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第51話 街の様子は… ~アグリサイド~
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ムルデの街が近づいてきた。
城塞国家の様相で、一面が高い壁で覆われている。
そのためか、中の様子は外からは伺えない。
城門も大きな構えをしていて、そこでは関所さながらの入念なチェックが行われていると聞いた。
高い城壁には憲兵が配置され、たとえ城壁を登ってもアリの子一匹入らせない厳重な警戒をしているとの話だった。
そこまで出入りを徹底していると聞いたため、何か粗相をして入れなかったらどうしようと思うと緊張する。
「何をそんなに緊張しておる
入れなくても、そいつらを倒せばいいことじゃ」
ゾルダは相変わらず脳筋な考えをしている。
たまにはしっかりと考えているときもあるけど、大体強さは正義的な考えだ。
「マリーもねえさまの言う通りだと思うわ。
マリーたちを止められるものはないですもの」
マリーもゾルダに影響されてか強硬派だ。
まぁ、魔族自体がそういうものなのかもしれない。
人の常識を当てはめてもとは思うが、でも今は人として行動しているのでなぁ。
あまり強引に進んで事を荒立てたくはない。
「ゾルダもマリーも頼むから自重してくれ。
なんとか通してもらうようにするからさ」
しばらく歩くと、城門の前に辿りついた。
門は固く閉じられている。
ただそこには憲兵らしき姿は見当たらなかった。
「あれー、ここに入門をチェックする人たちがいるはずなのになぁー」
フォルトナも辺りを見回すが、本当に誰もいないようだ。
「本当に誰もいないようだな。
勝手に入っていいんだろうか……」
大きな城門の脇にある出入り用の扉を開くかどうか確認してみる。
「ギィー……」
鍵などはかかっておらず開いているようだ。
「入れるようだねー」
フォルトナは周りをさらに確認しているが、人の気配はなかったようだ。
普段なら城壁の上にいる憲兵たちも見当たらないようだ。
「誰もいないのであれば、入っていいのじゃろぅ
さっさといくぞ」
ゾルダは出入り用の扉を開けてズカズカと中に入っていく。
「ちょっと待てって
普段と違うってことは何かあったってことだろ」
そう言って、ゾルダを止めようとするが、お構いなしだ。
どんどんと先に行ってしまう。
マリーもそれについてさっさとついていく。
俺とフォルトナは慎重に周りを確認しながら、恐る恐る扉の中へ入っていった。
分厚い城壁の中を潜り抜け、街の中へ出ると……
そこはよどんだ空気が充満しているような異様な雰囲気だった。
街の人たちはまばらで、いたとしても陰鬱な様子の人ばかりだった。
「なんか、聞いていた話と違うねー」
フォルトナも街の雰囲気が違うことに気づいたようだ。
「そうだな。
もっと人々の活気があって、明るい雰囲気の街だと思ったけど……」
来ている服もみすぼらしく、継ぎ接ぎだらけ。
やせ細っている体を見ると、満足に食べられていない様子に見えた。
「アルゲオが出ていたことで、どことも行き来が出来なくてこうなったのかなー」
フォルトナは心配そうに街の人たちを見ている。
「そうかもしれないな。
でも、明らかに変な感じがする」
そうだとしてもここまで急速に雰囲気が悪くなるものなのだろうか。
そうなる前にここの領主だって手を打たないわけがない。
それともそう出来ない状況なのか……
「ワシはこの雰囲気は好きじゃぞ。
この鬱屈とした感じ。
ゾクゾクするのぅ」
さすが元魔王のゾルダ。
人の嫌な雰囲気は好物みたいだ。
「ゾルダは好きなのかもしれないけど、明らかに他の街と様子がちがうだろ」
ニヤニヤするゾルダに対して、ちょっと突っかかるように言う。
「確かにそうじゃのぅ……
今までにない雰囲気というのはわかるぞ」
俺の態度にちょっと怯んだ様子のゾルダがそう答えた。
明らかに様子がおかしいのはわかるが、何が原因なのかはわからない。
いろいろと調べていく必要があるかもしれない。
と思った矢先に、マリーが突拍子もない行動に出た。
「ねぇねぇ、おにいさん。
なんか様子がおかしいんだけど、何か知っている?」
通りすがりの男の人に直接話を聞きに行きはじめた。
「…………
そんなことは知るか……」
そっけなく答える男の人。
明らかに生気がない。
「そんなこと言わないでね。
何か教えてよ」
マリーは諦めずにさらに追求しはじめる。
「この街はずっと前からこんな感じだよ。
領主の税は高くて、生活もままならない。
外へも逃げ出せず……
ここは牢獄街のようなものだ」
いらついた声で一気に捲し立てる男。
どうやら、アルゲオの存在以前の問題だったようだ。
「そんなこと知るかと言っておいて、知っているんだから。
それならそうと最初から言えばいいのに」
マリーは膨れっ面になってこちらに戻ってきた。
「あの……マリー?」
マリーの行動にビックリした俺はそう呼び止めてみた。
「何よ」
マリーはプンプンしながら答えてきた。
さっきの男の対応にご立腹のようだ。
「いや、何も直接街の人に聞かなくてもいいんじゃないかと……」
様子を探るとか調べるとかこの後やろうと思っていたことなんだが……
「なんで?
