罪でどこまで許してもらえるのかはわからないが……
ひとまずは謝ったし、この後の様子を見よう。
それにしても、どうやって我が家の秘宝を取り返してくれたのかが気になる。
ドラゴンを倒すにしてもそんなに簡単ではないはずだ。
「なぁ、あのドラゴンたちから、どうやって取り返してきたんだ。
口で言って何とかなるような相手ではないし、そこが不思議なんだ」
「それはのぅ。
オムニスは……」
女が何かを言いかけたところで、男が慌てて止めに入る。
もう一人の女も慌てているようだ。
「力でねじ伏せたというかなんというか……
屈服させてから、取り返してきました」
男は頭を掻きながらそう言った。
「あのドラゴンたちをか?
お前ら、相当強いんだな。
で、ドラゴンたちは殺したのか?」
ドラゴンが死んだなら、あの島へは行けるはず。
人の出入りが出来ない島だから、何かしらの珍しい商材はあるかもしれない。
あわよくばそれがいただければと思ったのだが……
「いや、瀕死までは追い込んだけど、倒すまでには……
動かなくなったうちに、目的の物を取ってきて……
まぁ、そういうことです」
「ん?
トドメは刺してないってことか?」
「そ、そうですね。
目的はメルナール一族の秘宝ですから……」
「そっか。
確かにお願いしたのは秘宝を持って帰るってところだからな。
でも、トドメを刺せるなら、刺してきてほしかったな」
「結構しぶといドラゴンだったので……」
かなり強いドラゴンではあるからな。
無理して反撃を受けるよりかはってところだろう。
「わかったよ。
無理して死んだら元も子もないしな」
とりあえず目的は達成してくれたし、それ以上臨むのは流石に欲張りか。
「ところで、お前。
これでワシがゾルダだってことはわかったのだから、早くアスビモの情報をよこすのじゃ」
「おいおい、ここでか?
今日は疲れているだろうし、明日改めてってことでどうだ?」
「ワシは急ぐのじゃ!」
女は駄々をこね始めたが、男がそれを見て、諌めはじめた。
「ゾルダ、そんなに急がなくても……
明日ゆっくり話を聞けばいいじゃないか?」
「待っておれんのじゃ。
少しでも早くアスビモのやつを……」
「はいはい。
気持ちはわかるけど、今日は止めておこう。
せっかく街にいるんだし、依頼の達成を記念して、少しだけ飲みに行こうか?」
その言葉を聞いた女は目を輝かせた。
だが、その態度とは裏腹な言葉を口にした。
「し……仕方ないのぅ……
ワシは急ぐのじゃが、お前が飲みたいって言うなら……」
「そうそう、俺が飲みたいから。
仕事終わりの一杯をさ」
「そこまで言うなら仕方ないのぅ……
なら、行くぞ」
女は男を引きずるようにして街の方へ向かった。
男は
「そういうことで、すみません。
明日また伺います」
そう言うと、一行は街へと姿を消していった。
「何なんだ、あいつらは……」
異様とも思える早さで竜天島から戻り、あたいの依頼をこなしてきた。
情報を急いでいるのかと思えば、酒に釣られて街へ行ってしまう。
破天荒にも程がある。
その傍若無人ぶりがまた魔王なのかもしれないな。
とりあえず明日までに、あたいが持っている情報を整理しておかないとな。
竜天島はほとんど人が寄り付かない島だ。
それだけドラゴンが凶暴で人では太刀打ちできないからだ。
そんなところに好き好んでいく奴はいない。
もしあいつらがゾルダ率いる一行というのであれば……
無傷とは言わないが、あたいの願い事はこなしてくれるだろう。
時間はかかると思うが、あそこに住み着くドラゴンたちの数も減らしてくれるはず。
そうなればこっちも襲われる頻度は少なくなる。
今はどうなるかを待つってところかな。
失敗したら失敗したでそれはそれだしな。
お願いしたのはあの島へ行って秘宝を持ち帰ることだ。
どっからどう見積もってもあと数日は帰らないだろう。
その間、あたいはゆっくりと休ませてもらうよ。
そんなことをギルド長室で一人で考えていたら、廊下からものすごい勢いでノックする音が聞こえた。
『ドンドンドン』
「ギ……ギルド長ー!
ギルド長はいらっしゃいますかー」
慌てふためいたギルド職員が、あたいの部屋に入ってくる。
「なんだー
けたたましいな。
何があったんだ」
息を切らしたギルド職員は膝に手を当てながら、息を整えつつ言った。
「ふ……船が……船が帰ってきました」
「どこからの船だ?
ここでは船の行き来も多いし、船が帰ってきたぐらいで慌てることもないだろう」
「りゅ……竜天……竜天島へ行った船です!」
「何?」
流石にびっくりした。
ただ予想した以上の早さで帰ってきたということは……
あまり芳しくない結果だったのかな。
元魔王だというから期待していたんだが、とんでもない食わせ者だったかな。
「よし、船着き場へ向かう。
会って、直接確かめるぞ」
職員にそう言い残して、商業ギルドを後にした。
そして、船着き場へ向かった。
船着き場へ着くと、竜天島へ向かっていた船はあと少しで着岸するというところだった。
近くで着岸作業を見ていたあたいは、降りてくるゾルダ一行を見つけた。
「おーい、お早いお帰りだな。
上手くいかなかったのか?」
いち早く気が付いたのは男の方だった。
「ジェナさん、お出迎えいただきありがとうございます」
男は深々と頭を下げる。
そこに割って入ってきたのは、自称ゾルダという女だった。
「何を失敗した前提でお前は話をするのじゃ。
きちんとお前が望んだものを持って帰ってきているのじゃ」
「えーっ!
こんなに早くか?」
「はい。
いただいた絵で確認しているので、間違いないかと思います」
男はそう言うと、船から降ろされる大きな荷物を指した。
そこには、絵で記された物と瓜二つの物だった。
「確かに一緒だな。
あたいも初めて見るが、間違いなさそうだ」
あれだけのドラゴンがいる島でこれだけ短期間で持ち帰ってくるとは……
このゾルダと言うのは本物ということで良さそうだな。
「これでワシのことも認めたじゃろ?
どうだ?
今までの非礼を詫びたらどうなのじゃ」
「これで、ねえさまが本物とわかっていただけたでしょ」
女二人はあたいが信じなかったことを根に持っているのか、そのことを言ってくる。
男は間に入って、女二人を窘めているが……
まぁ、確かに女二人の言うことももっともなことだ。
ここは素直に謝っておいた方がいいだろう。
「あーっ、悪かったな。
これだけのことをしてのける奴はそう居ないし、お前がゾルダだってことは確かのようだ。
これまでのことは申し訳なかった」
「分かればいいのじゃ。
ワシはそこまでグチグチ言うつもりはないしのぅ」
「ねえさまが、そういうのであれば、マリーも特に何もないわ」
女二人は得意げな顔をして、あたいの方を見ていた。
そういう顔をしているってことは、やっぱり疑われたことを相当根に持っていたのかもしれない。
この謝罪でどこまで許してもらえるのかはわからないが……
ひとまずは謝ったし、この後の様子を見よう。
それにしても、どうやって我が家の秘宝を取り返してくれたのかが気になる。
ドラゴンを倒すにしてもそんなに簡単ではないはずだ。
「なぁ、あのドラゴンたちから、どうやって取り返してきたんだ。
口で言って何とかなるような相手ではないし、そこが不思議なんだ」
「それはのぅ。
オムニスは……」
女が何かを言いかけたところで、男が慌てて止めに入る。
もう一人の女も慌てているようだ。
「力でねじ伏せたというかなんというか……
屈服させてから、取り返してきました」
男は頭を掻きながらそう言った。
「あのドラゴンたちをか?
お前ら、相当強いんだな。
で、ドラゴンたちは殺したのか?」
ドラゴンが死んだなら、あの島へは行けるはず。
人の出入りが出来ない島だから、何かしらの珍しい商材はあるかもしれない。
あわよくばそれがいただければと思ったのだが……
「いや、瀕死までは追い込んだけど、倒すまでには……
動かなくなったうちに、目的の物を取ってきて……
まぁ、そういうことです」
「ん?
トドメは刺してないってことか?」
「そ、そうですね。
目的はメルナール一族の秘宝ですから……」
「そっか。
確かにお願いしたのは秘宝を持って帰るってところだからな。
でも、トドメを刺せるなら、刺してきてほしかったな」
「結構しぶといドラゴンだったので……」
かなり強いドラゴンではあるからな。
無理して反撃を受けるよりかはってところだろう。
「わかったよ。
無理して死んだら元も子もないしな」
とりあえず目的は達成してくれたし、それ以上臨むのは流石に欲張りか。
「ところで、お前。
これでワシがゾルダだってことはわかったのだから、早くアスビモの情報をよこすのじゃ」
「おいおい、ここでか?
今日は疲れているだろうし、明日改めてってことでどうだ?」
「ワシは急ぐのじゃ!」
女は駄々をこね始めたが、男がそれを見て、諌めはじめた。
「ゾルダ、そんなに急がなくても……
明日ゆっくり話を聞けばいいじゃないか?」
「待っておれんのじゃ。
少しでも早くアスビモのやつを……」
「はいはい。
気持ちはわかるけど、今日は止めておこう。
せっかく街にいるんだし、依頼の達成を記念して、少しだけ飲みに行こうか?」
その言葉を聞いた女は目を輝かせた。
だが、その態度とは裏腹な言葉を口にした。
「し……仕方ないのぅ……
ワシは急ぐのじゃが、お前が飲みたいって言うなら……」
「そうそう、俺が飲みたいから。
仕事終わりの一杯をさ」
「そこまで言うなら仕方ないのぅ……
なら、行くぞ」
女は男を引きずるようにして街の方へ向かった。
男は
「そういうことで、すみません。
明日また伺います」
そう言うと、一行は街へと姿を消していった。
「何なんだ、あいつらは……」
異様とも思える早さで竜天島から戻り、あたいの依頼をこなしてきた。
情報を急いでいるのかと思えば、酒に釣られて街へ行ってしまう。
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こうした経緯があり、僕としての存在の抹消、僕は死亡したということになった。
そしてガイアスという新しい名前を授けられた上で、僕は王族から、王宮から放逐されたのだった。
しかしながら、派生魔法と言えど、ランクSともなればとんでもない魔法だというのが分かった。
生成、複製、精錬、創造なども可能で、鉱石が含まれていればそれを操る事も出来てしまうという規格外な力を持っていた。
この話はそんな力を持ちつつも、平々凡々、のどかに生きていきたいと思いながら旅をして、片手間に女の子を助けたり、街を救ったり世界を救ったりする。
そんなありふれたお話である。
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