直接聞けばいいことでしょ?
その方が早くわかるわ」
それはおっしゃる通りですが……
でもこういうときは、無理せずに内密に調べるもので……
「街の人たちに聞いちゃうと、そこから何か周りに伝わっちゃうかもでしょ?
それで俺たちの存在を知られてしまうことになりかねないし。
もうちょっと慎重に行動してくれないと……」
黙って入ってきていることもバレかねない。
そう思い、マリーを諭してみるが……
「ふんっ、マリーはそんなことどうでもいいわ。
さっさと知って、さっさと片づける。
急がば直進ですわ」
俺の世界では『急がば回れ』なので……
ツッコミが追いつかない。
かといって好き勝手にさせる訳にもいかない。
「次からは気をつけて。
相手に知られないように、調べていくから」
そうマリーに伝えたけど、わかってくれるかな……
「そうなると、ボクたちが聞いた内容とは大きな違いがあるみたいだねー」
フォルトナは今までの報告と実情が大きく違うことを指摘した。
「憲兵もいないし、街の様子も聞いていたことと違う。
いろいろと調べてみる必要はあるかもしれない」
着いたばかりだけど、いろいろとこの街で起きていそうだ。
まずは調査を進めて全容を明らかにしないと。
「また、調査か……
頼むから、そういうのは手短にしてほしいのぅ」
ゾルダが嫌いな地道な活動になりそうなので、文句を言ってきた。
そうは言っても、何もわからないままではどうしようもできないし、我慢してもらうしかないかな。
城塞国家の様相で、一面が高い壁で覆われている。
そのためか、中の様子は外からは伺えない。
城門も大きな構えをしていて、そこでは関所さながらの入念なチェックが行われていると聞いた。
高い城壁には憲兵が配置され、たとえ城壁を登ってもアリの子一匹入らせない厳重な警戒をしているとの話だった。
そこまで出入りを徹底していると聞いたため、何か粗相をして入れなかったらどうしようと思うと緊張する。
「何をそんなに緊張しておる
入れなくても、そいつらを倒せばいいことじゃ」
ゾルダは相変わらず脳筋な考えをしている。
たまにはしっかりと考えているときもあるけど、大体強さは正義的な考えだ。
「マリーもねえさまの言う通りだと思うわ。
マリーたちを止められるものはないですもの」
マリーもゾルダに影響されてか強硬派だ。
まぁ、魔族自体がそういうものなのかもしれない。
人の常識を当てはめてもとは思うが、でも今は人として行動しているのでなぁ。
あまり強引に進んで事を荒立てたくはない。
「ゾルダもマリーも頼むから自重してくれ。
なんとか通してもらうようにするからさ」
しばらく歩くと、城門の前に辿りついた。
門は固く閉じられている。
ただそこには憲兵らしき姿は見当たらなかった。
「あれー、ここに入門をチェックする人たちがいるはずなのになぁー」
フォルトナも辺りを見回すが、本当に誰もいないようだ。
「本当に誰もいないようだな。
勝手に入っていいんだろうか……」
大きな城門の脇にある出入り用の扉を開くかどうか確認してみる。
「ギィー……」
鍵などはかかっておらず開いているようだ。
「入れるようだねー」
フォルトナは周りをさらに確認しているが、人の気配はなかったようだ。
普段なら城壁の上にいる憲兵たちも見当たらないようだ。
「誰もいないのであれば、入っていいのじゃろぅ
さっさといくぞ」
ゾルダは出入り用の扉を開けてズカズカと中に入っていく。
「ちょっと待てって
普段と違うってことは何かあったってことだろ」
そう言って、ゾルダを止めようとするが、お構いなしだ。
どんどんと先に行ってしまう。
マリーもそれについてさっさとついていく。
俺とフォルトナは慎重に周りを確認しながら、恐る恐る扉の中へ入っていった。
分厚い城壁の中を潜り抜け、街の中へ出ると……
そこはよどんだ空気が充満しているような異様な雰囲気だった。
街の人たちはまばらで、いたとしても陰鬱な様子の人ばかりだった。
「なんか、聞いていた話と違うねー」
フォルトナも街の雰囲気が違うことに気づいたようだ。
「そうだな。
もっと人々の活気があって、明るい雰囲気の街だと思ったけど……」
来ている服もみすぼらしく、継ぎ接ぎだらけ。
やせ細っている体を見ると、満足に食べられていない様子に見えた。
「アルゲオが出ていたことで、どことも行き来が出来なくてこうなったのかなー」
フォルトナは心配そうに街の人たちを見ている。
「そうかもしれないな。
でも、明らかに変な感じがする」
そうだとしてもここまで急速に雰囲気が悪くなるものなのだろうか。
そうなる前にここの領主だって手を打たないわけがない。
それともそう出来ない状況なのか……
「ワシはこの雰囲気は好きじゃぞ。
この鬱屈とした感じ。
ゾクゾクするのぅ」
さすが元魔王のゾルダ。
人の嫌な雰囲気は好物みたいだ。
「ゾルダは好きなのかもしれないけど、明らかに他の街と様子がちがうだろ」
ニヤニヤするゾルダに対して、ちょっと突っかかるように言う。
「確かにそうじゃのぅ……
今までにない雰囲気というのはわかるぞ」
俺の態度にちょっと怯んだ様子のゾルダがそう答えた。
明らかに様子がおかしいのはわかるが、何が原因なのかはわからない。
いろいろと調べていく必要があるかもしれない。
と思った矢先に、マリーが突拍子もない行動に出た。
「ねぇねぇ、おにいさん。
なんか様子がおかしいんだけど、何か知っている?」
通りすがりの男の人に直接話を聞きに行きはじめた。
「…………
そんなことは知るか……」
そっけなく答える男の人。
明らかに生気がない。
「そんなこと言わないでね。
何か教えてよ」
マリーは諦めずにさらに追求しはじめる。
「この街はずっと前からこんな感じだよ。
領主の税は高くて、生活もままならない。
外へも逃げ出せず……
ここは牢獄街のようなものだ」
いらついた声で一気に捲し立てる男。
どうやら、アルゲオの存在以前の問題だったようだ。
「そんなこと知るかと言っておいて、知っているんだから。
それならそうと最初から言えばいいのに」
マリーは膨れっ面になってこちらに戻ってきた。
「あの……マリー?」
マリーの行動にビックリした俺はそう呼び止めてみた。
「何よ」
マリーはプンプンしながら答えてきた。
さっきの男の対応にご立腹のようだ。
「いや、何も直接街の人に聞かなくてもいいんじゃないかと……」
様子を探るとか調べるとかこの後やろうと思っていたことなんだが……
「なんで?
直接聞けばいいことでしょ?
その方が早くわかるわ」
それはおっしゃる通りですが……
でもこういうときは、無理せずに内密に調べるもので……
「街の人たちに聞いちゃうと、そこから何か周りに伝わっちゃうかもでしょ?
それで俺たちの存在を知られてしまうことになりかねないし。
もうちょっと慎重に行動してくれないと……」
黙って入ってきていることもバレかねない。
そう思い、マリーを諭してみるが……
「ふんっ、マリーはそんなことどうでもいいわ。
さっさと知って、さっさと片づける。
急がば直進ですわ」
俺の世界では『急がば回れ』なので……
ツッコミが追いつかない。
かといって好き勝手にさせる訳にもいかない。
「次からは気をつけて。
相手に知られないように、調べていくから」
そうマリーに伝えたけど、わかってくれるかな……
「そうなると、ボクたちが聞いた内容とは大きな違いがあるみたいだねー」
フォルトナは今までの報告と実情が大きく違うことを指摘した。
「憲兵もいないし、街の様子も聞いていたことと違う。
いろいろと調べてみる必要はあるかもしれない」
着いたばかりだけど、いろいろとこの街で起きていそうだ。
まずは調査を進めて全容を明らかにしないと。
「また、調査か……
頼むから、そういうのは手短にしてほしいのぅ」
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